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★三題噺やりませんか?★

1 :主催者:01/10/20 00:26
タイトルの通りです。三題話をやりましょう。まずは、ある程度の数
お題を募集します。お題決定は基本的に私がやりますが、
今後いないときはどなたかが三つ決定していただいて結構です。
三題噺ネタ参加者も同時に募集します。

それではお題をどうぞ。

2 :重要無名文化財 :01/10/20 00:31
んじゃ「ヘクトパスカル」で。

3 :重要無名文化財:01/10/20 00:44
それでは「秋刀魚が焼けた」で。

4 :重要無名文化財:01/10/20 00:51
「近江八景瀬田の唐橋」で。

5 :名無しさん:01/10/20 00:53
「夜食」でお願いします。今丁度食ってるので。

6 :重要無名文化財:01/10/20 01:01
三題噺のお題って名詞に限るのが普通なのだが?>>1

7 :重要無名文化財:01/10/20 01:17
「プロジェクトX」で。

8 :主催者:01/10/20 02:10
そうですね、>>6氏の指摘の通り、名詞に限る方が普通ですし、
作りやすいと思うので、皆さん名詞限定でお願いします。
説明不足で申し訳ありません。

9 :重要無名文化財:01/10/20 14:24
出版社の入社試験思い出すな

10 :重要無名文化財 :01/10/21 01:14
↑へぇ、三題噺が試験なんておもしろいね

んじゃあ、「携帯」で

11 :重要無名文化財:01/10/21 01:17
>>1
三題噺はどこで公開するわけ?

12 :主催者:01/10/21 02:30
>>11
ここでいいのではないでしょうか?
長くなるなら幾つかに切ってレスするとか。

三題噺作家さんはコテハンで書くか、「その1・その2」などで自分の作品だと
区別できるように(横レスが入っても分かるように)して下さい。
作品がある程度集まったら、秀逸作品を選んだり批評したりしましょう。
そして、次のお題集めとしますか。
作家さんは、自分の演題のタイトルをどこかに書いて下さい。
(後で募集しても構いません)

私としては、どこかの落研の人や本職の芸人さんがネタとして使用願いを出す
ぐらいのレベルの作品が出る事を願っています。

時期を逸すると何なので、早速3つ選びます。独断ですのでご容赦を。
「近江八景瀬田の唐橋」
「プロジェクトX」
「携帯」
以上三題です。これらを用いて、噺を作って下さい。
応募お待ちしています。

13 :主催者:01/10/21 02:34
追記します。

作品の中でお題が出た時にはわざとらしいですが、
(パチパチパチ)の拍手を自ら書いて下さい(藁



熊「するってぇと、御隠居さんも携帯を買ったんですかぃ?」(パチパチパチ)

14 :重要無名文化財:01/10/21 14:07
お笑い小咄板にスレあったよ。
【三題噺】
http://ebi.2ch.net/test/read.cgi/owarai/1002888286/

15 :重要無名文化財:01/10/21 16:12
伝統芸能板の住人でやるっていう趣向でしょ?

16 :重要無名文化財:01/10/21 16:25
http://www.sex-jp.net/dh/01/

17 :湖亭半弗:01/10/21 17:11
ここは、お題を自由に選べるわけではないから(お笑い小咄板はお題の自由選択)
参加者の実力が問われるね。
「近江八景瀬田の唐橋」「プロジェクトX」「携帯」ね。

大坂のウマの合いました喜六清八という二人連れ。伊勢参宮の帰り途中、
見物に近江八景瀬田の唐橋までやってまいります。(パチパチパチ)
喜「あぁ、清やん。ええ眺めやなぁ。」
清「そうやなあ。瀬田の唐橋は有名な所やさかいなぁ。」
喜「何で有名やねん?」
清「確かな事は知らんが、更科日記なんかにも出てるて言うなぁ。」
喜「サラシの日記・・・、やくざの出入りの話か?」
清「あんじょうきけ、まぁお前に言うても分からんやろが、昔のえらい人が書いた回想録やな。」
喜「えらいちゅうと?」
清「この作者は、菅原孝標女ちゅうてな。この人の家系は皆学者の出やからな。」
喜「学者の娘が出入りにいたんか?」
清「出入りから離れぇ、ええ加減に。まぁ苦労して生きてきた後に、思い出して書いたんやろな。」
喜「ほな、えらい苦労したんか。」
清「そや。」
喜「どれくらい?」
清「どれくらい?どれくらい・・・、知らんで、わし。」
喜「プロジェクトXでやるぐらい?」(パチパチパチ)
清「知らんがな、無理矢理やなせやけど。」
わぁわぁ言いながら道をとっていきます。そうこうするうちに
だんだんと辺りも暗うなってきて、山道のこってすさかいに、
二人並んでトボートボ・・・。(ボーン)

18 :湖亭半弗:01/10/21 17:22
喜「せやけど清やん、物知りやな。」
清「お前が物知らずなだけじゃ。」
喜「・・・えらい暗うなってきたな。」
清「山道てなもんは夕暮れ前に暗うなるもんやがな。」
喜「そうか。ほんならええわ。・・・清やん。」
清「何じゃい?」
喜「携帯、アンテナたてへん。」(パチパチパチ)
清「何で持っとるねん、お前!おけ、そんなもん。」
喜「ほんまに暗うなってきて・・・、野宿でもせんならんかな?」
清「ほんに・・・、こら暗いな。ここらで野宿した方が無難やな。」
都合のええ場所を見つけて、その日は寝ます。
明け方ごろ、何やら煙りみたいなもんが二人の周りを立ち込めてくる。
喜「何じゃなんじゃ、火事か清やん!」
清「やかましなぁ、川でも近くにあるんじゃろ。百人一首でも「あさぼらけ宇治の川霧たえだえに・・・」
てなこというてな。明け方には霧が出るんや。」
喜「能書きはええさかいに。これは霧やのうて、どう考えても煙やと思うで。」
清「(クンクン)ほんまや、こら鯵(アジ)の干物の焼いてる匂いや。お、あそこに火がみえる。お?あそこで焼いとぅるな。」

親父「何じゃあんたがた?」
喜六「あんたがたやないがな、その煙で起こされたんやがな、わしら。」
親父「何じゃ、野宿をしてなさったか、そらすまなんだ。」
清八「一体ここはどの辺でやすか?」
親父「ここは膳所の山中じゃ。」
清八「ははぁ、なるほど。あっきの下の句「あらわれわたる膳所の鯵(アジ)の火」や。」

ドンドン

19 :重要無名文化財 :01/10/21 22:07

なかなかうまい

20 :重要無名文化財:01/10/22 00:38
八っあん「御隠居さん、てぇへんだ!」
御隠居「いたたたた、おい何をする。毛をひっぱるな、毛痛い毛痛い。」(パチパチパチ)
八っあん「さっき辰公に出くわしたらね、プロジェクトXだプロジェクトXだっていうんだよ。」(パチパチパチ)
御隠居「ああ、NHKでやってるな。それがどうした。」
八っあん「薦められてみたはいいんだけどさ、おもしれぇんだこれが。」
御隠居「ああ、そうだろうな。あの番組は中年層にうけてるんだってな。」
八っあん「俺も出ようかと思って。」
御隠居「馬鹿なことをいっちゃあいけない。お前がどうしたって、向こうが決めてくれなければしょうがないぞ。」
八っあん「俺は見てのとおり大工だ。だから、今から近江八景瀬田の唐橋を修繕しに行くんだ。」(パチパチパチ)
御隠居「また遠いところへ行くんだな。で、何が大変なんだぃ?」
八っあん「おう、それよ。近江八景だけにゼゼがねぇんだ。」
御隠居「そんな落ちじゃあ終わらせないよ。」
八っあん「何でもいいから、路銀出してくんねぇかな?」
御隠居「そう言われてもねぇ、わずかばかりのお金しかあたしだって出せないよ。」
八っあん「しょうがねぇな、家族ともども道々でゴザひいて茶碗を置いて、おありがとうございなんて言いながらいくか。」
御隠居「おいおい、そんなんでどうやって家族に飯を食わすんだ。」
八っあん「なぁに、仕事で行くのが瀬田の唐橋だ。橋(箸)と茶碗で食わせます。」

ドンドン

21 :重要無名文化財:01/10/22 21:04
age

22 :主催者:01/10/23 01:32
江戸・上方両方から一つづつ集まったようですね。
もう2・3作品集まると嬉しいですね。

両方とも凄い上手いと思います。
半弗さんは本格上方落語な雰囲気がありますし、サゲも古典チックでいいですね。
もう一つの江戸の作品も、テンポ良くお題を出して、突っ込まれないうちに落ちへという
流れが上手いです。

ちょっとお題が難しいとも思いますが(特に近江八景)、
才能を駆使して重ねて募集します。

23 :T.K.:01/10/23 04:58
「近江八景瀬田の唐橋」「プロジェクトX」「携帯」

あ「家にかけてもいないから携帯にかけてごめんね。今どこに居るの?」(パチパチ)
い「新幹線の中、名古屋越えてもう時期新横浜」
あ「どこに行ってたの?」
い「近江八景瀬田の唐橋見て来た帰り」(パチパチ)
あ「それどこ?」
い「京都からちょっと行ったところだよ。それよりなに?」
あ「実は面白い物発明したんで聞いて欲しいんだ。
  家庭用のジェットバスってお風呂あるじゃない。」
い「あるね」
あ「あのジェットを右前から左後ろへ、左前から右後ろって交差させてみたら
けっこう気持ちいいんだよ。これ売ろうと思うんだけど、良い名前ない?」
い「風呂のジェットを×(バツ)のように交差させてるの?んーーーバツじゃなく
  エックスって事で『風呂ジェットX』ってのはどう?」(パチパチ)
あ「今夜時間あるなら飲まない?神奈川県は地元だから横浜界隈の良い店知ってるんだ」
い「ごめん、予定入ってて。それに新横浜もう出ちゃったし」
あ「じゃそのうち飲もうよ」
い「了解。・・・・あれ?もしもし?急に切れたな」
社内アナウンス「まもなく東京」
い「切れるはずだ。県外だ」

24 :重要無名文化財:01/10/23 05:09
ストーリーがスマートでいいね
風呂ジェットは無理矢理でワロタ

25 :重要無名文化財:01/10/23 23:14
ここ何気に良スレだね。
もっと読みたいなぁ。

26 :重要無名文化財:01/10/23 23:23
「らくごのご」みたい。面白いし懐かしいにゃ。

27 :重要無名文化財:01/10/23 23:35
↑「らくごのご」懐かしいね。
特に、お題を無理矢理入れてるのがざこばっぽくて(毛痛いとか風呂ジェットXとか)

28 :T.K.:01/10/24 01:39
ところで「瀬田の唐橋」ってなんて読むの?(笑)
「せたのからはし」?「とうはし」?

29 :重要無名文化財:01/10/24 01:43
「おうみはっけいせたのからはし」だよ>読み方

30 :T.K.:01/10/24 03:38
もういっちょ。「携帯」「プロジェクトX」 「おうみはっけいせたのからはし」

我々噺家のほうでは、よく符丁なんてのを使います。
食べる事を「ノセル」なんて言い、数字の1、2、3を
「ヘイ」「ビキ」「ヤマ」などと言います。符丁を使うのは
我々だけではございません。ミュージシャンの方は1、2、3を
「ツェー」「デー」「イー」と言うそうですし、吉野屋ではつゆ多めを
ツユダクなんて言うそうです。あまりお世話に成りたくないのですが
警察の方にも符丁なんてのがあって、犯人を「ホシ」、自白することを「ウタウ」などと
言うそうで

刑事「取り調べを始める。名前、年齢を言うように」
容疑者「青海三朗、30歳」
刑事「2丁目のバー、ラウンジ・セタノでマスターをしてるヒロユキ氏を知ってるね」
青海「はい。あの店の常連でしたから」
刑事「ヒロユキ氏が殺害された昨日の火曜日の夜9時ごろ。なにをしてました?」
青海「8時半に仕事が終り家に帰ったのが9時。恋人の美由紀とNHKのプロジェクトXを
   見てました」(パチパチ)
刑事「その後は」
青海「10時に友達に電話してそいつらと10時半から朝まで自宅近くの雀荘にいました」
刑事「9時代のアリバイがありませんね」
青海「確かに美由紀とTV見てた証拠にマージャンの最中に番組の話してました」
刑事「その番組のタイトルと、友達と話した内容を覚えていますか?」

31 :T.K.:01/10/24 03:39
青海「タイトルは『巨大掲示版の危機を救え』でした。みんなで『夜勤さんは悪くない』
   と話してました」
刑事「嘘を言うな。お前がラウンジ・セタノから走って逃げてく所を見た証人がいるんだ。
   近くのコンビニの防犯カメラの複数に店外を走ってるお前の姿も映っている」
青海「しかし・・セタノにはTVはありませんし、番組の話したのは店員も知ってるはずで・・」
刑事「これは電話会社に取り寄せたお前の携帯の通話記録だ。(パチパチ)9時15分から
   10時まで自分の家にかけているな。お前は家に帰らずにラウンジ・セタノに行き、
   TVの音を携帯ごしにイヤホンで聞きながらヒロユキ氏を殺しそれから雀荘に向かった。
   どうだ?青海吐けぃ」
青海「セタノから走って逃げたのは私です」(ちょっとパチパチ)
刑事「解らない人がいるのでもう一度。・・・・おうみはけい」
青海「せたのからはし・・って逃げたのは私です」(パチパチ)

若手刑事「先輩、よく青海容疑者をウタわせましたね。」
刑事「じつは先にやつの恋人を追求したらプロジェクトX見てないと吐いたんだよ」
若手刑事「あー最初にミユキがウタッたんだ」

(ドンドン)

32 :湖亭半弗:01/10/24 03:51
>T・K氏
うまいですねぇ。近江八景瀬田の唐橋の使い方なんか最高ですね。
ちょっとパチパチが臨場感があって個人的に好きです。

33 :     :01/10/24 15:18
話のタイトル考えてみました。
半弗さんのは「近江路」
匿名さんのは「プロジェクトX出演計画」
T・Kさん一作目は「デッキにて」
二作目は「取り調べ」
いかがでしょう。

34 :T.K.:01/10/24 16:05
11に主催者がタイトル書けと言ってますね。
33さんの考えたので私はいいです。はい。

35 :重要無名文化財       :01/10/24 16:20
主催者さん
お笑い板からの提案ですが、
お笑い板三題噺:ジャンル自由・御題はよりどり
こちらの三題噺:ジャンル落語指定・御題は一律で
というのはどうでしょう。
住人の感じからして、その方がいいように思いまして。

36 :重要無名文化財:01/10/24 16:22
http://www.f2.dion.ne.jp/~impact8/

37 :重要無名文化財:01/10/24 16:58
そろそろ新しいお題キボン

38 :主催者      :01/10/24 21:19
お待たせしました、主催者です。
またいくつか集まったようでありがとうございmす。
T・Kさんの作品は・・・いいですねぇ。
無理やりなのがたまらなくいいですね。両方とも現代をテーマに
作られていて、三題噺らしいみずみずしさがあります。
ちょっと不勉強で「取り調べ」のほうのサゲがわからないのですが・・・。

噺のタイトルは自薦他薦、両方OKです。>>33さんのように
提案あり、自分でつけたいのがあれば名づけるのもありです。

>>35さんのいうとおり、それでいいと思います。
私としては、上のほうで述べた通りに、本格的な三題噺が
参加者で繰り広げられるのが希望なので、ここは形式は
落語オンリーでいきましょう。お笑い板では自由度が高いみたいなので、
こちらは形式を整えることで、住み分けたいと思います。

読んだ感想も、遅レス大歓迎ですから(作者も喜ぶと思うので)お願いします。

それでは、第二回御題取りに移ります。
あんまり多いと選ぶのが大変なので、レス一回につき一つでお願いします。
(規定だらけで厳しいでしょうか?お笑い板の方も落語形式と
 三題入れていただければ参加自由なので、お気軽にお越しください。)

39 :重要無名文化財:01/10/25 00:18
「正露丸」

40 :重要無名文化財:01/10/25 00:28
終身名誉監督

41 :T.K.:01/10/25 00:30
プロジェクトXの主題歌は中島みゆきが歌っているんです。

42 :主催者:01/10/25 00:41
>T・Kさん
なるほど!!そういうサゲでしたか!それで分かりました。
すいません、サゲの説明なんて野暮なことさせてしまいまして・・・。
主催者は物知らずですから、あきれず懲りずに挑戦して下さい(藁

43 :重要無名文化財:01/10/25 00:47
やかん

44 :重要無名文化財:01/10/25 00:49
「吉田茂」てぇのはどうです?

45 :重要無名文化財:01/10/25 01:09
言問橋
本格的な話きぼんぬ

46 :主催者:01/10/25 03:20
それでは私は寝ますが、その前にお題が5つ集まったようなので、
お題を三つ選びます。
「終身名誉監督」
「やかん」
「吉田茂」
です。選に漏れたうちの、「言問橋」は、個人的に面白くなりそうだったのですが、
前に橋が出たのであえてきりました、ごめんなさい。
多数の作品、お待ちしています、難しく考えずに気楽にチャレンジしてください。

47 :重要無名文化財:01/10/25 09:45
何気に名スレの予感。ワッショイワッショイ!

48 :重要無名文化財     :01/10/25 14:22
「終身名誉監督」
「やかん」
「吉田茂」

熊さん「おぅ、ご隠居さん、いますかぃ?」
ご隠居「おや、熊さんじゃないか、こっちへあがりな。」
熊さん「えぇ、なんでもね、ご隠居さんが終身名誉監督におなりんなったそうで、
    それでお祝いにかけつけたんですよ、えぇ。」(パチパチパチ)
ご隠居「あたしゃ長嶋さんじゃないよ。向かい筋の修さんに姪が一人いてな、
    それの勉強の監督、まあ家庭教師とでもいうかな。年寄りの何とやらで
    やることになったんだよ。」
熊さん「あぁ、修さんの姪の監督、ね。あっしはまた終身名誉監督だと思っちゃった。
    んで、ご隠居さんは何を教えるんです?」
ご隠居「あたしゃ、英語だとか算数だとかは苦手だからね。昔の事、そうだね、国語とか
    歴史なんかを教えるよ。」
熊さん「なんだか次のお題の使い方が分かっちゃった気もしますがね、今、歴史って
    言いやしたね?どの辺りを教えてるんです?」
ご隠居「えっつと、確かね・・・、そうそう、吉田茂のとこだね。」(パチパチパチ9
熊さん「何ですかその、よし!ダッシュで蹴るってえのは。サッカーの選手ですか?」
ご隠居「無理やりだな、この人はな、昔の総理大臣だ。」
熊さん「へぇえ、あっしはね、総理大臣てへのは、小泉さんしか知らねえんですよ。
ご隠居「今のだけだね。」
熊さん「あとは石橋湛山。」
ご隠居「マニアックなのを知ってるんだな。ちょうど戦後の内閣でな、
    長期政権だったんだよ。」
熊さん「何かあれですね、学研の漫画みたいになってみましたね。」
ご隠居「そりゃしょうがないよ。内容が内容だからな。吉田首相は
    サンフランシスコ講和条約や日米安保条約にも調印した政治家だ。」
熊さん「あぁ、一億火の玉とか、夜間(やかん)爆撃とかやったんですね。」(パチパチパチ)
ご隠居「違うよ、お前さん何を聞いてたんだ、戦後だといったろう。」
熊さん「聞いてますよ、ですからソフランCの条約やニチレイ・ぺヤング条約に
    チュウインガムを押し付けたんでしょ?あぁ、焼きそばくいてぇな。やかん貸してください。」
ご隠居「・・・頭痛くなるね、お前さんと話してると。そんな条約ないよ。」
熊さん「しかしまぁ、ご隠居さん。見てきたようにペラペラ難しいことがよくいえますね。」
ご隠居「何を言う、私ゃ吉田首相見たことあるよ。本物を。」
熊さん「え?けど、ずいぶん昔の人でしょ。」
ご隠居「私だって伊達に年食っちゃいないんだよ。若いときに見たんだよ。」
熊さん「へぇえ、だからご隠居の事を生き字引って皆が呼ぶんだ。いったいいくつまで生きるんですか?」
ご隠居「決めてるわけじゃないが、今が70だから・・・、あと30年は生きたいね。」
熊さん「今が70であと30年?あぁ、これじゃあ、こっちの終身名誉監督も、
    永久に不滅だよ。」

どんどん
   

49 :重要無名文化財     :01/10/25 15:42
>>48
「やかん貸してください」が何気に面白い。
サゲが駄洒落じゃないのも好感触だね。

50 :夢藻助:01/10/25 17:33
じゃあ、私も。

「終身名誉監督」「やかん」「吉田茂」

徳さん:「なんか寒い季節になってきましたね。」
円漠:「そーだなぁ。なんか暖かいものでも食うか。」
拓也:「いいっすね。」
円漠:「何がいいかねぇ。」

(しばらく黙り込む3人。テレビの音だけが部屋に響いている)

拓也:「日本シリーズやってますよ、徳さん。」
徳さん:「そーだな。でもよぉ、ヤクルトじゃ物足りないんだよな。」
円漠:「ははぁ、徳さんは巨人ファンだから『やっかん』でんだな。ヤクルトに。(パチパチパチ)」
徳さん:「やっぱ、巨人が強くないと面白くないんだよ。野球ってよ・・・」
拓也:「巨人ですか・・・そーいや長嶋監督って『終身名誉監督』になったんですよね。(パチパチパチ)」
徳さん:「そーよ。やっぱ野球界にはあいつがいないとな。ちっとも面白くない。」
拓也:「そーかなぁ。」
円漠:「僕もそう思う。長嶋監督が居ないほうが巨人は強いんじゃないかと・・・。」
徳さん:「何だとバカヤロー!」
拓也:「徳さん。それってもしかして『吉田茂』のマネ?(パチパチパチ)」
徳さん:「吉田茂って誰だよ。2人とも俺のことをバカにしやがってよ。」
円漠:「何もバカになんてしてないよ、徳さん。」
拓也:「そーだよ。」

徳さん:「もういいわ。頭に来た。早く何か食わせろよ。まったく。」
拓也:「で、結局何を食うんだっけ?」
円漠:「そうだ!鍋にしましょうよ。鍋に。」
拓也:「何でまた急に・・・」

円漠:「だって、この季節も長嶋監督もさ、鍋(ナベ)がつきものでしょう。」
徳さん:「いい事言うねえ、お前。」

円漠:「ついでに鍋にも吉田茂にもダシが入ってますしね。」

徳さん&拓也「・・・・・。おー寒(さみ)。」

どんどん

51 :重要無名文化財:01/10/25 18:03
初投稿。時事ネタ絡みだから間にあってよかった。
では、「終身名誉監督」「やかん」「吉田茂」

部下:「オーナー、もうじき日本シリーズ第5戦、始まりまっせ」
オーナー:(以下オ)
「お、もうそんな時間かいな。今日でいよいよ胴上げか?
 しかし、この時期で『夜間(やかん)』試合では、寒いやろな」(パチパチパチ)
部下:「いきなりなんでそんな無理矢理な熟語で…ナイターでよろしいがな」
オ:「ナイターというのはな、君、あれは和製英語や」
部下:「それやったら、ナイトゲームと言いなはれ」
オ「なんや? 今日は中止か?」
部下:「違いますがな!」
オ:「しかし情けないなぁ、毎年この時期は余所のチームばっかりで」
部下:「オーナー、ウチのチームも新しい監督を用意したほうがよろしいで」
オ:「せやな、嫁はんの脱税やらなんやらで世間もうるさいしな」
部下:「そうでっせ、なにしろ永遠のライバル、ガイアンツでは
 終身名誉監督とかいうのまで作って、えらい盛り上がってまっせ」(パチパチパチ)
オ:「それやがな、ウチにもあれを作りたいのやが、誰かおらんもんか?」
部下:「そうですなぁ、向こうの人に対抗できる人と言うたら
 天覧試合で打たれて死ぬまで『ファウルや』言うてた人が…」
オ:「あれはな…ファウルや」(関係なくてもここでもパチパチ)
部下:「そ、そうでしたな、えらいすんません」
オ:「それよりも、まだ生きてる人間で探さんかい」
部下:「オーナー、おりますがな、昭和60年にウチのチームを優勝に導いた…」
オ:「あぁ、吉田茂か?」(パチパチパチ)
部下:「あの人はそんな名前でしたか?」
オ:「もうなんでもええから、彼をここへ呼んでくれ」

OB:「お呼びですか? オーナー」
オ:「おお、来てくれたか。実は今度な、君に我がチームの
 終身名誉監督になってもらうことになったんじゃ」
OB「お断りします!」
オ:「えらいまた、あっさりと…しかしなんでじゃ? 悪い話やないと思うが」
OB「フロントがアホでは野球はできません」
オ:「バカヤロー! なんということを…君、呼ぶ人間を間違えとらんか?
部下:「申し訳ございません。オーナーのしょうもないボケのせいで
 国会に電話をしてしまいました」
オ:「もう許さん。今日をもって我がチームはやめじゃ!」
部下:「そんな、どうかお考え直しを」
オ:「いや、これでええのや。ウチのチームもバカヤロー解散や」

どんどん

52 :重要無名文化財:01/10/25 18:29
キヨ「今年は残念やったな」
ニシ「そうですね」
キヨ「だいたいな、うちのチームはおとなしすぎるんや」
ニシ「そうですかね」
キヨ「昔はな、瞬間湯沸し機と呼ばれた選手がぎょうさん
   いたもんや」
ニシ「今は沸かす人っていないですもんね」
キヨ「ほんまになぁ。ヤカンみたいに時間がかかる奴
   ばっかりや(パチパチパチ)」
ニシ「でも昔の人ってそういう人多いですよね、あの吉田茂って
   人も(パチパチ)バカヤローって言って国会解散したん
   ですよね」
キヨ「誰やそれ。知らんわ」
ニシ「しょうがないなぁ。燃える人って他に誰がいるかなぁ、
   あっそうだ、うちの監督ですよ、ホラ長島さん」
キヨ「そんならわかるワ。そういえば終身名誉監督になったん
   やったな(パチパチ)。終身ということは、いつでも
   教えてもらえるちゅうことや。よーし、今から監督の
   家に行って闘魂注入や!」
ニシ「今からですかぁ?」

ピンポーン、ピンポーン
キヨ「こんばんは!監督いらっしゃいますやろかー!」
亜希子夫人「あらごめんなさい、うちの人、もう寝たのよ」
ニシ「あ、就寝名誉監督」

ドンドン

53 :重要無名文化財:01/10/25 23:01
みんなすごいっす。どのくらい考えて思いつくの?
私は歌舞伎が好きでこの板に来てるのですが
落語も聞きたくなりました。(ってか、落語でいいのよね?)

54 :主催者:01/10/26 00:45
皆さんご苦労様です。
今日は精力的に作品が集まって喜ばしいですね。
大方の予想通り、野球がらみのストーリーが多いですが、
どれも秀逸ですね。

作家の方に出来るだけのお願いなんですが、
よろしければ私や皆が感想・批評がしやすいようにコテハンで
お願いしたいのですが。
また、読者の方も、お題とりや感想、タイトル名の候補など
気軽に出来る参加もありますのでよろしくお願いします。

>>53さん
このスレッドの三題噺は落語形式オンリーになっていますが、
兄弟スレで、お笑い板(ジャンル・お題決定が自由な)もありますので、
覗いてみてくださいね。落語に興味を持って下さって嬉しいです。

感想ですが、
一つ目「御隠居教師(仮)」は、ストーリーが野球にかたよらずに
歴史の知識をふまえて、落語的に仕上がっていていいですね。
二つ目「G党の徳さん(仮)」は、パロディ風に日本シリーズをみる彼を
うまく使っていて、親しみがわく作品です。さげも好きです。
三つ目「伝統の一選(仮)」は、ある球団のオーナーの苦悩が
生き生きとしています。タイトルは終身名誉監督選びからつけました。
四つ目「2001年オフ、巨人軍(仮)」は、長嶋さんの人柄がよく分かるような
展開で、選手のやりとりも妙に可笑しくて好きです。

55 :湖亭半弗:01/10/26 02:24
いやはや、これはまた難しい・・・。
「終身名誉監督」「やかん」「吉田茂」ですか・・・。
かなり冒険して古典落語っぽくやってみます。

今日は古い古い噺を聞いて頂きます。江戸時代の仇討ちちゅうのは芝居やなんかでは、
かっこよぉ描かれたりしとりますが、ほんまは大変辛いもんやったそうで。よぉ「父の仇」
てな事いうて、白装束で揃えた若兄弟とかいう構図がありますが、とてもやないけど、それだけの
お金がおまへんねやな。遠い遠い国元からあちらこちらを探し回るうちに、餞別やら何や皆尽きてしまう。
田舎の藩なんかで殿様の許しを得て出かけてますさかいに、見つからん内は帰れん。無茶して帰れば、
「武士にあるまじき振る舞い」とかいわれて逆にこっちが罪になる。えらい災難ですが。

侍「あぁ、許せよ。」
伊八「へぇ、お越しやす。」
侍「身共一人じゃが、構わんかな?」
伊八「へぇ、大事ございません。ごゆっくりお泊りを。」
侍「左様か。身共は播州姫路は池田公の家臣、吉田茂三郎と申す。」(パチパチパチ)
伊八「へぇへぇ、少々お待ちを・・・、吉田茂と書いて、三郎で、吉田茂三郎様でやすな。」
侍「くどいぞ。」
伊八「これはこれは、申し訳ございません。当方は武蔵屋善兵衛でございます。以後
お見知り置き下さいませ。」
侍「ほほぉ、その方が善兵衛か。」
伊八「いえいえ、私は使用人の伊八でございます。」
侍「何?では、その方じゃな・・・。」
伊八「前もって申し上げますが、イタチではございません、伊八でございmす。
鶏の尻から生き血もすすりませんので。」
侍「いや、わしは米をすくぅたりするものか、と。」
伊八「そら笊(いかき)でございますがな。私は伊八、伊八、いはちでございます。」
侍「あぁよい、よい。そのように選挙のように申さずともよい。伊八じゃな。」
伊八「へぇ、さようで。では、お部屋にご案内さしあげます。」
通されたのが藤の間。荷物や何かを脇において、
伊八「こちらでございます。」
茂三郎「うむ、なかなかよい部屋であるな。」
伊八「へぇ、当旅篭で一番の景色のお部屋ででございます。そこに見えますのは
紀伊水道、海岸近くまで散歩の道もございますれば、お気に召しませば、そちらも。」
茂三郎「いやいや、そうも参らん。わしは仇討ちの旅の途中じゃ。」
伊八「あ、仇討ち。と、申しますと、・・・俗にいう仇討ちで?」
茂三郎「何を申しておる、仇討ちは仇討ちじゃ。」
伊八「はぁ・・・、あ、道理で・・、いえ、失礼ながらお身なりが・・・。」
茂三郎「路銀も少のぅなって、この有り様じゃ。いやいや、宿代の払いは間に合うゆえ、
安心いたせ。」
伊八「へぇ、それはもう・・・、あの、不躾ながら、どなたの仇討ちで?」

56 :湖亭半弗:01/10/26 02:26
茂三郎「我が父、吉田義男丸の仇じゃ。」
伊八「・・・、どこかで聞いたようなお名前で。」
茂三郎「無念なり、父の義男丸は同輩の長島茂王丸に討たれたのじゃ・・・。」
伊八「相方もどっかで聞いたようなお名前で。」
茂三郎「憎き長島の首をこの位牌の前に供えるまでは、国元へは帰れん。」
伊八「あ、それがお父上の位牌でやすか・・・、失礼・・・、これは何と
書いてありますんで?」
茂三郎「秀信明誉観徳居士、しゅうしんめいよかんとくこじ、と書いてあるのじゃ。」(パチパチパチ)
伊八「はあ、またご立派な戒名で。」
茂三郎「以前、その戒名は長島にこそ似合うというものがおったが、そいつは
川へ突き落としてやったわぃ。」
伊八「えらいアンチG・・・、いえ、激しい御気性で。」
茂三郎「しかし、肝心の長島の行方は知れず・・・、どうしたものかと思案しておる。
・・・、ぬ、ぬぬぬ!」
伊八「吉田様、いかがなされました?」
茂三郎「ようやく見つけた・・・、父の仇、長島茂王丸がそこの散歩道に!!」
伊八「・・・何で和歌山におるんでしょうな、宮崎にでもおりゃええものを。」
茂三郎「何を申しておる!早ぅ刀をこちらへかさぬか!」
伊八「どうされるおつもりで?」
茂三郎「しれたことよ、今すぐ下へとってかえして、仇討ちへ参るまでじゃ!」
伊八「ちょ、ちょっとお待ち下さいませ、今出ていって仇討ちに及べば、
えらい騒ぎに相成ります。こういたしましょう、私が後をつけまして、泊まっておる旅篭を
確認をいたしまして、改めてどこそこで敵討ちという果たし状を渡すというのは?」
茂三郎「ふむー・・・。」
伊八「もちろん、旅篭同士の連絡は固ぅございますゆえ、長島様が逃げ出そうものなら、
ただちに連絡が入りますので。どうでございましょう?」
茂三郎「・・・あい分かった、そういたそう。」
取って返して、伊八が見え隠れについていきます。長島の泊まっている旅篭を
確認したしまして、その宿の者と連絡をつけます。商売人同士、面倒な事にならんように
との示し合わせもあって、連絡体制が整います。
茂三郎は、果たし状をしたためて届けさせまして、
茂三郎「伊八、これを届けてくれぬか。」
伊八「承知したしました、ではすぐにでも。」
茂三郎「待て、伊八。まだ頼みがある。」
伊八「は、と申しますと?」
茂三郎「実は・・・、やかんを一つ用意してくれぬか。」(パチパチパチ)
伊八「はっ?やかん、でございますか?やかんちゅうと、あの、やかんで?」
茂三郎「湯をわかすあれじゃ。」
伊八「あの、失礼ながら、何にお使いで?」
茂三郎「剣豪塚原卜伝は、鍋の蓋にて敵の刀を受けたという。わしはやかんでやってみる。」
伊八「何でまたやかんでやす?」
茂三郎「後々の語り種に使うのじゃ。客人が来た時に「おや、このやかんでは
穴が空いて茶がわかせませぬ。仇討ちの時に空いたものとみえます」などといって、さりげなく
自慢話に移る。」
伊八「はぁ、左様でございますか。ま、ま、どないでもよろしいわ、御用意申し上げます。」
さぁ、果たし状が渡されます。
次の日の朝、仇討ちの刻限が近付いてまいりましたが、
指定した場所には、どこで聞きつけたのか、黒山の人だかり。
売り子が出る、ダフ屋が出る、席の取り合いでもめる、厠へいってる隙に場所をとられる、
押し合い押し合いの見物人の山。
茂三郎「何じゃ、この人だかりは!これでは勝負にさわりが出ようぞ!」
伊八「いやいや、仇討ちともなればこうなるのが常。それに、吉田様、あなたのせいでも
ございますんで。」
茂三郎「何!?わしは誰にも漏らしておらぬぞ。」
伊八「誰にも漏らしていらっしゃらなくても、片手に持ってなはる「やかん」の
おかげで、人気も沸騰でございます。」

ドンドン

57 :湖亭半弗:01/10/26 02:50
この週末は所用でパソコンから離れるので、力入れて書いてみました。
どうでしょうか?感想カキコを楽しみにしてます。

58 :ごじゅういち:01/10/26 03:05
>>53
オレの場合、1時間弱ぐらいだったかな。
ちょうど>>50の人が書き込んでるころ考えてた。
だから、クスグリとか微妙に被ってるけど、
パクったわけじゃござんせん。

ていうか、このスレの存在、今日まで気付いてなかったんで(w
みなさんうまいっすね。
>>17>>18読んで、こりゃ本格的だと驚いた。
>>30>>31は好きだな〜、雰囲気が。

主催者氏、仕切るの見事。
2chとは思えません(いい意味で)。
ところで、読むときにこの落語家の雰囲気で
っていうのを一緒に書くのは野暮?
>>51は八方想定だったんだけど…。

またいいのができたら「ごじゅういち」で書かせてもらいます。

59 :湖亭半弗:01/10/26 03:19
>ごじゅういちさん
本格的といわれると照れます(藁
一人気合はいりまくってまして・・・。ごじゅういちさんの
作品、野球の記述が八方イメージですねぇ。よく分かります。
私は米朝テイストでやってます。かなり頭の中では米朝口調ですね。
>>53
私も一時間半くらいでしょうか。
何ていったらいいのか、時間は気づけばこの時間?って感じなんで。

60 :主催者:01/10/26 03:38
戻ってきたら、仇討ち噺が出来ていますね。
力作ですね。吉田義男丸と長島茂王丸は誰がモデルか一目で分かります。
タイトルは「やかん仇討ち」というのはどうでしょうか。

>>58
お褒めに預かりまして光栄です。もう少し私に余裕があれば
「本格落語三題噺HP」立ち上げようか、とも考えているのですが。
ベースにしている噺家さんがいらっしゃるなら是非書いて下さい。
解釈が深まりますし、何より親しみがもてますよ。
月亭八方想定ときいて読み返すと、随所に「あぁ、分かる分かる」
っていう個所がありますね。再読して面白いというのもさすがです。

実は、私も半弗さんとかぶって、明日から日曜までパソコン触れないんです。
(親戚の結婚式出席の為)ですから、第三回はどなたかが三つお題を
選んで下さい。いってみれば、ある程度お題が出たら早い者勝ちで、全員の課題を
選ぶ権利があるのです。常連さんにおまかせになりますが、
このスレッドよろしくお願いします。
なお、その際はある程度のお題(5つ以上)が出てから、その中から
選ぶようにして下さいね。

それではただいまより、第三回お題取りを開始します。
(これだけ言って出かけます)皆さんの気楽な参加、お待ちしています。

61 :重要無名文化財:01/10/26 23:36
えなりかずき

62 :重要無名文化財:01/10/26 23:39
ピザ

63 :重要無名文化財:01/10/26 23:47
大相撲九州場所

64 :重要無名文化財:01/10/27 00:28
聖戦

65 :重要無名文化財:01/10/27 01:04
「あんまん」「医者」「正真正銘」「ベトナム」
「あんまん」は別の三題噺のスレにあったかな??

66 :重要無名文化財:01/10/27 01:05
狂牛病

67 :T.K.:01/10/27 01:09
ちょいといそがしくて今回作れてません。
で、お題についてなんですが、「連想できる事が多いか少ないか」
ってのが重要だと思います。
2回目の「永久名誉監督」だと「長島茂雄」以外連想出来ない
じゃないですか。そうするとネタがかぶるんですよ。
逆に「長島茂雄」だと「永久名誉監督」「3番」「サード」
「記録に残る男」「ミスター」「プリティ長島」「巨人軍」と
いろいろ連想できる。
それだけ変化つくけど、その分作るのが簡単になる。
そのかわし「面白く作る」のは帰って難しいかもしれない。
あと、3つのネタは、離れてるほうが面白い。
たとえば「カレー」「スプーン」「牛」ったら
似たような話しか作れない。

68 :重要無名文化財:01/10/27 01:15
ファイナルアンサー

69 :かみ:01/10/27 01:20
「あんまん」「医者」「正真正銘」で。

「おい、珍念、珍念や!」
「へい、何でございましょう和尚様。」
「あのな、ちょいとご苦労だがな、表行ってあんまんを買ってきてくれるかな。」(パチパチ)
「あん?あんまんですか?」
「そう、あんまんじゃよ。」
「なんですか?あんまんって?」
「おまえ、あんまんも知らんのか。」
「ええ。知りません。」
「あまえ、あんまんも知らんとはよくないな。」
「また屁でございますか?」
「馬鹿者、それは転失気じゃ。その話はもうやめなさい。
お前のおかげで大恥をかいたではないか。
おまけにあの医者がやけにおしゃべりでな、あっという間に街の噂じゃ。往来を歩くたびに人にクスクス笑われる。(パチパチ)
ああ、そんなことはどうでもよい!あんまんじゃ、あんまん!」
「それじゃあ、あんまんがどういうものか、となりのお花屋さんに聞いてきます。」
「聞かんでよろしい!また床の間に飾ったとかいいかげんなことを・・・ってそんなことはどうでもいいのだ!!
あんまんというのはな、あんこが白い柔らかな皮に包まれていてな、ほくほく温かくてとてもおいしいお饅頭だ。」
「へー、そんなのあるんですか。あっ、そう言えばこの前お隣のお花屋さんから、とてもおいしいお饅頭があるって言われて
頂いちゃいました。」
「なんだ?それ?」
「へえ、なんでもピザが白い皮に包まれてまして、とてもホクホク温かく・・・」
「それはピザまんではないか!!」
「そうです、正真正銘のピザまんです。」(パチパチ)
「お、お前ピザまん食べたのか!?私ですら食べたことがないのに!!」
「へい、お花屋さんは、もうあんまんなんて古い古い、なんてことを言ってました。」
「ちょいとお花屋さんへ行ってくる。」
「あ!!和尚さん待ってください。花屋の旦那なら、腐ったご飯食べて今寝込んでるって、そうおかみさんが。」
「本当か?」
「へえ、なんでも腹が減ってたからって、腐って糸ひいてたご飯を食べちゃったらしいです。」
「それは災難だな。」
「納豆といっしょに食べてたんで分からなかったらしいですよ。でも納豆も腐ってたらしいです。
逆に納豆は腐ると糸が引かなくなりますが、腐ったご飯にひいてた糸が納豆のものだと思い込み・・・」
「めちゃくちゃだな・・・」
「でももしかしたら花屋の旦那、ピザまんも食べて腹を壊したのかもしれません。」
「なんだ、ピザまんも腐ってたのか?」
「へえ。ピザまんもチーズがとろーり溶けて、
    ┌┸┐
    │三..|
    │題..|    ∧_∧    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    │噺..|    ( ´∀`) ||< 糸がひいております。
    │  ..|   (≡V/_~つ  \____________
    │  ..|   (__Y__)                           \
    └┰┘ 亘⊂ニニニ⊃                      ドンドン
    ━┻━━━━━━━━━━━━                  /

70 :ショシンシャ:01/10/27 01:22
あのう〜 ケチつけるわけじゃないんだけど
三題噺って、お題に注文つけられるの?

71 :重要無名文化財:01/10/27 01:26
「あんまん」「医者」「正真正銘」って、一人が一度に出したお題で
やるのってなんとなくヤだなー。関係ない人がバラバラに出したお題を
どうまとめるか、が腕の見せ所なのに・・・・・

72 :重要無名文化財:01/10/27 01:26
>>70
じゃんじゃんつけて!!

73 :ショシンシャ:01/10/27 01:29
>>72
あ、ゴメン そういう意味じゃなくて、>>67みたいに噺作る方が
注文つけるのって何だか??ってことなんだけど・・・

74 :るいす:01/10/27 01:34
>>71
確かにそうだけど、この噺は「転失気」のその後が見れたようで
おもしろい^^

75 :重要無名文化財:01/10/27 01:41
>>73
いいわけするなー>>67
禿同意。作る側が注文つけてちゃ三題噺なんて出来ないよ・・・

76 :T.K.:01/10/27 03:01
いい訳と思われるのは予想どおりなんだけどさ、
第2回の100%に長島茂雄が出てて、6割が野球ネタで
吉田茂は名前出しただけに近いじゃない。
個性つけづらいよね。

簡単なというか変化つくネタと難しいネタとうまく交ぜていただいたほうが
作家そろぞれの個性でて面白くなると思うのよね。
せっかくいろんな作家が集まってきたんだからさ。

77 :重要無名文化財:01/10/27 03:13
う〜ん、やっぱ主催者氏がいないともめる?
T.K.氏の言いたいことはわからないでもない。
オレも野球ネタで吉田茂は名前出しただけだし(w
でもその心配は、読んだ感想で
「似た噺ばっかじゃん」みたいなのが何度か出てからでいいのでは?
それより今回はお題を誰が確定するかってところから曖昧なので

えなりかずき、ピザ、大相撲九州場所(九州場所だけでいいかも?)
聖戦、あんまん、医者、正真正銘、ベトナム、狂牛病
それにオレからも、のこぎり

この中から三つを流れ的にT.K.氏が選んでよ。

78 :77=ごじゅういち:01/10/27 03:14
でした。

79 :重要無名文化財:01/10/27 10:40
まぁ確かに、お題を出すほうはもうちょっと考えて出すべきだと思うな。
実際、寄席で三題噺の会があったとき、ネタに広がりが全くなさそうな
時事ネタ・人名はやんわりと却下されてたし。
作者の腕うんぬんの前に、絶対広がりのない題で作れってのは酷だよ。

80 :重要無名文化財:01/10/27 12:11
>>79
寄席だと、そういうお題が出た時は客席に冷たい空気が流れますよね。
時事ネタを出して「どうだ!」と得意そうにする客、イタすぎる。

81 :T.K.:01/10/27 16:29
んじゃ77 の題から最初と最後と真ん中にします。
だから・・・えなりかずき、のこぎり、あんまんと、医者ともに真ん中だから
先にでた、あんまん。
ばらばらになりそうだ。ワクワク。

82 :T.K.:01/10/27 16:36
ごめん、あんまんじゃなく医者。広がりやすいような気がする
ほうにする。

ってことで
えなりかずき、のこぎり、医者

83 :重要無名文化財:01/10/28 00:14
ageてお手並み拝見

84 :T.K.:01/10/28 02:10
「終身名誉監督」「やかん」「吉田茂」

プロデューサ「ミヨちゃん、君も助監督長いよね。そろそろ一本撮ってみる?」
ミヨ「いいんですか?」
プロデューサ「脚本はこれでどう?『アメーバーの恐怖』」
ミヨ「頑張ります」

美術監督「ミヨ監督、アメーバーの硬さどうします?硬いほうがいいですか?
  ドロドロのがいいですか?」
ミヨ「硬いのはイメージじゃないなぁ。かといってドロドロでもないし・・・
  固体と液体の中間みたいなのがいいんだけど」
美術監督「化学で言うゲル状ですね。で、色は」
ミヨ「緑ってのはありふれてるよね。このアメーバーは日本のドブから出て来る
  日本風って事で鰹出汁が材料のアメーバーってのにしましょう」
美術監督「猫が食いそうですね(笑)色と硬さまとめると・・・
  ヨシ、出汁ゲル状態でいいんですね」
ミヨ「ちょっと考えさせて・・・ヨシだしゲル状でいこう!」(苦笑ぱちぱち)
美術監督「じゃ、その線でミニチュア作って来ますから。監督はまだ居るんですか?」
ミヨ「もうちょいやってく。お疲れさま」

85 :T.K.:01/10/28 02:10
美術監督「お先失礼します」

ミヨ「もうこんな時間・・・でももうちょいとやってこうっと。眠気覚ましに
  コーヒーでも飲むか、やかんでお湯沸かそうっと」(パチパチ)

カラスカーで日が明けて
アナウンサー「次のニュースです。昨日深夜、火事が発生致しました。
  この火事で『アメーバーの恐怖』の監督予定だった山田ミヨさんが死亡しました。
  原因はやかんの空焚きの模様です」
プロデューサ「焼身ミヨ監督か・・・」(パチパチ)

86 :T.K.:01/10/28 02:11
「えなりかずき」、「のこぎり」、「医者」

患者「先生、わしの具合はどうでしょう」
医者「大丈夫ですよ。治療が無事済みましたしなにも問題ありません」
患者「後遺症は大丈夫なんでしょうな?」
医者「まったく問題ございません」
患者「骨は折れてないでしょうな?」
医者「足に打撲による内出血がありましたが、完治しております」
患者「しかし先生」
医者「山田さん、大丈夫ですって、医者の私を信じてください」(パチパチ)
患者「じゃがわしは」
医者「山田さん、あなた15歳なんですよ。若いんだから治りも早いし大丈夫です。
  もっと子どもらしくしたほうがいいですよ。えなりかずきじゃあるまいし(パラパラ)」
患者「はぁ」

看護婦「山田さんどうしたんでしたっけ?」
医者「あの子もこまったもんだ。木に登ってノコギリで自分の載ってる枝を切って
  顔から落ちたんだよ」
看護婦「で、歯を折ったんですね」
医者「ノコギリで歯コボレしたんだ」

87 :重要無名文化財:01/10/28 05:32
ぱちぱちぱち

88 :主催者:01/10/28 20:57
帰ってきました主催者でございます。
やはりもめましたか(苦笑 私がいたらなくて申し訳ないです。

お題とりの事がかなり話題になっていますので、主催者見解を述べます。
私としては、お題取りに時事ネタや人名が持ち出される事自体に
さほどの問題は感じません。突き放すようですが、作者の知恵を絞って
いただくしかありません。現に「終身名誉監督」に野球・長島氏を
持ち出さなかった、あるいは直接ネタに影響しないくすぐり(なくても話は成立する)
だけの使用された作品も出ております。(「御隠居教師」「あんま仇討ち」など)
つまりは、お題をこねくり回して無理矢理入れるところにも楽しみがあると思うので
是非頑張っていただきたいと思います。ネットである以上、どうしても即興に
ならない分、濃密な作品で勝負していただけたら、と。

とはいえ、広がりの無いお題を決定せねばならない状況も多々ありました。
正直言いますと、あまりにお題の集まりが悪い時は私もお題提出していました。
スレッド自体が今ほど知られていなかったので、自作自演という奴をしてしまいました。
もちろん、お題選考の際は自分のは選びません。よって、お題が5つあがったように
見えても、うち2つは私のもので選べない、なんてこともありました。
作家の方には苦しい三題になりましたが、第一回、二回はそんな状況下で選ばれました。
現在、立ち寄って下さる人数も増え、お題には事欠かない人数と見受けます。
数多くのお題も私がいないうちにあがって、喜んでおります。
ですから、次回お題取りからは余裕を持って、広がりある物を採用するよう
努力しますので、なにとぞよろしくお願いします。もちろん、作者を
高いびきさせるつもりもございませんので、時にわざと広がりのないお題を
採用して、腕試しさせていただくこともありますよ。

またお願いついでに、お題は一レスにつき一つでお願いしております。
お題が集まれば集まるほど嬉しいですが、さすがにいいお題が出ても、
全部同じ人のレスだと選びにくいのです。ご理解お願いします。

いい機会ですので提案しますが、次回私が長期参加できない際には、
揉め事にならない為にも、私が三題出しても構わないでしょうか?
コテハンの方にお願いするのも気が引けますし(その人は確実参加になる為)
私がしきる方がいいのでは、と思いますので。かなり長期になる場合は、
心ある方に次のお題集めをしていただくことにはなるのですが。たいていは
責任持っていますので宜しくお願いします。

第三回はT・Kさんが決めて頂いたみたいですので、
「えなりかずき」「のこぎり」「医者」で続けて下さい。
いくつかまた作品が出た時点で、次のお題取りをいたします。

作品の感想については、まだ帰ったばかりで読めておりませんので、
もう少し待って下さいね。また別レスで書かせて頂きます。すみません。

以上の事、主催者連絡といたします。

89 :重要無名文化財:01/10/29 00:38
プロ養成でもないのに、そんな高レベルなこと言うんだ・・・ふーん・・・
そりゃ低レベルなのもアレだけどさ・・・

90 :主催者:01/10/29 00:43
送れましたが感想です。
かみさんの「あんまん(続・転失気)(仮)」は、話の展開がほんわかしていて
安心して読めます。小僧さんの糸をひくご飯のくだりはどんどんややこしく
なっていってサゲ前のアクセントになっていますね。そして、サゲが
単に両方が糸をひくからというだけでなく、小僧さんの「腐ったものが糸をひく」
という発見から来ているのが、愛らしいサゲだと思いました。
T・Kさんの「アメーバーの恐怖(仮)」は、新作落語らしく設定が無茶で
凄くいいです。吉田茂もいい使い方がされてますし、何しろアメーバーの恐怖という
タイトルらしく、誰も救われないシュールなサゲで斬新です。
また、サゲでお題を使うというのも見た事のないものでした。
実際、あそこでサゲれるのでしょうか?不思議づくしの逸品です。
もう一つの「むちゃ患者(仮)」は、柳家喬太郎師の「午後の保健室」を彷彿と
させます。しかし、そのエッセンスをふまえて、患者に自分のいる木を切らせると
いう与太郎風味をブレンドした感じで、短編でも趣向がふまえてあるネタですね。

91 :主催者:01/10/29 01:07
>>89
高レベル・・・、といわれるとそうかもしれませんね(汗
色々注文をつけて申し訳ないです。
ただ、私が期待するのは、出されたお題に対して、作家の方が
一生懸命取り組んでいる姿とそれに共鳴して読んだり感想を書いて下さる
人の姿です。もちろんレベルは高いに超した事はありませんが、
作者も読者も満足のいくスレッドであって欲しい、それが望みです。
決め事はありますが、その中でどう試行錯誤して楽しむか、が
大事ではないか、と。
プロ養成所でもなければ、単なる垂れ流しスレでも嫌なのです。
偉そうな物言いで恐縮ですが、ご理解下さい。

また、「初心者だからそんなに上手くないし・・・。」と躊躇される方も
気楽に参加して下さい。「らくごのご」の鶴瓶タイプも大事ならば、
ざこばタイプも大事です。要はいくつかの決まりだけ守っていただければ結構です。

「三題噺やりたいけど、この規定は難しすぎ」と思われる方は、
お笑い板にジャンル自由・お題選び自由のスレッドもありますので、
そちらの方でもお楽しみになってください。
【三題噺】
http://ebi.2ch.net/test/read.cgi/owarai/1002888286/


両板で住み分けをしている為、こちらがしいて言えば、上級者用と
呼べるのかもしれませんが、ここを機会に落語・三題噺に親しんで
もらえれば幸いです。

92 :重要無名文化財:01/10/29 01:14
真面目な人なんだね。
ここ、ほんとに2ちゃんねる?

93 :かみ:01/10/29 18:58
>>主催者さん
ご感想ありがとうございます。
こんなご批評までいただけるとは思っておりませんでした。
それじゃあ指定と言うことで難しいですが
「えなりかずき」「医者」「のこぎり」で。

「ご隠居さんこんちわ」
「お?なんだ、誰かと思ったら八つぁんかい、まあ、おあがんなさいよ。」
「いやあ、まいりましたよ。」
「え?何?どうしたってんだい?血相変えて。」
「いやね、大工の吉つぁんが足場滑らして、高い所から落っこちゃったんですよ。」
「え?吉さんがかい?それで吉さんは大丈夫なのかい??」
「いや、大丈夫も何もねえですよ。それがね落ちたところがよくなかった。
下で親方がのこぎり引いてたらしいんですよ。その上に思いっきり落ちちゃった。」(パチパチ)
「そりゃひどいね。それじゃあ、親方も大怪我かい?」
「ええ、まあ親方はそんなひでえことにはなってねんですけど、吉つぁんは、
親方が持ってたのこぎりの上に落ちちゃいましてね。」
「それは大変だ。」
「ええ、でも運が良かったことに仕事してた目の前が医者でしてね。
みんなで医者連れて行こうって吉つぁん運ぼうとしたんですよ、
そしたら吉つぁんがダダこね始めて・・・」(パチパチ)
「ダダこねた??」
「ええ・・・。いやね、吉つぁんは大の医者嫌いなんですよ。それで医者は行かねえーってわめき始めましてね。」
「医者が嫌だなんて言ってる場合じゃないだろ。」
「そうなんですよ、腰のあたりが真赤に血で染まっちゃってますからね。それでも担ぎ上げようとすると、
さわんじゃねえーー!!医者は行かねえーー!!ってでけえ声出して暴れるんですよ。」
「ずいぶん元気だね。」
「ええ、下手に近づくと殴られてこっちがけが人になっちゃうんですから。」
「医者で何か嫌な思いでもしたことあるのかねえ。」
「いやそれなんですけどね、どうも昔あそこの医者の看護婦さんと吉つぁんは色恋の話がありましてね。」
「なんだいそれは?」
「いや、別にお付き合いをしていたとかじゃなくてですね、それが吉つぁんひでえフラれ方したらしいですよ。
まあ噂ですけどね。それ以来あそこの医者はろくなもんじゃねえなんて思い込んで近寄らねえんですよ。
おまけにふられた当初は頭来て医者に火つけようとしたくれえですからね、まあもちろん本気じゃねえですから
止められましたけど。まったく。」
「まあ、大好きな人にふられたらそんな気持ちになるのも分からないこともないけどな。
でも大怪我してるんだから今はそんなこといってる場合じゃないだろ。」
「いや、そうっすけどね吉つぁんも頑固ですからねえ。あの看護婦さんの顔二度と見たくねえんでしょう。
まあこの町には医者はそこしかないし、別の医者といってもそう近くにはねえですからね。
それで困っちゃってるんですよ。」
「それで今どうしてるんだ?」

94 :かみ:01/10/29 18:59
へえ、それでね親方の知り合いの息子でね、医者を目指して今勉強中なのが一人いましてね。仕方ねえんで急いでその息子さんを呼んで来たんですよ。かずきさんっていうんですけどね。」
「かずき?かずきってえなりさんのとこのせがれさんかい?」
「あら?ご隠居さんご存知なんですか?えなりかずきさんを。」(パチパチ)
「知っていますよ。えなりさんのお家はお父さんもお母さんもとても素晴らしいお方でな、それに習って
息子のかずき君もとても優秀なお子さんだ。そうか医者を目指してるのか。さすがだな。」
「まあ、お子さんと言ってももう年は40前くらいですけどね。」
「何?かずきくんはまだ17才だぞ。」
「ええ??17?あれはどう見てもおじさんでしたが。」
「失礼なことを言いなさんな。まあ、確かにふけ顔ではあるけどなまだ17歳だ。
でも最近、巣鴨の町でよく見かけるからますますふけて見えますな。ははは。」
「そうでしたか、いやあ、さっきちらって見た時はとても17才には・・・ああ、そうですか。」
「彼は趣味も多彩でな無線にゴルフにと・・・ちょっと親が甘えさせすぎ・・・ってそんなことは
別にいいのだが・・・あ!!そうじゃ、そう言えばきれいな女の子といつも仲良く往来を歩いておるな。
お似合いの二人だ。」
「へえ、恋人もいるんですか。いいですね、若いって。」
「ははは、そうじゃな、顔はふけてても若いってのはいいもんだな。確かかずきくんは町のお医者さんの
看護婦さんとお付き合いをしているそうですぞ。とてもかわいい女性でな。あんなかわいい子、吉さんが見たら
きっと一目惚れするに違いない・・・って、あれ??・・・」

95 :かみ:01/10/29 19:00
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ。なんですか町の看護婦って??そんな看護婦うちの町には一人しかいませんよ!!
ちょ、ちょっとそれって吉つぁんのことふった女じゃねえですか!!」
「・・・そ、そうだな・・私も一度見たことがあるが、あれは確かにあそこのお医者の看護婦さんだ・・
そうか・・しかしそりゃあ吉さんもふられるよ。あんなきれいなお嬢さんに、岩石みたいな吉さんとじゃあ、
どうみてもつり合わない。はははーー愉快ですな。」
「愉快じゃねえですよ、ご隠居さん!!大変じゃねえですか。吉つぁんのこと面倒見てる男が
看護婦の彼氏だなんてこと知ったら暴れるどころの騒ぎじゃねえや・・・ああ、おそろしい!!
大変だ!ふられて火つけようとした男ですよ。若医者のかずきクンの命すら危うくなっちまう。
そうなる前になんとかしなきゃいけねえ!!どうしましょうご隠居さん!!」
「それじゃあ、そこに看護婦さんを連れてらっしゃい。」
「ええ??何言ってんですか!ご隠居さん!!まったく!!ついにボケちまったんじゃねんですか??
そんなことしたら火に油注ぐようなもんじゃねえですか!!何度も言いますけどね、
吉つぁんはふられて家に火つけようとした男ですよ!!」
「大丈夫、大丈夫。ふられてから一度も看護婦さんの事見てないんでしょう?
突然その大好きだった看護婦さんが現れて看病してくれれば
さすがの吉さんだってまた恋心ってやつが生れて、今度は


┌┸ ┐
│三..|
│題..|    ∧_∧    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
│噺..|    ( ´∀`) ||< 自分の心に火をつけておとなしくなるでしょう。
│ ..|   (≡V/_~つ  \____________
│ ..|   (__Y__)                           \
└┰┘ 亘⊂ニニニ⊃                      ドンドン
━┻━━━━━━━━━━━━                  /

『大工の火事』でした。チャンチャン。









96 :柳ヤコ:01/10/29 20:07
『鰹さばき』

隠居「やぁ」
梅さん「らっしゃい!おや、今日はお孫さんも一緒ですか」
隠居「うむ、たまには寿司もいいかと思っての。」
梅さん「うれしいっスね、お子さんはご贔屓が長いッスから」
隠居「どういう意味じゃ」
梅さん「あ、これは失礼いたしやした。坊ちゃん、お寿司は何が好き?」
金坊「えっとね、甘いのがいい。お稲荷さんかなー。稲荷が好き」
梅さん「え?」
金坊「稲荷が好き」(客席戸惑ったようにパチパチ)
梅さん「お稲荷さんね、ハイすぐ作るよ」
隠居「すまんのう。ワシは鰹を握ってもらおうか」
梅さん「あ、鰹ッスか・・・鰹はあるにはあるんですけどね、一本仕入れてきて
    まださばいてないんスよ。ちょっと待ってて下さい。おい、新入り!
    えなり、お前だ!」(パチパチ)
えなり「へい!なんでしょう!」
梅さん「そこの鰹、さばいて見せろ」
えなり「えっ鰹ですか。僕、初めてなんですよ」
梅さん「わかってる。だがお前ももう30なんだからそれぐれぇできなきゃ
    いけねぇ」
えなり「僕まだ17です」
梅さん「いいから、やれ!・・・おいおい、どこ行くんだ?道具をとってきます?
    道具ったって、包丁はここにあるじゃねぇか・・・あ、あの馬鹿、
    のこぎりなんか持ってきやがった」(バチパチ)
えなり「ええっと、まず頭をはずさないと。こうかな?」

97 :柳ヤコ:01/10/29 20:07
えなり「ギーコ、ギーコ・・・あ痛ッ!」
梅さん「おい、どうした!!」
えなり「いてててて、耳たぶ切っちゃいました」
梅さん「お前どういう切り方したんだよ。ま、たいしたことはなさそうだが、
    とりあえず医者行くか?」(パチパチ)
隠居「いやいや、それには及ばんぞ。わしはむかし医者もやっとったから、わしが
   見てやろう。どれどれ・・・はっはっは、なぁにこんなものはすぐに直る」
えなり「そうですか、ありがとうございます。あ、鰹すぐに握りますね」
梅さん「馬鹿野郎、お前はいいからあっち行ってろ。耳から血を流しながら板場に
    立つやつがあるか!」
隠居「ほっほっほ、元気のいい若者じゃな、梅さんや」
梅さん「ええまぁ、顔は老けてますけどいい奴なんッスよ」
えなり「あのー、もう血も止まったんで、板場に戻ります」
梅さん「あ、もう帰ってきやがった、早いな」
隠居「まぁ傷が傷だけに、ノコノコ戻ってきたんじゃな」

ドンドン

98 :湖亭半弗:01/10/29 22:57
「えなりかずき」「医者」「のこぎり」ですな。

毎度の事ながらごく古いお噺で失礼をいたしますが、いつの時代でもやんちゃな
指導者がおるもんで、そういうのんに限ってパフォーマンスが上手いんですなぁ、あれ。
どこやでこんなイベントをやってみたとか、こういう演説をしたとか、こういうエピソードが
あって「ああ、凡人とはちょっと違うねやなぁ」と見てる側は思うんですな。
質問者「では、いつもハンカチを2枚お持ちなんですか?」
政治家「きれい好きですからな、私は」
質問者「では、お金も・・・といっても、2枚ということはないでしょうね?」
政治家「私の財布の中なんて空のようなもんですわ、これ。まぁ、千円札も
2枚あればえぇほうですな。」
質問者「あぁあ、舌も2枚おありで。」
とかく、この、逸話ちゅうのが残っていくわけですが。今日のお噺は江戸時代の
政治家、指導者、まあ殿様ですわなぁ。色々落語の方でも殿様を扱ぅた噺がありますが、
ろくな殿様は出てきません。中には実在した殿様のお噺、「紀州」やとかもそうですわな。
尾張と紀伊の殿様の将軍世継ぎ争いの噺ですが、ほんまか嘘か分からん様な噺ですわ、あれも。
今日聞いて頂く「三人家斉」は、11代将軍徳川家斉公の時分の逸話じみたお噺でございますが。
徳川将軍ちぃいいますと、全部で15人いとぉりますが、中でもこの家斉公が一番
将軍をやってた期間が長かったんで知られております。またこの人がやんちゃな人で
子供が55人もおったっちゅうんですさかい、たいしたお方やと思うんですが。まぁ、
この人が政治をしてた時代、まま大御所時代も含めてですが、ぜいたくな時代でした。
指導者が贅沢やさかいね、化政文化といわれてる時代がそれですわなぁ。
まだ将軍やってたときは、松平定信ちゅう名老中が諌めたりしてたんやそうですが、
この松平定信が白河藩から出てきて寛政の改革を始めた時には家斉公は御年15歳。
もうやんちゃもやんちゃで、まあ年頃ですさかいに、遊びたい盛りで
あったのを定信がよく諌めたといわれております。
家斉公と定信が初めて顔合わせする日、
家斉「おい、松平定信とはどのような者じゃ。」
お付き「はっ、白河松平での評判は大変なものにござります。」
家斉「ふん、かたくるしそうな奴ではあるまいな?」
お付き「左様でございますな、清廉潔白なお人であると。」
家斉「清潔で喜ばれるは医者だけで結構じゃ。(パチパチパチ)為政者たる者、
ある程度遊び心を持たねば余裕を持って政は行えぬわ。」
お付き「はっ、御意にごさいます。」
家斉「・・・、そうじゃ。こういう趣向をいたそう。」
お付き「と、申されますと。」
家斉「定信との対面の際に、わしと同じ身なりをした頭巾姿を三人並ばせるのじゃ。」
お付き「はぁはぁ、なるほど。定信様が顔をあげた時には三人上様がおられる訳で。」
家斉「どのようにして奴が、わしを見分けるか楽しもうという趣向じゃ。」
お付き「しかし、甚だ失礼な対面でございますな。」
家斉「黙れ!近習の者2名に支度整える様申し遣わせ!」
お付き「ははっ!」
ただちに命が下されます。近習の中から背格好の似ました二人が選ばれ、身支度を整えます。
近習1「このような振る舞いをして、定信様の逆鱗に触れはすまいなぁ?」
近習2「さよう左様、役目とはもうせ、胃がシクシクと痛みまする。」
さぁ、三人の家斉公が揃います。そうとは知らん定信は、お付きの案内で接見の間へと
通されまして、
定信「・・・、失礼ながら、家斉公はどのようなお方にござりましょう?」
お付き「ご内密にお願いいたしますが、もう手のつけられぬ若殿でございます。
遊びや女がいたって好きなお方で、時々芸人を呼ぶ事もございます。」
定信「何と!?この幕府の財政の逼迫時に。」
お付き「この間は噺家を、その前は歌舞伎役者を、この間などは「物言うのこぎり」を
持参した上方芸人まで・・・。」(パチパチパチ)
定信「「物言うのこぎり」!?なんという事、将軍にあるまじき所業、私が参りましたからには
そうは参りませぬ。・・・、ちなみに、何と物を言うたのでござる?」
お付き「上方の言葉で「お前は阿呆か」と「今日ちょっと寒いな」と。」
定信「そんなアホな。」
そうこうするうちに対面の刻限になってまいります。

99 :湖亭半弗:01/10/29 23:22
家斉の着座まで頭を下げていた定信、「表をあげぃ」の言葉に頭を上げると
驚いたの何の。三人いてますんやさかいね、家斉公が。思わず肝をつぶしたもんの、
顔には出さん様にして、黙っていると、
家斉1「どうした、定信。」
家斉2「苦しゅうない、も少し近ぉ。」
家斉3「も少し近ぉ。」
初対面やさかいに、ましてや皆頭巾をかぶって人相もよぅ分からん。
定信「(ははぁ、私を試しておられるな?よし、それでは)」
定信、しばらく考えていたかと思うと、辺りに響く大きな声で、
定信「その方らが家斉か!?頭巾をとりなされぃ!」(ちょっとパチパチ)
家斉1「何と!?」
家斉2「何じゃ?」
家斉3「これはしたり、何と申した?」
定信「その方らがいえなりかずきんをとりなされ、と申しました。」(パチパチパチ)
今度は三人の家斉公が驚いた。即座に、真ん中の家斉がスックと立って、
家斉「おのれ、臣下にありながらその物言い、何たる無礼!手討ちに
いたす故、そこになおれ!」
もう怒り心頭でございます。そこで定信、
定信「あなた様が「本物の」家斉様でございますか、松平定信にございます。」
しまった、こういう事か。思わず我に返った本物の家斉公は、近習二人をさがらせまして、
家斉「ぬぬぬ、定信よ、そちは誠、きれ者よのぉ?」
定信「ははっ、それがしが参りましたからには、そのような趣向、無駄と
お心得あそばして、やんちゃは控えていただきますよう、言上仕りまする。」
さぁ、内心家斉は面白くないわけで、何とか意趣返しがしたいと考えます。
家斉「江戸屋敷への宿替えはいかがいたした。藩主の時とは違ぅて
江戸住まいが多くなろう。そちは書を読むのが趣味であるとか、運ぶのも
一苦労であったろうの。」
定信「はっ、大事な書物もございますゆえ、自ら荷造りをいたしました。」
しめた!ここで一泡!と家斉公、身を乗り出して、
家斉「はっはっは、荷造りが上手とは武家らしうのぅて、愉快じゃの!」
定信「はっ、荷造りはそれがしが上手ぅござるが、「子づくり」では殿にかないませぬ。」

ドンドン

100 :名乗るほどのもんじゃあ:01/10/30 04:17
ううむ、それにしても、湖亭半弗さんは上手すぎますね。口調が聞こえてきます。
ご本人は米朝師匠の影響が強いようなことをおっしゃってますが、あたしゃ、
枝雀さんを思い出してしまう。
つぎを待っています。

101 :重要無名文化財:01/10/30 04:29
みなさん上手いねぇ。
>100
98-99の地噺はおそらくご本人も枝雀師匠を意識したと思われ。

102 :感想かいてやろ:01/10/30 04:45
「大工の家事」も噺の筋の展開がスムーズでいいぞ。
「鰹さばき」はえなりの板前キャラが与太っぽくていいぞ。
「三人家斉」は、えなりかずきを使いたいが為に、徳川家斉を引っ張ってきたのがいいぞ。
しかも、史実に忠実なのがいいぞ。

103 :主催者:01/10/30 22:27
作家の皆さん、ごくろうさまです。
またまた面白い作品が出そろいましたね。

かみさんの「大工の火事」は、長屋の一室で繰り広げられる怪我の騒動の
顛末でストーリーが進みますね。医者がえなりくんですか・・・、「代脈」に
出てきそうな感じでしょうか。またその若医者との恋の話でもつれあってるところも
人情喜劇な風があります。
柳ヤコさんの(P・Nは狙ってますね、人間国宝を)「鰹さばき」は
板前の与太郎えなり君で、やはり江戸っ子な役が似合うんでしょうね。
しかも、「稲荷が好き」はいいですねぇ。演者が無茶してる様子が目に浮かびます。
すし屋のてんやわんや振りは「鰻屋」を想像させます。
半弗さんの「三人家斉」は、これまた将軍家のお噺ですか。
擬古典ですねぇ、おそらく下調べなさって書かれたんでしょうが、
大した作品ですよ。>>102氏がおっしゃるように、家斉を引っ張ってくるところは
気合はいってますね。

さて、それでは、第四回お題取りにいきましょうか。
前にも書きましたが、一レスにつき単語一つでお願いします。
また、遅レスでも構いませんから、読者の皆さんから
作者の皆さんへ簡単な感想や要望(こういう内容で書いてくれたらなぁ、とか)
も募集しますのでよろしくお願いします。

104 :重要無名文化財 :01/10/30 23:13
ポスト

105 :重要無名文化財:01/10/30 23:17
ホットミルク

106 :重要無名文化財:01/10/30 23:22
さつまいも

107 :重要無名文化財:01/10/30 23:32
薄口醤油

108 :重要無名文化財:01/10/30 23:33
食べ物ばっかり並べるなよ・・・

109 :重要無名文化財:01/10/30 23:40
土鍋

110 :重要無名文化財:01/10/30 23:43
>>107
食欲の秋だからねぇ・・・。考える事は皆同じ。
「綱引き」なんてどうかな?

111 :重要無名文化財:01/10/30 23:44
衣替え

112 :重要無名文化財:01/10/30 23:49
骨董品店

113 :重要無名文化財:01/10/30 23:55
>>112 「骨董屋」といきたいところだね。

114 :重要無名文化財:01/10/31 00:01
>>113
あぁ、そっちのほうがいいね。さんきう。

115 :重要無名文化財:01/10/31 00:03
煙突

116 :重要無名文化財:01/10/31 00:12
ミドリの白靴下

117 :重要無名文化財:01/10/31 00:21
河津掛け

118 :重要無名文化財:01/10/31 01:04
自動改札

119 :主催者:01/10/31 01:46
戻ってまいりました。
お題取りがこうスムーズにいくと嬉しくなりますね。
それでは独断ですが、選ばせていただきます。
「土鍋」「煙突」「自動改札」
の三題です。
難しいでしょうか?今回はいいお題がたくさんあって迷いました(汗
「ミドリの白靴下」は関西でしか分からないのでは?私は爆笑でしたよ。
「骨董屋(骨董品店)」は訂正までしてあるのにお題に漏れてすみません。

それでは、たくさんの作品お待ちしております。

120 :湖亭半弗:01/10/31 03:06
>>100さんそして主催者さん他、誉めて下さって恐縮です。
「三人家斉」の地噺は、特に枝雀師匠を意識したわけではないんですが、
どうも米朝師匠の地噺の多い噺が頭に浮かんでこずに書いたもんで、
自分のアレンジでやったら、枝雀師匠ぽくなったようです。
そういえば、あんたの素の演出方法は枝雀に似てる、といわれたことも
ありました。その辺からきてるのでは・・・。

「土鍋」「煙突」「自動改札」ですか・・・。
新作的にやってみますか。

今は何でもコンピュータがやってくれる世の中になりまして、結構な事ですけんども、
何とのぉ風情がなくなっていくような寂しい気もしますわな。昔は米炊き一つにしても
へっついさんの前におらんならんかったんですが、今は米だけ磨いでボタン一つで炊けますねや
さかい、便利な世の中ですわ。飛行機なんか乗ってましても、自動操縦やそうで。
行く先を・・・ま、何や知らん方法で打ち込むんですやろな、あれも。ほんで、
ハワイやとかに飛び立つ。あんなんが運転してると思たら恐いでっせ、あれ。停電やとかになったら
どないするんやろ、と思いますわな。落雷やとか風の影響、その辺は予測がつくんでしょうが、
乗客1「何してるねん、早よせんかいな、パソコンから飛行機内部いかれさすいうたん
お前やろ。」
乗客2「いや、それが相手に知られてたかして、パイロットの方からわしのパソコン
潰しにかかってるわ。」
上には上がおるもんですが。何でも自動自動で人と人との触れ合いがなくなるちゅうと、
私ら落語家も機械がやるようになる、そんな世の中になるやもしれまへんなぁ。
観客「おぉい、機械!もっと面白い事しゃべれ!人間の噺家の方がまだええぇわい!そんなん
やったら金返してもらうぞ!」
機械「モットワライタインヤッタラ、モット「カネ」オクレ」
機械の方がよっぽどがめついんですなぁ、ボーッとしてたら機械にだまされるかも
しれんさかいね。しかし、まぁ、まだまだ誤作動やとかもあって、ちょっと前でもそうですわなぁ、
二千年問題やとかちゅうてえらい騒いでたんですが、とかく頼りにならないかんとこから
コンピュータを導入したりするわけで、
達「おぃ、いてるかぃ?」
源「おぅ、達さんやないかぃ。何じゃい、面白そうなツラして。」
達「えらい言われようやな、おい。いや、実はな、今度この町内に「自動警察」が
できるねやて。」
源「自動改札?そんなんちょっと前に駅に出来てたがな。」(パチパチパチ)
達「改札やないがな、警察。自動警察が出きるねや。」
源「自動警察て、何じゃい?」
達「今やったら交番に行たら、巡査さんや何や人がいてるやろ。」
源「はぁ、頼りになるがな。」
達「ところが、今度からはコンピュータが応対するねやな。」
源「ほぅ、ほんなら体中からピーピー音出した機械の警官が、ガチャガチャと
動き回って、御用御用・・・。」
達「そんな町嫌やわ、住みたないで、そんなとこ。違うがな、道を尋ねたりやな、
すぐにテレビ電話で警察の本部と話できたりするねや。」
源「それを、皆、何かぃ、機械がやるのんかぃ?」
達「そや。」
源「・・・あぁ、そういえば、大きな街ではそういう所があるて、テレビでやってたけど、
何かぃな、あれが近くに出来るんかぃな。」
達「それが、もうそろそろ出来てるちゅう話やが、一緒に行ってみようかと思て。」
源「そらおもろそうや。何ちゅうても相手は機械やさかいな、壊れるくらい遊んだろ。」
達「そんなんしたらいかんで。あくまで警察やさかい、壊したらそこが警察や、逃げられんで。」
源「あぁ、そうか。まぁ、覗くだけなら怒られんやろ。まさか交番ごと走ってくるちゅうことも
ないやろし。」
達「まるで化けもんやがな。まぁ、とにかくいっぺん行てみよ。」
(小拍子)

121 :湖亭半弗:01/10/31 03:32
達「さぁ、ここが自動警察や。どや、モダンやろ?」
源「モダンてな古い言い方してたらいかんで、えぇ。そら機械になめられるわぁ。
・・・ハイカラやなぁ!」
達「たいして変わらんがな。おっ、これが受け答えしてくれるねやな。」
源「えらいもんやなぁ、しかし何でこんなんが出来たんやろうな?」
達「この辺は交通量も増えたし、何しろ住宅地も出来て、警察も
人手がいらんようにちゅうて、作ったんやろ。人間が一人もおらん交番やから
自動警察ちゅうわけやな。えぇと、どないしたらえぇんかな?これ」
源「話し掛けたら答えるんやないかな?」
機械「おいでなされませ。」
源「あぁ、びっくりした!突然物言うたで、この機械。びっくりさせなはんな。」
機械「えろぅすんません。」
源「謝ってるで、えぇ。おい、びっくりさせるな、こら、こら、どうじゃい。」
達「おい、そないポンポン叩くな。」
機械「何しくさる、こんガキャ!」
源「わっ、何じゃ。・・・えらい言葉づかいやでぇ、えぇ。警官やとは思えん。」
機械「これは防犯用の話し方で。」
源「よぉ考えてあるがな。えぇ、ほんならな、道を尋ねようかな、達さん。」
達「そうやな・・・、ほんなら、銭湯に行く道教えてもらおかな。」
源「そんなん毎日行ってて知らんのんかぃ。」
達「いや、知ってるけんども、どのように説明するか、わしらもよぉ知ってるさかい、
テストになるやろ。」
源「あ、なるほどな。そういうこって、銭湯の行く道おせぇとくんなはれ。」
機械「・・・。」
源「何じゃい、突然指差して・・・、ん?指の方角、あら煙突やな。」(パチパチパチ)
機械「見えてます。」
源「横柄な教え方やなぁ、また。えぇ、指差して見えてますちぃよったで。」
達「甘えささんとこちゅうことか。まぁ、煙突みたいな背の高いもんが見えてるから、
そんなもんやろ。ほんならな、三丁目の田辺さんとこの家、おせぇとくんなはれ。」
源「あっあっ、中へ動き出したで。どないするねや・・・、何や音がして、えぇ、
あっ出てきた出てきた・・・・・・、おい、土鍋持ってるで、こいつ。(パチパチパチ)
何や「田辺」と「土鍋」間違うてるがな、これ。」
達「あぁ、わしの言い方が悪かったんかな。」
源「せやけど、達さん。これ、何遍も田辺さんの家聞いてたら、土鍋持ってきよるさかい、
これ荒物屋で一もうけ出来るんやないか。」
達「あほな事言うてるな、おい。あのな、田辺さんの家、田辺さん。えぇか、
田辺さんの家、おせえとくんあはれ、ちゅうて。これで大丈夫やろ。」
機械「田辺さんの家・・・、奥さん一人娘二人、収入月45万。」
達「こ、これ、家の内情皆しゃべってしまいよるがな、こいつ。あかんあかん、
これ、もうええちゅうねん。壊れてるんか、これ、こいつ、聞きようによってはわしらの家の内情も
しゃべってまうかもわからん・・・、おい、源やん、警察呼べ警察、壊れてるんや、これ。」
源「ここ警察やで。」
達「分からんやっちゃなぁ、警察署へ電話するなり応援呼ぶねや!」
(小拍子)
警察「どうですか、大丈夫ですか!?あぁ、これは誠にすみませんでした。
技術者も来ておりますのでどうぞ安心して下さい。」
源「あぁ、しんどかった・・・、一時はどうなるかと思うたわ。」
達「ほんまやなぁ。せやけど何やな、源やん。」
源「何や?」
達「やっぱし「自動警察」には「人間」が必要やわ。」

ドンドン

122 :湖亭半弗:01/10/31 03:37
もう一つのサゲとして、
煙突のくだりと田辺さん宅のくだりを逆にして、
源「おい、こいつ、煙突指差したかと思うたら、壊れたんかしらん、
シューシュー音して、えぇ、焦げ臭い匂いが、ゴホゴホ、あぁショート
しよった。」
達「ゲホゲホ、なるほど。ゴホン、こいつ、道順教えられんさかい、
煙突指差したまま、わしらをケムに巻きおったわぃ。」

というのを考えていましたが、洒落でないサゲにしたかったので
上記を参考にしました。

123 :重要無名文化財     :01/10/31 17:16
↑タイトルはやはり「自動警察」で決まりですな。

124 :重要無名文化財:01/11/01 00:13
他の噺も読みたいのでage

125 :かみ:01/11/01 00:44
主催者さん。ご感想ありがとうございます。
それでは「煙突」「自動改札」「土鍋」で。

「女は顔か、それとも性格か」、なんてえのは永遠に男たちは論じるようでございますな。
そんな話をしている二人がここにもいるようでして・・・

松さん「おい、八。」
八さん「なんだい、松。」
松  「煙草屋のとこの娘さん、結婚したの知ってるか?」
八  「へ〜、あのお菊さんがかい?へ〜、あんな娘でも貰い手が
   あるんだねぇ、土鍋みてえな顔して。」(パチパチ)
松「おいおい八、そりゃあちょっと言いすぎだぞ。そりゃあ確かにな、
  べっぴんさんとは言えないけどな、それでも性格はおしとやかで、
  気立てのいい女性だよ。」
八「ああ、そんなんだよな、ツラはまずいが性格はいいってやつだな。
  この前も乾物屋さんでいっしょになってな、きれいな声で丁寧に挨拶してきたよ。」
松「そうそう、女は顔じゃねえよ。俺だったらあんないい娘に仕事から帰ってきて優しく迎えられたらもう何も言うことねえよ。」
八「そんなもんかねえ。」
松「そんなもんだよ八。おめえはそういう女がいねえからわかんねえよ。」
八「おめえだっていねえだろうが!それより、相手の旦那ってのはどういう奴だい?」
松「ああ、何やらいつも高いところで仕事してるらしいぞ。」
八「高いとこ?大工か。」
松「いや、ちがう。」
八「山の木こりか?」
松「いやちがう。」
八「半鐘でも叩いてんのか?」
松「そうじゃねえよ。」
八「いったいなんなんだよ。」
松「煙突だ。」
八「煙突?」
松「そう、煙突。煙突掃除してる。」(パチパチ)
八「へえ〜、こりゃまた大変な仕事だね。」
松「そうだな。」

126 :かみ:01/11/01 00:45
八「ははぁ、なるほどねえ。野郎たけえとことに登って、見晴らしいいもんだから、
そこから下を見下ろして、いい女はいねえかな〜なんて探してやがったんだな。とんでもねえ助平野郎だ。」
松「何くだらねえこと言ってんだ、まったくおめえじゃねんだよ。あのな煙突掃除の仕事ってえのはな、真っ黒にすすだらけになって、おまけに一歩足踏み外したら下にまっさかさまなんだぞ。」
八「へえ、あぶねえんだね。」
松「そうよ。だから、おめえみてえに鼻の下伸ばしながらいい女いねえかなんて、そんなのんきなことやってられねんだよ。」
八「それもそうだな、もしそうだとしても、たけえとこからわざわざあんな顔のお菊さんを選ぶわけねえもんな。」
松「おめえも、一言多いんだよ。」

127 :かみ:01/11/01 00:46
八「それじゃあ、二人はどこで知り合ったのかねえ。」
松「何でもね、仕事終わって体中真っ黒になって往来歩いてたんだってよ。
それで、お菊さんの家に煙草買いに真っ黒のまま店に入ったんだよ、そうしたら野郎が真っ黒なもんだからってお菊さんが濡れた手ぬぐいかしてやったんだってよ。それが始まりらしいよ。」
八「へえ、いいもんだね。俺なんかあそこの煙草やじゃあ、いつもお菊の母さんのばばあに釣銭ごまかされたぞ、まったく。そんないいことされたことねえよ。」
松「働いて体中仕事で真っ黒になった男ってのはかっこいいもんだ。」
八「そんなもんかねえ。」
松「それだけじゃねえ、その亭主は趣味で発明に凝ってるらしいよ。」
八「発明?」
松「そう。最近じゃあ、なんでも小さく折りたためる傘だとか、人や物を写すことが出来る写真機とかな。もう趣味の域を越えてるな。」
八「なんだい、その写真機ってのは?」
松「いや、まだ問題は多くて売り物にはならねえらしいけどな、そういう奇妙なものをたくさんこしらえて、日夜研究してるらしいよ。」
八「へえ、それじゃあ、そのうち一瞬にして煙突登れる梯子だとか、煙突掃除しても黒くならねえ薬だとかつくりだすかもしれえな。」

128 :かみ:01/11/01 00:47
松「ははは、たしかになおもしれえな。あ、そうだ、あとすげえのがな自動改札機ってやつだよ。」(パチパチ)
八「何?じ、じどう?」
松「おう、そうよ、自動改札機だ。」
八「なんだいそれ?」
松「なんでもな、勝手に全部やってくれるらしいよ。」
八「なにを勝手にやるんだよ?」
松「いや、知らねえよ。とにかく何かを勝手にやるらしいよ。」
八「だからその何かってなんだよ。何を勝手ってにやんだよ。」
松「だから知らねよ。」
八「知らねえってことねえだろ?」
松「知らねえんだよ。何かが何かを勝手にやんだよ!」
八「だからその何かの何かってなんだよ!!」
松「知らねんだってんだよ!!」
八「知らねえってお前、勝手なこと言うなよ。」
松「くだらねえこというね、勝手はおまえだろ。もうやめだやめ!!」
八「おいおい、勝手にやめるなよ。」
松「うるさいなあ。わかったよ、じゃあ言うよ。」
八「おう、始めからそう言えばいいんだよ。なんだよ、何が勝手なんだよ。」

129 :かみ:01/11/01 00:48
松「きっぷだよ。」
八「何?」
松「だから、きっぷだよ。」
八「なんだよ、きっぷって?うまいのか?」
松「違うよ、ほら、お前さんも良く言うだろう、江戸っ子なんだから。」
八「何て?」
松「きっぷがいいねえ〜〜って・・・」
八「きっぷがいい?ああ言うよ、この前も熊吉の旦那に言ったばっかだな、あの人すごく
気前が良くてな。相変わらず旦那もきっぷがいいねえ〜〜ってな。」
松「そう、それだ。おしまい。」
八「おいおい、ちょっと待てよ!!何がおしまいだよ!!それがどうしたんだよ!!」
松「知らねえよそこから先は!!」
八「待てよ!気になるじゃねえかよ!!教えてくれよ!きっぷがよくてどうなったんだよ!」
松「だから、知らねえってんだよ、しつけえなあ。そんなに知りたきゃなあ、お菊さんとこ行ってこいってんだよ。」
八「まったくお前も冷たいねえ、ああそうかい、分かったよ、それじゃあ今から走ってお菊さんとこ行って聞いてくるよ。言っとくけどな分かったって、てめえにはいっさい教えねえからな!!」

130 :かみ:01/11/01 00:53
松「ああ、いいよ。早く行っておいで。」
八「ああ、行ってくるよ。じゃあな!!」
松「はい、いってらっしゃい。あ、そうだ、八。」
八「な、なんなんだよ!もう行くんだよ!!」
松「お前に言い忘れたことがある。」
八「何だよ!!早くしろよ!!」
松「もう、お菊も旦那もいねえかも知れねえ。」
八「何を??」
松「お菊さんの顔が土瓶だけにな、二人の仲はすでに
┌┸┐
│三.
│題..|    ∧_∧    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
│噺..|   ( ´∀`) || ひびがはいった。
│ ..| (≡V/_~つ  \____________
│ ..|   (__Y__)                           \
└┰┘ 亘⊂ニニニ⊃                      ドンドン
━┻━━━━━━━━━━━━                  /

131 :かみ:01/11/01 00:57
>>125
タイトル忘れた。
『江戸美人』でした。

132 :柳ヤコ:01/11/01 01:14
『温泉寿司』

隠居 「やぁ」
梅さん「らっしゃい!」
えなり「らっしゃい!あ、先日はどうも」
隠居 「おぉ、怪我はもう治ったかの」
えなり「おかげさまで大丈夫です。今日は何を握りましょうか?」
隠居 「そうじゃな、寒くなってきたからの・・・なにか温まる
    ものがいいんじゃが」
えなり「じゃぁチャーハンでも握りましょうか」
梅さん「馬鹿かお前は!」
隠居 「わっはっは、まぁチャーハンは勘弁してもらいたいが、
    たまには若い人になにか変わったものを作って貰おうか」
えなり「えっ、いいんですか?僕がんばります!そうですねー、
    見た目もあったまるものがいいですね・・・よーし」
梅さん「大丈夫かなぁコイツ」
隠居 「まぁお手並み拝見といこうじゃないか」
梅さん「でも確かにコイツは子供の頃から色々作ってますからね、
    市場にもよく行ってましたよ」
隠居 「ほほう、たいしたもんだ」
えなり「でも昔は荷物を持って切符を切ってもらうのって大変
    だったんですよ。今の改札はカードを上にかざすだけで
    通れるから、楽になりました」
梅さん「何が『昔は』だ、ジジイみてぇなこと言ってるな」

133 :柳ヤコ:01/11/01 01:14
隠居 「わはは、子供が改札の歴史を語るというのも、妙なもん
    じゃのう」
えなり「えぇ、これがホントの『児童改札』・・・」(パチパチ)
梅さん「・・・ってサゲるんじゃない馬鹿!!」
えなり「お待たせしました!特製・温泉寿司です!」
隠居 「なんじゃ、これは・・・ちらし寿司のようじゃが、
    器が土鍋になっとる」(パチパチ)
えなり「熱いですから気をつけてください」
隠居 「熱いのか?寿司が熱いというのは初めてじゃな・・・
    のり巻きが1本、立ててあるのはそれは何じゃ?」
えなり「あ、それ煙突です」(パチパチ)
梅さん「温泉に煙突があるのかよ!それじゃ銭湯だろ!」
隠居 「煙突というより唐突じゃな。とりあえず食べてみるか。
    ・・・ん?・・・ムグ、モゴ・・・なんじゃこれは!
    お茶をくれ、お茶を!」
えなり「あ、すいません!やっぱり失敗でしたか」
隠居 「いいから早くお茶をくれ!」
えなり「湯呑み、そこに出てます」
隠居 「うむ、ゴクゴクッ・・・なんだこのお茶は、ぬるいぞ」
えなり「あ、温泉のあとで、湯冷めした」

ドンドン

134 :主催者:01/11/01 01:51
皆さんの作品はほんとに面白いですね。
いつもながら感心しながら読んでいますよ。

半弗さんの「自動警察(仮)」は、これまた新作で、別境地を見た気が
します。サゲも苦心したみたいですね。私は・・・、後者もいいなぁ、なんて
思ってます。自動警察がぶっこわれるのは予想できましたが、さんざんボケて
ぶっこわれるのがいいですね。
かみさんの「江戸美人」は、話が急展開していくのが面白いです。
必死に自動改札の時代錯誤を隠そうとする松・八の二人のやりとりが
テンポよくていいですね。噺家の演出が聞こえてきそうです。
柳ヤコさんの「温泉寿司」は、前の作品の続きでまたまたえなりくん登場ですね。
「お江戸でござる」で一席やってもらいたい作品です。創作すしまでやるとは
発想がぶっとんでて面白いです。職人えなり君の「やっぱり失敗でしたか」が
確信犯ぽくていい台詞ですね。

もう1・2作品出てから次のお題取りにいきたいので、
新人作家さんも気を臆せず果敢にチャレンジしてくださいね。

135 :桂ちのぱん:01/11/01 22:53
お笑い板でチノパン刑事というハンドルを使っているものですが、
しばらく来なかった間にどちらのスレも盛り上がってますねー。
みなさんうまい! 面白いです。
僕はこちらには初挑戦になりますが、どうぞよろしく。
「煙突」「自動改札」「土鍋」で。


大変世の中、便利になってまいりまして。この間電車に乗りましたら、
各私鉄共通の磁気カードというのが出来ておりまして、一枚のカードで
近鉄でも京阪でも好きなように乗れる。乗り継ぎのときにも切符買い足したり
することがいらんのですな。これは便利ええなと思て、電車降りたあと、
バスの支払機にも突っ込んでみましたが、さすがにこれは無理でしたが。

何でも機械化や、自動化やゆうて便利になっていきますが、あの自動改札機
ちゅうもんが出来たんは高度経済成長期でしたかな。最初はえらい驚いた
もんですが、今ではどこの駅にも当たり前においてある。各社共通のカードなども
出来ましたし、機械はなんでも進歩しますな。次はどないなるやろかなんて、
話をしておりましたら、友達が、
「スポットライトでもつくんちゃうか」
「そんなもんついてどないすんねん」
「不正乗車の客おったらガチャンとゲート閉じるやろ。そしたらまわりが暗うなって、
そいつにスポットライトあたんねや。こら恥ずかしいで。もう二度と不正はやらん
ようになる」
てなことを申しまして、まあそんな阿呆なことはないでっしゃろけど、これからも
何やかやと新しいものができてきますやろな。

136 :桂ちのぱん:01/11/01 22:53
これはそんな自動改札機などなかった時代のお噺でございますが、ある男が
汽車に乗っておりました。その時分は今とは違って車掌さんが車内を検札して
まわるのが普通やったんですが、この車掌というのがえげつのう用心深い男でして。

「切符見せてもらえまっか」
「ああ、わしさっき見せたで」
「切符見せてもらえまっか」
「せやから、わしさっき見せたて」
「さっきというのは、先ほどの駅に停まる前のことですな。切符見せてもらえまっか」
「なんやけったいな車掌さんやな。駅には停まったけど、わしその駅で乗ってきたんと
ちゃうやろ。ずっと乗っとるがな」
「そんなんわかりまへん。あんさんさっきの人の双子の弟かもしれへん」
「んな無茶な話あるかい」
「切符を見せんちゅうことはひょっとして無賃乗車でっか?」
「ちゃうわい。ほら、切符や。ちゃんと木津-網島て書いてあるやろ。ほんで一個穴
開いたるやろ。さっきお前が開けた穴や」
「ああさいでっか。確認いたしました。ほな失礼」

次の駅に停車した後にもまたやってくる。

「切符見せてもらえまっか」
「またおまえかい。もう二へん見せたあるがな」
「さっきというのは、先ほどの駅に停まる‥‥」
「わかったわかった。繰り返すな。ほら、これや、切符や」
「確認いたしました。ほな失礼」
「なんじゃい、あの車掌」

137 :桂ちのぱん:01/11/01 22:53
こんな具合で、駅に停車するたびにまわってきて、そのたんびに「切符見せてもらえまっか」
しまいにその乗客は、いちいち懐から切符取り出すの面倒やゆうて、この男眼鏡かけて
おりましたんですが、眼鏡のツルありますな、あれとこめかみの間に切符を挟みまして、
車掌がまわってくるたびに「ん」「ん」と、顔を向ける。切符を取り出す手間をはぶきまして、
これも一種の【自動改札】(パチパチパチ)

まあむかぁしの汽車っちゅうもんはのんびりしたもんで、ある駅で停まりまして、
乗り換えやらなんやらでしばらく時間があく。それを見越して、今でもようありますが、
うどん屋がホームに店を開いておりました。

「腹減ったな、うどんでも食おか。それにしても、なんやけったいな車掌がおる電車に
乗ってもうて、えらい災難やでほんま‥‥‥天ぷら、山かけ、月見と。豪勢に
天ぷらと行きたいもんやけど、懐さみしいしな、月見にしよか。うん、月見や」

と頼みかけたところへ、隣の客が食べていた鍋焼きうどんが目に入った。

「おー、あれ上手そうやな。値段は‥‥‥と、ちぃと高いが、あの車掌のせいで
むしゃくしゃしてるさかい、ひとつ張り込んだろか。あ、ねえちゃん、鍋焼きひとつ‥‥‥
‥‥えらい待たせよるな。ねえちゃん、わしの鍋焼きまだか」
「へぇ、もうちょっと待っておくんなはれ」
「‥‥‥わしの鍋焼きまだか」
「へぇ、もうちょっと待っておくんなはれ」
「‥‥‥しもたな、鍋焼きみたいに作んの時間かかるもん、頼まんかったらよかった
‥‥‥ねえちゃん、出来たか」
「へぇ、お待ちどうさま」

138 :桂ちのぱん:01/11/01 22:54
と、鍋焼きが出てきたところへ、ホームで車掌が

「網島行き〜間もなく発車します〜」
「わー、えらいこっちゃ。まだ箸もつけてへんがな。どないしょ、これ。
あのー、ねえちゃん、これ、汽車に持ってって食べてええか?」
「汽車に持っていく? そんなん困りますわ」
「しゃあないなあ、どないしょ、あー、もう汽車出るがな。そしたらねえちゃん、この
【土鍋】いくらや?」(パチパチパチ)
「いくらって‥‥」
「ええ鍋やさかい、土鍋ごと買うたるわ。これだけあったら足りるやろ、ほな、すまんな!」

金を置いて、割り箸くわえて土鍋持ってあわてて汽車に飛び乗りました。
席にすわってさあ食べよかと思て、フタをあけますと、蒸気がもわっと出る。
この男眼鏡かけてますさかい、眼鏡が白う曇りよる。そうなっては何も見えませんから、
眼鏡を外します。その拍子に、こめかみに挟んでいた切符が鍋の中に落ちてしもた。
男は近眼でしたんで、それに気づきません。

「おー、こらええダシ出てる。うんうん、うまい。麺も粉がしっかりしてるわ。腰がある。
この土鍋も、勢い余って買うてもうたけど、(縁を叩く)うんうん、ええ音しとる。
それだけの値打ちはあるわ。(切符を箸でつまんで)ん? なんや、この
薄っぺらいのは。こらカマボコか? 穴があいたるさかい、竹輪か。
それにしても薄い竹輪だね。これぁ薄い、竹輪の向こうにお日さんが見えらぁ‥‥‥、
て、わしなんで江戸っ子になってんねん。まあええわ、(切符を口へ)
なんか、ちょっと、これは‥‥‥もそもそして、あんまり上手いもんでもないが、
まあようわからへんけど、なにかの珍味やろ」

139 :桂ちのぱん:01/11/01 22:54
なんと切符を食ってしまいよった。そこへ例のごとく車掌がやってきます。

「切符見せてもらえまっか」
「ん」(こめかみを相手に向ける」
「切符見せてもらえまっか」
「だからここに‥‥‥ない! ないぞ、わしの切符。(あたりを見回す)ない、ないがな。
どないしたんや、さっきの駅に落としてしもたんやろか」
「乗り込むときはこめかみに差してはりましたで」
「なんやお前、見とったんかい。ちゅうことはや、どこかこの辺に‥‥‥ないな、
おかしいな。‥‥‥ああ、ちゃう‥‥‥さっきの竹輪や。あれが切符やったんや。
車掌さん、わし、切符食うてもた」
「切符なんか食べる人がどこにいてまっかいな、はよ出しとくなはれ」
「いや、ほんまやて、竹輪と間違うて食うてしもた」
「何わけのわからんこというてますねん。切符を見せんちゅうことはひょっとして
無賃乗車でっか?」
「ちゃうて、ほんまやて。明日の朝なったら出てくるかな? いや、紙は消化されよるか」
「何ゆうてますねん、ちょっとこっち来とくんなはれ」

押し問答をしておりますうちに、汽車は終点の網島へついてしまいました。
男は駅事務所へ引っ張られていきます。

「無賃乗車やて? 罰金とられんのやろか。なんでわしがこないな目にあわな
いかんのや。もとはといえば、この車掌が何度も何度も検札にくるのが
悪いんやないか‥‥よぉし、見てみい、そりゃっ!」

140 :桂ちのぱん:01/11/01 22:55
小脇に抱えていた土鍋、せっかく買うたもんですから、大事に持っておったんですが、
そのフタを取って車掌に投げつけた。「イテッ、何しまんねん」 車掌がひるんだ隙に、
男はすたこらさっさと逃げ出した。車掌も負けてまへん、投げられたフタを拾って、
男めがけて投げ返す。背中に当たったもんで、男は前にどてっと倒れこんだ、拍子に
眼鏡の片方が割れて、レンズが飛んでしまいました。掛けなおすと、片方は度があう、
片方はレンズがなくなって度があわん、視界がどんがらがっちゃなっとるんですが、
男も意地で、また走って逃げ出す、車掌も負けずに追いかける。

この網島という駅は、今はもうなくなってしもうたんですが、明治の頃に、
丁度今の京橋のあたりにあった駅です。駅を出ますと、当時は駅前に大阪砲兵工廠
がございました。砲弾やら鉄カブトやらをつくっていた工場ですな。男は焦点の
あわん目で盲滅法に走って、その中へ駆け込んだ。ところが軍の工場ですから、
当然衛兵がおります。それがどんがらになった男の目には、駅員に見えた。
「こんなとこにも駅員がおる!」ゆうて、引き返そうとしたら、衛兵の方ではそら、
自分を見て逃げたとなると、こら不審者ですわな。「待てぇ!」ゆうて追っかける。
男が工場の外へ逃げようとしますと、そっちからは車掌が追いかけてくる。
さらに取って返して、工場の奥へ奥へと逃げ回る、土鍋を小脇に抱えとったら邪魔や
ゆうんで、頭にかぶって走り回る。それを見ておりました工員が、

「おい、四郎よ、なんやけったいな奴が逃げまわっとんで」
「頭になんかかぶっとるな。ありゃ恰好からすると、ドイツの鉄カブトやな」
「ほう、ドイツのスパイかい」

141 :桂ちのぱん:01/11/01 22:55
男はもう必死で逃げておりましたが、道が行き止まり、屋根にのぼる。ところが
足元がおぼつかんさかい、よろけまして、あやうく工場の【煙突】に
つかまった。(パチパチパチ) 屋根の下では駅員と衛兵が「ここや、見つけたぞ!」
進退きわまった男はそのまま煙突をのぼっていきます。

「なんで、なんでわしこんな目にあうんや」

てっぺんまでのぼりましたが、煙突というのは煙が出る。すぐに男の顔は煤で
真っ黒になって、眼鏡の残った方のレンズも真っ黒け、こうなっては何も見えんので
眼鏡を取る。そうしたら真っ黒な顔に、片目のまわりだけ、白い肌が見えておって、
まるで闇夜に浮かぶ満月のよう。

「ああ、こんなことやったら、鍋焼きやのうて、

    ┌┸┐
    │三..|
    │題..|    ∧_∧    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    │噺..|    ( ´∀`) ||<  月見にしとけばよかった。
    │  ..|   (≡V/_~つ  \____________
    │  ..|  。(__Y__)                           \
    └┰┘ 亘⊂ニニニ⊃                      ドンドン
    ━┻━━━━━━━━━━━━                  /

142 :主催者:01/11/02 23:15
桂ちのぱんさんの大作が出てきましたね。
網島の説明や話のスピーディな展開、切符を食べてしまうなど、どれをとっても
秀逸な作品ですね。噺にセンスを感じます。サゲもきれいですね。
タイトルは「鍋焼き電車」もしくは「切符喰い」でいかがでしょう?

それでは、次回第五回お題取りと参りましょうか。
例のごとく、一レスにつき単語一つでお願いします。
また、遅レスでも構いませんから、読者の皆さんから
作者の皆さんへ簡単な感想や要望(こういう内容で書いてくれたらなぁ、とか)
も同時に募集していますのでよろしくお願いします。(←コピペに手を加えました、すみません)

143 :重要無名文化財:01/11/02 23:34
携帯電話

144 :重要無名文化財:01/11/03 00:45
運動会

145 :重要無名文化財:01/11/03 01:00
授業参観

146 :重要無名文化財:01/11/03 01:01
英語

147 :重要無名文化財:01/11/03 01:08
ストリップ

148 :重要無名文化財:01/11/03 01:18
殺し屋

149 :重要無名文化財:01/11/03 01:24
定年

150 :重要無名文化財:01/11/03 02:24
ながったらしくて嫌だよココ。
小噺みたいにしてよ。

151 :重要無名文化財 :01/11/03 02:24
骨董屋

152 :主催者:01/11/03 02:45
さて、かなりのお題が集まったようですね。

>>150
うーん・・・、難しいもんですねぇ。
私としては長い作品もその分深みがあって読み応えがありますし、
短い作品も短いなりに趣向がこらしてあって好きですしね。
私は両タイプあっていいと思います。「長くて読めない」という方は
いっそ自分でお書きになるのも一計です。もちろん、作家の方が
チャレンジしてくださると助かります。
ここのコンセプトは、読み応えある力作の三題噺ですので、
ある程度の長さの作品はご理解下さい。
何度も言うようですが、
【三題噺】
http://ebi.2ch.net/test/read.cgi/owarai/1002888286/

という、初心者用の自由なスレッドがお笑い板にありますので、
そちらでは、かなり短い(4行くらいの)作品もありましたから、
御覧になってはいかがでしょうか?

それでは、お題発表です。
「英語」「殺し屋」「骨董屋」です。
「屋」が二つもあって難しい、内容が片寄るという声もあるでしょうが、
同じ商売でも方向性は100%違うと思うので、
そこを駆使してやってみてください。強引な使い方も期待しています。
それでは、多くの作品お待ちしています。

153 :かみ:01/11/04 00:47
主催者さん。感想ありがとうございました
「英語」「殺し屋」「骨董屋」で。

「早いとこ仕事終えてずらかろうぜ、兄貴。」
「まあ、あわてるな。まだ日はのぼんねえよ。」
「だけどよ、人に見つかったらおしまいだぜ。」
「わかってるよ、うるせえなあ。少し黙ってろ。それにしてもこの骨董屋、なかなかいいもん揃ってるじゃねえか。どれから頂こう。」(パチパチ)
「なあ、もう手で運べるようなもんはねえよ。早く行こうぜ。」
「だからうるせえってんだよ!!だったらお前もう先帰れ!その代わり手にしてるものは
みんな置いてけよ。」
「そういうこというなよ、なあ兄貴〜。」
「だったら黙ってろってんだよ。」
「なあ兄貴、この骨董屋の親父の事知ってるだろ?」
「ああ?あくどい商売してるってことか?」
「そうだよ。何の価値もねえもん高く客に売りつけてよ。そりゃあ、ひでえもんだよ。」
「それを盗もうっていう俺たちもひでえけどな。どっちもどっちだな。」
「いや、まあそうだけどね。ここの親父そういうひでえ商売してやがるから最近じゃ
命まで狙われてるらしいよ。」

154 :かみ:01/11/04 00:48
「へえ〜。まあ、人を平気に騙してんだからな、騙された奴は許せねえだろうな。」
「なんでも客の中には殺し屋まで雇ってるのがいるんだってよ。」(パチパチ)
「へえ〜、そりゃ穏やかじゃねえな。じゃあここの親父はもうやられんのも時間の問題だな。お気の毒だな。」
「いや、まあそうなんだけどね・・だからさ、その殺し屋がもしかしたら今偶然来ちゃうかもしれねえじゃねえかよ、時間もこんな夜中だしさ。」
「それがどうしたんだよ。」
「いや、それでばったり顔でも会っちまったらよ、ツラみられたってんで俺たちの事
生かして帰さねぞ。だから早くずらかろうって言ってんじゃねえかよ・・」
「顔合わせたら『こんにちは』って言やあいいじゃねえか。」
「何のんきなこと言ってんだよ。兄貴、殺し屋の源って奴知らねえのかよ。」
「知らねえ。」
「え?兄貴、殺し屋の源のことも知らねえでよく盗人やってんねえ。」
「源?強いのか?おもしれえ、連れて来い。」
「のんきだねえ、兄貴も。強いも何もねえよ、でけえ体してな、頭の毛は全部抜けててつるっぱげ。そんで長い日本刀持ってよ、それを狙った野郎の首に一振りよ。それでお陀仏。」
「へえ、でけえ体して、おまけに毛のねえつるっぱげか。ますます会いたいねえ〜。」

155 :かみ:01/11/04 00:49
「だから奴が来る前にもう行っちまおうよ。」
「びくびくすんなよ。源だか何だか知らねえが上等だってんだよ。そんなことより早く荷物つめろってんだよ!!」
「わ、わかったよ。まあ、確かによりによってこんな時にでてこねえだろうからな。めったに姿みせねんだからな・・・まあ荷物詰めるとするか。・・・ん?あれ?なんだこれ?なんだこの袋は?なんだこの袋、兄貴?」
「なに?袋?なんだよそれ。」
「あれ、なんか書いてあるよこの袋。あれ?こりゃあ、日本語じゃねえなあ。」
「何?ありゃ、これは亜米利加って国の言葉だ。」
「亜米利加?何語だ?」
「たしか英語ってやつだな。ははぁ、なるほど骨董屋の親父、よその国からもいろんなもん集めてたんだな。」(パチパチ)
「なんて書いてあんだろう。」

156 :かみ:01/11/04 00:49
「どれどれ・・M・O・N・・E・・・Y・・って書いてあるぞ」
「え??お前読めんのか??」
「少しな。」
「へえ、すごいね兄貴。ただの盗人じゃねえな。」
「あたりめえよ。」
「そんで、なんて書いてあんだ?」
「だから、M・O・N・E・Yだよ。」
「なんて読むんだよ?」
「これか?MONEY・・・たぶん・・・モ・モン?・・分かった!!モンキーだよ。」
「も?もんき?」
「もんきじゃねえ、モンキーだ。」
「な?なんだよ、もんきーって??」
「お前モンキー知らねえのか?」
「鈍器なら知ってるよ。」
「くだらねえよ。鈍器じゃなくて、モンキーだ。猿だ、サル!!」
「猿??猿が入ってんのか??この袋の中に??」
「入ってるわけねえだろ。試しに、その袋振ってみろよ。」
「ああ・・・どれどれ・・ん??あれ?ジャラジャラ音がするよ。この音は・・あっ!!小判だ小判!!金だよ金!!金の音だよ!!金入ってんだよ、この中に!!」
「馬鹿言ってんじゃねえよ。だからお前は素人だってんだよ。袋には「モンキー」ってちゃんと書いてあんだよ。その音は確かに金見てえな音だけどな、違うよ。猿の骨だよ。」
「猿の骨??」
「ああ、そうだな。」

157 :かみ:01/11/04 00:50
「なんで、猿の骨なんかあんだよ。」
「おめえここは骨董屋だよ。この親父がどっかから手に入れてきたんだろ。それでこれはマンモスの骨とか言って客に騙して高く売りつけるのよ。」
「なるほど・・親父ならやりかねねえや。・・・ちょっと中見てみるか?」
「やめとけ、猿の骨だけとは限らねえぞ。猿の首や脳みそも入ってるかもしれねえ。そんもん見たくねえや。やめとけやめとけ!!」
「ああ、そうだな、それじゃあやめとこう。でも一応、荷物に詰めとこおっと。」

ドカドカ!!

「ん?、兄貴?今なんか音しなかったか?」
「ああ、したなあ・・・誰か来たか?」
「やべえよ、逃げよう!!」
「待て、落ち着け。店の親父だろう。」
「そうかなあ、殺し屋の・・・源かも・・」
「んなわけねえよ、親父に違いねえ。裏から逃げるぞ。」
「ああ、そうしよう。」

158 :かみ:01/11/04 00:50
「あれ、おい、急に止まるなよ兄貴。」
「あ・・・おい・・おめえ・・」
「どうした兄貴?」
「お、おめえの後ろ・・・」
「え?後ろ?」
「に、に、日本刀持った男が立ってるぞ・・・」
「え??馬鹿なこと言うなよ、兄貴。」
「あ・・ああ・あ・・髪の毛がきれいに抜けてるつるっぱげだ・・・」
「お、おい、、な、なに??・・・ってうわーーっ!!!源だ!!殺し屋の源だ!!」
「殺される〜〜!!」
「逃げよう兄貴!!でもさっき兄貴、源なんて上等だって。」
「うるせえ、いいから逃げるぞ!!」
「うわ〜〜〜!!源だ!!殺されるぞ!!逃げろ!!」
「もっと早く走れ!!」
「走ってるよ〜〜!!」
「はあ、はあ、奴は??」
「奴??うわ〜〜〜!!日本刀もって追いかけてくるよ〜〜兄貴〜〜!!」
「逃げろ〜〜!!ハァ、ハァ・・・でも奴はほんとに源か?」
「ああ、まちがえねえ、ハァ、ハァ・・頭も毛がねえつるっぱげだ!!」
「そ、そうだおい!!おめえさっきのも猿の骨持ってるか?」
「ああ、あるよ」
「それ奴に投げつけろ!!」
「これ??これ投げったってききめねえよ。」

159 :かみ:01/11/04 00:54
「いいから、投げろ、猿の骨でも脳みそでもなんでもいいから投げつけろ!!」
「わ、わかったよ、どれ・・・あった・・袋開けて・・よし・・ん?あれ?
あ!!兄貴!!これ猿の骨じゃねえよ!!なんだ小判じゃねえか!!小判だ小判!!
ど、どういうことだよ!!兄貴サルって書いてあるっていったじゃねえかよ!!。
うわ〜〜もうだめだ!!毛のねえ野郎が日本刀振り回してこっち来るよ〜!!もうすぐそこだよ兄貴〜〜!!たすけてくれ〜〜!!」
「待て!!何?サルじゃなくて小判???え?何で?・・・あっ!!間違えた!!
よく見たらサル(Monkey)じゃなくて金(Money)じゃねえか!!
いけねえ!!こっちこそ

┌┸┐
│三..|
│題..|     ∧_∧    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
│噺..|    ( ´∀`) ||< K(毛)が抜けてらぁ。
│ ..|  ( ≡V/_~つ  \____________
│ ..|   (__Y__)                           \
└┰┘   亘⊂ニニニ⊃     
                ドンドン
━┻━━━━━━━━━━━━                 

『猿金合戦』でした。チャンチャン。

160 :T.K.:01/11/04 01:44
前回、いそがしい内に終ってしまった。短いの行きます。
「英語」「殺し屋」「骨董屋」

おじ「与太郎、叔父さんの商売やらないか?」
与太「叔父さんの商売って道具やだろ?」
おじ「道具やは辞めて、新しい商売にしたんだよ」
与太「じゃ、何屋?」
おじ「骨董屋だな」(パチパチ)
与太「同じじゃないの?・・いろいろあるね、この熊のぬいぐるみはどこの?」
おじ「それは舶来物でエゲレスのだ。横に英語が書いてあるだろ」(パチパチ)
与太「この人形面白いね。人形の中に人形が入ってて、その人形の中に
  また人形が入ってる。これどこの?」
おじ「それも舶来物でな、中国より上の方にある、オロシヤの物だ」(パチパチ)
与太「どんなものがあるかとか、値段とか書いた本ってないの?」
おじ「元帳は無い。おじさんが言うから全部覚えなさい」
与太「道具やの時は書いてあったのになんで新しい商売は言葉で言うの?」
おじ「だって、口頭(こうとう)屋」

「道具や後日談」ってことで。

161 :湖亭半弗:01/11/04 02:19
かみ氏の作品はいつも出てくる人物がユーモラスで面白いですな。

さて、「英語」「殺し屋」「骨董屋」ですか・・・。
桂ちのぱん氏が上方なので、何とか負けない様に頑張りますか。

人間、何かしら手に職があるといいますと、食いっぱぐれがないもんですが。
どんな道楽してても、ちょっと時計が修理できるとかね、教師免許があるとか、
鼻からうどんが食える、こら儲けられるかは分かりまへんが、何か出来たらそれで
その日は暮らしていけるもんで。
男A「お前はほんまに寝てるのが好きな男やな。働かんかぃ。」
男B「そない言いな、これがこないだ勤め先決めるのに役立ったんやで。」
男A「嘘言え、お前。こんなん寝てるだけやないか。どんな仕事や?」
男B「枕の品質チェックや。」
こらこいつくらいしかとぉ出来んもんですが。せやけど、好きなもんが嵩じて
仕事になるほど結構なもんはおまへんわなぁ。今日はそんな若旦那のお噺で、
大旦那「定。定吉。いてなはるか、定吉。」
定吉「へぇぇい、旦さんお呼びで。」
大旦那「作次郎はどうしてます。」
定吉「へぇ、あの、若旦さんでしたらな、また久七っとん連れて肩もみの
仕事にいかはりました。」
大旦那「何?また出ていきよったか・・・、ほんに困った奴じゃ。」
定吉「せやけど、旦さん、女遊びやなんかよりマシやと思いまっけど。」
大旦那「これ、定。使用人出過ぎた口を聞くもんやないぞ。」
定吉「へっ、へぇ!こらすんまへん。」
大旦那「あいつの仕事、というても、あら素人のあんまじゃ。ちょっと上手いか
好きかしらんが、皆におだてられて片手間にやってるだけの事じゃ。まぁ確かに、
おまはんの言う通り悪い事やない、隣の伊勢屋の放蕩息子に比べれば、それはちぃとは
マシかもしれん。せやけどな、定。身代を背負うもんというのはな・・・。」
定吉「ふぁああ、また始めよった。」
大旦那「こら何を言いくさるのじゃ、何がまた始めよったじゃ。」
定吉「旦さん、そら丁稚かて、毎日毎日身代の話し、若旦さんの代わりにされたら
えぇ加減嫌になりまっせ。」
大旦那「口の減らん丁稚じゃ、こっち来なはれ、その口にはお灸がよう効くのじゃ!」
定吉「うわぁ、えらいことした!旦さん、あの、肩だけはやめとくんなはれ!」
大旦那「何で肩はいかんのじゃ。」
定吉「これ見とくんなはれ、これ。」
大旦那「ん?・・・、何じゃ真っ赤に腫れ上がって、どうしたのじゃ?」
定吉「あんたの息子の仕業でっせ。」
大旦那「これ、仮にも主人をつかまえて、あんたとはどうじゃ。」
定吉「こないだからずっとですわ、若旦那に揉まれてまんねんで、これ。
「定吉、肩こってるやろ、そうかそうか、そんなにこってるか、そら難儀な。」
ちゅうて勝手にこってる事になってまんねん、わたい。嫌がるわたいの肩をもんで、
「あぁ、やっぱりよぅこっとうやないか。」(パチパチパチ)ちゅうて無理矢理ですさかいに。そら、
たまにやってもろぅたら、幾分上手いお人やさかいによろしおますけどな。毎日やられたら
こないなりまっせ。店のもん、たいがい肩腫らしてまっせ。」
大旦那「何ということじゃ、しょうのない倅じゃ事・・・。」
定吉「よぉ教育しなはれ。」
大旦那「こ、主人に向かって何ちゅう口のききかたじゃ!」
お店の中はえらい騒動ですが、出てる若旦那はそんなん知らんさかいに、のんきなもんで、
久七「若旦那、今日はどちらへ。」
若旦那「そうやな、今日も風の吹く方へ。」
久七「塵や埃やがな、まるで。・・・、あれ、若旦那。あそこで手招きしてなはるの、あれ按摩の米市
さんやおまへんかいな。」

162 :湖亭半弗:01/11/04 02:58
若旦那「ほんに、米市のお師匠さん。」
久七「若旦那、三味線や浄瑠璃かなんかと間違ぉてるんやおまへんか。」
若旦那「何をいうのや、わしの尊敬するお人やぞ。師匠、しばらくで。」
米市「やぁ、作次郎さん。あんたも大分上達したそうで。」
若旦那「へぇ、こないだようやく三段あがらせてもらいまして。」
久七「いよいよ浄瑠璃みたいになってきた。三段、て何でやすか。」
若旦那「脇の下から三段目にツボがあるねや。」
久七「知らんがな、そんなん。」
米市「こないだは会に出たんやそうで。」
久七「また浄瑠璃や。若旦さん、会、て何です。」
若旦那「老人会や。」
久七「ややこしい符丁で言いなはんな。はぁはぁ、行きましたなぁ、あそこは
肩もみしてもらいたい人よぉけいてるさかい。」
米市「作次郎さん、実はちょっとお頼みしたい事が。」
若旦那「え?あの、何ぞ御用で?」
米市「あんた、英語しゃべれなはるか?」(パチパチパチ)
若旦那「はぁ、小さい時から英語だけは・・・、廻船問屋ですさかいに、うちが。」
米市「そこの異人さんとこ、代わりに行ってもらえませんやろか。」
若旦那「はぁ、そこの異人さん、構やしませんけど。」
米市「あぁよかった。わし、異人だけは苦手でしてな。その友人から
行ってやってくれちゅうので、前金ももろぉたさかい、困ってましたんや。」
若旦那「左様ですか、なぁに私でよければ行かせてもらいます。」
米市「ほんまに助かります。ほな、前金も渡しときましょ。」
若旦那「こらすんません・・・、師匠、これロシヤの札でっせ。」
米市「あ、そうですか。何や異人はみな一緒ですさかいに。」
若旦那「こぅロシヤのん渡されても困りまっせ、これ。私、ロシヤ語は
出来まへんで。」(パチパチパチ)
米市「まぁ、私よりましですやろ、とにかく頼みます。」
若旦那「あぁ、師匠!・・・、行ってしまいよった。どないしょ、これ。」
久七「どないしょて。行くしかおまへんやろがな。」
若旦那「えぇ、ままよ。人間皆一緒か。」
長屋の木戸口まで来ますというと、異人さん出迎えておりまして、
コットルネン「おぉ、あなたがぁ、按摩さんでやすか?」
若旦那「えらい元気な異人さんやがな、これ。按摩頼む人が出迎えてなはる。
・・・大きいなぁ!」
久七「若旦那、あんた初めてやおまへんやろ、向こうの人。わたいちょっと
こわなってきましたわ。」
若旦那「しょうのないことやな。ハロー、マイネームイズサクジロー。
ナイスチューミーチュウー。」
コットルネン「おぉ、あなた英語しゃべれるんやねー。私、コットルネン。ロシヤ人やけど、
英語もしゃべれるさかい、安心しとぉくんなはれー。」
若旦那「日本語の方が上手やがな。しかもインチキな名前や。まま、ほな、
ちょっと横になってもらえますかいな。そぅそぅ・・・、
大きいなぁ、横になっても。座るとこあれへんがな。」
コットルネン「すんませんなー、猫の額みたいな家でー。」
若旦那「よぉ知ってるわ、猫の額なんてわしらでも最近使わんのに。ほな、いきまっせ。
ぎゅぎゅぎゅっと。」
コットルネン「おぅおぅおぅ!痛い痛い!」
若旦那「ちょっと押しただけでっせ。」
久七「やっぱり、わたいらと体のつくりも違うんかもわかりまへんな。」
若旦那「そう、かも、わからん、なっと。ぎゅっ、ぎゅっ!」
コットルネン「おぅおぅおぅ!痛い痛い痛い!!」
若旦那「えらい痛がるなぁ。コットルネンさん、あんたまた大袈裟に「痛がる」んやなぁ。」
コットルネン「痛たたた、そういうあんたは「バイリンガル」やがな。」

ドンドン

163 :湖亭半弗:01/11/04 03:01
何と、T・K氏と「殺し屋」の使い方かぶってしまいましたね。
アップして気づきました。
「道具屋後日談」もすっきりした噺でいいなぁ。

164 :重要無名文化財:01/11/05 00:17
面白いのでage

165 :主催者:01/11/05 01:50
どうも主催者です。多数の作品ありがとうございます。
常連さんがしのぎを削ってらっしゃるようですが、
かみさんの「猿金合戦」は、「へっつい盗人」を思わせるコンビに
殺し屋がからんでサスペンスな雰囲気もありますし、なかなか面白い
作品だなあと思いました。猿の骨のこじつけに思わず吹き出してしまいました。
小判と猿の骨、MONEYとMONKEYなどの取り違えが主体の噺ですが、
読み甲斐がありました。
T・Kさんの「道具屋後日談」は、短いなりに色々楽しめますね。
「道具や」となっているのには意味があるのでしょうか?
やはり叔父さんと与太郎のかけあいが面白いですね。
半弗さんの「素人按摩(仮)」はまた不思議な趣向ですね。お店での
丁稚のやりとり、若旦那の遊び半分の按摩の仕事、実は英語が話せる育ちの良さ、
色んな部分で味がある作品です。

意外に読者の方が多い様で、楽しみにしてらっしゃる声もあり、驚いています。
作家以外の皆さんも、一行感想でも構いませんので書いて下さいね。
多くの人に、色んな形で参加していただけるスレを望んでいますので、
宜しくお願いします。

もう何作品か出れば次回お題取りにいきましょう。

166 :主催者:01/11/05 02:46
「素人按摩(仮)」と半弗さんの作品に仮タイトルをつけましたが、
よく考えると、この若旦那は素人というより、きちんと按摩をしているので、
「異人の按摩客(仮)」でいかがでしょう?

167 :T.K.:01/11/05 11:47
落語の本みると「道具屋」より「道具や」のが多かった記憶があるので。
「唐茄子や」とかもそうだし「『や』は平仮名なのかなぁ」と思っただけです。

168 :夢藻助:01/11/05 11:51
じゃあ、行きます。

何といってもこんな季節には
演歌を聞きながら
ちびちび日本酒なんかを飲むのもいいものです。
みなで語らいながら・・・酒よ。
よし行くぞー。

(あるいきつけの飲み屋で)

拓也:「また、今日も鍋食べるんですか?徳さん」
徳さん:「まあな、冬って季節は鍋なんだよ。鍋。
俺のおごりだからいいじゃねーか、
しかもお前ら食べ過ぎなんだよ。ちっとは、遠慮しろよ。」
円漠:「今日も船橋ですか・・・」

徳さん:「そうだ。あそこは大穴が出やすいんだよな。
我がジャイアンツがタイタンズに負けるようなものさ。(泣)」
拓也:「泣かないでくださいよ・・・。そんなことより、今日は何て馬が来たんですか?」
徳さん:「『ロシアオーザ』だよ。あいつにはずっと目をつけてたんだ。」
拓也:「あっ。去年まで強いって言われてた馬じゃないですか!
僕も知ってますよ、確かサンデーサイレンスの子、ロシアって・・・(パチパチ?)」

徳さん:「そう。サンデーの子、ロシア(パチパチ)だよ。人気落ちでねらい目だろ?」
円漠:「さすが、徳さん、目の付け所が違いますね。さすがギャンブラー。」
徳さん:「まあな。今日は、お前らも好きなだけ飲んでいいぞ。」

2人:「はい!やったぁ!」

(酔っぱらいの3人、徳さんの競馬談義は続く)

拓也:「いやあ、飲んだ。飲んだ。すっかり酔っ払ってしまいましたよ。」
円漠:「ほんと、ほんと、なんか日本酒もいけますよね。」
徳さん:「そうだな、この店には、いい演歌も流れてるしなあ。酒が進むよ。」
拓也:「いい唄っすよね。ちなみにこの唄って何て唄なんですか?」
徳さん:「おお。この歌はな、河島英語だ。(パチパチ)」
円漠:「徳さん、酔ってます?『英五』ですよ、あの人は。字、間違えてますよ。」

徳さん:「どっちでもいいじゃんかよ。
俺はあの人の唄を聞くと妙にしんみりしちまうんだよ。
なんか骨董屋にある仏像を何時間も見てるような気分になるんだよ。(パチパチ)
で、泣くんだよ、俺はな。」

拓也:「泣くんですか?仏像なんか見て。」
徳さん:「ああ。(泣きながら)でもお前らにはこの風情がわからんと思うがな。」
拓也:「そんなもんですかねえ・・・」

円漠:「僕はわかりますよ、徳さんの気持ち。」
徳さん:「お前が?嘘をつくな、嘘を。」
円漠:「嘘じゃないですよ。あの人の唄を聞いて骨董屋でしょ。」
徳さん:「そうだ。」

円漠:「♪忘れて〜しまいたい〜こっと〜や〜」

ドンドン

169 :重要無名文化財 :01/11/05 17:05
「英語」「殺し屋」「骨董屋」

「おい!起きろ!起きろってんだよ!」
「何だよなんだよ、うるせぃなぁ・・・。何だよ!!」
「おめぇこそ脅かすなよ、おぃ。俺は殺し屋だ。」(ぱちぱち)
「殺し屋だぁあ?明日にしとくれ。」
「いや、そうはいかねぇよぉ。俺だって商売なんだからさぁ。」
「じゃあ、何で寝てるうちに殺さねぇんだよ、全く。眠いから、
さっさとやっとくれ・・・。」
「おい。おめぇよー、起きろよぉ。」
「うるせぇな、何だよ。」
「何か寝てるの殺したら卑怯じゃねーかよぉ、起きろよ。」
「知らねーよぉ、そんなの。俺がいいっていってんだからよぉ、構わないからさ、
殺しておくれよ。別にこの世に未練ねぇしさぁ、財産もあるって訳でもねぇし。
寝てるうちに死ねたらこんな嬉しいこたぁねぇよ。さぁ、やっとくれ。」
「よせよぉ、おい。寝てる奴は殺さないポリシーなんだよ、俺ぁ。」
「何ぉ?ポリバケツみてぇな顔しやがって、下手に英語使うねぃ。」(ぱちぱち)
「顔で使ってるんじゃねぇやな。やんなるね、とにかく起きろよ。」
「うるせぇな・・・ったくよぉ、何だよ。」
「おめぇ、何で殺し屋に殺されなくちゃなんねぇか、知ってから死にたくねぇのか?」
「よせよ、こいつは。そんなの知ってから死んじゃあ、おめぇ、相手の恨みかなんかで
化けてでなくちゃなんねえし、面倒くせえや。」
「面倒くせえって言い草があるかよぉ。・・・実はな、おめぇ、横町の骨董屋の仕業だよ。」(ぱちぱち9
「おめぇ、親切な殺し屋だなぁ、いいのかい、頼んできた人の事ばらしちまってさ。」
「いいんだよ、殺し屋ったって俺だってこの仕事初めてだ。」
「おめぇ、今ポリシーっていったじゃねぇか。」
「あぁ、殺し屋始めたらそうしようと思ってたんだ。」
「何だかおめぇもマヌケなようだな。んで?骨董屋が何だって?」
「おめぇ、こないだ古い壷買ってかえったろう?」
「・・・そーいやそんな事もあったなぁ。」
「あれがよ、実はさ。千両の値打ちがあんだってさ。」
「ちょっと待て、おめぇ。千両!あぁ、驚いた。おめぇ、あれ十文で買ったんだよ。」
「後で調べて価値があるもんだと分かったんだとよ。」
「しょうがねぇ骨董屋だ、んちくしょう。で、返せともいえずに殺して取り返すって
寸法かよ、どうしょうもねぇ野郎だな、あいつは。」
「だからよ、千両の壷返してさ、死んでくれよ。」
「冗談じゃねぇよ、千両の壷持ってて死ねるかよ!第一いったい
何で殺そうってんだよ。」
「骨董屋の庭に植わってるトリカブトの根の毒もらってきたんだ。」
「あぁあ、さすがは骨董屋、殺し方は掘り出し物だ。」

ドンドン

170 :柳ヤコ:01/11/05 19:53
『寿限無の喧嘩』

熊 「うんちわ。隠居さんいますかぁ」
隠居「なんだぃ誰かと思ったら熊さんじゃぁないか。どうしたぃ」
熊 「あのー、昨日うちの子供に名前を付けてくれましたよね」
隠居「うん、付けたよ。なんだぃ熊さん、あたしゃあの中から
   一つだけ選べって言ったのに、みんな付けちまいやがって」
熊 「えぇ、それなんですけどね、今日になってウチのかかぁが、
   文句をつけるんですよ。あの『五劫のすりきれ』って所が
   あるでしょ」
隠居「うん、あったな」
熊 「かかぁが言うにはね、あれは三千年に一度、天人が天下って
   下界の岩を衣でつるりと撫でる、また三千年に一度つるりと
   撫でる、この岩がすりきれてなくなっちまうのが一劫だって、
   隠居さんとおんなじようなことォ言うんですよ」
隠居「ほほぅ、お前のかみさんもなかなかの教養人だな」
熊 「は?」
隠居「教養人だよ」
熊 「はぁ、そうすか・・・ふーん・・・よかったよかった」
隠居「なにがよかったよかっただ。わかってんのか?」
熊 「いえ、まるっきり」
隠居「わからないで感心するやつがあるか。まぁ早い話が、物知りだ
   ということだ」
熊 「なぁんだ。そんならそうと言って下さいよ。教養人だなんて、
   英語で言うからわからねぇ」(パチパチパチ)
隠居「英語じゃないよ。それでどうしたぃ」

171 :柳ヤコ:01/11/05 19:54
熊 「はぁ、これっておしまいには結局擦り切れちまうもんだから、
   縁起が悪いってんですよ。だからそこだけ変えて貰いたいんス」
隠居「しょうがないな。まぁついでだから何か考えてやるか・・・。
   要するに果てしの無いのがいいんだな?では『骨董の売り切れ』
   というのはどうだ」(パチパチパチ)
熊 「なんすかその『骨董の売り切れ』ってぇのは?」
隠居「骨董屋というのは、古いものを扱うのが商売だ。時代が進んで
   いくと、古いものはどんどん増える一方だからな、骨董屋の
   品物は売り切れることがない、果てしがないところがめでたいな」
熊 「ははぁなるほど、そりゃ理屈だ。どうもありがとうござんした」

さぁこの長い名前が性に合ったものと見えて、この子供が病気一つする
こともなくスクスクと成長いたします。ところがこれが大変な腕白坊主、
のべつ近所の子供と喧嘩をしては相手の頭をポカリとやる、殴られたほう
は泣きながら訴えてまいります。
金坊「うぇ〜ん、おばさんとこのね、寿限無寿限無骨董の売り切れ(拍手)
   海砂利水魚の水行末雲行末風来末食う寝る所に住む所、やぶらこうじ
   やぶこうじパイポパイポのシューリンガン、グーリンダイのポン
   ポコナーのポンポコピーの長久命の長助ちゃんがね、あたいの頭
   ぶってこんな大きなこぶこしらえたーーー」
かみさん「あらまぁ大変、ちょいとお前さん、来ておくれ」
熊 「なんだよ、いきなり俺を呼ぶのか」
かみさん「時間がないんだよ」(客席笑い)

172 :柳ヤコ:01/11/05 19:55
熊 「しょうがないな、金ちゃん、どうして喧嘩になったんだ」
金坊「あのね、みんなで殺し屋ごっこして遊んでたの」(パチパチパチ)
熊 「ぶっそうな遊びだな。それでどうした」
金坊「そしたら寿限無寿限無骨董の売り切れ、海砂利水魚の水行末雲行末
   風来末食う寝る所に住む所やぶらこうじやぶこうじパイポパイポの
   シューリンガン、グーリンダイのポンポコナーのポンポコピーの
   長久命の長助ちゃんがね、殺し屋は相手の名前を言ってから殺すんだ
   って言って、ボク一生懸命覚えたんだよ、そしたら今度は英語で
   言えって言うんだよ。(パチパチパチ)
   それでボクが『エンドレスラッキー、エンドレスラッキー、アン
   ティークソールドアウト』って言ってるところに、ボクに向かって
   『ヘイ、ミスターゴールド!』って言ってポカッて殴ったんだぃ」
熊 「そうかい、そりゃ済まなかったなぁ。元はと言えばおじさんのせいだ」
金坊「どうしておじさんのせいなの?」
熊 「名前に骨董屋を入れたばっかりに、まけるのが嫌いになったんだ」

ドンドン

173 :重要無名文化財:01/11/06 00:28
おもろいage

174 :主催者:01/11/06 02:02
わずか一日でまた作品があつまり嬉しい悲鳴ですね。

T・Kさん>そうでしたか・・・。時々その表記は見掛けますね。
なぜ「や」だけ仮名なんでしょうね?

感想ですが、
夢藻助(「むもすけ」さんでしょうか「ゆめ もすけ」さんでしょうか)
の「いつもの三人談義(仮)」は前回の三人が再登場での
談義ということですが、徳さんは分かるのですが後の二人のモデルは
不勉強で私には分かりません・・・。内容も様々な分野に飛び、
その落語家しか出来ないネタみたい感じが出ていますね。
匿名さんの「まぬけの殺し屋(仮)」は「夏泥」を思わせる二人の
のんきな噺で好きです。命のやりとりが肩透かしを食ってるところや、
骨董屋の依頼をしゃべってしまう殺し屋、出てくる人物が全員抜けている
のが面白いです。柳家風の江戸落語の雰囲気が味わえます。
さて、柳ヤコさんの「寿限無の喧嘩」は設定がまず面白いです。
「骨董の売り切れ」が強引すぎて笑えます。こじつけで「そりゃ理屈だ」
といってしまう熊さん。「売り切れ」が名前に入るのってさっきより
悪くなってるのに気づかないっていうのがまず可笑しいし、その後の
子供たちの殺し屋ごっこ、そしてその英語で言わねばならない変な決まり、
バカバカしすぎてやられた!という感じですね。

175 :主催者:01/11/06 02:33
さて、作品と感想が反比例しているように思えますので、
第五回を区切りにして、感想の日といたしましょうか。
全作品を挙げておくので一言でも感想を書いて下さい。
それが作家さんの励みになるでしょうし、皆さんも何らかの形で参加できる
機会になると思いますので。仮タイトルの作品も申し出がなかったので、
正式タイトルとします。

第一回
「携帯」「近江八景瀬田の唐橋」「プロジェクトX」

>>17-18 湖亭半弗さん「近江路」
>>20 匿名さん 「プロジェクトX出演計画」
>>23 T・Kさん 「デッキにて」
>>30-31 T・Kさん 「取り調べ」

第二回
「終身名誉監督」「吉田茂」「やかん」
>>48 匿名さん 「御隠居教師」
>>50 夢藻助さん 「G党の徳さん」
>>51 ごじゅういちさん「伝統の一選」
>>52 匿名さん 「2001年オフ、巨人軍」
>>55-56 湖亭半弗さん 「やかん仇討ち」
>>84-85 T・Kさん 「アメーバーの恐怖」

暫定第三回
「あんまん」「医者」「正真正銘」
>>69 かみさん 「あんまん(続・転失気)」

第三回
「医者」「のこぎり」「えなりかずき」

>>86 T・Kさん 「むちゃ患者」
>>93-95 かみさん 「大工の火事」
>>96-97 柳ヤコさん 「鰹さばき」
>>98-99 湖亭半弗さん 「三人家斉」

第四回
「土鍋」「煙突」「自動改札」
>>120-122 湖亭半弗さん 「自動警察」
>>125-130 かみさん 「江戸美人」
>>132-133 柳ヤコさん 「温泉寿司」
>>135-141 桂ちのぱんさん「鍋焼き電車(切符喰い)」

第五回
「英語」「殺し屋」「骨董屋」
>>153-159 かみさん 「猿金合戦」
>>160 T・Kさん 「道具や後日談」
>>161-162 湖亭半弗さん 「異人の按摩客」
>>168 夢藻助さん 「いつもの三人談義(仮)」←さすがに今命名したばかりですから
>>169 匿名さん 「まぬけの殺し屋(仮)」
>>170-172 柳ヤコさん 「寿限無の喧嘩」

現在、以上の作品があります。是非振り返ってみて感想の方をよろしく
お願いいたします。明日にはまた第六回お題取りをいたしますので、
それまでは感想の方でお楽しみ下さい。

176 :重要無名文化財     :01/11/06 16:15
新作ぽいのが多いと思ったが、意外に擬古典多くてビックリ。
かみさんの芸風いいなぁ。

177 :重要無名文化財  :01/11/06 18:32
上方勢が強いな。
「近江路」や「鍋焼き電車」がいいね。
あと「三人家斉」ね。時代考証がしっかりしてるよ。
江戸ではT・Kさん好みかな。新作の手がけ方や発想がいいよ。

それにしても、感想日だけあって人が少ないね・・・。
ちゃんと読んだら書いてやろうぜ。
今まで俺も書いてなかったからえらそうにはいえないが。
こういう日を設けてくれた主催者に感謝。

178 :ごじゅういち:01/11/06 18:42
創作意欲が萎えるぐらい、みなさんうまいっす。
ほとんど皆勤の人ばっかだし…。
オレはマイペースでいかせてもらいます。

179 :かみ:01/11/06 23:10
ご感想ありがとうございます!!
湖亭半弗さんも 柳ヤコさんも 桂ちのぱんさんも、T・Kさんも
もうみなさんすごいっす。
あっしもがんばります^^
「三人家斉」すごいなあ。感心しちゃいました。
あと、「寿限無の喧嘩」これも好き。

180 :重要無名文化財:01/11/06 23:14
主催者さんが整理してくれたおかげで
すごく見やすいね。ありがと。

かみさんの「あんまん」ほのぼのしてていいねぇ。
小僧が元ネタらしくいい味出してるよ。
あとは「やかん仇討ち」が好き。「宿屋仇」みたい。

181 :柳ヤコ:01/11/07 01:19
>>179 かみさん、ありがとー

182 :湖亭半弗:01/11/07 02:26
かみさん、ありがとうございます。
「猿金合戦」は名作だと思いますよ。サゲも英語がらみで粋ですし。

ごじゅういちさん、お久しぶりです。
萎縮しないでガンガン作品出してくださいな。

個人的にはG党の徳さんシリーズは密かに楽しみなんですけどね。

183 :主催者:01/11/07 22:33
遅くなりました、主催者です。
多くの感想、皆さんありがとうございます。

自分ごとで恐縮ですが、未だにテレホでやってすんですけど、
うちのプロバイダのアクセスポイントが変更になった際に
テレホの登録を間違えて、一ヶ月間全然違う番号登録してて
多額の通話料をとられてしまいました。今月もそれが影響しているらしくて
あまり長時間ネットできない環境になってます。あまり目が行き届かなくて
すみません。

それでは第六回お題取りといきましょうか。
いいお題を期待しています。

184 :重要無名文化財:01/11/07 23:30
逆指名。

185 :重要無名文化財:01/11/07 23:33
替え歌

186 :重要無名文化財:01/11/07 23:38
湯豆腐

187 :重要無名文化財:01/11/08 00:00
東京タワー

188 :重要無名文化財:01/11/08 00:05


189 :重要無名文化財:01/11/08 00:16
ほおづえ

190 :重要無名文化財:01/11/08 00:28
出っ歯

191 :重要無名文化財:01/11/08 00:42
熱燗

192 :重要無名文化財:01/11/08 00:47
火事

193 :主催者:01/11/08 01:16
それでは第六回のお題です。
「替え歌」「猫」「ほおづえ」です。

湯豆腐や熱燗は、明らかに冬に限ってしまいそうなので、
季節がらもあったんですが外しました。
「出っ歯」も面白そうですね。次回も出てほしいお題です、私の中では。

それでは秀作期待しています。

194 :重要無名文化財:01/11/09 22:56
みんながんばれage
楽しみにしてるよ!

195 :湖亭半弗:01/11/10 00:27
「替え歌」「猫」「ほおづえ」やと言う事で。
最近先陣切る事が多いんですが・・・。いいのでしょうか。
とにかくやるのみ。茶屋噺でもやります。

昭和33年3月31日ちぃますと、昔の人はよぉ知ってましたが、赤線がなくなった日。
今そんなん言うてみても誰も分からんなってしまいまして。偉そうにいうてる私も話しに
聞くくらいでどんなにええもんやったかは知りません。昔はお茶屋てなこというても、
宇治に何軒もおますてな、情けないような何や寂しいような気が何となしにいたします。
幇間もちも今や現役で三人、クラブや何やでしたら廃部になってしまう人数ですが、
どんどん風情がなくなっていきますなぁ。
お茶屋遊びというても、ピンからキリまでおますさかいね。何やずぅっと臭い便所に
入ってるような芸者がようけ出てきたり、そんなところに入ったら運のつきてなもんですが。
そうかと思うと、中には何百両という金を一晩で使うてしまう、そんな茶屋もありますさかい、
世の中広いもんですが、今日の「猫茶屋」というお噺は、(パチパチパチ)どちらかというと前者の部類に
入るんやないかと思う茶屋が舞台で、それこそアイデアだけで儲けてるような商売で、
小猫「ちょっと!ちょっと!おカカさん。まだ猫間の大尽きやれへんの?」
おカカ「それがまだみたいやの。もうじきに来ると思うねんけど。」
小猫「私らあの人のおかげで生きてるようなもんやし。来てくれなかなん。」
おカカ「とりあえずあんたは下がってなはれ、遣り手の私がここにいてるさかい。
・・・、ほんまに小猫の言う通りやな。猫間の大尽がほんに猫好きやさかいに、
うちの「猫屋」の看板あげてられるんやけど、あの人おらなんだら私らどないなるかしらん。
せやけど猫尽くしのおもてなしやなんて、うちの旦那が妙な事考えたからえぇようなもんの、
それもなければうちみたいな取り柄のないボロ茶屋、潰れるの待ってるだけやってしな、ほんまに。
・・・あら来はったみたいや。」
忠八「もぉし、お大尽、猫屋に着きましたで。」
立派な駕籠から出てまいりましたのが、豪商猫間鈴右衛門。かつお節で一儲けしたちゅう
猫尽くしのお大尽でございます。やっぱり、鴻池やとか淀屋くらいの豪商になると、急きも
あわてもせんもんで、
猫間「はぁはぁ、着いたか。そらご苦労はん。ほれ、ちゅうちゅう鼠の忠八にはネコいらずじゃ。」
と、小判を一枚。
忠八「うはぁ、ありがとさんで。」
猫間「ここは身代はみすぼらしいが、猫尽くしでもてなしてくれるええ茶屋じゃでな、
はっは、さぁ入るとしましょうかな。」
おカカ「これは、お大尽。ようこそおいでなされまして。」
猫間「はっは、また寄してもろぉたぞ。皆は達者かぃなぁ?」
おカカ「それはもぅ、お大尽が来はるのを、招き猫のように招いておったんでっせ。」
猫間「招き猫!嬉しいやないか、なぁ。招き猫とは言う事が嬉しい。ささ、あがらせて
もらお。あぁ、これはな、心づくじゃわい。」
おカカ「まぁ、小判やなんて。こんな大層なもん、私らには「猫に小判」でございますがな。」
猫間「猫に小判!嬉しいなぁ、よ、よし、もう一枚やっとこ、はっは、さぁ行こう。」
通されたのが三毛の間、床柱を背に座りまして、
猫間「さぁさ、きれいどころを呼んでおくれ。」
忠八「承知いたしました、ほれ芸者衆、お出ましお出まし!」
小猫「旦さん、おおきに。」
お玉「おおきに。」
杓子「おおきに。」
猫間「おぉおぉ、皆きたか。久し振りじゃなぁ。さぁさ、こちらへ来なされ。」
小猫「旦さん、最近来やらへんさかい、心配してましたんやで、私ら。」
と小猫が猫なで声で言うと、皆も贔屓の取り合いで、
お玉「私ら猫の目ですさかいに、お大尽が忙しう浮気してもすぐ見分けられまんねやで。」
杓子「私の名前やあらしまへんけど、うちの連中皆、猫も杓子も揃って待ってましたんやで。」
猫間「はっはっは、嬉しいやないか。猫なで声に猫の目、猫も杓子とは恐れ入った。
ほな、小猫。ついでおくれ。」
と先陣争いは小猫に軍配が上がります。




196 :湖亭半弗:01/11/10 00:49
さぁ、他の芸者衆も負けてはおれませんので、猫尽くしでかかります。
お玉「旦さん、熱燗ですさかいに、猫舌には気ぃつけておくれやす。」
猫間「猫舌!よぉ気ぃつく奴じゃな、お玉。今度はお玉に酌してもらうか。」
杓子「旦さん、そないに刺し身ばっかり食べてたらお腹いっぱいになてしまいますがな。」
猫間「そうかな?」
杓子「そうですがな、好物にこそ油断が禁物ですわいな。言いまっしゃろ、猫にかつお節ちゅうて。」
猫間「猫にかつお節か!なるほど、ありがたいな、猫を使うて気を廻してくれるやなんて、
今度は杓子を贔屓じゃ、こっちへ来なはれ。」
小猫「お大尽。この子、こないだ法事に行てていてなかった日がありましてん。」
猫間「何じゃ、杓子が法事へ?どこまで行ってたんや?」(ちょっとパチパチ)
杓子「はい、京都の保津川(ほづがわ)の山あいの村へ。」
猫間「何、保ぉ津へ法事へ?そら難儀なことじゃったな。」(パチパチパチ)
小猫「せやさかい、うちの店、小所帯でっしゃろ。もう猫の手も借りたい
忙しさで。」
猫間「ほっほ、猫の手もか!そら小猫はよぉ頑張ったんじゃな。小猫、酌を。」
お玉「旦さん、まだ気候も寒いですさかいに、長火鉢にあたっておくれやす。」
猫間「おぉ、ありがたいな。長火鉢はゆくぅてええな。」
お玉「猫板くらいに手をかざすと、よぉぬくぅなります。」
猫間「おぉ、長火鉢の猫板か!そらえぇことをいうた。」
杓子「旦さん!こないだ私、旦さんがお店から出てきはるかもしれんとおもて、
会いたいさかいに、旦さんのお店近くでしばらく待ってましたんやで。」
猫間「何とな?そうかいな?たまたまわしは出てこなんだか。寒かったじゃろ、せめて今日は
この火鉢にあたっておくれ。どこで待ってくれてたんや。」
杓子「はい、旦さんの店の向かいの猫柳の下で。」
猫間「はっはっは、そうきたか。幽霊じゃな、まるで、しかし猫柳でわざわざ
待ってくれる心意気が嬉しいがな。さぁさ、こっちへ。」
さぁ、どんどんお大尽をめぐる争いが大きうなってまいります。
あたっておくれ。

197 :湖亭半弗:01/11/10 01:26
↑この「あたっておくれ」はミスです。

小猫「旦さん、私、猫の皮で出来てる三味線ひきますわ。」
猫間「おぉ!猫の皮の三味線!そうかそうか、小猫はええ声じゃでな。何を頼もうかな。」
小猫「では、趣向を変えて、寄席囃子でもひきまひょかいなぁ。」
(下座囃子ハメモノ)
猫間「さすがは小猫じゃ。はて、これは何ちゅう出囃子じゃな。」
小猫「はい、『赤猫』ちゅうんです。」
猫間「赤猫!小猫はよぉ分かっとるなぁ、わしの好みが。」
お玉「ふん、あんなん、小猫が猫かぶってるだけですわいな。」
小猫「ちょっと姉さん、それ、どういう意味やの!」
お玉「そうやないかいな。お大尽に気に入られようと、一生懸命猫かぶって・・・。
そうやって、若さで旦さんネコババする気やしぃ!」
小猫「まぁ、そら。姉さんみたいに。猫じゃらし懐へ入れて、旦さんの気を
ひこうちゅう魂胆は、さすがにわたいにはないし!」
お玉「何やの、この猫かぶり!」
小猫「何やの!この猫背!」
杓子「これ、やめんかいな、あんたら、これ!」
忠八「わぁ、こら珍しい。旦さん、やっぱり色男!」
猫間「笑ろぉてる場合か。これ、二人とも、そう膳を持ち上げて、いくら膳の足が
猫足で丸うなってても怪我するわな、これ。」
杓子「すんまへん、この子ら、普段から『犬猿の仲』でんねん。」
さぁ、犬という大尽が一番嫌う言葉をうっかり言うてしもうたさかいに、
猫間の大尽の態度がゴロッと変わってしもうた。
猫間「・・・、おもろないな。何じゃお前等、犬猿の仲やて!それは
わしの機嫌を損ねたいさかいに、わざと喧嘩してるんかぃ、なめたらいかんで。」
杓子「あ、あ、あ、あの旦さん、申し訳ございません。これ、あんたら、何で
お客さんの前ででしゃbるのん!犬も歩けば棒に当たる、でしゃばってたら災いに
合うちゅうのん知らんのかいな。」
お玉「せやけど、姉さん!この子があんまり犬の遠吠えするさかいに。」
小猫「何やの!お玉姉さんが若さで私に負け犬やのに・・・。」
お玉「まぁ、あんたなんかどうせただのかませ犬やさかい、最後に贔屓の座は
私がもろぉてうんやけどな。」
小猫「何やの!」
忠八「まぁまぁ、姉さん方。」
小猫「あっち行ってて、忠さん!あんたも商売やからいうて、大尽の犬みたいに
ヘコヘコしてなはんな。あぁ、むしゃくしゃしますわ、私。ちょっと三味でもひいて、
ちょっと気を静めますわ。」
とまた三味をひきはじめます。
(ハメモノ)
猫間「・・・、小猫。そら何ちゅう歌じゃ・・・。」
小猫「こら、また寄席囃子の『東拳』ですわな。」
猫間「東犬!江戸の犬か!」
小猫「いえ、違います!こぶしの『拳』で・・・。」
猫間「ええぇい、歌替え、歌替え!(パチパチパチ)いや、もうえぇ、
最前から黙って聞いてりゃ、何じゃ犬よ犬よと、よくも何遍も言いくさったな!
こんなとこ二度と来んわぃ。忠八、帰るぞ!帰るぞ!」
忠八「へ、へぇ!」
杓子「ちょ、ちょっと、お大尽。待っとくれやすな、これ!ちょっとぉ、
おカカさん!旦さんが帰るちゅうてきかんの、これ、何とかして。」
おカカ「どないしたんやぇ、この騒ぎ。ほぉほぉ、犬尽くしで・・・。何ちゅう
不細工な事。芸妓がお客を怒らしてどないするんぇ、ほんまに・・・。お大尽、ここは
一つ、よぉ言い聞かせますので、お気を鎮めておくれやすな。」
猫間「な、なんぼお前がとりなしたところで、わ、わしゃ絶対帰らせてもらう!」
おカカ「ほほほ、何をおっしゃる。帰る帰るて、旦さん「いぬ(帰る)」が一番
お嫌いでっしゃろ。」

ドンドン

198 :湖亭半弗:01/11/10 01:42
潰れるの待ってるだけやってしな、ほんまに。

潰れるの待ってるだけやったしな、ほんまに


小猫「お大尽。この子、こないだ法事に行てていてなかった日がありましてん。」

小猫「お大尽。姉さん、こないだ法事に行てていてなかった日がありましてん。」

猫間「おぉ、ありがたいな。長火鉢はゆくぅてええな。」

間「おぉ、ありがたいな。長火鉢はやっぱりぬくぅてええな。」

お客さんの前ででしゃbるのん!

お客さんの前ででしゃばるのん!

私がもろぉてうんやけどな。」

私がもろぉてしまうんやけどな。」

今回は誤字がぱっと見でこれだけありました。すみませんでした。

199 :柳ヤコ:01/11/10 01:59
『ゆめパスポート』

スネ夫「あーあ、退屈だなぁ。留守番なんてつまんないなぁ」
ドラ 「やぁ、ヒマそうだね」
スネ夫「あ、猫型ロボットのドラえもん(パチパチパチ)、なにか家にいて
    楽しめる道具出してくれよぉ」
ドラ 「家の中で?じゃぁ、夢の中で好きな所に行ける、『ゆめパスポート』
    ってのはどうだい?」
スネ夫「へぇぇ、おもしろそうだね。貸して貸して!」
ドラ 「じゃぁ代金は前払いでお願いします」
スネ夫「お金とるのかよ!」
ドラ 「無料なのは、のび太くんだけだもん」
スネ夫「なんだよ。いくらなんだ」
ドラ 「1回1円です」
スネ夫「なんだ、安いなぁ。えーっと1円1円・・・あれ、細かいのがないや。
    千円札しかない。お釣り、ある?」
ドラ 「お釣り、ないんだ。じゃぁ千円にまけとこう」
スネ夫「そんなまけ方があるか!」
ドラ 「じゃぁ、やめる?」
スネ夫「くそー足元見やがって。えーい、千円持ってけ!」
ドラ 「まいどあり〜。はい、じゃぁこれが『ゆめパスポート』ね。机の上に
    これ置いて、その上にほお杖ついて」(パチパチパチ)
スネ夫「こう?これでいいの?」
ドラ 「そうそう。で、どこに行きたいのか言わなきゃ」
スネ夫「えーとね、ぼく最近落語にはまっちゃってさ、寄席に行ってみたいんだ。
    それで一流の噺家さんの落語を聴きたいんだ」
ドラ 「落語?へぇー、そりゃまた面白そうだね。では、行ってらっしゃ〜い」
スネ夫「・・・グー、グー・・・」

200 :柳ヤコ:01/11/10 01:59

「・・・あたしなんかの子供の時代はね、軍歌ばっかり。最初は勝ってたから
 歌も明るかったね、海の進軍、大東亜決戦の唄なんてのがありました。
 立つやたちまち撃滅の〜、勝どき上がる太平洋〜♪・・・それから子供だから
 替え歌なんかも流行ったもんです(パチパチパチ)。金鵄かがやく15銭、
 栄えある光20銭、朝日は高い30銭〜♪とかね・・・」

ドラ 「スネ夫くん、スネ夫くん」
スネ夫「・・・えっ、あっ、う〜ん・・・」
ドラ 「どうだった?寄席には行けたかい?」
スネ夫「うん、行けたんだけど、ボクが聴きたかったのは古典落語なんだよ。
    それなのに、眼鏡かけたじいさんが軍歌なんか唄ってた(会場笑い)。
    すごく面白かったけど(会場笑い、拍手)、あれは何だったの?」
ドラ 「あ、1円だったら一流だったんだけど、千円払ったから川柳が
    出てきたんだ」

ドンドン

201 :湖亭半弗:01/11/10 02:03
いやあ、ヤコさん、川柳師匠は反則でしょう(藁
そんなオチとは・・・。参りました。私の中では爆笑でした。

202 :柳ヤコ:01/11/10 10:48
ありがとうございます。たまたま川柳スレが上がってたので、それ見てパッと
作ってしまいました。やっぱり反則かなぁ(w

203 :sana亭omi:01/11/10 18:00
ここはおもしろいですね。
今日発見して、まだ初めから1/3位しか見ていませんが、
初心者ながら思い付きましたので、時期外れの古いのですが、
「吉田茂」「終身名誉監督」「やかん」で。

熊 「おーい、八っ」
八 「やあ、熊さんか、久しぶり。どうだい景気は?」
熊 「景気ぃ?小泉内閣の政策がなあ…」
八 「ああ、あの痛みをともなうってやつか?」
熊 「その痛みってのは、どこの医者に行けば直るんだ?」
八 「医者ぁ?『医者』はまだ早い。次でいいんだよ」
熊 「どうも政策が俺にはわかりにくいんだ。中曽根内閣の時はよくわかったんだけど」
八 「また古い話だな。
   だけど、あまりこういう場で政治の突っ込んだ話をするのは野暮だぜ」
熊 「こういう場って何だよ。俺とおまえの二人しかいねぇじゃねぇか。
   おまえの前だけど、中曽根ってのは今でこそ頭も薄くなっちゃったけど、
   昔はかっこ良かったんだよ」(パチ…)
八 「そうらしいな。海軍服を着て、威勢がよかったんだって」
熊 「うん、みんなから『緋鯉のおどりをムシャムシャ』と言われて」
八 「それじゃただのいやしい系の食いしん坊だよ。『緋縅の鎧を着た若武者』だろ。
   知らないことをしゃべんじゃないよ」
熊 「そんでもって、時の総理大臣吉田茂に向かって『バカヤロー』なんて言ったんだ」
   (パチパチパチ)
八 「バカヤローはおまえだって。
   わずかに知っているとこを拠り所に全体をしゃべろうとするな」
熊 「途中からは風見鶏なんて言われてね。
   おまえ、風見鶏ってどこ見てるか知ってるか」
八 「真っすぐ前見てんだろ」
熊 「それは素人の風見鶏。または、積極的に生きようとしていない風見鶏。」
八 「風見鶏は自然の成り行きまかせでいいんだよ」
熊 「プロの風見鶏は次ぎにどこから風が吹いてくるか、気配り目配り。
   だから、目だって、ちゃんとこうやって、こうやって…」
八 「流し目と言いたいのか」 (パチ…)
熊 「流し目(長嶋)と言えば、終身名誉監督に…。
   ちょっとこれはストレートすぎるか?」 (パチパチパチ)
八 「ストレートすぎるかって、おまえ何を意識してしゃべってんだ。」
熊 「まあ、野球の話だからよしとしてもらおう。
   おっとそうだ、こうしちゃいられねぇ。急がなくちゃ」
八 「どうした」
熊 「今から土手にいって、
   もうすぐ倒れる若旦那風の唐なす屋を助けなきゃいけないんだ。
   おまえも小半時ばかりしたら来いよ。唐なすを売りつけてやるから」
八 「よせやい。おまえ行くのはかまわないが、何か一つ忘れてねぇか」
熊 「何を」
八 「何をって、それを俺が言ったら反則だよ」
熊 「何言ってやんでぇ。中曽根は長嶋の持ち家に住んでるって知ってるか」
八 「そうらしいな」
熊 「だったら、長嶋は中曽根の大家だ。
   大家さんは昔から『やかん』って相場が決まってる」 (パチパチパチ)
ドンドン

204 :名乗るほどのもんじゃあ:01/11/10 20:05
>>195
まさにプロですね。読み応えあります。

205 :重要無名文化財:01/11/10 20:15
>>203
すみませんが、サゲがよくわかりません・・・
大家さんと「やかん」の関係って???

206 :sana亭omi:01/11/10 21:34
>205
あのー、サゲってほどのものじゃないんだけど、
三軒長屋の大家、あっあれは地主か。
サゲになってませんね。
他の部分はどうでしたか?
感想を教えて下さい。

207 :柳ヤコ:01/11/10 22:15
>sana亭omiさん
>205は私です(名前を入れ忘れてしまいました)

着想自体は悪くないので、あとはサゲから組み立ててみてはいかがでしょうか?
私はまずサゲを先に考えて、それからストーリー作りに取り掛かっています。
それと、これは個人的な意見なんですけど、「『医者』は次でいい」とか
「ストレートすぎるか」などの内輪ウケ狙いはほどほどにしたほうがいいと思います。
生の高座と同じで、これやると品が無くなってしまうような気がするんですよね。

208 :主催者:01/11/10 23:44
こんばんわ、主催者です。
作家さんと読者の皆さんとの交流も出来つつあるみたいで
嬉しいですね。

半弗さんの「猫茶屋」は、これまた「けんげしゃ茶屋」「米揚げ笊」なんかを
想起させるしあがりで、猫間の大尽はやはり猫間大納言から来ているのでしょうか。
猫尽くしに脱帽です。

柳ヤコさんの「ゆめパスポート」は新たな切り口ですね。がめついドラえもんに
のび太でなく落語好きなスネ夫、川柳師匠と何ともいえないテイストですね。
新作ならではの自由な発想三題噺を感じました。

OMIさんの「雑談風見鶏(仮)はリアリティある内容ですね。
即興性の高い実際の高座が浮かんできます。タイトルは作中の台詞と
風見鶏のようにくるくると話が熊さんの興味によってうつっていって、最後に
唐なす屋を助けに行ってしまう感じからつけましたがいかがでしょう?
初心者とのことですが、楽しませていただきましたよ。
サゲ・・・は不勉強でよく分かりません。「無学者(やかん)」からきているのでしょうか?

まだまだ募集していますので、皆さんの作品を楽しみにお待ちしています。

209 :主催者:01/11/10 23:52
付け加えまして、皆さんの感想・批評もお待ちしています。

演者の苦心ぶり(作中人物が「そんなんじゃお題使ったことにならないよ」
「今の使い方は苦しいね」などを言う)手法については、ヤコさんの言うとおり
やりすぎはせっかくのストーリーを台無しにしてしまう恐れもあります。
でも、入れないと・・・寂しい気もします。要はその作家の個性にも
つながる「地の部分」ですから、上手く使って下さいね。

210 :sana亭omi:01/11/11 06:32
>柳ヤコさん、>主催者さん
私の「雑談風見鶏」(!)についての感想と助言
ありがとうございました。
また他の「雑談もの」が出来たら投稿します。

211 :重要無名文化財 :01/11/11 06:55
sana亭omiさん、三題噺で「雑談物」っていうと、ストーリー性が
感じられないものを書いてます、っていってるみたいだから
なるべくストーリー展開のあるものを書いてみたら?
創作力は十分だと思うし、漫談落語のみに絞るのは惜しいよ。

212 :sana亭omi:01/11/11 15:54
>211助言ありがとうございます。

古いものですが、「英語」「殺し屋」「骨董屋」で、

八  「御隠居さんいるかい」
隠居 「あー、八っつぁんか。まあお入りって、もう上がり込んでるな」
八  「ちょっと御隠居にききたい事があったもんで」
隠居 「ああそうかい。丁度よかった。
    わしもおまえさんに話があったんだ。
    おまえさんが新らし物を好きだってことは知ってたが、
    なんでもこのごろ蘭語を始めたんだってな」
八  「欄語ぉ?冗談はよしてくださいや。
    世界の覇権をスペイン、ポルトガルから奪って久しいオランダですけど、
    最近は、いち早く産業革命に成功したイギリスに押されてますからね。
    これからは英語の時代ですよ。」 (パチパチ)
隠居 「おいおい、おまえほんとに八っつぁんかい。・・・何か不安になってきたな。
    まあ、しっかりおやり。
    ところで、おまえさんのききたいことって何だな」
八  「他でもない、今、湯ぅ屋に行ってきたんだけど、
    湯ぅ屋の壁に『ピンときたらいいお番』ってポスターが貼ってあったんで。
    角の飯尾さんちになんか関係があるんじゃねえかと思って」
隠居 「いいお番?・・・プッ素直に『ピンときたら110番』でいいじゃないか。
    まあ、おまえさんの英語なんてそんなもんだろうけど、安心したよ。
    わしは自分の人生が良いものだったと
    確認するためにもおまえと付合っているんだが、   
    八っつぁんはそうでなくっちゃいけねえ!」
八  「いやあ、てれるねどうも。
    語隠居のまえだけど、俺ぁ新しいモンばっかりが好きなんじゃねぇ。
    ごく古〜い物も大好きで、現にこうしてあなたとしゃべってる。
    ホントに古いねえ。あなた、いつからこの家にある?」
隠居 「ばかなことをいうな」
八  「いやー古い、御隠居はん、あんた、ほんま人間骨董やで」 (パチパチ)
隠居 「突然おかしげな関西弁使いなさんな。
    わしは年をとっても感性が若い。
    第一、知性が光っておる。」
八  「知性ねえ、御隠居、知性はおつむにあるんですかね。」
隠居 「そうだ。」
八  「それでおつむがキラキラ光ってるんですね」
隠居 「なにお」
八  「いや、おつむがキラーキラーと・・・」 (パチパチ)
隠居 「おまえさんと無駄話をしていたらのどが渇いた。
    八っつぁんも湯上りなら、
    わしの晩酌に付合っていかないか。」
八  「実はそれが目当てなんで」
隠居 「おまえさんの好きな缶ビールは切らしたが、
    瓶ビールならたくさんある。
    おや、立ち上がってどうした。
    瓶でもしっかり冷えてるぞ。おーい、どこへ行くんだ」
八  「へへ、ビンときたから110番へ」

213 :sana亭omi:01/11/11 17:33
また、古いのですが、「えなりかずき」「医者」「のこぎり」でいきます。

熊 「おーい、八っ」
八 「あっ熊兄い、いいとこであった」
熊 「・・・おまえから兄いと呼ばれるときはあまり会いたくないんだが、
   また、おっそろしく汚れたかっこうしてるな。どうした」
八 「首が回らん」
熊 「そんなもん、あそこへ行け」 (パチ・・・)
八 「あそこへ行ってもだめなんだよ。借金で首が回らんのだから」
熊 「なんで借金なんか拵えた」
八 「女房と離縁したんだ。そしたら精神イシャ料とかいうのを出せって」 (パチパチ)
熊 「おまえ、離縁するときゃみくだり半でいいんだぞ。
   最後に『酔って普段のお菓子』って書くんだ」
八 「俺も最後のとこ以外は、最近まではそう思っていたんだ。」
熊 「酔って食わんよお菓子だったか?」
八 「あちこちから借金して払ったんだけど、方々に不義理して」
熊 「ギリを欠いた奴がこんなとこでノコノコ歩いている場合じゃないだろ」 (パチパチ)
八 「まったくだ。空から富札が降ってきて、それが富くじの一番に当たって
   札の持ち主から1割のお礼がもらえれば借金を返せれると思って
   上を見ながら歩いていたら、転んで尻もちついてこのざまだ。」
熊 「たかが空想でもスケールの小さい奴だな。
   それで普段オシャレなおまえがそんななりをしているんだな」
八 「ああ、俺はえなりかずきだから」
熊 「なに」
八 「俺は、えー なりが好きだから、こういうのは辛い」 (パチパチ)
熊 「いい若いモンが泣き言いってないで、ほら少ないがこれで湯ぅ行って、
   釣り銭でコーヒー牛乳でも飲め」
八 「兄い」
熊 「やな奴だな。じゃあこれだけ足すから今日のとこは一杯飲んで寝ろ。
   ところで八、転んでどこが一番汚れた」
八 「尻もちついたんだ。一番汚れたのは『おいどでござる』」

214 :重要無名文化財:01/11/11 17:40
↑サゲ書いたら「ドンドン」書かないと終わったのが分からないよ

215 :sana亭omi:01/11/11 18:51
ああ、その程度の奴は
相手にしてないよ

216 :sana亭omi:01/11/11 19:00
やっぱりつまらんからもう止めた。
主催者さん、お騒がししてごめんね。

217 :柳ヤコ:01/11/12 01:00
>sana亭omiさん
「おいどでござる」なんてサゲ、うまいのにもったいないなぁ・・・

218 :主催者:01/11/12 01:44
OMIさん、ほんとにもったいないですよ。
楽しみにしていますので、また作品を期待しています。
一つだけ言わせて頂けるなら、(パチパチパチ)とドンドンを使う事は、
暗黙のルールになっていますので、
(特にレスをいくつもまたがった投稿を出す時に、別の作家がそこでサゲたと勘違いして、
次の人が作品を書き込んでグチャグチャになる場合を避けるため、
ドンドンで作品の終了を知らせて、「お次の方どうぞ」の役割も兼ねています)
ご理解を願います。

「ピンと来たら110番(仮)」も八っあんのキャラ崩れやサゲまでの持っていきかたが
上手です。隠居の困り振りが面白いですね。
「尻汚れ(仮)は慰謝料のくだりが馬鹿兄弟のようで面白いです。
サゲのしゃれも、えなりかずきの使い方も秀逸だと思います。
江戸っ子が不自然に上方弁使うのはコミカルですね。

まだ、「替え歌」「猫」「ほおづえ」のお題による作品が2つしかありません。
皆様の作品、心よりお待ちしています。

219 :重要無名文化財:01/11/12 01:54
>>214 の「サゲ書いたら「ドンドン」書かないと終わったのが分からないよ」
というのは、主催者さんのおっしゃる通り「混乱を避けるために」なんだけど、
sana亭omiさんは「サゲが理解できないよ」の意味にとったんじゃないかな?
だから>>215のようなレスを返したんだと思う。

220 :重要無名文化財:01/11/12 02:58
ここのスレッドの住人はいい人が多いな。
良スレだね。

221 :重要無名文化財:01/11/13 02:00
「替え歌」「猫」「ほおづえ」

旦那「こら、清三郎。どこほっついてやがんだ、早くこっちへこい。」
清三郎「何ですか、おとっつあん。小遣いならいりませんよ。」
旦那「そうじゃあねぇ、座れってんだ。今からおとっつあんの言う事をしっかりきくんだ。」
清三郎「あたしはね、これから用があんですよ。」
旦那「何だ、用ってえのは。」
清三郎「へへ、ちょいと吉原へね、お使いに。」
旦那「馬鹿を言うな。誰がそんなところに使いにやるもんか。今日こそは説教だぞ。」
清三郎「やっぱりそうか、もういいですよおとっつあん。では、あたし出かけますから。」
旦那「これ、待ちなさい!」

清三郎「やんなるね、ほんとに、うちのおとっつあんには。人の顔見たら小言だよ。
猫に餌やるみてぇに俺の顔見て飛びついてくるよ、しょうがないね。もうろくかなぁ、
そろそろ。・・・お、あれは薬屋の歌さんじゃないか。」(パチパチ)
歌吉「あ、これは若旦那。また吉原ですかぃ。」
清三郎「またとは何だ今週はまだ5回しか行ってないよ。」
歌吉「それだけ行けば十分ですよぉ。」
清三郎「湯にいくのかえ歌さん。」(パチパチ)
歌吉「えぇ、湯に行くんですがね、そういや若旦那。こないだ大旦那さんがいらっしゃいましてね。
清三郎「うちのおとっつあんが?何しに?」
歌吉「それがね、睡眠薬を買っていかれたんですよ。んでね、眠れないんですかってきくと、
倅を眠らせるっていうじゃあありませんか。どういう事です?ってきいたら、
まんじゅうの中に睡眠薬を仕込んで食べさせて、コロンと転んだように眠った隙に座敷牢に入れて
遊びに出れないようにするってんですよ。すごいですね、大旦那は、考える事が。それで、今日は
出してもらえたんですか?」
清三郎「本当かぃ?ははぁ、とんでもないこと企んでたんだね、おとっつあんは・・・。
いや、教えてくれてありがと、歌さん。」
歌吉「え?じゃあまだ食わされてないんですか?まいったな。あたしが若旦那に言った事
内緒にしといてくださいよ。煽り食っちゃしゃあねぇですから。」
清三郎「あいよ、分かったよ。」

清三郎「おとっつあん、ただいま。」
旦那「ただいまじゃあねぇ、今何時だと思ってる!」
清三郎「昨日よりは早く帰ってきましたよ。」
旦那「昨日が朝の九時で今日が八時五十分じゃあしょうがねぇじゃねえか、この極道が。」
清三郎「とにかくね、帰ってきたんですから、もう一度寝ますよ、あたしゃ。」
旦那「ちょっと待て、お前寝る前にこれ食って寝な。」
清三郎「ほぉらきた。」
旦那「何だ?」
清三郎「いえ、こっちの話。何です?」
旦那「お前の為にとっておいたまんじゅうだ。さぁ、食べな。」
清三郎「あぁ、そうですか。じゃあお茶だけいただいて・・・。」
旦那「何だ?おい、まんじゅうを食べないのか?何だ、そうやってほおづえをついて。
それじゃあ食べられないじゃないか。」(パチパチ)
清三郎「おとっつあん、何か入れてるでしょ、それに。」
旦那「む・・・い、いや何にも入ってねぇ。あんこだけだ。さぁ食え。」
清三郎「いやだね、あたしゃずっと頬杖ついてますよ。」
旦那「ほら、おとっつあんが残しといたんだ、食べないか、こら。
おい、何でそんなに頬杖をつくんだ?」
清三郎「へへ、中はコロンと転ぶように眠る睡眠薬でしょう。これがあたしの
『転ばぬ先の杖』でございます。」

ドンドン

222 :重要無名文化財  :01/11/13 19:21
うまい!

223 :重要無名文化財:01/11/14 05:11
「替え歌」「猫」「ほおづえ」

殿様「洒落名人、これへ。」
名護「ははっ、名護清正(なごせいしょう)にございます。」
敷辺「同じく、敷辺前村(しきべさきむら)にござる。」
殿様「これよりどちらが洒落名人か判断いたす。まず、名護よ。洒落てみよ。」
名護「ははっ、ではこれを。」
殿様「ふぅむ、これは・・・女子が頬に手を当てて思案している絵じゃな。」
名護「はい、ほおづえ(大津絵)でございます。」(ぱちぱち)
殿様「なるほど、ほおづえか。これはうまい。さて、つぎは敷辺じゃ。」
敷辺「では、替え歌をいたします。」(ぱちぱち)
殿様「何じゃそれは。」
敷辺「殿様が百人一首の上の句を読まれましたら、下の句を替えて趣深い
洒落をふまえて替えまする。」
殿様「ほぉ、おもしろそうじゃな。では・・・、ほととぎすなきつるかたをながむれば、
でどうじゃ?」
敷辺「ははっ、では、”ただ張りたての湿布ぞ残れる”とはどうでございます。」
殿様「これはうまいのぉ。鳴きつる方を”泣きつる肩”痛みのある肩、有り明けの月を”張りたての湿布”
か、これは見事じゃ。しかし、困ったの。大津絵も単純ながらよぉ出来ておるしなぁ。
どちらが名人かのぉ」
思案していると、殿様の飼っていた猫が迷い込んできます。(ぱちぱち)
殿様「これ、猫。こっちへこい。お前はどちらが名人じゃと思う?ん?猫には
答えられんか?」
と猫に冗談交じりで問うと、猫が一声、
猫「なーご(名護)。」

どんどん

224 :重要無名文化財:01/11/14 18:01
おもしろいからage

225 :主催者:01/11/14 23:57
コテハンの方の参加が急に減って心配しておりますが、
匿名の方の2作品があがっているようですね。

「転び饅頭(仮)」は「干物箱」のような親父と息子の攻防戦が
楽しいですね。サゲにキレがあります。今から寝に二階に上がる息子を
呼び止めて睡眠薬入り饅頭を食べさせようというのが、用意周到、念には念を
という感じがします。

「洒落名人(仮)」は逸話じみたつくりになっていますね。名人二人は
清少納言と紫式部からきているのでしょうね。湿布ぞ残れるの強引さには
ひかれます。最後の猫も愛敬のある猫ですね。

それでは、第七回に移りましょう。
常連さん、そして新人の方々、作品への意欲を期待しています・
では、お題取りに移ります。一レスにつき一つの単語でお願いします。

226 :重要無名文化財:01/11/15 00:13
五百円

227 :重要無名文化財:01/11/15 00:58
万病

228 :重要無名文化財:01/11/15 01:06
出っ歯

229 :重要無名文化財:01/11/15 01:36
夜這い

230 :主催者:01/11/15 02:20
もう少しお題を募りたいので、明日までお題発表を延期します。
多くのお題をお寄せ下さいね。
それではおやすみなさい。

231 :重要無名文化財:01/11/15 02:46
ステーキ

232 :重要無名文化財  :01/11/15 15:27
在来線

233 :重要無名文化財:01/11/15 15:35
錦鯉

234 :重要無名文化財  :01/11/15 16:29
妹思い

235 :重要無名文化財:01/11/16 00:50


236 :主催者:01/11/16 01:01
たくさんのお題ありがとうございます。
それでは、第七回のお題は、
「出っ歯」「ステーキ」「妹思い」
の三題です。
「出っ歯」をまた出して下さった方がいるとは驚きです。
「妹思い」は難しいでしょうか?前二つは加工しやすいと思うので
頑張って下さいね。

それではたくさんの作品、お待ちしています。

237 :重要無名文化財:01/11/16 23:24
けっこうむずかしいな

238 :重要無名文化財:01/11/17 01:31
がんばってください♪AGE

239 :湖亭半弗:01/11/17 01:43
すみません、またパソコンから離れるので日曜・月曜まで
作品が書けません。

内容は新作チックな噺を予定しています。

240 :T.K.:01/11/17 03:34
「出っ歯」「ステーキ」「妹思い」

 女性に好きなタイプはって聞くと必ず上位に「優しい人」ってのがございます。
優しい男ってのは誰にでも優しくするようですな。たとえその相手が実の妹でも・・・

妹「おにいちゃん。どうして私はこんなにブスなの?」
兄「妹、なにを言うんだよ。お前は可愛いよ」
妹「嘘嘘。デブだし、ソバカスだらけだし、口だってこんなに歯が出てるし」
兄「デブじゃないよ。ソバカスなんてそのうち消えるし。口だって八重歯だと思えば可愛いよ」
妹「そうかなぁ」
兄「それより今日は妹の誕生日じゃないか。プレゼント買ってやるよ」
妹「ほんと?あたしが選んでもいいの?」
兄「三越?松坂屋?高島屋・・・どこでもいいよ」
妹「デパートね」(ちょいパチパチ)
兄「そう、出っ歯ートだ」(パチパチ)

241 :T.K.:01/11/17 03:37
妹「・・・」
兄「帰りにおいしいもの食べよう」
妹「ほんと?あたしステーキが食べたい」(パチパチ)
兄「じゃ行こうか」

妹「おにーちゃん、あたし食べすぎて歩けない」
兄「しょうがないな。お兄ちゃんがおぶってあげるよ」
妹「ありがと、じゃ乗るね」
兄「うっ!」
妹「どうしたの?」
兄「妹」
妹「?」
兄「重い」(パチパチ)

ドンドン
---------------------------
もーちょい広がるのにしよーよぉぉ。

242 :重要無名文化財:01/11/17 07:49
もうちょい広がるのって、そりゃあ贅沢だよ。
「出っ歯」:「身体的欠点」「嫌味」「歯医者」「出刃包丁」「成り金」
「ステーキ」:「狂牛病」「給料日」「レストラン」「豪華な食事」「太った人」
「妹思い」:「兄弟愛」「寅さん」「母子家庭」「サザエさん(こりゃ無理矢理)」
ざっと考えてこれだけ広がったよ。
作品は面白いよ、色々工夫して頑張れ>T・K

243 :主催者:01/11/18 23:28
主催者です。
私が忙しいいので、みなさんの士気に影響したんでしょうか?

半弗さん、復帰後の作品期待してますよ。

T・Kさんの「我が妹の誕生日(仮)」は、短編ながら苦心振りが
随所にみられます。出っ歯をそのままあえて使わず、デパートにかけるなど、
T・Kさんらしさが出ています。サゲはお題で落とすやり方で、過去の作品
には少ない手法ですね。
お題の広がりは・・・私としてはあるつもりだたのですが・・・。
期待に添えず申し訳ないですね。でも、作家の顔色見る主催者というのも・・・。
難しいところです。頑張って下さい。

244 :柳ヤコ:01/11/19 19:30
『ヨンデレラ』

父「おい金坊、いつまで起きてんだ。早く寝ろ」
金「だってまだ眠くないもん」
父「眠くなくったって、子供は夜になったら寝るもんだ。じゃぁ、
  お父っつぁんが面白いお話をしてやるから、それを聞きながら
  寝ちまいな。むかしむかしな、外国のある所にヨンデレラと
  いう女の子がいました」
金「シンデレラじゃないのか」
父「シンデレラとは違う話だ。このヨンデレラは大変に顔がまずいうえに
  体が貧弱だったんだ。ヨンデレラにはお姉さんがいて、このお姉さんの
  名前はサンデレラ」
金「外国の話だろ?なんでサンとかヨンなんだよ」
父「細かいことは気にするな。サンデレラのほうは美人でグラマーだったん
  だが、このお姉さんがまた妹思いの優しいお姉さんでな」(パチパチ)
金「ふーん。シンデレラの話とはずいぶん違うね」
父「そうなんだ。お姉さんは妹をなんとか美しくしたいと思って、まず
  整形手術を受けさせた。一重まぶたを二重にして、低い鼻を高くして、
  エラが張ってるのを削って、それから出っ歯を引っ込めた」(パチパチ)
金「それじゃほとんど別人じゃん」
父「まァそうだな。それから体が貧弱なので、毎日ステーキを食べさせた。
  (パチパチ)そのかいあって、3年たったのちには江戸でも指折りの
  立派な美人になったな」
金「なんで江戸なんだよ!だいたい話の展開が『千早振る』じゃないかよ!」
父「うるさい!黙って聞いてろ!さぁそうなると男どもが黙っちゃぁいないな」
金「そうだろうね」
父「ある日のこと、お城からパーティーの招待状が届いた。ヨンデレラは
  カボチャの馬車に乗って」

245 :柳ヤコ:01/11/19 19:31
金「ちょっと待ってよ。カボチャの馬車って、魔法使いが作ったの?」
父「いや、お姉さんの手作り」
金「どうやって作るんだよ!」
父「妹思いなんだよ!」
金「そういう問題じゃないだろ!まぁいいや、それで」
父「王子様はヨンデレラを見てひと目で気に入ってしまった。整形を見抜けない
  男というのは情けないものだ。トホホホホ」
金「なんでそこで父ちゃんが泣くんだよ」
父「うちの母さんも整形だったんだ」
金「母ちゃんが?うそだぃ、うちの母ちゃん出っ歯じゃねぇか」(パチパチ)
父「引っ込んでた歯を出したんだ」
金「意味のないことすんなよ!」
父「王子様は、ヨンデレラにガラスの靴をプレゼントしたな」
金「やっぱりガラスの靴なんだ」
父「ところが楽しい時間というのはあっという間に過ぎるもの、12時の鐘が
  ボーン、ボーンと鳴った。『まぁ大変、もう帰らなきゃ』とヨンデレラは
  駆け出した」
金「魔法が解けるわけでもないのに、なんで駆け出すんだよ」
父「門限が厳しいんだ」
金「門限かよ!それで?」
父「ところが履いていたのがガラスの靴だ。あれは走りにくいもんでな、
  二重橋のところで転んでしまった」
金「・・・お城って江戸城だったのかよ!」
父「ガラスの靴は粉々に割れてしまい、ヨンデレラの足は傷だらけ。その傷から
  バイ菌が入って、とうとうヨンデレラは亡くなってしまった。お姉さんの
  サンデレラも、妹の看病疲れで後を追ってしまった」
金「なんなんだよそれは!」
父「これがホントの『化膿姉妹』だ」

ドンドン

246 :重要無名文化財:01/11/19 23:49
いいねぇage

247 :重要無名文化財:01/11/19 23:54
爆笑!

248 :名乗るほどのもんじゃあ:01/11/20 03:57
>>244-245
は、腹痛い・・・涙出た。
もっと書いてください。

249 :柳ヤコ:01/11/20 22:25
皆さんありがとうございます。反応があると嬉しいですね。
好評につき、続編を作ってみました。(調子に乗りすぎかな?)

『続・ヨンデレラ』

父「ところで金坊、この話には続きがあってな」
金「あ、続きがあるの?」
父「サンデレラとヨンデレラが亡くなってしまって、かわいそうなのは
  あとに残されたお姉さんたちだ」
金「まだお姉さんがいたのか!」
父「考えてもみろ、サンデレラとヨンデレラだぞ。その上がいても不思議
  ではないだろ」
金「そうか。ということは、イチデレラとニデレラっていうのか」
父「いや、ワンデレラとツーデレラだ」
金「なんでそこで英語になるんだよ!」
父「いいじゃねえか、もともと外国の話だ」
金「江戸城だったじゃねぇかよ!」
父「貴重な稼ぎ手を二人も失ってしまったワンデレラとツーデレラは」
金「ちょっと待って。何をして稼いでたの?」
父「うん、カボチャの馬車の製造販売」
金「売れるのかよそんなの!」
父「手作りだぞ」
金「関係ねぇよ!だいたい、誰が買うんだよ!」
父「そこまでは知らん!ワンデレラとツーデレラは、カボチャの馬車を
  作ろうとしたが、二人にはそこまでの腕がなかった」
金「普通そんな腕ねぇよ!」

250 :柳ヤコ:01/11/20 22:25
父「しかし材料のカボチャは山のようにある。そこでツーデレラは考えた。
  その当時は珍しかった牛肉料理の店を出して、ステーキの付け合わせに
  このカボチャを使おう」(パチパチパチ)
金「なるほど、それなら売れそうだね」
父「だが世間はそう甘いものではない。なにしろ牛肉じたいが珍しかったから
  まるで売れない。そこで妹思いのワンデレラも考えた」(パチパチ)
金「どうしたの」
父「このワンデレラは、姉妹の中でも一番の美人だったんだ。その美貌を
  生かして、TV番組に出演して家計の足しにしたな」
金「その時代にTV番組なんてあるのかよ!」
父「天気予報ぐらいはあったんじゃないか?」
金「放送局があるのかよ!」
父「なかったら作ればいいだろう!」
金「ムチャクチャだよ!」
父「その当時いちばん人気があったタレントは、初代の明石家さんまだ」
金「えっ、さんまって昔もいたの?」
父「うん、初代のさんまも歯が出てた。(パチパチパチ)目黒の出身でな、
  『さんまは目黒に限る』と言われて大人気」
金「絶対違うよ!」
父「ワンデレラはさんまとの共演をきっかけに大ブレイク、弟子もどんどん
  増え続け」
金「弟子なんかとってたのかよ!」
父「ばかやろう、その弟子の弟子のそのまた弟子が今でも活躍してるんだぞ」
金「本当かよ!誰だよ!」
父「ワンギャルだ」

ドンドン

251 :湖亭半弗:01/11/20 23:09
お待たせしました。
柳さんのヨンデレラは面白いですねぇ。励みになります。
「出っ歯」「ステーキ」「妹思い」

政治が面白くなってまいりましたんやそうですが、あれはずいぶん昔から相当面白かったんや
そうで。バカヤローちゅうてみたりね、牛歩やとか、見てるだけでおもろいちゅうのも
随分とありました。中継をたまに見たら昼寝の時間。こっちもつられて寝たりもしたんですが、
今は違いますわなぁ。視聴率もあがってたとかで、それはそれでええことなんでっしゃろが。
クリーンな政治家がおりますな。ま、ま、これは表向きちゅうやつもいてるんやと
思うんですが、一切金をうけとらん、便宜も図らん。ほんで選挙資金が尽きて落選、てなもんで。
悪い奴が得するちゅうんは、判官びいきちゅうんですか、何やしらんおもろないもんですが。
あんまりクリーンすぎても具合が悪いんですなぁ。クリーンクリーンと声だかにゆうてたかと
思うと、あんまりクリーンすぎて肝心な時に白票投じたりして、クリーンの意味まちごてるねや
ないかと思いますが。今日は一つ、選挙のお噺を聞いて頂きますが、
源太「うちの先生、どこいたんかしらん、ほんまに。投票日も近いちゅうのに
どこへいてしもたんやろな。」
栗田「ただいま。」
源太「どこへいてましたんや、代議士!困りますがな、うろうろと出かけられたら、
この正念場に。」
栗田「いやいや、ちょっとな。有権者の方々とお茶をな。」
源太「そないのんきな選挙戦してどないしますねんな、ほんまに。秘書の私の身にも
なっとくんなはらんかいな。」
栗田「なぁに、勝てるじゃろ。」
源太「勝てるじゃろて、その自信はいったいどこへいたら買うてこれるんでっしゃろなぁ。」
栗田「今お茶飲んでた人らが皆入れてくれるていうてたがな。」
源太「あら支持者ですがな!浮動票なんか入れたら、もうまだまだ分からんてなもんでやっせ。」
栗田「いや、そのまだ誰も決めてないちゅうてたんを、わし派に組み込んだがな。」
源太「そういう話をしとくんなはれ、そういう話を。どこの地区です、勢力図に書きますさかいに。」
栗田「タバコ屋のまっさん。」
源太「タバコ屋のまっさん、ちゅうたら、あの出っ歯の?(パチパチパチ)はぁはぁ、
ちゅうと・・・南松郷のあの地区全体でやすな。」
栗田「いや、せやからまっさんや。」
源太「まっさん、出っ歯の松本さんでっしゃろ。せやから、南松郷・・・。」
栗田「まっさん一人や。」
源太「まっさん一人!?・・・あんたちょっと、選挙なめてたらいかんで。そんな一人で
どないして有利になりまんねん!」
栗田「有権者の一票は大きいんやぞ。」
源太「そらそうですけんども・・・分からんお人やなぁ、何千票という得票差を
どないしてひっくりかえしまんねん、まっさん一人で。」
栗田「娘がいてるがな。」
源太「5つの娘に選挙権はおまへんねん!仮に娘に言い、嫁にいい、ジジババ親戚にいたるまで
伝えたところで、よくて数十人でっしゃろ。そんなんやのうて、もっとありまっしゃろがな、ほら。
街頭演説でもそうですがな、やり方一つで変わりまっせぇ、そらもぅ。いつもみたいに
ボソボソというてたらあきまへんで。」
栗田「そうや、その方々と原稿作ってきたんや。」
源太「そんなもんは、あんた、スタッフの作った原稿がおますさかいに、もう少し話し方をね・・・。」
栗田「わしの気持ちが入った文章を、気持ちを込めて聞いてもらうちゅうのはいかんことか?」
源太「・・・そない、言われたら、まぁ、しょうがおへんわなぁ。ちょっと拝見しても
よろしいですか、どれ。・・・、何ですのん、こら?あんたちょっと。」
栗田「代議士をあんたあんたと呼ぶな。」
源太「呼びたもなりますわな、これ。何ですのん、この原稿。はじめから言うていきましょか。
あんたは参議院に立候補しとりまんねん、「衆議院」になってますやないかいな。」
栗田「参議院はどうも、タレント候補みたいで嫌やから。」
源太「そんな理由でごねなはんな、ほんまに。党の本部も、あんたが参議院でない限り
推薦なんかくれまへんよって。それから・・・あったこれや、ステーキが食いたいうんぬん
のこのくだり(パチパチパチ)これは何でんねん?」

252 :湖亭半弗:01/11/20 23:37
栗田「狂牛病の騒動の時に、皆が寄って食うてたやろ。あれが羨ましいてな。
議員だけであんなええ肉食うのんも何やし、そんで、当選したあかつきには
振る舞いステーキをやな、やるねやがな。皆は喜ぶ、わしも喜ぶ、肉屋は喜ぶ。」
源太「そういう行為を「買収」ちぃまんねん!ほんまにしゃあないお人や。
書き直しなはれ、これ。確かにパフォーマンスで食うてた肉はどう考えても、
狂牛病から一番程遠い肉取り寄せて食うてた感じがしましたけど。そんなんよろしいねん。
もうめちゃくちゃですさかいに、私がついてて直しますんで。」
(小拍子)
運動員「えらいこっちゃぁ!」
源太「どないしました!?・・・何?ああやっぱり出たか・・・。代議士、代議士!
やっぱり出ました。」
栗田「そうか、そら良かった。」
源太「・・あんた何やと思てなはんねん?」
栗田「さぁ、便秘かパチンコか。」
源太「わざわざそんなん言いに運動員が走ってきますかいな!怪文でんがな、選挙に
ようありますやろがな。」
栗田「あぁあ、「竹やぶ焼けた」とか、「いもおとおもい(妹思い)」とかの。」(パチパチパチ)
源太「そんなもんがまかれたくらいで騒ぎますかいな、怪文書。あることないこと
こっちの噂話を流しますんやがな。」
栗田「あることないこと?えらいこっちゃ、わしが男前やとか書かれてしまう。」
源太「そんなあんたのええこと流して、何が得になるですかいな。ちゃいますがな、誹謗中傷を書いた
文書がFAXやとか郵便受けに届きますねん。」
栗田「えぇ!?向こうの陣営の仕業か!卑怯な真似や!」
源太「今んなって怒ってるがな。早急に訴えましょう。あんまし効果はありませんが。」
栗田「えぇい、ライター持ってこい、ライター!」
源太「そらありますけど、どないしますねん?」
栗田「貸せ!こっち。こういうな。げんの悪いもんは、こうして、焼いてしまうんじゃ。」
源太「あ、あぁ!何をしますねん、せっかくの証拠が!」
栗田「どうせ尻尾がつかめん証拠やろ。わしゃ、こういう卑怯なやりかた嫌いなんじゃ。
この選挙、絶対勝ったるさかい。灰になったな・・・、水持ってこい。」
と、水を一杯用意させますと、その中に灰をいれまして、この男。
それを一気に飲み干します。ちょうど、昔の集団一揆なんかのときに、御神水ちゅうて、
連判状を燃やしたものをその水に混ぜて飲んで団結をはかったちぃますが、似たような
ことをしよったんですな。
源太「そ、そんなん飲んだら体を壊しますがな・・・。」
栗田「クリーンな政治をやるのがわしの務めや。皆、こんなんに負けた
あかんぞ!」
(小拍子)
源太「・・・しかし、不思議なもんでやすなぁ。出っ歯のまっさんが
自分一人で南松郷の票をまとめてくれるとは思いませなんだ。」
栗田「頼もしい男やな、あいつは。」
源太「それに、あの代議士のパフォーマンス。」
栗田「あぁあ、灰の水飲んだ奴か・・・。」
源太「あれがえらい効果になって、勢いづいたんでっせ。何やかやで
当選ですがな。あの飲み干し方の豪快な事、私、代議士を惚れ直しました。」
栗田「そうやなぁ、まっさん一人の活躍といい、灰の水のパフォーマンスといい、
今回の選挙、一気当選(一騎当千)やわい。」

ドンドン

253 :柳ヤコ:01/11/21 07:33
半弗さんのは相変わらず本格的ですねぇ。しかし「妹思い」が回文とは、
気がつかなかった!

254 :重要無名文化財:01/11/21 19:13
みなさんうまいですねー。

255 :重要無名文化財:01/11/22 00:15
これはageなきゃ!

256 :重要無名文化財:01/11/22 00:27
回文!眼から鱗でした。さすが上手いですねー。
一度紙にでもお題を平仮名で書くと練ったり加工しやすいのかも知れませんね。

257 :重要無名文化財:01/11/22 00:29
コテハンさんのサゲは、話しの流れからてっきり「灰水の陣」でサゲると
思ったらもう一ひねりあって、さすが!と思った。

258 :重要無名文化財:01/11/22 00:33
作家同士で一度リレー落語をみたいなぁ。
誰かが「お後と交代でございます」とかいってつなげるの。
みなさんお上手そうだし、やってくれないかなぁ?

259 :重要無名文化財:01/11/22 01:29
なかなか顔出しできなくてすみません、主催者です。
また幾つかの作品がアップされたようです。

柳ヤコさんの「ヨンデレラ」「続ヨンデレラ」は圧巻でした(笑
流れは「桃太郎」と同系列なのに、語り手の父親が「堀の内」みたいな
連続ボケでたたみこんできます。漫才でも見ているようなそんなテンポで
爽快感があります。

半弗さんの「灰水の陣(仮)」は、いつもの古典調とは違った面白味があります。
タイトルは >>257さんの書き込みがピッタリでしたのでお借りしました。
選挙の噺でしたが、「レッツゴー永田町」の影響かちゃんと「先生」でなく
「代議士」と呼んでますね、秘書の方。とぼけた代議士がやる気を出すあたり
が見物ですね。

今回はもう少し作品を集めたいと思います。
>>258さんの言うようなリレー落語なんか、期待してもいいのでしょうか?
新人作家さんの登場もお待ちしています。

260 :重要無名文化財:01/11/22 02:53
ひじょーーーに細かいけど、代議士って衆議院議員の事だよ。
参議院議員は議員だったかな?

261 :重要無名文化財:01/11/22 03:36
だいぎし【代議士】
直接選挙で選出され,国民を代表して国政を議する人。一般には衆議院議員をさしていう。

との事なので、ぎりぎりセーフなのでは・・・。
また、噺に出てくる栗田議員が衆議院への憧れ(というより参議院に対するイメージの毛嫌い)
から、意図的に秘書に「代議士」と恒常的に呼ばせていたのなら、もっとセーフ。

262 :重要無名文化財  :01/11/22 15:54
「出っ歯」「ステーキ」「妹思い」


マタギ「さぁ、息子。そろそろおめぇにも鉄砲の撃ち方おしえねぇといげねから、
    さっさと玉、こめろ。」
息子「あいよぉ、父ちゃん。うぅんと、父ちゃん、このでっぱってるのに穴があいてるぞ。」(パチパチパチ)
マタギ「それが銃口ってんだ。」
息子「ふぅん、道理で重くて厚いと思った。」
マタギ「そりゃ、重厚だぁ。鉄砲の口だから銃口ってんだ。」
息子「そぉかぁ、ここから玉が出るのが?」
マタギ「んだ、ものすげぇはやさでな、飛び出すのよ。」
息子「すてぇきだなぁ。」(パチパチパチ)
マタギ「素敵なことあんめぇ、当たり前のこんだ。さぁ、そこに芋が棒の上に
    おいてあんべぇ。あの芋撃ってみるんだ。」
息子「いくらで売るんだ?」
マタギ「馬鹿いうでねぇ、売って来いってんじゃねんだ、鉄砲で撃てつううんだ。」
息子「そぉかぁ、よぉし、あの芋だなぁ。バーン!」
マタギ「どぉれ、なかなか当たんねぇだろう。」
息子「あんな大きな芋なのにあたんねぇなぁ、父ちゃん。」
マタギ「今度はその横の芋、撃とう。も一回やれ。」
息子「あんだって、父ちゃん?」
マタギ「しっかり聞かねばいげねぇ。その横のいも、うとお。もいっかいやれってんだ。」(パチパチパチ)
息子「わかっだ、父ちゃん。バーン!わあ当たった!当たった!」
マタギ「よくやったな、息子。そうやって練習してたら来年にはイノシシ狩に連れて
    いってやるべぇ。芋なら売るほどあるだ。これで練習しな。」
息子「でも、もう芋じゃつまんね。動いてるのが撃ちて。おっ、あら尼さまじゃ。
   ちょっと狙ってみるべ。」
マタギ「これ、何を馬鹿なこといいくさる。間違えば人殺しになるだぞ。これ、
    やめねが!息子!こら。」
息子「どうせ当たんねぇから、大丈夫だって、これ。バーン!」
マタギ「あぁああああ、とうとう撃っちまって・・・あら、尼さま元気なもんだ。」
尼「危ねぇことはやめてくんろ。私みてぇに足腰が強いならよけれるが、ほかの村人じゃ
  おめぇ様がた、今ごろ縛り首だべ。」
息子「あぁ、びっくりした・・・鉄砲はやっぱり物騒だな、父ちゃん。」
マタギ「そうだ、気をつけて使わねばいげねぇでよ。まぁ、相手が元気な尼様で良かった。」
息子「どうして?」
マタギ「ものが火縄銃、尼足(雨脚)強けりゃ役にはたたねぇ。」

「鉄砲指南」でございました。

263 :重要無名文化財  :01/11/22 16:00
おくれましたが、きまりですので

ドンドン

264 :柳ヤコ:01/11/23 00:24
これいいですねぇ。お題の使い方が、3つとも無理矢理なのがかえっておかしくて
いいです。こうすると田舎のマタギという、かけ離れた題材で噺にできちゃうんですねぇ。
感心しました。

265 :主催者:01/11/23 22:59
これまたいい作品が出たようですね。
匿名さんの「鉄砲指南」は、またほのぼのしたマタギの稽古から一転、
殺伐としたシーン、そして不思議な雰囲気で幕という流れが完璧ですね。
これはどこの地方の方言なのでしょう?なんだか「となりのトトロ」の
カンタのばあちゃんぽく思えました。ヤコさんが言うように、こういう
飛躍的な噺はこのお題を選んだ甲斐があります。

さて、それでは第八回お題取りと参りましょう。
例のごとく、一レスにつき一単語でお願いします。初心者の方も
気軽に参加して下さいね。
それでははりきっていきましょう。

266 :重要無名文化財:01/11/23 23:39
尻もち

267 :重要無名文化財:01/11/23 23:42
二千円札

268 :重要無名文化財:01/11/23 23:53
卓球

269 :重要無名文化財:01/11/23 23:54
羽毛布団

270 :重要無名文化財:01/11/23 23:56
雑誌

271 :重要無名文化財:01/11/24 01:56
日帰り

272 :重要無名文化財:01/11/24 13:19
蛍光灯

273 :重要無名文化財:01/11/24 13:29
アロエ

274 :重要無名文化財:01/11/24 19:17
常勤講師

275 :主催者:01/11/25 00:31
さて、お題がたくさん集まったようですので、
さっそくお題を選びます。
第八回のお題は、
「卓球」「日帰り」「蛍光灯」
です。
常勤講師・尻もちなども考えましたが、今回はこれで。
「卓球」と書いて「ピンポン」と読むのも一興でしょうね。
すみません、「蛍光灯」は「孝行糖」の雰囲気で選んでしまいました。
難しいでしょうか?

数々の作品、お待ちしています。新人さん初心者さん大歓迎です。

276 :夢藻助(ゆめもすけっす):01/11/26 18:08
まあ、次へのつなぎに読んでみてください・・・。


いやあ、冬ってのは受験シーズン真っ盛り。

拓也という男は、徳さんがよくいく競馬場で知り合った、浪人生。
当然、勉強なんてしてないから
毎週毎週顔をあわせていたとこでいつのまにか飲み友達に。
ちなみに、2人が競馬談義なんてしだしたら何日立つ事やら。


拓也:「いやあ、徳さん。普通の鍋もいいですけど、
やっぱり『すき焼き』もいいですよね。うまいっすよ、この肉。」
徳さん:「そうだな。たまには家で酒飲みながら食べるすき焼きもいいもんだよな。」
拓也:「それにしても、あの円漠さんが近江牛を送ってくれるとは思いませんでしたよ。」
徳さん:「なんかな、あいつの実家が酪農家でよ。牛を飼ってるらしいんだ。
それで今の狂牛病のあおりを受けて、肉が余ってるんだとさ。
で、日頃お世話になりましたって、送ってくれたんだよ。」

拓也:「へぇ〜。なんか不思議ですよね、円漠さんが・・・。
それにしてもうまいですよ、この肉は。
で、今日は、円漠さんは来ないんですか?」

徳さん:「もうそろそろ来るんじゃないか?
今日は、仕事がないっていってたけど。
いちお、残しといてやれよ。」

拓也:「なんだ、来るんですか・・・。
それならどうして徳さんちに直接持ってこないんでしょうね。
わざわざクール宅急便で届けなくてもいいのに・・・。(パチパチパチ)
しかも東京の円漠さんちから。」

徳さん:「あははは、あいつらしいだろ。実はな、うちの、」

「ピ〜ンポ〜ン(呼出音)」

徳さん:「あ、来やがったな。」

「ガチャ」

円漠:「こんちわ。おっ、もう始めちゃってますね、すき焼き」
徳さん:「おう。遅かったじゃねーか。早く座れよ。」
拓也:「円漠さん。この肉、すっごいうまいっすよ。」
円漠:「あ、そう?拓也にそう言われたら、持ってきた甲斐があるってものだ。
これで、今年こそ、受験はバッチリだな。」

拓也:「受験の事は言わんでください。」
徳さん:「まあ、いいじゃねーか。それより早く肉を食おうじゃねーか。
そろそろ競馬も始まるしな。おい拓也、チャンネル変えてくれ、4チャンに。」
拓也:「はいはい。」
徳さん:「おっ。そろそろメインレースだな。今日は、荒れるぞ。」

277 :夢藻助(続きです):01/11/26 18:17
(テレビ、ファンファーレ流れる)

円漠:「ほんと、徳さんは競馬好きですよね。
しかも先週、京都競馬場に日帰りで行って来たらしいじゃないですか。
聞きましたよ、目川さんに。」(パチパチパチ)
拓也:「また行ったんですか、知らない間に。」
円漠:「まったくです。よく行きますよね、わざわざ。」

徳さん:「円漠。お前はわかってねーな。競馬ってものはな、
まず競馬場をよく知ってねーといけねーんだ。
そこの競馬場に行って、騎手とか馬とかの『傾向と対策』ってのを掴んでくるんだよ。」(パチパチ?)

(レースは、そんなこんなで最後の直線)

拓也:「徳さん、直線っすよ」
徳さん:「拓也!話し掛けるんじゃねぇ!」
「よし、よし、そのまま!」

「行け〜!」

「行ったれ!」

「差されるな〜!」

「お、おい!」

(テレビ、「ゴール!1着は・・・」)

徳さん:「あ〜、差されたぁ。やっぱりペリエだぁ・・・。
それにしても、絹辺の奴め、このボケッ」
拓也:「あ〜あ。馬券、破らないでくださいよ。」
徳さん:「やってられん。」
拓也:「寝ないでくださいよ。」
徳さん:「話し掛けるな。」
円漠:「や、やりましたよ。徳さん。僕、勝ちました。」
徳さん:「な、何だと?(怒)」

(テレビ、勝利ジョッキーインタビュー)

青死魔:「ペリエさん、ゴングラチュレーション」
ペリエ:「ア、アリガト、ゴザイメース」
青死魔:「それにしても、うまい騎乗でした」
ペリエ:「ア、アリガト、ゴゼイマース」
青死魔:「ファンに向けて一言」
ペリエ:「ドーモ、アリガト」

円漠:「やっぱり、フランスの騎手から買わないと・・・レベルが違いますよ。」
徳さん:「黙れ、初心者め。くっそ。」
拓也:「それにしてもペリエって、日本語うまいですよね。フランス人にしては。」
徳さん:「だよな。しかも絶妙な舌使いで喋ってやがる。そこがまたむかつくんだ。」

円漠:「舌使いがうまいのは、当たり前ですよ。『フレンチ騎手』ですもの。」

どんどん

278 :夢藻助:01/11/26 18:29
あえて、逆で落としてみたんですが・・・

円漠:「喋りが軽いのは、当たり前ですよ。『フレンチ騎手』ですもの。」

の方が、良かったと隣人に言われ、反省。。。

279 :重要無名文化財 :01/11/27 05:34
age

280 :主催者:01/11/28 02:42
夢さんの作品が発表されていますね。
「競馬中継(徳さんとその仲間)(仮)」は後半からサゲまでの流れが
いいですね。実は当たり馬券を買ってたり、蛍光灯を「傾向と」で使って
徳さんのうんちくぶりが発揮されるあたりが好きです。
夢さんの徹底したシリーズぶりは、三遊亭円歌師匠の「中沢家の人々」っぽくて
いい存在です。

さらなる作品をお待ちしています。

281 :湖亭半弗:01/11/29 23:41
常連さんの作品がめっきり少なくなって寂しいですな。
奮起して頑張ります。
「卓球」「日帰り」「蛍光灯」

秋の紅葉の季節ももう時季外れになってまいりますが、秋の旅行てのはよろしいなぁ。
温泉やなんかにのんびりと行きたい・・・とは思うんですけどな。なかなかそういう
暇はないんですなぁ、あれ。前もって計画立てて、さぁ明日やちゅうときに限って、
親戚に不幸があったり急な仕事が入ったりするもんで、あれ誰かが見計らってるねやないかと
思うくらいええタイミングですな、たいがい。世の中うまいこと出来てるもんで。
そうかと思うと、行ったら行たでやたら混んでたりするんですな。何しろ考えてることは
皆同じでっさかいね。
男A「旅行へ行たそうやな。」
男B「さいです。」
男A「どこへ行てきたんや。」
男B「東京へ。」
男A「何じゃ、紅葉見に行くちゅうてたんと違うんかい?」
男B「観光地は混むさかいに、見るとこないとこに旅行しようちゅうて。」
何の為に旅行に行くねや分からんですな、こうなったら。行くという行為だけで
お腹いっぱいになってるんやさかいに、不思議なもんですが。
しかし、やっぱりきちんとした旅行がしたい。それこそ一日だけでも旅行に行きたいと
願うてる人がぎょうさんにいとぉりますが、

喜八「さぁ、かか。出かけるぞ。」
タキ「何やの、急に。」
喜八「紅葉を見に行くねやないかい。」
タキ「公園でもいくんか?」
喜八「何をぬかしとんねん、違うがな。温泉へでも行て紅葉を見ようちゅうねん。」
タキ「あんた明日仕事やないかいな。」
喜八「せやさかいに、日帰りで行こうちゅうねん。」(パチパチパチ)
タキ「あほらしもない。どないして行くんやいな。」
喜八「・・・さぁ、どないして行たろうかしら。」
タキ「あてものぉて言うてたらあかへんがな、この人。近場の温泉で、ちょっと
見頃の紅葉が見れたらえぇんでっしゃろがな。」
喜八「何じゃいな、そんな都合のええとこがあるんかい?」
タキ「いや、私も聞いただけやさかいに、よぉ知らしまへんねんけどな。
なんでも、保養施設が新しいに出来たとかで。そこでは温泉もあるし、紅葉やら
が見頃で、おいしいなべ料理なんかも食べさせてくれるんやて。泊まるのも
日帰りもどちらでもえぇみたいやし。」
喜八「詳しいなぁ、お前の方が行く気やったんやないか。」
タキ「そない遠いところでもないし、どないですやろ?」
喜八「ほな、そこへ行てみるか。」
(小拍子)

282 :湖亭半弗:01/11/30 00:15
喜八「ここがその保養施設か。ほんに近場やなぁ。」
タキ「空気はきれいし、ここからでも紅葉が綺麗やわ。」
この二人、ここの休憩施設を利用いたしまして満喫いたします。
温泉につかるやら、マッサージを頼むやらで、ようよう旅行の気分
になってまいります。
喜八「なぁ、かか。そこに卓球台があるがな。」(パチパチパチ)
タキ「あかんで、私。弱いさかいに。」
喜八「弱いちゅうてもしれてるがな、わしかて。卓球は温泉につきもんやさかいに
やろやないか。」
タキ「・・・さよか。ほな、私から、カコンと。」
喜八「それ、カコン。」
タキ「それ、スマッシュ。」
喜八「あいた!また、えげつないサーブやなぁ。」
タキ「あら、ごめん。ほな、また私から、カコン。」
喜八「ほほ、ならスマッシュ!」
タキ「で、スマッシュ返し!」
喜八「あいた!なんやなんや、お前強いやないか!」
タキ「いややわ、私、小・中・高と卓球部では弱い方やったんよ。」
喜八「小・中・高と卓球部!そら強いわぁ。弱い方ちゅうたら補欠やった
んかい?」
タキ「いっつも近畿大会で2位どまり。」
喜八「強いがな、お前。」
卓球もえぇ加減やっておりますと、舞台で芸者さんのショーが始まりまして、
ホールが賑やかになってまいります。名物の猪鍋をつつきながら、ショーを
観るという趣向でございます、その趣向の陽気なことぉ!
(ハメモノ・都踊り)
喜八「あれ観てみぃな、上手なもんや。」
タキ「こっちまで何やうっとりしてきますわ。私にも出来るやろか。」
喜八「よぉそんなことあっさり言うで。あれだけ踊ろうと思うたら、
並大抵の稽古と努力では出来んわぃ。」(パチパチパチ)
タキ「そうやねぇ、私にあれだけのお稽古ぉと努力は出来んわねぇ。」
喜八「そう、三味線にしても踊りにしても、けいこぅとぉ、努力が・・・。」
職員「お客様、猪鍋の御用意が出来ましたのでどうぞ。」
喜八「あ、あぁこらどうも。・・・うわぁ、えらい豪勢な鍋やないか。」
タキ「ほんまやねぇ。私、あんたと一緒になって、こんなえぇ食事、初めて・・・。」
喜八「猪肉、前にして泣きないな、えぇ。よっぽとわしがえぇもん食べさせて
ないみたいに見えるがな。さぁさ、食べよう・・・こらうまい。」
タキ「まぁ、すごいこと、このお肉。味が深いわぁ。」
喜八「やっぱり来てよかったなぁ、温泉に。」
タキ「ほんまによかったわ、ここへ来て。」
喜八「いっそのこと、泊まっていこかしら。」
タキ「まぁ、えらいお酒も入ったからちゅうて、えらいお気に入りやこと。」
喜八「何ぬかしとるねん、よぉし、泊まって帰ろう!いやぁ、職員さん。
ここはほんにえぇとこですなぁ。特にこの猪鍋がまた、うまいがな!」
職員「ありがとうございます。この辺りではこの時季に猪鍋がよく広く
賞味されておりまして、観光客にも膾炙しております。」
喜八「なに、膾炙(かいしゃ)してる?いかん、思い出した、明日は
仕事や。」

ドンドン

283 :重要無名文化財:01/11/30 15:33
お見事!

284 :柳ヤコ:01/11/30 19:59
『ちゃいなの遊び』

熊五郎「おぅ、ずいぶん大勢集まったな」
八五郎「集まったねぇ。どうだぃ、みんなでパーッと、
    遊びに行こうじゃねぇか」
源兵衛「行きたい!行きたいけどなぁ、今日はふところが
    あいにくなんだよ」
太助「お前はいつだってあいにくじゃねぇか」
熊「お?あすこォ通るのは伊勢屋の若旦那じゃねぇか?
  そうだ、あいつに吉原に連れてってもらって、ワーッと
  騒いで勘定はあいつに押っつけちまうってのはどうだ?」
源「やだなぁ、俺あいつ苦手なんだよ。頭のてっぺんから
  声出しやがって、『こんにちは』って言わねぇ、『こんつは』
  だってやがる」
熊「まぁいいから、タダで遊ぼうってんだから文句を言うな。
  ちょいと若旦那ァーー、素通りはねぇでしょ、若旦那ァー」
若「おや?おやおやおやおやこれは町内の皆様方お揃い
  で、オホホホホホ・・・こんつは」
熊「さっそく来やがったねどうも。若旦那、ものは相談なんで
  すがねぇ、若旦那の顔のきくところでちょいとその・・・
  遊ばしてもらいてぇと、こう思ってるんですがねぇ・・・」
若「おや、遊びでげすか?ようがしょ、実は湯島の富のくじ、
  大したものでは無けれども、七番富なる当たりくじ、どう
  せ無かったあぶく銭、ここらでパッと、散財しやしょう〜」
八「よぉよぉ、音羽屋ッ!」

285 :柳ヤコ:01/11/30 20:00
さぁこれからゾロゾロと吉原へやってまいります。先頭を歩く
若旦那が立ち止まりましたのが、真新しい一軒の店の前。
若「どうでしょ、ここなぞは」
源「こりゃまた派手だね。赤に金色、目がチカチカしてしょう
  がねぇ。えーなになに、『中華楼』?」
店の者「いらしゃい!イイ娘いるアルヨ!」
源「なんだぃ、変になまってるぞ」
若「これは吉原初お目見えの、支那の女郎屋でげすな」
太「支那ァ?あー海の向こうの。へぇぇ・・・なんかおもしろ
  そうだ、上がろう上がろう」
店「アイヤー、お上がりんなるアルヨーーー」
熊「お、なんだここの女は。色っぽい服着てるじゃねぇか」
若「それは『ちゃいなどれす』でげすな」
熊「さすが若旦那、なんでもご存知だねぇ。」
女「いらっしゃい、よろしくお願いするアル」
八「おー来た来た。名前なんてんだ?」
女「慶香桃(けい・こうとう)アルヨ」 (パチパチパチ)
熊「ケイコウトウ?変わった名前だ」
店「支那では普通アル。この子ね、明るくてとてもイイ子よ、
  ただちょっとキレやすいネ」
熊「なんだよそれ。まぁいいか、パーッとやろうじゃねぇか」

286 :柳ヤコ:01/11/30 20:01
さぁこれから飲めや歌えのドンチャン騒ぎ。どうせ人の金で
遊ぼうってェ連中ですから、遠慮なんざぁ致しません。
そのうちに野球拳なんてぇのが始まります。
慶「ちょっと待つアル、野球拳よりも、いま支那ではやりの
  卓球拳やってみるアルネ」(パチパチパチ)
太「なんだい卓球拳ってのは」
慶「♪卓球〜するなァら〜、こぉゆう具合にしやしゃんせ〜
  サーブ!ネット!よよいのよい」
太「同じじゃねぇか!」
もうワケがわかンない。こうなってくると大変なのは勘定で、
とても七番富くらいじゃ追っつかないのはいくら若旦那でも
わかりますから、大引けもまだまだッてェうちから、
若「皆さん、そろそろお開きにいたしやしょう」
源「何言ってやんでぇ、ここまで盛り上がって今さら帰るよう
  なトンチキがどこにいるかっつんだ」
太「おゥそうだ、町内の札付きの悪とまで言われた俺達だ、
  明日どころじゃねぇ、三日だって四日だって居続けだぃ」
若「いいぇ、吉原は日帰りにかぎりやす」 (パチパチパチ)

ドンドン

287 :重要無名文化財:01/11/30 23:49
おへ

288 :重要無名文化財:01/12/01 01:02
柳ヤコさんのいいねぇ。志ん朝師匠の口調みたい。
粋な話しだね。

289 :柳ヤコ:01/12/01 21:59
ありがとうございます! 志ん朝師匠とは・・・ホメ過ぎ(笑

290 :主催者:01/12/01 23:59
さて、常連さん達の力作が出揃いましたね。
半弗さんの「日曜旅行(仮)」は芸術協会の新作風に仕上がっています。
最後の膾炙と「会社」でかけて仕事に気づく喜八さんの姿が高度経済成長期の
サラリーマンという感じがします。夫婦ものとしても感じのいい噺です。

柳ヤコさんの「ちゃいなの遊び」はこれまた風情がある作品ですね。
志ん朝師匠の口調というのもうなずけます。「ちりとてちん」の若旦那
みたいな滑稽さと中国人のお茶屋の雑技団的バラエティがとても楽しいです。

もう何作品かあつめてみましょうか。
敷居が高いと思われるかもしれませんが、少しのルールさえ守って頂ければ
自由度は高いです。様々な方の、色んな切り口の噺を期待しています。

291 :重要無名文化財:01/12/03 20:35
うん、ヤコさんのは小遊三にやらせたいね。
権太楼でもいいなぁ。ばたくさい芸人がやってほしい。

292 :重要無名文化財:01/12/06 03:37
「卓球」「日帰り」「蛍光灯」
拓也「今日は楽しかったな。」
絵里「ほんと、とても楽しかったわ。」
拓也「ほら、ここから海が見えるよ。」
絵里「ほんとだ、夕日が沈んでいくわ。」
拓也「夕日が絵里をさらに美しくみせるよ。」(パチパチパチ)
絵里「あら、お世辞?」
拓也「ピンポン。」(パチパチパチ)
絵里「何よもぉ、拓也ったらぁ。」
拓也「ごめんごめん、さぁもっとこっちにおいで・・。」
絵里「拓也・・。」
拓也「絵里・・。」
絵里「あっ、蛍光灯買うの忘れてた!」(パチパチパチ)
拓也「何だよもぅ!せっかくいい雰囲気だったのに!蛍光灯の話だなんて。
台無しだよ、もぉ。せめて、ここでムードある音楽でも後ろに流れてくれれば
雰囲気が変わるんだけどなぁ・・。」
と海辺で振り返ると、遠くの商店街のスピーカーから、
スピーカー「ほーたーるのー、ひーかーありー♪」

どんどん

293 :重要無名文化財:01/12/06 10:55
>>292
短いけど、サゲがなにげにウマイね。パチパチ

294 :主催者:01/12/07 01:27
新しい作品が出ましたね。私もちょくちょくしか来れなくて
申し訳ないです。

匿名さんの「蛍の光(仮)」は斬新な形できれいにまとまってますね。
新作落語風にラブロマンスに持っていって、馬鹿落ちでサゲるのは
圧巻です。「卓球」をピンポンで使ってらっしゃいますね。笑ってしまいました。

もう少し、後一・二作品くらい出たら、
次のお題取りにいきますので、どなたか作品をお寄せ下さい。
「卓球」「日帰り」「蛍光灯」です。

295 :重要無名文化財:01/12/09 02:04
後一作品期待age
最近、作品出品に困った時には匿名作品で救われているな。
毎回5・6作品は見たいからなぁ。
それならお前書け、といわれるとつらいが。

296 :重要無名文化財:01/12/09 10:10
>>295
お前書けよ(笑)

297 :主催者:01/12/11 23:24
責任の擦り合いになるとは、私の不徳のいたすところです。
あいまいな書き方をしてしまって申し訳ありません。

もう一日待って作品が出なければ次のお題取りをいたしましょう。
待ってらっしゃる方はごめんなさい。

298 :重要無名文化財:01/12/12 00:23
何やってんのかね。猫八さんも死んだけど、スレも立たない。たいした事
無かったのかね。ビッグネームだけか。落語は。こっちの方がまだまともだ。
http://www.mail-st.net/cgi-bin/bbs/bbs.cgi

299 :主催者:01/12/12 23:41
私も一度だけ猫八師匠に寄席でお目にかかったことがあります。
名人芸をもう聴けないのはやはり悲しいです。
私が観た時は小猫師のうぐいすよりかすれておられたのですが、
芸歴の渋味でカバーしておられ、時に小猫師を凌ぐ勢いを出しておられました。
謹んでご冥福をお祈りいたします。

しかし、やはり半無理強いの作品募集はよくないですね。反省しています。
どうぞ興味のある皆さんは、初心者の方でもお気軽に作品をお寄せ下さい。
それでは第九回お題取りと参りましょう。
例によって、一レス一単語でお願いします。

300 :重要無名文化財:01/12/12 23:56
記者会見

301 :重要無名文化財 :01/12/13 01:10
四十七人

302 :重要無名文化財:01/12/13 17:35
ごろつき

303 :重要無名文化財:01/12/13 19:12
喫茶店

304 :重要無名文化財:01/12/13 20:04
かまぼこ

305 :重要無名文化財:01/12/13 23:48
ばかスレ

306 :重要無名文化財:01/12/14 00:04
>>301
「四十七士」じゃなくて?

307 :重要無名文化財:01/12/14 00:18
つまらない新作落語

308 :親切な人:01/12/14 00:21

ヤフーオークションで、凄い激安商品、発見!!!

「高性能電子辞書」が、たったの 3900 円↓
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ヤフーオークション内では、現在、このオークション
の話題で、持ちきりです。

309 :重要無名文化財:01/12/14 00:27
塩こしょう

310 :重要無名文化財:01/12/14 00:32
Gスポット

311 :重要無名文化財:01/12/14 01:04
ちらし

312 :重要無名文化財:01/12/14 01:13
柳腰

313 :重要無名文化財:01/12/14 01:27
ニッケパークタウン

314 :重要無名文化財:01/12/14 01:34


315 :重要無名文化財:01/12/14 01:48
桂木

316 :主催者:01/12/14 01:55
たくさん集まりましたね。選ぶのが大変です(笑)
では、第九回のお題を発表します。
「四十七人」「ちらし」「雪」です。
前と後ろのお題が明らかにあの話題(この時季の)を誘ってますので、
よく注意して使って下さい。「ちらし」をどう強引に使うか私は楽しみです。

それでは、たくさんの作品お待ちしています。

317 :重要無名文化財:01/12/14 02:34
雪の日に47人で、寿司屋に行き
ちらし寿司頼んだら、吉良われました。

318 :重要無名文化財 :01/12/14 08:49
うまいけどルール違反だな。
それを広げて噺にしたら面白いのに。

319 :重要無名文化財:01/12/14 20:36
ご隠居「おや、静七さん、いらっしゃい。」
静七「ご隠居さん、きいておくんなせぇ。」
ご隠居「どうしたんだぃ、まぁお茶でも飲みなさいな。どうしたぃ?」
静七「それが火の用心の番が来週うちらしいんですよ」(パチパチパチ)
ご隠居「ほぉ、それは結構だね。」
静七「笑う事じゃねぇんですよ、あっしは暗い夜道が苦手なのは知ってるでしょ!」
ご隠居「あぁ、お前さんは怖がりだからねぇ。そりゃあこわかろう。」
静七「何かいい方法はないですかねぇ。」
ご隠居「そうだねぇ・・・、お前さんは自分自身に自信がないのがいけないね。」
静七「根本からの否定でやすね。どうします?」
ご隠居「自分に力があるんだと思いこむんだよ。自己暗示っていうかな。」
静七「へぇ、お寺さんに行くんですか。」
ご隠居「ジコアンジってお寺じゃないよ。だからね、手前ども静七に万事おまかせを!
    そう思えるようになりなさいな。」
静七「はぁ、て、て、手前どもし、しじゅしちにん、ば、万事、お、おまかせをぉ!」
   あぁ、だめだ。力がはいらねぇ。」(ぱちぱちぱち)
ご隠居「まぁ、家で稽古していってみなよ。」
静七「えぇ、そうしますよ。」

静七「あれから自信つける稽古したおかげで、少しは怖くなくなった・・・んなら  
   いいんだけど、やっぱりこわいや。ブルル、さみぃねぇ。
   ひ、火の用心!こっちが用心したいよ、んとに。ひ、火の、ヒッックショイ!
   おっ、何だ、あの小麦粉屋の前で動いてるのは?ば、ばけものか!
   だから、夜道は嫌なんだよ、おらぁ。こことおらねぇと帰れねぇしなぁ。
   よわったな、どうも。思い切って通り過ぎよう・・・。こぇぇなぁ。
   て、手前ども静七に、ば、万事おま、おまかせをぉ!とぉし!」
思い切って通り過ぎようとすると、小麦粉屋の前でワンワンワンワン!
静七「うひやー!」
静七は、小麦粉屋の外積みの荷物に倒れこみます。
静七「・・・何だ、犬か。幽霊の正体見たりススキの葉なりとは
   よくいったもんだ。案外、こえぇこえぇと思ってるからこえぇのかもしれないな。
   ははは、何だか自信ついたな、おいら。ん?いけねぇ、小麦粉屋の荷物、勢いで
   倒しちまった。我ながら派手にやらかしたねぇ、どうも。辺り一面、粉だらけ
   ・・・。あぁ、そうじゃねぇ、今まで気づかなかったぜ。今日は粉雪が舞ってらぁ。」(ぱちぱちぱち)

ドンドン

   

320 :柳ヤコ:01/12/14 23:20
『さいはて競馬場』

社長「きょう集まってもらったのは他でもない、わが稚内競馬場の経営をなんとか
   しなければならん。今年で5年連続の赤字だぞ、このままでは日本最北の
   競馬場が閉鎖ということになってしまう。なにか売り上げを伸ばす良いアイ
   デアはないか」
常務「やはり地元のお客さんに来てもらわなければいけませんから、新聞にチラシを
   折り込みましょう」(パチパチ)
社長「スーパーの特売ではないんだから、そんなので効果があるか」
常務「奮発してカラー印刷を」
社長「そういう問題ではない!」
専務「ではいかがでしょう、お客さんにカラオケを唄ってもらうというのは」
社長「どこかで聞いたことのある話だな。そういうのはいかん、あくまでもレースに
   魅力を持たせなければならん」
部長「社長、ここ北海道の特長はなんといってもこの広大な土地です。思い切って
   競馬場を5倍の広さにしてはどうでしょう」
社長「5倍?それは広すぎやしないか?それでどうする」
部長「とにかくスケールの大きな競馬を企画するのです。今のような10頭立て、
   12頭立てなんてチマチマした競馬はもうやめて、50頭立て、100頭立て
   にして、距離も5千メートルにしましょう」
社長「50頭立て?ふうむ、それは迫力があるだろうな。よし、ここはインパクトの
   大きさで勝負だ、すぐに工事にとりかかれ!」

さぁこれから突貫工事にかかります。三ヶ月後、生まれ変わった稚内競馬場のこけら
落としがいよいよ明日に迫りまして、競馬ファンのあいだではこの話題で持ちきりで
ございます。ここは競馬ファンの集まる居酒屋『カイバ屋』。みんなで予想紙を広げて
ワイワイガヤガヤ大騒ぎしております。

321 :柳ヤコ:01/12/14 23:21
八五郎「楽しみだなぁ、新しい稚内競馬場。明日の第一レース、いきなり47頭立て
    だって。よく騎手が集まったな」
源兵衛「騎手が四十七人か・・・(パチパチパチ)。これは難解なレースだな」
八五郎「前売りオッズ見た?単勝1番人気でも2千円ついちゃってるよ」
源兵衛「うん、これは絞って買うよりも散らして買ったほうがいいな」(パチパチ)
八五郎「あ、徳さんだ。徳さーん、稚内のレースどうします?」
徳さん「あした稚内まで日帰りで行ってくるよ」
八五郎「すごいなぁ」

社長「いよいよ明日だな。評判はどうだ」
専務「もうテレビも新聞もわが稚内競馬場の話題で盛り上がっております」
社長「準備のほうも大丈夫か」
専務「はい、馬も騎手も万全です。騎手たちは四十七人でエイエイオーと言って
   気勢を上げております」
社長「まるで討ち入りだな。ま、これなら閉鎖しないですむだろう」

からすカァで夜が明ける、朝一番に社長のところに電話が入ります。
社長「(ガチャ)ん、なんだ専務か。こんな朝早くに、なんだ」
専務「大変なことになりました」
社長「どうした」
専務「雪のため中止です」

ドンドン    (パチパチパチ)

322 :湖亭半弗:01/12/15 02:11
今日は赤穂浪士同様にソバをいただきました。
「四十七人」「ちらし」「雪」ですね。狙ってるなぁ。
では、江戸時代のお噺といきますか。

もうごく古いお噺を聴いて頂きますが、口癖ちゅうのは誰にもあるもんで、
それがその人のトレードマークになるくらいやれたら、それはそれでえぇんやそうですが。
相手が何を言うても「何をおっしゃいますやら」ちゅうやつがおって、
御婦人「あら、あんた、そのネクタイえぇやないの。」
男「何をおっしゃいますやら。安もんですがな。」
御婦人「しかも、ちょっと痩せて男前になったんと違う?」
男「何をおっしゃいますやら。元が不細工ですさかいに。」
御婦人「私のネックレスも、ちょっとえぇ値段するねやで。」
男「何をおっしゃいますやら。」
うっかり言うてはりたおされたりしますが。今日のお噺「山勘の勘兵衛」の
主人公であります山勘の勘兵衛の口癖、えらいややこしいんですが、
これが何にでも「それは私の勘でございます」ちゅうんですな。
嘉永年間に大坂の西町奉行で赴任した佐々木信濃守の配下の配下,
言うところの岡っ引ちゅう奴で。下手人探しも、
「それは私の勘でございます。」ちゅうて勘で探し当てる。これがまた
面白い様に当たって見つけてくるんで評判になって、
寺坂「これ、勘兵衛。」
勘兵衛「へぇ、何でございましょう。」
寺坂「おぬしは何故にそう勘が働くのじゃ。」
勘兵衛「はてさて、何ででございますやろなぁ。」
寺坂「すぐに勘じゃ勘じゃというては、きちんと下手人なりを見つけて
参るなぁ。」
勘兵衛「はっ、さようで。」
寺坂「実はその腕を見込んで、頼みがあるのじゃ。」
勘兵衛「何です、水臭い。筆頭与力寺坂様ともあろうお方が。
そうすると、かなり深いお話で。」
寺坂「ほう、何故分かる?」
勘兵衛「それは私の勘でございます。」
寺坂「ははは、また始めよったわい。」
勘兵衛「で、何の御用事で?」
寺坂「引き受けてくれるか、いや、実はな。内密に御奉行がおぬしを
召し出したいと仰せでな。」
勘兵衛「はぁ、御膳をよばれればよろしので。」
寺坂「飯を出すのと違うぞ。まぁ呼んでこいとの仰せじゃ。」
勘兵衛「はて、名奉行の誉れ高い佐々木信濃守様が岡っ引風情に
何の御用ですやろ。」
寺坂「とにかく、行ってみることじゃな。おぬしの知恵を借りたいのかもしれん。」
てなわけで、山勘の勘兵衛が奉行所に召し出されます。
もちろん、座敷に上げてもらうわけではのぉて、やはり相手は
一段高いところにいとぉります。

323 :湖亭半弗:01/12/15 02:12
寺坂「御奉行、山勘の伝兵衛、連れてまいりました。」
信濃守「おぉおぉ、そなたが勘兵衛か、待ちかねておったぞ。」
勘兵衛「へぇ、おそれ多いこって。」
信濃守「そこでは話しもゆるりと出来ん。寺坂、勘兵衛を座敷へ案内せぇ。」
寺坂「はっ、しかし御奉行・・・。」
信濃守「構わん、座敷へ案内せぇ。」
寺坂「ははっ。」
思いがけなく勘兵衛、座敷へ通されます。岡っ引風情が座敷へ通される、
ただ事やないな、と用心してかかります。
信濃守「そうかとぉならんでもよいぞ。人払いもいたした故、そちとわしの
二人きりじゃ。」
勘兵衛「へぇ、あ、あの、御奉行様。私に何の御用ですやろ?」
信濃守「うむ、実はな・・・。」
勘兵衛「あ、少々お待ちを。あちら正面にどなたかおいでで。」(パチパチパチ)
信濃守「何と。・・・これ、寺坂!何をしておる?」
寺坂「いや、あの、少し柱を磨きとぉなりまして。」
信濃守「そなた立ち聞きをするつもりであったか。しょうのない奴じゃ。
内々に勘兵衛と話しがある故、あちらできちんと控えておれ。」
寺坂「ははっ、失礼いたしました!」
信濃守「心配性な男じゃのぉ。しかし、よくあそこに寺坂がおると分かったのぉ。
そこからは見えぬはずじゃが。」
勘兵衛「それは私の勘でございます。」
信濃守「いやはや、これはおそれいったわい。その力を是非とも貸して
もらいたいのじゃ。」
勘兵衛「と申されますと?」
信濃守「奉行所の恥を申すようだが、この奉行所、まま役人どもには広く
賄賂が横行しておる。わしがここ上方に赴いて後より、調べてみるとあまりに
ひどい。」
勘兵衛「へぇ、町中皆そう言うてます。」
信濃守「無理もないことじゃ。ときおり、わしも忍んで市中を見回るが、
その中で、明らかに役人同士がつるんで賄賂を山分けしておるという話しを聞いてな。」
勘兵衛「あぁあ、それやったら私も存じております。西町の七人でっしゃろ。」
信濃守「左様、賄賂で沙汰が軽ぅなると蔭で評判になっておる与力七人、
吉田・原・堀部・神崎・不破・矢頭・大石じゃ。
勘兵衛「私のまわりのもんも皆申しておりました。何であの人等は御役御免に
ならんのかちゅうて。」
信濃守「したいのは山々じゃが、敵もさる者でな。」
勘兵衛「猿を飼うておられるので。」
信濃守「さにあらず、敵もさすがに尻尾を出さんということじゃ。」
勘兵衛「ははぁ、尻尾がないんなら猿やおまへんなぁ。猿やなけりゃあ、
何を飼うておいでで?」
信濃守「猿から離れよと申すに。つまり、なかなか証拠が見つからぬのじゃ。」
勘兵衛「そこで、私に山分けをする密会場所を捜し当てよと仰せで?」
信濃守「ほほぉ、何故分かった?」
勘兵衛「へへ、それは私の勘でございます。」
信濃守「はは、さすがじゃな。わしの手の者も放っておるが、何ぶん大坂の町は
広い。どこで密談されておるのか皆目分からん。また相手は与力の身分ゆえ、
手の者も萎縮しおってな。わしが自ら乗り出そうというのじゃ。」
勘兵衛「御奉行様が我が目で確かめはるちゅうわけですな?」
信濃守「そのとおりじゃ。勘兵衛、力を貸してくれぬか。」
勘兵衛「はぁ、それはよぉがすが。」
信濃守「もし、一件落着した暁は、そちの願い何でも聞き届けようぞ。」
勘兵衛「さようで・・・。ならば、御奉行様。御奉行様と一杯やりとぉ存じます。」
信濃守「な、何と。わしと一献とな?ははは、よいよい、構わぬ。酒席を設けよう。」
勘兵衛「ありがたき幸せ。」

324 :湖亭半弗:01/12/15 02:12
天下の名奉行も山勘には勝てんとみえまして、最後は理屈やのぉて勘で勝負ちゅうわけで、
大坂の町へ二人して向かいます。
もう山勘の勘兵衛の勘だけが頼りですさかいに、ウロウロしとぉりますが、
信濃守「勘兵衛、やはり大坂の町は広いの。」
勘兵衛「へぇ、私ら始終走りまわっておりますので、豆に足が出来ます。」
信濃守「そらアベコベじゃ。」
勘兵衛「御奉行様、西町の七人は始終七人連れだって密会しておられるので?」(パチパチパチ)
信濃守「うむ、まず間違いなく、密会場所へはしじゅう七人で向こぉておるとみてよかろう。」
勘兵衛「ははぁ、さようで。」
勘を頼りにフラフラとやってまいりましたのが、住友の浜。
安綿橋の南詰め、「次の御用日」やとか「佐々木政談」でも御なじみの場所で。
西町奉行所からそない離れた所やないんですが、長堀を埋めてしもたさかいに
分からん様になってしまいましたが、その南に住友さんの屋敷があったんですが、
あの辺を住吉の浜ちゅうんですが、
信濃守「勘兵衛、ここな住友の浜のような場所で密会をいたすであろうか。」
勘兵衛「さぁ、それは私の勘でございますんでな、こちらやないかと思うんですが。」
そうこうするうちに、御誂え向きの空き家が一軒。
勘兵衛「どうやら、ここやないかと。」
信濃守「ふむぅ、こに相違ないか。」
勘兵衛「私の勘は、あいにく外れたことはございませんでな。」
暗うなってから出直しまして、辺りに捕り方を潜ませますと、
刻限は丑の刻、最初にやってきたんは堀部。
まさかこんな場所で山分けしておるとは思うまい、と思うてますさかいに
堂々としたもんで、
信濃守「おぉ、あれは堀部!でかした、勘兵衛。」
勘兵衛「あぁ、不破様に吉田様・・・、矢頭様、まぁ続々と参られました。」
寺坂「御奉行、いかがいたします?」
信濃守「今・・・大石が入って、七人集まったようじゃな。山分けを
はじめた途端に踏み込む故、支度しておれ。」
最後に来た大石が懐から包みを幾つか出しますと、他の六人も
次から次へと小判の山を積み始めます。その途端、
「その方ども、賄賂まいないの嫌疑につき、七名縛に就けぇ!」
と佐々木信濃守が先陣切って踏み込みます。
さぁ、西町の七人は驚いたの何の。何でここが、てなもんで。まぁ、
後の祭りですわな。何しろ現行犯ですさかいに、皆、召し捕られてしもた。
(小拍子)
勘兵衛「御奉行様、このように御奉行様とサシで飲めるやなんて、我が人生の誉れで
ございます。」
信濃守「いやいや、その方の手柄の報償じゃ。わしも嬉しいわぃ。
しかし、そちの勘はまっこと鋭いのぉ。」
勘兵衛「へぇ、おそれいります・・・。おっ、御奉行様、雪でございます。」(パチパチパチ)
信濃守「ほほぉ、これはこれは。雪見酒じゃな。今日の酒は格別にうまいのぅ。」
勘兵衛「左様でございますな。いや、まことにめでたい!」
信濃守「いやぁ、今日はしたたか酔うたわい。ん?はて、今、酒を一本
つけて女中が持ってまいったはずじゃが、勘兵衛、これはわしの銚子か?」
勘兵衛「いえ、それは私の燗(かん)でございます。」

ドンドン

325 :湖亭半弗:01/12/15 02:14
ヤコさんの競馬の噺、面白いなぁ。
47人の騎手って、ほんとに大レースですね。
その発想力に恐れ入ります。

326 :重要無名文化財:01/12/16 01:48
今回の湖亭半弗さんは力作だね

327 :里の筍:01/12/17 00:43
『キセルの遊び』

太郎兵衛「世の中なんだか不景気でちかごろパッとした話がないねぇ。
どうだい、みんなでナカへでも繰り出して、娼どもを蹴散らして、
パァーっと陽気に騒ごうじゃねえか。」(パチ、パチ、パチ)
次郎吉「いいですねぇ。あたしゃ大賛成。」
参次「おいらも一口乗せてもらいてぇ。」
志蔵「俺も。」
吾ん太「手前も。」
太「わかった、わかった、そう皆でいっせいに口をきくんじゃないよ。
それじゃあ出かけるのはいいとして、さて先立つものはどうする?」
次「あっしゃ、どうもあいにくなんで。」
参「てめぇなんぞ、いつだってあいにくじゃねえか。」
次「なにぉ、この野郎!」
太「まあ、まあ、まあ。仲間内で喧嘩してどうする。
ところでおめえ、この間からお屋敷の仕事に行っているそうだが、
親方に手間の前借りを頼んでみちゃあどうだ?」
次「そりゃあいいところに気がついた。早速親方に頼んでみます。」

みんなでわいわい、ああでもないこうでもないと吉原通いのお金の
算段をしておりますと

与太郎「あたいも行きたい。」(パチ、パチ、パチ)
太「おおそうか、おめえも行きたいのか。いいとも連れてってやろうじゃあねえか。
それはいいが銭はあるのかい?」
与「ないけど、死んだおとっつあんの残してくれたキセルがあらあ。」
太「おお、そうか。おめえのおとっつあんはブ趣味だったがキセルだけはいいものを
誂えてたからなぁ。で、家においてあるのか?」
与「ううん、おっかさんがしじゅう質に持っていってるから、家だか質屋だか
どこにあるのかわからねぇ。」
太「しじゅう質に?ん?じゃあどうするんだ。(パチ、パチ、パチ)
まあいいや、とりあえず家に帰ってキセルを探してみねぇ。見つかったら連れていってやろう。」

ということでさっそく与太郎さん、家に帰って、探したところいい塩梅に神棚の前に金蒔絵の
立派なキセルが飾ってあった。それをすぐに質に持ってゆき、みんなと一緒に無事ナカへ繰りこんだ。

どんちゃん騒ぎもおさまっておひけとなる。
カラスかあで夜があけて、
大一座、振られたやつが起こし番。

次「おい、与太がまだ起きてこねぇが、どうしたい?」
参「それがおめぇ、馬鹿なもて様で相方がすがりついて離さねぇんだってよ。」
次「なにぃ、聞き捨てならねぇ。なんであの野郎だけがそんなにもてるんだい?」
参「そりゃあ、あたりめえだ。奴の種銭はキセルをまげてつくったものじゃぁねえか。
ものがキセルだけに雁首(カリクビ)が堅い。」  ドン、ドン

328 :里の筍:01/12/17 01:49
『入学祝い』

いと吉「孫がねぇ。今度小学校にあがることになったんやけどね。」
こい吉「ほぅー、君んとこの馬子が。いつも馬を引っ張って歩いていた...」
い「あほなこといいなぃな、何でうちに馬を引っ張って歩く馬子がおらなならんのや。
息子の嫁はんの産んだ孫やがな。」
こ「ああ、何年か前にひり出した...」
い「なんちゅういいぐさや。まあ年がたつのは早いものでもう小学校に入学や。」
こ「ふーん、あのぐちゃぐちゃの猿みただった子ぉがなぁ。それにしてもあいつにはえらい
損させられた。」
い「そんなことあるはずないやないか。産まれた時にたった一度祝いに来てくれただけなのに。」
こ「さあ、それだ。あの時あんなちっちゃい手で祝いの金をふんだくりよって。
そのうえあの時一緒に行った喜ーやんと、一月ももたんやろと賭けをしたのに、人の気も知らず
育ちくさって大損こいたわ!」
い「おい、おい、人の孫の生死にでそんな無茶な賭けをやっとったんかいな。まあ済んだことは
仕方がないとして、僕が驚いたのは少子化とでもいうのんかいなぁ、今の学校は一学年に
一クラスしかなくて、しかも20人しか生徒がおらんということなんや。おまけに担任が熊川先生と
いって名前は怖そうやけど、若くて美人でなぁ、婆さんの目さえなければ思わず上に乗り
たくなるようないい女なんや。」
こ「君こそ孫の担任に不埒な考えをいだいてどうする。まあそれにしても生徒もそんなに
少なくなったのかなぁ。わしらの頃は一クラス47人はおったな。おまけに一年生だけで10クラスも
あってガンを飛ばすだけで目ぇがくたびれたもんやったが。」(パチ、パチ、パチ)
い「子供のころからそんなアホなことやっとったんかいな。それはまあどうでもええんやけど、
せっかく入学したんやから何かお祝いをしようと思っとるんやけど、息子はこれも今風いうのか
何一つ父らしいことしようとせぇへんのや。」(パチ、パチ、パチ)
こ「ほなら、たくましくて勇気のある子供に育つように金太郎の人形でも買おてやったら
どないや。」(パチ、パチ、パチ)
い「金太郎はあかん。」
こ「なんでや?」
い「熊にまたがる。」
ドンドン

329 :柳ヤコ:01/12/17 02:01
『入学祝い』、いいですねぇ。(いとこい先生好きなんだよなー)

330 :主催者:01/12/18 04:15
こんな時間に訪れることになってしまい、申し訳ございません。
最近謝り続けの主催者です。
たくさんの作品のアップ、ありがとうございます。正直嬉しいです。
まだ全部の作品は読めてないので、前半部分だけの感想にとどめます。
明日にでも続きの感想を書かせていただきますので。

匿名さんの二行落語?はどうなんでしょう?よく出来ているとは
思いますが・・・。どなたかがおっしゃっているように三題噺の趣旨とは
違いますので、規定を守って下さい。

匿名さんの「臆病静七(仮)」は、なかなか趣のある噺ですね。
臆病な静七さんの一人台詞が感じが出ていて面白いですね。
小麦粉屋に粉雪とは粋なサゲですね。

柳ヤコさんの「さいはて競馬場」はここではおなじみ徳さんも登場しての
楽しい仕上がりになっています。四十七人の使い方は絶妙ですね。
こんな無茶な使い方があるとは・・・(笑)。社長と常務の掛け合いもほのぼのしていいですね。

半弗さん以降はまだ読めていません。明日じっくり読みます。
失礼します。

331 :鉄棒勇助:01/12/18 05:54
「四十七人」「ちらし」「雪」

マタギ「さぁ、せがれ、そろそろおめぇを狩りにつれていかねぇといげねから、
支度すべぇ、」
息子「父ちゃん、おら鉄砲さどこへおいたか忘れた。」
マタギ「バカタレがあ!おめぇ、このあいだ父ちゃんが教えたこと、忘れたが。」
息子「それも忘れた。」
マタギ「しょうがねぇ、もう一度教えるから、とぉく覚えどくんだ。」
息子「うん、分がった!」
マタギ「まず、一番大事なのはぁ、人だ。ニンはマタギとケモノの間に食う食われるの
間を忘れさせるでよぉ。それぐれぇケモノに信頼されねばえぇマタギには
なれねぇ。あぁこの猟師にやられてよがったなぁとケモノに思われてはじめて
一人前のマタギになんだ。そして、第一、ニンの命は何よりも尊いで。」
息子「うん、だがらもぉ人を撃とうとはしねぇ。」
マタギ「んだ、いいこころがけだあ。次に、地についてもおせぇたな。」
息子「うん、糞する時は穴掘れって。」
マタギ「ばかぁ!その土地の事を知ってはじめて猟がうまくいぐんだと教えたが!」
息子「そだそだ、思い出した。そのとおりだ、父ちゃん。たとえ、行き方知れずになっても
地の利を知れば帰ってこれるっていっでだなぁ。」(パチパチ)
マタギ「んだ。そんつぎゃぁ、牛だ。牛は神様の御使いだぁ。間違っても殺しちゃあなんね。」
息子「でも、カルビはうめぇ。」
マタギ「そんなこというもんでねぇ、バカタレ。次はなんだ?いってみんべ。」
息子「銃だ。」
マタギ「そんだべ、いったべ。銃はマタギの命だで、なぐさねぇようにってあれほど
教えただろがぁ。」
息子「言うだけじゃ忘れちまう。このチラシに書いでぐれ。」(パチパチ)
マタギ「どごまで馬鹿なんだ、おめぇは!この広告、裏表印刷だべ。」
息子「じゃあ、そらで覚えるぞ、おら。最後は猪だべ。」
マタギ「そうだあ。猪はマタギの最高の獲物だ。とりすぎず大切に狩るだぞ。」
息子「思い出したぞ、父ちゃん。猪・銃・牛・地・人だな。」
マタギ「そだ、しし・じゅう・うし・ち・にんだ。よく思い出しだな。(パチパチ)
ほれ、今日は父ちゃんの銃を貸してやるで、大切に使え。」
息子「わぁ、すまね、父ちゃん。ようし、猪・銃・牛・地・人を忘れねぇでいくぞぉ」
マタギ「そうだ、今から山へ『撃ち入り』だ。」

ドンドン



332 :重要無名文化財:01/12/18 06:49
331さん 凄い

333 :主催者:01/12/18 23:32
感想の続きを書きます。

半弗さんの「山勘の勘兵衛」は非常によく構成して作られたのではと思います。
最後のサゲも一段落した後に勘兵衛の口癖でおとすやりかたはとても綺麗です。
佐々木信濃守や住友の浜など上方落語のゆかりの名称が、この噺をより本格的に
していますね。

里の筍さん(はじめまして)の「キセルの遊び」もまた力作ですね。
「明烏」や「錦の袈裟」の雰囲気があります。噺の展開も無理がないので、
小気味よく読めます。カラスかあで夜が明ける、とかの言い回しがとても
好きです。

続いて「入学祝い」はいとこい師匠の語り口が聞こえてきそうな落語ですね。
江戸と上方両方御作りになっているので、すごい実力の方なんだと思います。
「子ほめ」のようなやりとりや孫の担任のくだりなど、攻撃的なくすぐりでなく
暖かいテンポで安心して楽しめました。
次回も期待していますよ。

鉄棒勇助さんの「マタギの心得(仮)」は前作に引き続きマタギの親子のかけあいで
とても面白いです。以前は匿名でのアップだったように記憶していますが、
今後もよろしくお願いします。相変わらず息子の無茶ぶりが何とも言えない間で
伝わってきます。お題の使い方の強引さも勇助さんの持ち味ですね。

今回は実にたくさんの作品が寄せられてとてもうれしいです。
新人の方の力作もあり、充実していますね。
この勢いで第十回お題取りにいきましょう。
例のごとく、一レスにつき一単語でお願いします。
第十回が終わり次第、感想日もまた設けますので、過去の作品のお気に入りも
ピックアップしておいてください。
それでは、お題をどうぞ。

334 :重要無名文化財:01/12/18 23:42
七福神

335 :重要無名文化財:01/12/18 23:44
割り箸

336 :重要無名文化財 :01/12/18 23:53
シャンパン

337 :重要無名文化財:01/12/18 23:57
テレビガイド

338 :重要無名文化財:01/12/19 22:31
鯛焼

339 :重要無名文化財:01/12/20 00:42
紅白

340 :重要無名文化財:01/12/20 12:56
ポタージュ

341 :重要無名文化財 :01/12/20 18:32
玉子

342 :主催者:01/12/21 02:57
どうも御待たせいたしました。
たくさんのお題ありがとうございます。
それでは、第十回お題を発表します。
「七福神」「シャンパン」「紅白」の三題です。
正月も近いことですし、おめでたそうなお題を
ピックアップしました。作るのは難しそうですが。
おそらく年内最後の三題噺となるでしょうから、力作お寄せ下さいね。

343 :重要無名文化財 :01/12/21 03:51
「七福神」「シャンパン」「紅白」

主人「おい、九七。」
九七「何でございましょう、旦那様。」
主人「もう大晦日だと言うに、何をしている。」
九七「残飯整理をしてございます。」
主人「それなら、九七。福神漬けを持ってきてくれ。」(パチパチパチ)
九七「どうなさいます?」
主人「しれたこと、食べるのよ。」
九七「お言葉でございますが、旦那様。シャンパンに福神漬けは合わないかと。」(パチパチパチ)
主人「かまわぬ。確かに今シャンパンをあけておるが、今から紅白歌合戦をみるからな。」
九七「何故、紅白だと必要でございますか?」
主人「うちの決まりだ。」
九七「は、左様でございますか・・・。では、こちらに。」
主人「うむ、すまんな。ポリポリ、やはり福神漬けはカレーがいるな。」
九七「しかし、当家の決まりでございましょう?」
主人「妙な決まりよ。おぉ、小林幸子だ。今年も大掛かりだな。」
九七「左様でございますね。」
主人「・・・ん?どうしたことだ、急に福神漬けがうまくなったわぃ。」
九七「あぁ、旦那様。テレビの前にカレー(華麗)な衣装がございますから。」

ドンドン

344 :里の筍:01/12/21 18:08
『パン息子』

商売の客寄せにも色々ありまして、威勢よく手をたたいて道行くお客を呼び込むのが魚屋さんや八百屋さん。
あたしがひっかかるのがキャバレーの呼びこみ。なこたぁどうでもいいんですがね。
あと匂いで呼びこむなんてぇのもありますね。
うなぎ屋さんとか焼き鳥屋さんなんぞはバタバタうちわであおいで匂いを敵のもとに送り出す。
地味なところではパン屋さんの匂いなんてぇのもいいもんですね。
思わず釣られてパンを買いにお店に入ってしまう。

息子「うー、さぶい。そういゃあ、今日はもう元旦か。向こうから琴の音がきこえてくらぁ。」コロリンシャン
「パン屋も今日はさすがに仕事休んでるだろうなぁ。(パチパチパチ)
家を飛び出してからもう一年、親父やおふくろは達者でいるかなぁ。
一度顔を見てみたいがこんな落ちぶれた格好で顔を出せはしねえし。」

爺「婆さん、今日はお正月だ。今日もパンは焼いたんだが、いつも商売物ばかりだからたまには雑煮でも食おうじゃねぇか。」
婆「わたしゃ雑煮のお餅よりもあの牡丹餅みたいなやつの方が食べたいですねぇ。
何て言いましたかねぇ、そうそう「しちふく」。じんわりした甘さが口にひろがって...」(パチパチパチ)
爺「婆さん、それを言うなら「あかふく」だろうが。まったく物を知らないのに食い意地ばかりはってやがって。」
婆「そうはいってもお爺さん、去年お向こうがお伊勢参りに行った時にお土産にってくださったのを食べたきりなんですから、
覚えてないのも無理はありませんよ。
お向こうはお伊勢さんだけじゃなく今日は温泉、明日はお山ってしょっちゅう遊びにいっていらして、本当に羨ましい。」
爺「そんなことを言ってもお向こうは、苦労知らずの大店のおぼっちゃんだ。(パチパチパチ)
うちのような貧乏パン屋とはわけが違う。」
婆「わたしももう少し若ければ、紅鉄漿つけてお向こうのおぼっちゃんと...」
爺「食い気ばかりかと思ったら色気もかい。よしねぇ、よしねぇ、薄っ気味の悪い婆ぁだ。」
婆「それにしてもあの子がいてくれたら親子三人でお正月も少しは楽しく暮らせたんでしょうけどねぇ。」
爺「もうあの馬鹿野郎のことなんぞ口にするんじゃねぇ。この寒空にどこをほっつき歩いているんだか。
どうせ風邪でもひいて野垂れ死にしてるに違いねぇ。」

息子「しらねぇうちに足が勝手に動いて、もうあそこはうちじゃねぇか。
元日だというのにパンのいい匂いがするなぁ。
せっかく近所まで来たんだからちょっとだけ戸の隙間からでも覗いてみるか。」

婆「お爺さん、今ガタって変な音がしやしませんでしたか?誰か泥棒でも覗いてるんじゃぁ...」
爺「馬鹿なことを言うんじゃないよ。誰がこんな貧乏パン屋なんぞを狙うかね、耳まで耄碌しやがって。
うん?戸の隙間から風が入ってくる。おや、向こうに誰かいるみたいだ。
おまけに何だかくんくん匂いを嗅いでるみたいだ。」
婆「お爺さん、わたしゃ怖い。」
爺「いい年をして抱きつくんじゃないよ。これ、誰か外にいなさるのかぃ?今開けますよ。
おや、お前は...」
息子「ご無沙汰しております。」
爺「無沙汰じゃねぇ!どの面下げて帰ってきた。てめえなんぞとはとっくに縁を切ったんだ。
うちの敷居は二度とまたがせねぇ!おい、婆さん、何をするんんだ。人の着物の裾をひっぱって。
なに、せっかくの正月だから松のうちだけでも家に入れてやってくれ?」
爺「おい、聞いたか、馬鹿野郎。婆さんがそういってるからとりあえず中にへぇれ。みりゃあひどい
なりだ。うちの中が汚れるといけねぇ。おい、婆さん。奥にこの間誂えた着物があったろう。あれを
野郎に出してやりな。おいおい、そんな汚ねぇ体に直に着るんじゃないよ。まず風呂に行って垢を
落として来い。ちゃんと戸は閉めて行けよ。」

婆「よかったですねぇ、お爺さん。こんなめでたい日に息子が帰って来るなんて。
わたしゃ今日ほどパン屋をやっていてよかったと思ったことはありませんでしたよ。」
爺「なんでだい?」
婆「匂いで息子が釣れました。」
ドンドン

345 :主催者:01/12/22 02:39
早速作品がアップされてますね。嬉しいです。

匿名さんの「福神漬け御殿(仮)」は、さる御大家の妙な決まりで大晦日
を面白く演出していますね。執事の「残飯整理をしてございます」というのが
哀愁を誘います。

里の筍さんの「パン息子」は正月らしいめでたい噺ですね。人情噺と
いっていいですね。正月からパンの香りをたてる店屋の家族の温かさみたいなものが
伝わってきます。秀作ですね。

さぁ、さらに、皆さんの作品おまちしております。

346 :柳ヤコ:01/12/24 03:19
『たが屋の花見』

熊さん「おぅ、たが屋、よかったな」
たが屋「へぇ、おかげさんで」
八五郎「さすが大岡様は名奉行だよな、普通だったら侍をあんだけ殺したら
    打ち首だってぇのに、侍のほうにも落ち度があるってんで懲役十ヶ月
    で済んだんだからなぁ」
たが屋「えぇ、おふくろも喜んでました」
熊さん「うん、今日は出所祝いの花見だ、存分に呑んでくれ。見ろ、めでたい
    ってんで紅白の幕もこんなに張ったぞ」(パチパチパチ)
たが屋「ありがとうござんす」
源兵衛「さぁ乾杯だ!大家さん、お願いします」
大家 「うむ、きょうはたが屋さんの出所祝い、こんなめでたいことはない。
    無礼講だからみんな大いに騒いでおくれ。では、乾杯」
一同 「カンパーイ!」
熊さん「さぁさぁ、どんどん呑もうじゃねぇか。いやーめでたいめでたい」
源兵衛「ところで牢の中ってのは、どうだった?」
たが屋「もうショーキのさたじゃないね。ほてぇ野郎がひゃくろくじゅう人」
八五郎「おっ、七福神尽くしかよ(パチパチパチ)。あと四人は?」
たが屋「うん、えーと、思いつかない」(客席笑い)
八五郎「なんだよそれ!」
たが屋「おや?よく見るといろんな酒があるね。これはなんだぃ?」
熊さん「あー、これは中国の紹興酒ってやつだ」
たが屋「へぇぇ。こっちは?」
熊さん「これはビール。こっちがウオツカ。で、これがシャンパン」(パチパチ)
たが屋「どれどれ。お、このシャンパンっての、うまいね」
熊さん「そうか。遠慮するな、どんどん呑め」
たが屋「うん、うまいうまい」

347 :柳ヤコ:01/12/24 03:21
大家 「ご馳走のほうも食べておくれよ」
八五郎「卵焼きくださーい」
大家 「おい卵焼きだそうだ、取ってやんな」
八五郎「あ、そんな尻尾でねぇとこ」
大家 「馬鹿野郎、これは本物だ」
熊五郎「おい、だれか唄でも唄わねぇか」
たが屋「じゃぁ俺がシャンパンの唄を・・・」
熊五郎「なんだそりゃ。どんな唄だ」
たが屋「♪ドンペリ鉢ゃ浮いた浮いた、ステテコシャンパン」
一同 「くっだらねぇ〜〜〜」

みんなでワイワイ騒いでおります。たが屋さんは呑み慣れないシャンパンを
しこたま呑んだもんですからすっかり出来上がってしまいまして、あっちィ
フラフラ、こっちィフラフラ。そのうち桜の木にドーンとぶつかるってェと
その桜が根元からメリメリメリッつって抜け始めた。

たが屋「あれ?どうなってんだ?あれ?あらららら」
熊さん「おい、あぶない!倒れるぞー、逃げろ逃げろ!」
一同 「うわぁ〜〜〜」

ズシーーーン!桜の木が派手に倒れてしまいまして、
たが屋「なんだなんだ、どうしてこんなになっちまったんだ」
大家 「あぁ、これはシャンパンのせいだな」
たが屋「どうして」
大家 「キが抜けた」

ドンドン

348 :重要無名文化財:01/12/25 01:29
age

349 :柳ヤコ:01/12/25 22:31
失敗しました。ショーキ(鍾馗)さまは七福神には入っていませんでした。
毘沙門天と間違えちゃった。ドーモスイマセン!!

350 :湖亭半弗:01/12/26 06:37
早起きして書いてます。
「七福神」「シャンパン」「紅白」ですね。
それでは長屋噺を現代くすぐり混ぜてやってみます。

えぇ、もうそろそろ、師走も終わってお正月てなもんで、めでたいもんですが。
神社や何か行ても、にわか信心とかなんとかで、正月だけは近所の寺や神社へ参ったり
する、あれも不思議なもんで。うちの向かいの神父も行ってましたさかいね。
何の為に行くんやらわからんですな、あれも。
おみくじなんか買ったりする。普段は「占いちゅうのはあてにならん」てなえらそうな
事をいうてみても、正月ばかりはそうはいかん。正月早々ゲン悪うなっても気が悪いんで
おそるおそる見てみますと、小吉とかが出てほっとする。隣の奴が末吉を出す。
「はて。吉と小吉と末吉は、どれが一番えぇねやろ?」とか言い出しますな。
人のことはどないでもよろしいねやで、あれ。それを他人と比較するんですなぁ。
やはり正月くらいは優位に立ちたいという気持ちなんでっしゃろけど。
昔はちょっとでもええ初夢を見ようと思うて、宝船、七福神の絵を枕の下へ敷いて寝たもんですが、
ゲンちゅうのはかつぐもんですなぁ、あれも。七福神ちゅうたら恵比寿しかしらんねん、てな
情けない奴もおったもんで。
喜六「こんにちは。」
甚兵衛「おぉ、こっちはいり、外は寒かったやろ。」
喜六「そらもう、寒い寒い!雪が降るは、風はもうビュービューと。」
甚兵衛「まぁ、熱いお茶でも飲みなはれ、これ。ほんに戸を開けただけでも、
ぬくさが違ごぉとるなぁ。」
喜六「へぇ、やっぱり分かりますか?」
甚兵衛「おまはんの格好がどだいさぶそうや。傘には雪が積もったあるし、
第一こう吐く息が違うな。吐いてる息が全部白いがな。」(パチパチパチ)
喜六「さぁ、それだけ寒い思いをして来たのに、お茶一杯てな、こら気の汚い。」
甚兵衛「えらい言いようじゃな。ほなまぁ、ようかんでも切ったるさかい。」
喜六「いやぁ、何や催促したみたいで。」
甚兵衛「催促してるやないかいな。まぁ、八寒地獄のような外からのお客じゃ。
分厚ぅに切ったげよかしら。」
喜六「その、八寒地獄てなんでんねん?」
甚兵衛「あぁ、分からんか。仏教の方で言う、八つの寒気に苦しめられる地獄の
こちゃ。それくらいサブい表やろうと言うたんやな。」
喜六「ははぁ、さすがは町内の生き地獄は地獄に詳しい。」
甚兵衛「そら、生き字引じゃろ。人を閻魔みたいに言いなはんな。」
喜六「しかし、八寒地獄てな面白いな。今度どこぞで使ってみたろ。しかし、やっぱり
なんですか、甚兵衛はんは仏教に御詳しいんで?」
甚兵衛「まま、坊さんまではいかんが、多少はかじっておるな。」
喜六「へぇ、鼠みたいな顔やと思たらやっぱりかじってなはる。」
甚兵衛「何ちゅう言い草やいな。」
喜六「まぁ、そんなんは置いといて、あんた七福神て知ってなはるか?」(パチパチパチ)
甚兵衛「そらま、知ってるわいな。」
喜六「こないだ弁天さんへ参ったんだ、わたい。そしたら弁天さんは
七福神の一人やちゅうて書いてあったんで、あとはどんなんがおるんかいなと
思て。ちょっと全員の名前教えとくんなはるか?」
甚兵衛「まぁ、知りたいなら教えてもえぇが。まず、弁天さんは、あら弁財天というのが
ほんまやな。」
喜六「へぇ、弁財天。何や、便座みたいな名前でんな。」
甚兵衛「汚いな、おまはん。あれは音楽や財福の神様や。琵琶持ってたじゃろ。」
喜六「なんや、洋なしのごついのん。」
甚兵衛「あら楽器じゃ。七福神唯一の女性の神さんや。他には恵比寿がおるな。」
喜六「あぁ、漫画家の?」
甚兵衛「そんな神さんがいてるかいな。おまはん、えべっさんに行たことあるじゃろ。
あれじゃな。釣竿と鯛もってるんが有名や。商売繁盛を願ごぉとるな。」
喜六「ほほぉ、なるほど。他は?」

351 :湖亭半弗:01/12/26 06:38
甚兵衛「大黒さんがおるな。」
喜六「あぁあ、あのハンマー持ってる大工の神様。」
甚兵衛「あれは打ち出の小槌じゃ。あんなもんで釘やら打たんわな。米俵の上に
座ってるあれが、いわゆる福の神や。」
喜六「ははぁ、米なんかに座るからお尻が冷えて、便所で尻ふくのかみ。」
甚兵衛「いちいち言うことが汚いな、おまはんは。次は福禄寿や。」
喜六「へぇ、百六十まで生きるともう神さんになりまんねやな。」
甚兵衛「百六十やないがな、福禄寿。頭が長ぉて背が低い、中国では
南極星の化身やというな。」
喜六「つまり、星の王子様でやすな。」
甚兵衛「・・・まぁ、それでもええわ、おまはんやったら。その次は寿老人やな。」
喜六「ジュロウ人・・・、アメリカ人とかと一緒の類ですか?」
甚兵衛「別にジュロウという国があるねやないねやで、これ。寿の老人で寿老人や。
うちわ片手にに鹿を連れてるな。」
喜六「何や、奈良の盆踊りの老人みたいやなぁ。」
甚兵衛「まぁ、そう言いないな。さて、次は布袋さんじゃ。」
喜六「あぁあ、最近黒い服来て遊園地おいかけっこしてる。」
甚兵衛「あらミュージシャンじゃ。大きなお腹に袋をかたげてるな。」
喜六「なるほど。さぁ、あと一人でやすな。」
甚兵衛「最後は毘沙門天や。多聞天とも言うがな。仏法を守る為に
鎧をまとうてなさる。」
喜六「はあはあ、そういえば難しい顔の神さんや。なるほど、それで七福神でやすか・・・。
さいなら。」
甚兵衛「これ、どこへ行くねや、これ。」

352 :湖亭半弗:01/12/26 06:38
喜六「ちょっと清やんとこ行て、七福神かまして、最後に八寒地獄でもかましたるんで、さいならごめん!
はは・・・、おもろいな。なかなか七福神、この町内で言える奴おらんで。駄目押しが
今日みたいな寒い日、八寒地獄の話で皆感心や。喜ィ公は仏教に詳しいがな、
生き神様じゃ、飲めや歌えやお祭りじゃてな事にならんとも限らんなぁ。
おぉ寒、はよいこ!おぉい、清やん、いてるか?」
清八「何じゃ、この忙しい時に。ちょっと用事しながらでええなら
寝言聞いたるぞ。」
喜六「あんなこというてる。おい、清やん。七福神知ってるか?」
清八「あれやろ、七人の神さんやろ。」
喜六「さあ、それを七人全て言えるかい?」
清八「さぁ・・・よいしょと、それは・・・分からんなぁ。」
喜六「何をシャンシャンパンパン言わしてるねんな、さっきから?」(パチパチパチ)
清八「人の用事をタンバリンみたいに言いな。スーツケースに服を詰めてるねや。」
喜六「そんなんええから、七福神を教えてつかわす。」
清八「何をぬかしとんねん、えらそうに。」
喜六「まず、弁天さん、あれは便座や。洋なしみたいな楽器を持ってる。」
清八「お前の言うてる意味がわからん。何や、便座て?」
喜六「何でもええねや。次が恵比寿。マンガの神様は手塚治虫やけど
こいつは釣り好きでな。」
清八「何をぬかす、鯛を釣ってなはる神さんやろ。」
喜六「そうそう、それや。次が、大黒さんや。米に座って痔になった小槌で腰をトントン。」
清八「嘘を言え、お前。あら打ち出の小槌とかいうねやろ。福の神やないか。」
喜六「さぁ、そん次が百六十。星の王子さまは頭が長い。」
清八「だんだん暗号みたいになってきてるがな。大丈夫か?」
喜六「黙って聞いてたらええねん。そん次が寿老人やけど、これはジュロウという
国があると思うやろ?」
清八「いや、老人やろ。ことぶきの老人か。」
喜六「さぁ、誰でも最初はそんな国があると思うやろ、決してせやない。」
清八「お前、人の話聞いてるか?思わんちゅうてるやろ。」
喜六「これは奈良の祭りでよぉ見かける神さんや。ほんで、六人目が布袋さんやけど、
これは相撲取りで袋に塩を入れてて、土俵でまく。」
清八「無茶苦茶やないか、お前。あれはそんな神さんとちゃうで。」
喜六「最後は毘沙門天じゃ。袂とかいう別名でな。鎧かぶとでいざ尋常に
勝負勝負ちゅうて、これで分かったか。」
清八「何一つ得るものがなかったんやが・・・。まぁ、えぇわ。わしこれから海外に出張でな。
出かけるさかい、帰ってくれ。」
喜六「しめた!今日みたいに寒い日に外へ出るやなんて、外は八寒地獄やで。」
清八「何、八寒地獄?わしが行く先、バチカン市国じゃ。」

ドンドン

353 :湖亭半弗:01/12/26 06:48
かなりはじけた作品になってしまいました。勢いで読んで下さい。
ヤコさんは相変わらずアイデアがいいなぁ。羨ましいです。
たがや続編とは恐れ入りました。
あと、里の筍さんもうまいですね。本格的です。

年内はこれが最後でしょうか。また来年スレッド残っているといいですね。

354 :aaaa:01/12/26 16:45
test

355 :夢藻助ファイナル:01/12/26 16:52
さぶ〜いトリの作品をどーぞ。
「七福神」「シャンパン」「紅白」。

拓也:「徳さん。この『おせち』もうまいっすね。
と、いうか、いっつも食べてばかりですよね、僕ら。」
徳さん:「そーだな。ちょっと早い気もするが。ま、そんな年もいいだろ。」
円漠:「ほんと、なんかまったりしてますよね。
年末だってのに紅白歌合戦見ながら、『おせち』を食べる。ささやかな幸せというか・・・」
拓也:「あっ。僕、この紅白のかまぼこ食べちゃっていいですか?(パチパチパチ)
すごく好きなんですよ。」
徳さん:「おう。だけどなお前ら、この数の子も食っとけよ。
実はこの間な、稚内に競馬に行ってきてな、
最終でドッカンと儲けて買ってきた数の子なんだ。なかなか手に入らないらしいぞ。」
円漠:「また競馬ですか・・・。」

(テレビでは『Re:Syanpan』が歌ってる・・・)

拓也:「それにしても紅白歌合戦はいつみてもつまらないですよね。
こんなのなら僕の方がうまいっすよ。」
円漠:「へぇ〜。いつになく自信満々だな。」
拓也:「当たり前じゃないですか。僕、マジで考えてますよ、歌手。」
徳さん:「おい。俺の前でよくそんなことを・・・。
いったい何の司会をやってると思うんだ。しかも何年も。
だいたい歌手ってものは7つの特性を持ってないといけないんだぞ。」
円漠:「ほぉ〜。」
拓也:「おもしろいですね、それ。教えてくださいよ。」

徳さん:「そうだな・・・まず1つめは、歌唱力だ。こんなのは当たり前のことだが。」
拓也:「歌唱力は自信あるんですよね、僕。」

徳さん:「2つめは、学力だ。歌の世界を渡っていけるだけの戦略が必要だ。」
円漠:「これはダメみたいだな。頭悪いもんな、お前。」
拓也:「・・・・・」

徳さん:「3は強運だ・・・」

356 :夢藻助ファイナル:01/12/26 16:56
(以下4〜6は略)

・・・・・

徳さん:「最後に7(しち)、服、ジーンズだ。(パチパチパチ)」
円漠:「ジーンズ?」
拓也:「なんか、しょぼいですね。今はビジュアルで勝負の時代ですよ。」
徳さん:「いやいや。そんなものはすぐ廃れてしまうぞ。飽きられないのが肝心だ。」
拓也:「そんなもんですかね・・・とりあえず、来年の受験が失敗したら僕は歌手を目指しますよ。
もちろん徳さんのコネも使わせてもらいますからね。」
徳さん:「バカヤロウ。今からそんな甘くてどーする。」
円漠:「ま、とりあえず、拓也の来年の成功を願って乾杯しますか。」
徳さん:「そーだな。俺も来年早々が勝負だ。よし、景気づけにシャンパン持ってこい(パチパチパチ)」

3人:「乾杯〜。」

円漠:「シャンパンも意外に『おせち』に合いますね。うまいですよ。」
拓也:「そうですね。でも徳さんは日本酒の方がいいでしょ。」
徳さん:「・・・・」
拓也:「徳さん、酔っ払ってます?」
徳さん:「いい名前を思いついたぞ、拓也。お前の芸名を決めてやったぞ。」
円漠:「徳さん、実はノリノリじゃないですか、歌手デビューさせるの。」
拓也:「で、何ですか?」

徳さん:「お前の芸名はな・・・『南こおせち』だ。」

ドンドン

357 :里の筍:01/12/26 20:45
先日このスレッドを見つけて以来、楽しまさせていただいています。
最初から読みなおすと皆さんかなり力の入った作品が多くて感心しました。

今回のお題に限ってみても、重要無名文化財さんの"カレーな衣装で福神漬けがうまい"とか、
夢藻助さんの「7(しち)、服、ジーンズ」という強引さ、柳ヤコさんの「ドンペリ鉢ゃ浮いた浮いた...」
の馬鹿馬鹿しさなど、何度読み返しても思わず笑ってしまいます。
またいつ読んでもすごいなあと思う半弗さんの、米朝師匠を思わせる語り口の中での「八寒地獄」と「バチカン市国」の
地口には、思わず「うまい、座布団」と声をかけたくなりました。

とりあえず自分でも何作か作ってはみたものの、どうもインパクトがないなぁと感じてたのですが、
要するに他の方々の作品のように新しいアイデアがなく、パロディの域を出ないところに原因があると気付きました。
(でもそのうち他の方に負けないようなブッ飛んだ作品を作ってみたいものだと思ってはいるのですが。)

ところでお題の取り扱いに関してよくわからないことがあります。
私はできるだけ敢えて生で扱わないようにしてたのですが(そうなってないものもありますが)本来の
三題話(「鰍沢」e.t.c.)のことを考えると、そのまま生で使って話を作るべきなのかなぁと迷っています。
もちろんこのスレッドのルールではそうする必要はないみたいですが、やはり邪道なのかなとも...
そのあたりは皆さまどうお考えなのでしょうか?

358 :柳ヤコ:01/12/26 22:41
私は、お題はなるべくそのまま(生で)使うようにしています(たまに強引なのも
やりますけどね)。邪道でも面白いのはたくさんあるし、いろいろな使い方があって
いいと思いますよ。ただ、『パン息子』の「紅白」の使い方で、

>お向こうは、苦労知らずの

というのは私は認めたくないです。落語なので、耳で聞くという前提で
作りますので。

359 :主催者:01/12/26 23:48
たくさんの作品ありがとうございます。
皆さん苦心して作られた作品で、大変嬉しいです。

各作品の感想の前に、お題の使い方についてのはなしがあがっていますので
主催者の意見を申し上げます。
私は無茶な使い方は個人的に好きです。常連の方の中にも
「そう来たか!」と思わせる作品がありますし。
かといって、三題噺の本来はきちんとその三つの異なる単語を盛り込んで
一つの噺に仕上げるものだとも思います。鰍沢なんて良い例ですね。
ですから、どちらも使用してくださっていいとおもいます。
ヤコさんの耳で聞くというのもよく分かるので、出来れば
音でも読んでも分かるように使って下されば幸いです。

もし、何でしたらまた限定ルールの回を設けてもいいですね。
単語そのまま使用限定の回ですね。

個人個人のポリシーに促して作って下さい。
もちろん、(パチパチパチ)とかドンドンとか、落語の形式というのは
守って下さいね。

感想は少し後に書きます。

360 :主催者:01/12/27 02:02
ヤコさんの「たが屋の花見」は出所後?のたが屋の開放感が
たまらなくおかしみを誘いますね。筍さんもおっしゃるとおりに
「♪ドンペリ鉢ゃ浮いた浮いた、ステテコシャンパン」
の部分はすごいくすぐりだと思います。こういった構成力に圧倒されます。
いいですねえ。

半弗さんの「八寒地獄(仮)」も、よくある仕込み噺の筋を使って
独自の雰囲気を出してますね。「つる」や「子ほめ」らしくきれいに
まとまっていて読みやすいです。清やんの突っ込みが非常にキレがありますし、
八寒地獄というバチカン市国の言葉の妙、寒さつながりで「こう吐く」など
ハイレベルですね。

夢さんの「徳さんの歌手根問(仮)」はこの三人の相変わらずの
ぐだぐだトークがさく裂していますね。根問ものと思いきや、7で七福神
を強引に持ってくる辺り、さすがです。サゲのくだらなさが逆に
徳さんシリーズの味とでもいいますか、いいものに仕上げていると思います。
『Re:Syanpan』なんて小技も笑ってしまいました。

年内はこのお題でいきましょうか。
そして、年明けは・・・実家の方で過ごすのでパソコンに触れませんが、
年明けしばらくは感想特集でいかがでしょう?
他の作家さんの作品を正月の雰囲気とともにゆっくり味わってください。
今回の里の筍さんみたいな感想が、作家さんにとって一番嬉しい
書き込みだと思うので、読者の方もこぞって年末年始は感想を
御よせください。

年内は「七福神」「シャンパン」「紅白」でお噺お待ちしています。

361 :里の筍:01/12/27 02:37
やはり本来の三題話はお題を生で使うのが本当なのでしょうね。ヤコさんのおっしゃるようにただ字面が
合っていても言葉(音)として繋がってなければやはり問題かもしれませんね。
ということでとりあえず「七福神」「シャンパン」「紅白」のお題は生で、ただそれ以外の中身は少し強引に
字面合せをして一つ作ってみました。(本当は七福神全てを単語として読み込みたかったのですが、さすがに
力不足であきらめました。^^;)

『シャンパンの殿様』

殿「今日はめでたい正月じゃ。そちたちと共にこの良き日を祝おうと思う。
ところでここにあるのは南蛮渡来のシャンパンという酒じゃ。(パチパチパチ)
この紅白の覆いをとって口金をゆるめ、さらに木の栓をゆるめると...(パチパチパチ)
これはいかにしたことか、なかから泡が吹き上げてくるわ。
油断をしておると中身が全て噴き出して、なくなってしまいそうである。
幸いここにビードロの酒盃があるゆえこれにそそぎ、飲むことにいたそう。
今日は無礼講ゆえ、そちたちも相伴せい。」

家臣一同「ははぁーっ、ありがたき幸せにござりまする。」

家臣1「ほんにこれは珍しい。泡がぶくぶくと湯だっておるゆえ、さぞかし熱かろうと口で吹きながら
賞味いたしましたが、なんともはや、この冷たく、甘く、美味なること。」
家臣2「まこと、まこと、こう申しては不忠となりますが、昨年の正月にいただいた口が曲がるほど苦い麦酒とやらとは大違い。」
家臣一同「うーん、なかなかの味じゃ。甘露、甘露、結構良い気持ちになってきたわい。」

殿「さて皆酒が回ったところで、この目出度い席に興をそえるものはおらぬか。」

家臣1「プファー、それではそれがしが目出度く七福神の名前を読みこんだ俗曲を一曲歌って祝いとさせて
いただきましょう。(パチパチパチ)
『風呂上り、ほていた肌を拭く六十の、弁天さまの色っぽさ。』
うむ、どーもこれでは、少し数が足りませぬなぁ。ウーイ、ヒック」

家臣2「しからば拙者がその続きを。貴公のように色気のある歌は無理でござるが、巌流島の講釈の一節などを語って
座興といたしましょう。ウム、ちょっと体が揺れるナ。何?酔ってはおらん、酔ってはおらんがな、なんだか船に
乗っておるようだ。さて、

『「やあ、やあ、武蔵」と佐々木こじゅろう、「じんじょうに果し会え」と武蔵に言えども、
武蔵は船のなかで大根食うて高笑い。』パン、パン、パパン
『武蔵は小船から海の中へ、袴も足もびしゃびしゃ、もんていも連れずただ一人飛び降りたり。』パパン、パン、パン
『さっても武蔵は「小次郎、敗れたり」と一声おめくや、櫂を削りし木刀にて小次郎の頭を真っ向微塵に叩き割る。』
パン、パン、パパン

とこんなところでいかがなものでござりましょう。」

殿「うむ、二人とも相当に苦労しておるな。まあそれはよいとしよう。
したがこれ、七福神と申したがエビスが抜けておるではないか。」
家臣「ははぁーっ、御意にはござりますが拙者ども、ビールは嫌いでござりますゆえ。」

ドンドン

362 :f:01/12/29 13:54
age

363 :重要無名文化財:02/01/02 00:51
お正月は感想週間と参りましょう。
みなさんのご感想をお待ちしております。

364 :かみ:02/01/03 00:23
主催者さんお久しぶりです。
憶えてらっしゃいますでしょうか・・・
2ヶ月ほど前「猿金合戦」を書いて依頼ご無沙汰です。
ちょっと仕事が忙しくなってしまって。
湖亭半弗さんに 柳ヤコさん、相変わらずおもしろい作品ですね!!
ずっと書き続けられてすごい!!
また他の方々の作品も面白いです!。
私も時間を見てまた参加したいと思います。
みなさんの作品楽しみにしています!!

365 :y:02/01/06 17:24
age

366 :重要無名文化財:02/01/11 00:36
上げておこう。感想も聞きたいし。

367 :主催者:02/01/11 02:05
あけましておめでとうございます。戻ってきた主催者です。
年末年始を感想週間といたしましたが、やはり皆様、感想を書くのは
ためらいがあるようですね。
ちょっとしたことや改善点などでも、作家の方は喜ばれると思いますので
こぞって書き込みしてくださいね。

さて、里の筍さんの「シャンパンの殿様」は粋な噺ですね。
巌流島など歌に盛り込まれた七福神、南蛮渡来のシャンパンの設定、
そして最後のエビスビールでのサゲ、古典のセンスと新作のセンスが
ほどよく混じる力作ですね。

かみさん、お久しぶりです。かみさんの作品は独特のゆったりとした
雰囲気があって、好きな作家さんです。お時間がありましたら是非
作品アップお願いします。

これで、第十回を終了しました。皆様のご協力のおかげです。
「また感想日か」とお叱りをうけるかもしれませんが、
過去の作品には名作も多数ありますので、もう一度味わって下さい。
第六回から第十回まで、名作奇作の話題で盛り上がって頂ければ幸いです。
細かいリストアップはこの後にいたします。

368 :主催者:02/01/11 02:51
リストアップしました。
前回同様、(仮)だった演題名は、この時点で正式名とさせていただきます。

第六回
「替え歌」「猫」「ほおづえ」

>>195-198 湖亭半弗さん「猫茶屋」
>>199-200 柳ヤコさん「ゆめパスポート」
>>203 sana亭omiさん「雑談風見鶏」(「吉田茂」「終身名誉監督」「やかん」の三題で)
>>212 sana亭omiさん「ピンと来たら110番」(「英語」「殺し屋」「骨董屋」の三題で)
>>213 sana亭omiさん「尻汚れ」(、「えなりかずき」「医者」「のこぎり」の三題で)
>>221 匿名さん「転び饅頭」
>>223 匿名さん「洒落名人」

第七回
「出っ歯」「ステーキ」「妹思い」
>>240-241 T.K.さん「我が妹の誕生日」
>>244-245 柳ヤコさん「ヨンデレラ」
>>249-250 柳ヤコさん「続・ヨンデレラ」
>>251-252 湖亭半弗さん「灰水の陣」
>>262 おそらく鉄棒勇助さん「鉄砲指南」

第八回
「卓球」「日帰り」「蛍光灯」
>>276-278 夢藻助さん「競馬中継(徳さんとその仲間)」
>>281-282 湖亭半弗さん「日曜旅行」
>>284-286 柳ヤコさん「ちゃいなの遊び」
>>292 匿名さん「蛍の光」

第九回
「四十七人」「ちらし」「雪」
>>319 匿名さん「臆病静七」
>>320-321 柳ヤコさん「さいはて競馬場」
>>322-324 湖亭半弗さん「山勘の勘兵衛」
>>327 里の筍さん「キセルの遊び」
>>328 里の筍さん「入学祝い」
>>331 鉄棒勇助さん「マタギの心得」

第十回
「七福神」「シャンパン」「紅白」
>>343 匿名さん「福神漬け御殿」
>>344 里の筍さん「パン息子」
>>346-347 柳ヤコさん「たが屋の花見」
>>351-353 湖亭半弗さん「八寒地獄」
>>355-356 夢藻助さん「徳さんの歌手根問」
>>361 里の筍さん「シャンパンの殿様」

以上です。不備がありましたら申告よろしくおねがいします。
たくさんの感想お待ちしています。

369 :重要無名文化財:02/01/12 11:50
山勘の勘兵衛が力作だ。サゲもいいな、粋だ。

370 :重要無芸文化財:02/01/13 17:38
 今日、見つけた。
 今は、端境期で題は出てないの?

371 :重要無名文化財:02/01/13 18:56
>>370
主催者は5回ごとに感想日を設けているようだ。
今は感想を書いてあげてくれ。そろそろはじまるだろうし。

柳ヤコ氏や里の筍氏らの江戸の力作がおいらは好み。
チャイナの遊びなんて、筆力を感じるな。

372 :かみ:02/01/14 00:06
柳ヤコさんの力作に感心する中「ゆめパスポート」のような
うわ〜やられた〜〜〜というような予想もしてない展開が最高!!
さすがです。川柳師匠だもんなあ^^笑いました。

373 :重要無芸文化財:02/01/14 00:10
 お題も、センタクの後は、カンソウが要るようですね。

374 :重要無名文化財:02/01/14 00:15
>>373
ワラタ(w

375 :重要無名文化財 :02/01/14 00:50
鉄棒勇助さんの作品はほんとにおもしろいね。
馬鹿馬鹿しくて、これぞこじつけな感じで腹抱えるよ。
こういう作品も読みたい。もちろん、大作もだけど。
「猫茶屋」とかいいね。

376 :重要無名文化財:02/01/14 18:22
>>373 座布団一枚あげます

377 :主催者:02/01/15 00:23
感想書き込みありがとうございます。
まさしく、お題選択の後の感想ということですが(笑)
随時感想は募集していますので、よろしくお願いします。

それでは、第十一回お題取りをはじめましょう。
今年初めのお題取りですので、こぞってご参加くださいね。
例によって、一レス一単語でお願いします。

378 :重要無名文化財:02/01/15 00:25
インフルエンザ

379 :重要無名文化財 :02/01/15 00:58
ドミニカ

380 :主催者:02/01/15 01:04
すいません、明日の夜半ごろまでお題取り延長いたします。
こぞってお題をお書き下さい。

381 :重要無名文化財:02/01/15 06:03
豚まん

382 :重要無名文化財 :02/01/15 17:53
鉄くず

383 :重要無名文化財:02/01/15 18:43
成人式

384 :重要無名文化財:02/01/15 19:40
転換点

385 :pp:02/01/15 23:36
ケミストリー

386 :重要無名文化財:02/01/15 23:40
紅梅

387 :重要無名文化財:02/01/15 23:48
万年筆

388 :主催者:02/01/16 02:04
多くのお題ありがとうございます。
それでは、第十一回お題発表です。

「インフルエンザ」「転換点」「紅梅」
の三題です。

今回は全く関連のない三題を選びました。
特に年始めということもあって、無理矢理使うというより
そのまま使ってひねってもらいたいと思って選びました。

多くのご参加宜しくお願いします。

389 :重要無芸文化財:02/01/16 16:55
「インフルエンザ」「転換点」「紅梅」

 気の合うた二人組が東に旅をするというと、昔は伊勢参り。
東海道に汽車が通りまして、ひとつ東京見物でもしようやないか、
ということで出かけます。
清八:おーい、早う、来いよー。
喜六:待ってえなぁ。そやけど、東京見物に行くのに、何で箱根に寄ったんや。
清八:箱根はなぁ、山が険しうて、東海道の難所やったんや。
喜六:知ってる。「箱根の山は転換点」ちゅうやっちゃろ。(パチパチ)
清八:それも言うなら、天下の険や。
喜六:駅伝は、ここで折り返すから、転換点や。
清八:しょうもない団子理屈こねるんやない。
喜六:そやけど、山が険しいから言うて、何で寄るのや。
清八:険しいから、汽車は勾配がきつぅなる。それで、遠回りしてるんや。(パチパチ)
喜六:勾配がなぁ。
清八:それで、昔の東海道を偲ぼかと思て、寄り道したんや。
喜六:そやけど、夜に泊まっただけやんか。
清八:泊まっただけでも、来て良かったやろ。
喜六:何で、良かったやろやね。
清八:昨日の晩、遅ぅに、宿の仲居と、二人で出かけたんやないか。
喜六:面目ない。へへへ。
清八:なかなかええ女やったやないか。
喜六:ええ女やろ、わいなぁ、一目見て気に入ってん。
清八:で、口説いたんか。
喜六:遅ぅに温泉場に行ったら、おってんや。
   「良かったお客さん、暗い中、一人で帰るの怖かったわー」
   言うて、近寄ってくんね。
清八:モノ好きな女やな。
喜六:ほっといて。で、にこっと笑ってくれたら、わい、身体じゅうに震えが来て、
   熱うなって、頭がぼーっとしてきてな。
清八:風邪かい。
喜六:不景気でも恋はインフルエンザ。(パチパチ)
清八:あほなこと言うてんのやない。
喜六:それで、手ぇ、触ったら握り返すね。
清八:向こうもまんざらでもないにゃな。
喜六:ほんで、腰に手ぇ回したら、身体を寄せてくんね。
清八:ええやないか。
喜六:ほんで、おしりなでても、嫌がらへんね。それで、よっしゃ思って抱き寄せたら。
清八:この色事しぃが。
喜六:「何すんの」言うて、逃げられた。
清八:そらそうや。
喜六:そやかて、おしり触っても嫌がらへんのやで。
清八:箱根はな、しりまで行っても、まだ半分じゃ。
(ドンドン)

390 :重要無芸文化財:02/01/16 19:41
「インフルエンザ」「転換点」「紅梅」、そのまま使って。

今年は、菅原道真公没後千百年やそうで、道真公にちなんだお芝居もかかってる
ようですな。
喜六 :こんにちわ。
甚兵衛:何や、喜ぃーさんかいな。羽織着て、どないしたんや。
喜六 :倅、連れて、初天神に行って来たとこでんね。
甚兵衛:そらええ。学問の神様や、お前のあほを直してもらい。
喜六 :ほっといて。けど、天神さんて、何で、学問の神様でんね。
甚兵衛:それは、菅原道真公をお祀りしてあるからや。偉い学者さんで、
    日本はもちろん中国のことにも通じてた。
喜六 :麻雀が得意やった。
甚兵衛:ちゃうわ。それで、時の右大臣にならはった。
喜六 :へぇー。
甚兵衛:芝居にもなってる。菅原伝授手習鑑て知ってるやろ。三つ子の話や。
喜六 :トン吉、チン平、カン太。よっちゃんの弟。おやつあげないわよ。
甚兵衛:違う。松王丸、梅王丸、桜丸や。
    それぞれ主人は違えど、菅丞相、道真公のために働くのや。
喜六 :右大臣ゆうたら偉いからでんな。
甚兵衛:ところが、左大臣藤原時平の企みで、九州の太宰府に流されるのや。
喜六 :何と。
甚兵衛:藤原一族が政権を支配するようになる転換点になった事件やな。<パチパチ>
喜六 :でも、何で神様にならはんのや。
甚兵衛:道真公は、九州でのんびり暮らしてはったけど、藤原一族の企みを聞かはると、
    お怒りのあまり・・・
<鳴物>
「ヤア汝ら。かゝる大事を聞くからは片時も早く都に上り、時平が工み秦聞せよ。
我は、見上るこの高山絶頂に三日三夜、立行荒行根気を砕き、
梵天、帝釈、閻羅王、三天王に誓ひを立て、魂魄雲井に鳴る雷。
十六万八千の首領となつて眷属引連れ都に上り、謀叛の奴ばら引裂き捨てん。
現世の対面これまでなり、いそふれやつ」

喜六 :何でんね。
甚兵衛:筑紫の天拝山から、天にあがらはった。
喜六 :なるほど、あがる前やから、てんぱいか。
甚兵衛:麻雀から離れぇ。
    梅花を取つて口に含み、天に向つて吹かれると、花弁火焔となる。
喜六 :何ですの。
甚兵衛:梅の花びらを吹いたら、真っ赤な炎になったんや。
喜六 :ゼンジー北京かカッパーフィールドか。
甚兵衛:手品やない。以来、梅の花は白だけやのう、紅梅が出来たと言うな。<パチパチ>
喜六 :そういえば天神さんには、梅がようけ咲いてますわ。
甚兵衛:都では、にわかの雷雨で、時平一族は、皆、震えが来て、寝ついた。
喜六 :恐ろしいこってんな。
甚兵衛:雷雨に打たれて身体が冷えて、インフルエンザにでもかかったんやろけど、
    昔の人は、道真公の祟りやと考えたんやな。<パチパチ>
喜六 :なるほど。
甚兵衛:それで、道真公の魂を鎮めるためにできたのが天満宮、天神さんや。
喜六 :それはいつごろの話でんね。
甚兵衛:千年以上も前や。
喜六 :なるほど、三つ子が働くはずや。
甚兵衛:何でやね。
喜六 :三つ子の魂の十倍や。
<ドンドン>

391 :主催者:02/01/17 02:35
これはまた良い作品があがっていますね。

重要無芸文化財さんは、先日からこのスレに来て下さってましたね。
満を持しての登場で、しかも二作品も。ありがとうございます。
さて、まず前作 >>389「尻までいっても(仮)」は東の旅から東海道への
喜六清八の珍道中を見事に表現していますね。
女子衆を口説くやり口や流暢な上方弁など、かなりの落語通とお見受けします。
このスレは初心者も大歓迎なんですが、本格派の登場はやはり嬉しい限りです。
そして、後作 >>390「菅原公(仮)」は、菅原伝授まで持ってきての芝居噺に
感服です。甚兵衛と喜ィ公のやりとりから「足上り」ばりのシーンへ、
そしてサゲも考え落ちの上質。うーん、秀逸ですね。

まだまだ募集しています。たくさんの作品を期待しています。

392 :湖亭半弗:02/01/19 01:35
上方勢に強い味方が、新年早々来られましたねえ(敵も味方もないんですが)。
今年もはりきっていきましょう。
それでは、「インフルエンザ」「転換点」「紅梅」ということで、
新春の寄席のように、ラフな噺でいきましょうか。

えぇ、あけましておめでとうございます。相変わりませず、アホみたいなお噺を
きいていただきますが。
新春ちゅうのはなんやしらん、こぉ華やかなもんで。人の心も春めくてなことをよぉいいますが、
新年早々馬鹿騒ぎをしてみたり、電信柱によじのぼって怒られたり、何かこぉ
派手な事件を起こしたいんですな。何かで目立ちたいとか思うんは分かりまんえやが、
もうちょっとええことで目立ちゃあえぇのにと思いますが。
正月やちゅうので、普段はせんようなすごろくを引っ張り出したりしますな。
ホコリたまってるのを、何遍も拭いて出してくる。大雪で親戚の子供が来られん様になって、
「ほな、また今度」ちゅうて奥へしもぉてしまう。んで、また来年、てなもんで、あれもまぁ
風情といえば風情なんでっしゃろが。
しょうもない遊びちゅうのは、ままこれは色町の遊びなんかでもしょうもないちゅうて
しまえばしょうもないんでっしゃろけど、時々懐かしさとともにやりとぉなる。
落語の方でも「ん廻し」ちゅうのがおますわな。「ん」を言葉に使うて出た分の
田楽を食わすちゅうんですが、あれもしょうもないことこの上ない。
男A「ほな、わしはインフルエンザで二本おくれ。」
男B「ほぉ、なるほど、うまいな。よし、二本や。」
男C「ほな、わし、転換点と三本や。」
男B「てんかんてん、で三本か。そうかそうか、ほな、田楽三本。」
男D「こないだの平成紅梅亭、でとりあえず十二本もうとこ。」
男B「多いなあ。はぁ、大阪で深夜やってる落語番組。せやけど「ん」がないがな。」
男D「出演者、出演者。八天、南光、文朝、ゼンジー北京に春団治や。」
男B「はぁはぁ、全部「ん」があるけども、それやったら六本やで。」
男D「全員、「芸人」の「ん」で、かける2してくれ。」
男B「付け足しなや、おい。あぁ、「こぉ倍」とられたらかなわん。」
しょうもないこと言うとりますが。
やはりこの、若い連中が集まって酒を飲むちゅうと、しょうもない遊びにもなるもんで、
男A「さぁ、みな揃うたところで、今日は珍しう飲み屋で一杯や。お前等の有り金みな
酒や肴に変えた。これだけあればまぁ足りるやろ。わあちゅうて皆で飲も。」
男B「しかし、こう久し振りに集まったんやし、何ぞ趣向でもしたいな。」
男A「そらえぇこというた。何ぞおもろい趣向はないかいな?」
男C「屁のかぎ合いはどうでおます。」
男A「どうでおます、て、おまえやりたいのんかい。」
男C「いや、人のやるのん見て楽しむ。」
男A「そっちいってぇ、おまえ。そら自分がやらなんだらおもろいわい。他は
何かないか。」
男D「どうであろう、それでは「己とは何か」について哲学的に話をするというのは。」
男A「そんなんしてたら酒がまずぅなるやないかい、そんな思いのんはあかん。」
男E「鼻からうどんを食う!」
男A「こんなんばっかりかぃ、おい!よっしゃ、ほんならわしから言わせてもらお。
「さよなら三角」ちゅうのを知ってるかい?」
男C「あぁ、あれおもろいな、あれしょう。」
男A「ほぉ、こらおどろいた。おまえ知ってんのんかい?」
男C「片っ端から三角のもんを、バットや鉄パイプやなんかで叩き壊す。」
男A「出入りやないかい!ちゃうで、そんなんと。おまえら「♪さよなら三角また来て四角、
四角は豆腐、豆腐は白い、白いはウサギ・・・」ちゅうのん聞いたことないか。」
男B「はぁ、それなら知っとるな。どんどん連想していって、最後に「光るは親父の禿頭」ちゅうとこまで
いくやつやろ。」
男A「せや、それをまぁ、ちょっと変えてやな、何とかちゅうたら何とか、何とかちゅうたら
何とかちゅうてつなげていくねん。」
男C「またしょーもないことを。」
男A「屁のかぎ合いちゅうてたんが偉そうに言うな。これだけ町内そろぉとるねん、少しはおもろなるやろ。」
男B「そらおもろそうや。酒の席でないととてもよぉせん。」
男A「おまえまでなぶるな、おい。そうやな・・・ネコがいてるから、初めは
「ネコ」や。ほな、いくぞ。よし、お前からや。」


393 :湖亭半弗:02/01/19 01:37
男B「なるほど、ネコちゅうたら野ぉ良、と。こんな感じか?」
男A「そうそう、そんな風につなげていくねや。ネコちゅうたら野良、と。」
男D「野良ちゅうたら芋。」
男A「何で野良が芋やねん?」
男D「畑作では芋が似合うな。」
男A「なるほど、野良ちゅうたら芋、か。」
男C「芋ちゅうたらオナラ!」
男A「汚いなぁ、えぇ。適当に言やえぇてなもんでもないで。」
男B「まぁ、酒の席や、こういうのんはやりなおしてたらおもろないから、そのまま
やろや。一遍出たらそこから続けるねや。」
男A「確かに言う通りや、ほな、オナラちゅうたら出ぇる、と。これで少しは転換点に
なったんやないかい、えぇ方向へ。」(パチパチパチ)
男E「出るちゅうたら小便!」
男A「誰や、誰や。せっかくわしがうまいこと変わるようにしたのに。」
男F[おもろいおもろい、小便ちゅうたらかかる、と。」
男A「おぉ、ええがな。かかるちゅうたら色々あるしな。次は?」
男G「かかるちゅうたらインフルエンザ。」(パチパチパチ)
男A「あ、これはうまいな。病気やからかかるわな。」
男G「もう・・・ゴホン、ホン、かかってる・・・。」
男A「そないまでして飲み会に来んでもえぇがな、この男。飲み屋やのぅて
病院へ行け、病院へ。うつされたらかなわんがな。」
男H「お、わしか?インフルエンザちゅうたら病院、と。」
男A「わしが言うたん聞いてたな、おまはん。ままえぇやろ。インフルエンザちゅうたら
病院、な。次は?」
男I「病院ちゅうたら歯痛。」
男A「ほほぉ、あんた歯でも悪いんかぃ?」
男I「シクシク痛んでなぁ、酒を麻酔代わりに飲んでるわ、わぃ。」
男A「もう一人で一升いてもぉたで、こいつ。麻酔やちゅうてうまいこというてからに。
ほな、次おまえや。」
男J「歯痛ちゅうたら泣く、じゃ。」
男A「ははは、こらおもろい、子煩悩やがな。いやな、こないだわしも歯医者で待ってたら
子供連れてこいつ来たんや。わしが先入って薬待ってたら、こんどはこいつの子供の番やがな。
そらもうワンワン泣いてなぁ、はは。その後すぐ帰ったから知らんが、付き添いの
お前も大変やったやろ。」
男J「あれ、泣いてたん、わしや。」
男A「あら、お前か!せやけど子供と一緒に入ったやろ。」
男J「あれが付き添いや。」
男A「そらあべこべやがな。情けないなぁ、えぇ。ほな、今度は・・・、また
戻ってきたな。」


394 :湖亭半弗:02/01/19 01:37
男B「泣くちゅうたらウグイスとどうや。」
男D「ならば、ウグイスちゅうたら紅梅と、どうじゃ粋であろう?」(パチパチパチ)
男A「そない威張らんでもええがな。・・・しかし、うまいこといたなぁ、ここ。
ウグイスに紅梅なんてなかなかの流れや。次は・・・お前、しっかり頼むで。」
男C「ほな、名誉挽回ちゅうことで、紅梅ちゅうたら匂う!」
男A「やっぱり、お前、匂うとかオナラとか好きやな。まぁ、香に匂うてなこというし、
お前にしては上出来や。」
男B「えらそうに人のんばかり言うてんと、次はお前や。」
男A「おぉ、わしか。匂う・・・ちゅうたら熊やな。」
男B「熊が何匂うねん。」
男A「今日はいてへんけど、隣の熊五郎、風呂に長いこと入ってへんさかい、匂うの何の。」
男B「お前も言うこと汚らしいやないか。」
男A「ほんい、意外と自分の番やといかんな。次・・・、あら皆もうあらかた酒も肴も
やってもぉたんかぃ?あんなけあったのに、もういてまいやがった。もう金もないし、ほな、
次のん。お前で最後締めて終わろうか。」
男E「よ、よし、熊ちゅうたら・・・川の上流!ほら、よぉけ手掴みで魚とってる。」
男A「あぁ、木彫りの熊なんかにあるな。あぁ見えて熊は素早いとかいうし。綺麗に終わった
んやないか、えぇ、ちょうど「川の上流」で終わって、後は下流の自分の家まで流れ帰ると。
今日はお開きでえぇな?」
主人「まぁまぁ、ちょっと待っとくんなはれ。これ、よいしょ!私からの
おごりですわ。」
男A「えぇ?樽酒かぃな、おやっさん!!えぇ、今日はまたいったい何や?」
主人「へぇ、川の上流ちゅうたから、サケが戻ってきましたんや。」

ドンドン





395 :湖亭半弗:02/01/19 01:45
マクラ部分で、「かける2」したら駄目ですね。「芸人」だからプラス5で、
11本ですね。
この演者も酒飲んで出てきた、ということで勘弁して下さい(苦笑)

差し替えで、「ゼンジー北京」を「カウスボタン」や「ナポレオンズ」などにかえると、
芸人6人「ん」の字6つで「かける2」でいけますね。


396 :重要無芸文化財:02/01/19 15:39
タイトルを付けてませんでした。
 389は、サゲがわかりやすいよう「箱根八里」でいかがでしょうか。
 390は、元ネタから「天拝山」でいかがでしょうか。思いついて、すぐ書いたのですが、もう少し考え、3倍くらいの量にした方が良かったですね。
 菅原伝授手習鑑の「天拝山の段」は、そう有名な話でもないので、芝居の説明と勘違いのちゃちゃで膨らませた方がよかったですね。
 思いついた時点では、「太宰府に流された」で「誰もあがらんかった」とか、
「その時に詠んだ歌が、東風吹かば・・・」「コチて何」「東の風や」とか
太宰府では「三人の親の白太夫」が道真公のお世話をするというあたりで、
麻雀ネタのくすぐりの繰り返しを考えてたのですが、書いてる時には忘れて
ました。麻雀人口は減ってるらしいので、かえって、麻雀ネタは抑えた方が
良かったでしょうか。

397 :湖亭半弗:02/01/20 14:07
こんな時間にきてしまいました。日曜ですので。

先日の訂正で、差し替えで「カウスボタン」「ナポレオンズ」なら
芸人六人「ん」六つで2倍になる、と書きましたが、
どう考えても、「ん」5つですね。私も酔ってるみたいですな。

色物芸人のコンビで「ゼンジー北京」の代わりにならないといけないので、
「にゃん子・金魚」「古都からん・ころん(もうこのコンビないですが)」
「シンクタンク」などを挙げておきます。

それにしても、重要無芸さんはネタ解釈もばっちりですねえ。
題名は必ずしも付けなくてはならないってもんでもないみたいです。
私も自分でつけたり主催者さんにつけてもらったり。
時々「今回の作品は皆さん、どんな題名つけてくれはるかしら」などと
期待して書いたりもしますよ。
しかし、今回は作家から後で題名が示されたわけですから、
そちらを尊重すべきでしょうねぇ。ねぇ、主催者さん?

398 :柳ヤコ:02/01/21 01:35
『ホコテン医者』     (インフルエンザ・転換点・紅梅)

院長「うーむ、弱ったな」
助手「どうしたんですか」
院長「このところ患者が少なくてな、うちの病院も経営が苦しいのだ」
助手「でしょうねぇ。ここんとこヒマですもんねぇ。でも、うちは院長と私の二人だけ
   ですから、なんとかなりますよ」
院長「そうかな。なにか良い手はあるか」
助手「患者にカラオケを唄ってもらうというのは・・・」
院長「どっかで聞いたことある話だな。そんなのはダメだ」
助手「じゃぁどうでしょう、いっそのこと歩行者天国で通行人をかたっぱしから診ると
   いうのは。重病人もめったにいないだろうし、薬もそんなに必要ないと思いますよ」
院長「ははぁ、それは面白いかもしれんな。しかし歩行者天国に来るような人たちだ、
   病気といってもせいぜい風邪ぐらいなもんだろ。たいして儲からんぞ」
助手「診察だけでは無理でしょうから、グッズの販売もしましょう」
院長「グッズの販売?そんなこともするのか」
助手「えぇ、お客さんの購買意欲をそそるような物がないとダメです」(パチパチパチ)
院長「どんなものを売るんだ」
助手「印籠つき携帯ストラップはどうでしょう。印籠には薬を入れることができるので、
   いざという時にも安心です」
院長「なるほど、それは便利だな」
助手「ただし、夜の8時45分にならないと使えません」
院長「役に立たんじゃないか!」
助手「では、白衣と黒板でケーシー高峰セットというのは」
院長「黒板なんか大きすぎるだろ!」
助手「・・・グラッチェ」
院長「うるさいよ!」
助手「まぁとりあえずやってみましょう」

399 :柳ヤコ:02/01/21 01:36
さぁこれから新宿の歩行者天国に店を広げます。路上の医者というのはやっぱり
珍しいもんですから、けっこう患者が来たりいたしまして。
患者「あのーすいません、どうも熱があるみたいで身体がだるいんですけど」
院長「あーどれどれ。ははぁ、これはインフルエンザですな(パチパチパチ)。
   葛根湯をお飲みなさい」
患者「あのー、頭がいたいんですけど」
院長「それは頭痛ですな。葛根湯をお飲みなさい」
患者「先生、おなかが痛いんです・・・」
院長「それは腹痛ですな。葛根湯をお飲みなさい」
患者「先生、あそこのラーメン屋、おいしいですよ」
院長「それは食通ですな。葛根湯をお飲みなさい」
なんだかワケがわかんない。

男性「せせせせ先生先生先生!たたたた大変大変大変!!」
助手「ど、どうしました!」
男性「ほほほほ発作発作発作!」
助手「何の?」
男性「てててて、てんかんてんかんてんかん」(パチパチパチ)
院長「なに?てんかんの発作?そりゃまたやっかいなのが来たな」
助手「先生、何言ってるんですか。そんなのいつも注射一本で治してるじゃないですか」
院長「いや、それは出来ないんだ」
助手「どうして」
院長「ここはチュウシャ禁止だ」

ドンドン

400 :重要無名文化財 :02/01/21 02:17
ははは、葛根湯医者だ。

401 :重要無名文化財:02/01/21 18:11
柳ヤコさんの噺は、元ネタいじりがくすぐりに入っていて
ツボにはまるときがあるね。


402 :里の筍:02/01/21 19:13
皆さん、お上手ですね。その上面白い。
「重要無芸文化財」さんの「天拝山」は紅梅の由来のくだりだけでも一読の値打ちがありますね。
「湖亭半弗」さんは掛け合い漫才の面白さ、「柳ヤコ 」さんの作品は相変わらずの
オリジナリティあふれる爆笑もの。
とっても私が入りこむ余地なんかなさそうですが、面白くなくても(ちょっぴり色気も加えて(笑))
江戸落語の雰囲気が出せれば枯れ木も山の賑わいと、懲りもせず書きこむことにします。

「谷風」

初春といっても風情を色どるものが最近は随分と少なくなってまいりましたが
それでも初場所の触れ太鼓なんざぁ、なかなかいいもんですね。

昔は1年を10日で暮らすいい男なんてことをいいましたが、今では世の中も忙しくなって
なかなかそうもいかないようですが。
「お相撲さんには何が良くて惚れた。鬢のほつれを見て惚れた。」
女の人にもてるのは昔も今もかわらないようで、まったくうらやましいかぎり、私も
相撲取りになりゃあよかった。

江戸相撲といえば、寛政のころに吉田司家の免許で初代の横綱となった谷風梶之助。
この人が歴史に残る名横綱と言われておりますが、その谷風を破って63連勝の記録を
止めた小野川と、2枚看板がそろって江戸っ子の評判をとった。
このころが江戸相撲の人気が高まった転換点となった時期なんだそうで。(パチパチパチ)
その稀代の名横綱谷風も病気には勝てず、まだ現役の45歳で、はやり風邪、今でいう
インフルエンザにかかって亡くなってしまった。(パチパチパチ)
江戸では谷風のかかったはやり風邪をその名前にかけて「谷風邪」と呼んだんだそうで。

小「おや、関取。おひさしぶりでございます。」
関「おお、そう言う声は小野川さんか。こりゃぁ、しばらくぶりだのう。」
小「おや、それでもあたしの顔だけは覚えておいでになったんですか。もうお忘れになったと
思っておりましたが。」
関「どこぞやの大店の旦那に落籍されたという話を風の便りに聞いたことがあるが達者でいなさるか。」
小「どうにか生きてはおりますが、こんなことになったのも関取のせいとお恨みもうしていたんですよ。」
関「何、わしのせいじゃと。」
小「今日か明日かと毎日お待ち申し上げていましたのに、関取のおいでがない。
つらい思いがつい顔に出て、他のお客にも愛想が悪くなる、といった具合でお店にも居辛くなってしまって。
そんな所へ上総屋の大旦那からのお話があり、嫌も応もなく、今じゃ名前もお梅となって、根岸の里で
ひっそりと暮らしておりますよ。」
関「そりゃあすまんことじゃった。お前さんのことは一日たりとも忘れたことはなかったんじゃが、
上方の方に長い間修業にいっておったものじゃから、会いたくてもどうもこうもならんかったんじゃ。」
小「おやまあ、憎てぇに上手なことをお言いですねぇ。あたしゃあんたの体をつねってやりたいけど、
そんなに大きな体じゃどこつねっていいのかわからない。」
関「まあ、ここであったのも何かの縁だ。それじゃあ立ち話もなんじゃから、そこいらの茶屋にでもいって
ゆっくりつもる話でもしようじゃあねえか。」

お梅は根岸の里で小女と気楽な二人暮し、大旦那もよる年波でなかなかおいでがない。
今日は気散じに買い物にでもと出かけた帰りにばったりと昔の男に会ったものだから
すっかりとその気になって、連れの下女を先に返して出会い茶屋へ。
関取の方ももともと嫌いでわかれたわけではなく、すっかり焼け棒くいに火といった具合で、
出会い茶屋に入って杯をやったり取ったり。
そのうちにお梅の目元もほんのりと紅色にそまって、まるで紅梅のよう。(パチパチパチ)
杯のやりとりも一段落して、さていざ一戦となったが、どうも関取の調子が出ない。

小「どうしたんですねぇ、関取。すっかり意気地がなくなって。
昔はあたしがもう負けましたと降参するまで可愛がってくれたじゃあありませんか。
今日はこんなに手もなくあたしに負かされて。あたしのことが嫌いになったんですかねぇ。」
関「いゃあ、そうじゃあねえ。そうじゃあねえんだが、何だか喉がいがらっぽくなって
急に下腹に刺しこみがきたようだ。」
小「おやいけない。きっと谷風邪にやられたんでしょう。」
関「おおそうか、そりゃ谷風邪じゃあ小野川には勝てない。」(ドンドン)



403 :主催者:02/01/22 02:55
皆さん、今回も力作揃いで新春早々気合十分といったところでしょうか。

半弗さんの >>392-394「さよなら三角(仮)」は
寄合酒でも趣向が華やかですね。キャラ分けもきちんとなされていますし
「匂う」「オナラ」系のCさんが良い味出しています。

ヤコさんの>>398-399 「ホコテン医者」は、様々な手法で
読む側を笑わせにきていて、本当に面白いです。
葛根湯医者のあたりを出してくるあたりが心憎いです。

筍さんの >>402「谷風」は、どのあたりまで史実に基づいているのか不勉強で
分かりませんが、入念な下調べの上で作られた作品ですね。脱帽です。
謙遜してらっしゃいますが、他の方々にひけをとらないどころか
かなりのセンスをお持ちですよ。こういう地噺の多い噺は私的に
入船亭扇橋師にやってもらいたいなぁなんて感じました。変ですかね。

重要無芸さんのお題は本人の希望がありましたので、
「箱根八里」「天拝山」で決定ということですね。
お題の話しが出たので、ついでに言いますが、
基本的に本人が書いたものを正式題名としています。
また、何もお申し出がない時には私が必ず題名(仮)を
あげているので、それが題名となります。
もし、希望がなくて、さらに複数あがった場合は、作家本人が
決定して下さい。
また五回ごとに感想日を設けていますが
その時点で作家さんから決定のお申し出がない時は私が決定します。
題名関係で御質問があればレスしてくださいね。

しばらくは、このお題を続けます。新人の方、初心者の方、
さらには常連さんの複数投稿、大歓迎です。
かなりレベルの高い常連さんたち揃いなので気後れするかもしれませんが
軽い気持ちで書いてみて下さいね。

404 :重要無名文化財:02/01/23 16:43
AGEておく。おもろいなぁ、ココ。

405 :重要無名文化財:02/01/23 17:37
長文に限られるけど (w

406 :里の筍:02/01/23 21:01
面白路線で少し考えて見ましたが、やっぱり難しいですね。
いくら考えてもどうせ上手くできそうもないし、お酒を飲んで気分も
盛りあがってるうちに(^^)、とりあえずもう一つ。(^^)


A「最近はどこも不景気やね。」
B「ほんまになぁ。」
A「うちの会社もなかなか大変そうやねぇ。」
B「もう潰れるんとちゃうか。」
A「そんな気楽な。潰れたらあんたも明日からご飯は食べれんのやで。」
B「そら困るわ。どうにかならんかいな。」
A「さあ、そこだ。」
B「どこや?」
A「いちいちしょうむないこと聞くな。こんな時代やから今こそわが社の転換点となる時なんや。」(パチパチパチ)
B「転換点て?」
A「インフレーションの時代から出なおして、デフレの時代に立ち向かえというこっちゃ。」
B「はぁー、インフルエンザと痔をなおして、セックスフレンドとつきあえというお触れがでた...」(パチパチパチ)
A「しょうもないことを言うな。誰がお触れなんか出すんじゃ。」
B「ビンラディンさんが。」
A「そなアホな。これからはな、デフレの時代やから梅干の出番やで。」
B「そりゃまたどうして?」
A「考えてみいな。梅干は見てるだけでツバキがでてご飯がすすむ。いつまでたっても
  減らないから無駄がない。これこそデフレの時代にぴったりのおかずや。」
B「なるほど、それはうまいところに目ぇつけたもんや。けど、その梅はどないする?」
A「となりの庭に咲いてるがな。」
B「さよか。でも赤いやつと白いやつが咲いてるなぁ。」
A「あれは紅梅と白梅と言うんじゃ。」(パチパチパチ)
B「ふーん、赤いほうの実は梅干になるとしても、白いほうはどないする?」
A「そんなこともわからんのかいな。」
B「さいな。」
A「赤ペンキ塗って売らんかい。」
B「そんなんで大丈夫かなぁ?」
A「大丈夫、紅梅だけに赤けりゃ購買意欲をそそる。」(ドンドン)


407 :重要無名文化財 :02/01/25 04:14
里の筍さんは多角的に話しがつくれていいなぁ。

408 :湖亭半弗:02/01/26 01:55
今回のお題で噺の筋を思い付いたので、もう一つ書きます。
「インフルエンザ」「転換点」「紅梅」ですね。

相変わりません、ごくごく古いお噺をきいていただきますが。今日は我々の職業で
あるところの、落語家が出てくるお噺で、しかもほんまにおったんやどうか分からん
ような、そんな人物のお噺でございまして。
系図やなんか見てもどこにも載ってないんでっしゃろが、大正・昭和あたりに、
三遊亭円座という人がいてました。ちゅうても、私も見たことおまへんしね、ひょっとしたら、
まぁおそらくは、かなり確実に、まぁ架空の人物であると思いますが。
この人は、元々は上方の人間で、百生師匠やみたいに江戸で上方落語をやってた。
まぁ、何ぞこちらでしくじっておれんようになって、まぁ半分天狗連みたいな形で
江戸までやってきたんやと思いますが、初めはどこの団体にも所属してないさかいに、
寄席では、まぁあげてもらえまへんわな。お座敷ちゅうても名前も売れてないんでお呼び
がない。頼み込むように誰ぞ地味な静かな文句いわんような師匠を見つけてきて、
三遊亭を名乗りこそすれ、そない甘いもんやない。なかなか商売になりまへんわな。
円座「しかし、何やなぁ、こぉ仕事がないと困るな。」
同業前座「おいらは師匠のおかげであげてもらえるが、おめぇなんかはおまんまの
食いっぱぐれだろうな。ははは。」
円座「笑ろてる場合か。何ぞお座敷でもないもんかいなぁ。」
同業前座「おぅ、そういやぁ、上方ものにはいい仕事をまわしちくれるところが
あるらしいぜ。おめぇもアルバイトしたらどうだぃ?」
円座「アルバイトて何や。」
同業前座「あれ、おめぇアルバイトしらねぇの?遅れてやがらぁ、まぁ要するに副業だよ。」
円座「何や、バイトの事かい。」
同業前座「あ、ちゃんと知ってるじゃねぇか。」
円座「まぁ、その口入屋でも行てみよか、ここでくすぶってても師匠に世話かけさすばっかりやし。
少しはこぉバイトでもせんとしょうがないからな。」(パチパチパチ)
前座の話を頼りに行ってみますというと、「上方屋」と染め抜いた大きな暖簾。
円座「上方屋て、そのまんまやがな。こら期待できそうや。えぇ、ごめんを。」


409 :湖亭半弗:02/01/26 01:57
金兵衛「はいはい。」
円座「あの、上方もんにえぇ仕事くれはるちゅう口入屋は、こちらで。」
金兵衛「お?あんた、上方のお方?そらよぉ来てくんなはった、まぁ座布団おあて、
お茶飲んで、ようかん食べて。」
円座「こらまたえらい聞きしに勝る上方びいきな店や。旦さん、あんた上方のお人で。」
金兵衛「昔は泉州堺にいてましたが、江戸へ出てきても何や忘れられんでな。はは、こうして
上方屋ちゅうて名乗っとぉります。」
円座「さよか。色々と事情がおありなんでっしゃろが、まぁほんによろしゅう。」
金兵衛「こちらこそよろしゅうに。・・・あんた、話す商売してやおまへんか。」
円座「分かりますか。」
金兵衛「こうして仕事斡旋業をやっとりますと、だいたいのお人は分かります。
大工してのお人なら、毎日テンカンテンカンやってなはるさかいに腕っぷしで分かりますしな。
物書いてなはる人は筆まめちゅうて、そういう跡が手にあったり、色々おます。」(パチパチパチ)
円座「はぁー、えらいもんでやすなぁ。わたし、実は噺家で、三遊亭円座ちぃまんねん。」
金兵衛「そうでっしゃろなぁ、さすがに講釈師ではないやろと。」
円座「そらまぁそない威厳はおまへんわなぁ。新参者の上方もん、なかなか寄席へは
出れずに難儀してます。」
金兵衛「お気の毒でやしたなぁ。ほんならちょうど、ここにえぇ仕事がおます。」
円座「あ、ほんまでやすか。」
金兵衛「お給金はえぇんでやすがな、ちょっと変わってましてな。それさえ我慢してくだされば
えぇ仕事で。」
円座「いわくつきのえぇ仕事てな聞いた事がないけんど。いきなりとって食われるちゅうのは
かなん。」
金兵衛「いや、そないなもんやないんで。実は、御出家さんの夜伽で。」
これこれこういう訳やと金兵衛が話し始めます。
何でも、元はさる御大家の娘さんでございましたが、好奇心とでもいうのかわがまま
ちゅうのか、この頃には出回ってたヒロポンに手を出します。当時はヒロポンや
モルヒネやちゅうのを噺家でも打ってた時代でやすからそれほど珍しいことやないんで
すが、さすがは御大家。療養もかねて出家させてしもたんですな。
名前も香花院と改めます。中毒治してコカインとは、嘘みたいな
噺でやすが。
さぁ、中毒は抜けたもんの、無理矢理出家した身の上ですさかいに退屈で
しょうがない。昼は色々やることがあるけんども、夜の長いのんは我慢が出来ん。
何ぞ話し相手はおらんかいな、ちゅうわけで円座に白羽の矢が当たった。


410 :湖亭半弗:02/01/26 01:57
円座「まぁ、噺語るんは商売でっさかいにかましまへんねやが、大丈夫でやすな?」
金兵衛「もう中毒は抜けてはるんで、いきなり張り倒されるとか、幻覚が見えるとかは
ないやろし。えらいべっぴんの御出家やそうで。」
円座「そぉか、ほな、まぁ行かせてもらいます。」
金兵衛「引き受けてくださる?願ったりかなったりでやすな。それでは先方へ連絡しときますんで、
使いよこしますんでな、まぁ2・3日のうちには行ってもらえるようにいたしますんで。」
円座「そら、ごていねいに。よろしゅうお頼み申します。」
金兵衛「しかし、円座さん。あんまりべっぴんやからちゅうて骨抜きにされんように。
恋の病はインフルエンザよりよりきついちぃまっせ。」(パチパチパチ)
円座「インフルエンザって何でんねん?」
金兵衛「あら、あんた知りまへんか?よその国から来た流行病でやすがな。」
円座「いや、わし香港A型しか知りまへん。」
金兵衛「あんたの方がよぉ知ってるがな。」
2・3日して、使いがきます。待ってましたと円座、香花院の住む尼寺へ向かいます。
ほんまやったら尼寺やさかいに、男子禁制なんでっしゃろが、香花院の素行が
ちぃとはマシになるんやないかちゅうので許しが出て、奥へ通されます。
出てきた香花院のまたべっぴんな事。出家させとくにはもったいないくらいで。
円座はそれにも増して、ようやく銭がかせげるちゅうので、上方時代にさろぉた
噺や、上方の風俗、出来事、まるでアラビアンナイトの千夜一夜みたいに毎日通います。
香花院の方も上方の噺なんかは珍しいてしゃあないんで、面白がる。笑い転げて
寝てしもぅて、また次の日「円座さんを、円座さんを。」と催促して呼び付ける。
一月ほどはその日払いで高いお給金を払うておりましたが、根がわがままなんが
出てきた。
香花院「よく考えてみれば・・・私の手元には形で残るものは何ひとつないのにね、お金ばっかり出て行っちゃうのよ。
惜しいわねぇ。だいぶ円座さんとは心安くなったことだし、次からはお給料なしできてもらっちゃお。」
勝手に決められた方は災難ですが、そうとは知らんと円座がやってくる。
香花院「円座さん。う私達、ただの間柄じゃありませんから、お金なんて無粋なものは
やりとりするのなしにしましょうよ。ねぇ。」
べっぴんが甘い声を出したら、たいていの若いもんはイチコロなんでしゃろが、円座は
平然としとぉります。
円座「御出家。いくら心安うしてもらっても、わたいは商売で来させてもろぉてます。
お金いただかんことには口開く筋合いはございませんので。」
とポイッといんでしまいよった。
すぐに、円座の家へ金兵衛がやってまいりまして、
金兵衛「聞きましたで、円座さん。御出家が色香で迫っても、金いただかんことには、とか
何とかちゅうて断ったやなんて。いや、仕事紹介した側が言うのはなんやけど、ほとほと感心
してます。恋の病は何とかちゅうたけど、あんたが「院振る円座(インフルエンザ)」でやすなぁ。」
円座「へぇ、せやから、要現金(病原菌)でおます。」

ドンドン


411 :重要無芸文化財:02/01/26 04:50
もひとつ、小咄で。

花鳥風月が患うたという小咄がございまして。
花:鳥さん、どないしはったんで。
鳥:ビタミン不足で、夜、目ぇが見えまへん。
花:風さんは。
風:もちろん、インフルエンザです。<パチパチ>
花:月さんは。
月:激太りで、太りきったとこが転換点で、次は激やせ。その繰り返しです。<パチパチ>
鳥:そういう花さんは。
花:身体中に紅梅みたいな湿疹が出ましてん。<パチパチ>
鳥:そら、ひょっとして
花:ほっといたら、ハナが落ちます
一同、医者に行きますが、
医:人間の病気ならまだしもなぁ。
花:花鳥風月はわからんか。
医:はい、野暮医者です。
<ドンドン>

412 :重要無名文化財 :02/01/26 05:30
すげぇ!!!レベル高すぎ!!!
里の筍・湖亭半弗・重要無芸文化財、三人そろってみな上手い。
あえて一人あげるなら、小咄が綺麗すぎる最後の重要無芸文化財だな。

413 :里の筍:02/01/26 22:02
「重要無芸文化財 」さんの小話、すごいですね。ほとんどプロはだしです。
こんな作品を読むと自分で書きこむのはもうよそうという気になってしまい
ますね。(^^;)

414 :重要無名文化財:02/01/26 23:22
SPで残ってる二世曽呂利新左衛門の小咄を聞いたことあるけど、
まさにそんな雰囲気ですな。

415 :主催者:02/01/27 02:54
傑作選のような勢いですね。感心いたしております。

筍さんの >>406「わが社の転換点(仮)」は御自分でもおっしゃるとおり、
かけあい漫才のようなおもしろ路線で書いておられますね。
勢いで書いたとおっしゃっていますが、ネタの流れもテンポもいいですね。
サゲ前の強引さ(赤ペンキ)が妙に好きです。

半弗さんの >>408-410「香花院(仮)」は、インフルエンザを洒落る為だけに
三遊亭円座という噺家を作り上げた点に感服です。ところで、この円座さんが
上方から江戸へ出てくる必要性はあったのでしょうか?「江戸荒物」の江戸っ子
みたく前座さんや御出家が出てきますが、その辺りに由縁があるのでしょうか。

そして、重要無芸さんの >>411「小咄・花鳥風月の病(仮)」は
皆さんがおっしゃるように落語の面白さが凝縮されたような作品ですね。
端的に、かつ上品にまとまった秀作です。思わず「うまい!」と
叫んでしまいました。

それでは、そろそろ第十二回お題取りといきましょうか。
お題集めは明日の深夜くらいまで続けますので、どしどしご応募下さい。
例によって、一レスにつき一単語でお願いします。


416 :重要無名文化財:02/01/27 16:07
白髪染め

417 :重要無名文化財:02/01/27 17:33
皿洗い

418 :重要無名文化財:02/01/27 18:30
コスメティック

419 :重要無名文化財:02/01/27 18:32
バレンタイン

420 :重要無名文化財:02/01/27 19:39
くじら


421 :重要無名文化財:02/01/27 19:49
構造改革


422 :重要無名文化財 :02/01/28 00:02
雑巾

423 :芸能人の整形前:02/01/28 00:05
アイドル問題画像 ttp://www2.ttcn.ne.jp/~yuyu/mondai.htm
(抜粋)
宇多田ヒカル ttp://www2.ttcn.ne.jp/~yuyu/utada.htm
内田有紀   ttp://www2.ttcn.ne.jp/~yuyu/uchida.htm
加藤あい   ttp://www2.ttcn.ne.jp/~yuyu/katouai2.htm
菅野美穂   ttp://www2.ttcn.ne.jp/~yuyu/kannnomiho001.jpg
倉木麻衣   ttp://www2.ttcn.ne.jp/~yuyu/kuraki.htm
椎名林檎   ttp://www2.ttcn.ne.jp/~yuyu/siina.htm
釈由美子   ttp://www2.ttcn.ne.jp/~yuyu/shaku2.htm
鈴木あみ   ttp://www2.ttcn.ne.jp/~yuyu/suzukiami.htm
鈴木紗里奈  ttp://www2.ttcn.ne.jp/~yuyu/suzukisarina.htm
中谷美紀   ttp://www2.ttcn.ne.jp/~yuyu/nakatani.htm
雛形あきこ  ttp://www2.ttcn.ne.jp/~yuyu/hinagata.htm
浜崎あゆみ  ttp://www2.ttcn.ne.jp/~yuyu/hamasaki.htm
         ttp://www2.ttcn.ne.jp/~yuyu/hamasaki012.jpg
松嶋菜々子  ttp://www2.ttcn.ne.jp/~yuyu/matushima2.htm
モーニング娘。ttp://www2.ttcn.ne.jp/~yuyu/musume.htm
森高千里   ttp://www2.ttcn.ne.jp/~yuyu/moritaka2.htm
優香      ttp://www2.ttcn.ne.jp/~yuyu/yuuka.htm


ブラクラではありません。

424 :重要無名文化財:02/01/28 00:33
↑お題は一レス一単語だってばさ。

425 :重要無名文化財:02/01/28 00:48
オルゴール

426 :重要無名文化財:02/01/28 12:58
ふるまい酒

427 :重要無名文化財:02/01/28 16:04
ゴート札

428 :重要無名文化財:02/01/28 16:27
就活

429 :重要無名文化財:02/01/28 16:46
枯草

430 :重要無名文化財:02/01/28 16:59
ニュース速報

431 :主催者:02/01/29 00:32
お待たせいたしました、それでは第十二回お題の発表です。
「皿洗い」「くじら」「枯草」
の三題です。
「ゴート札」なんて懐かしいお題もみえたり、
「構造改革」「バレンタイン」など今を反映したお題もありましたが、
今回はこれでいきます。

それでは皆様の作品おまちしております。

432 :重要無名文化財:02/01/29 15:06
遅れたけど、円座ばなしいいね。

433 :重要無名文化財:02/01/29 16:06
旦那:さぁ、入っておくれ。新しい奉公人の募集で来た人たちだね。
   えぇと、君は元は何をしていたんだね?
甲:私は皿洗いをしておりました。(ぱちぱち)
旦那:ほう、それはいいね、うちでも皿を洗ってもらおう。で、なぜ前の職場をやめたの?
   いや、それを聞いておかないとね、こちらも同じことでやめてもらっちゃあ、
   馬鹿らしいから。どうして?
甲:皿以外洗えないので。
旦那:そりゃいけないね。どんぶりだって食器だって洗ってもらわないと。
   えぇと、君は何をしてしてた。
乙:くじら捕りです。(ぱちぱち)
旦那:そりゃあ威勢がいいな。で、何でやめたの?
乙:塩が嫌いで。
旦那:やなくじら捕りだね。それじゃあ商売にならない。
   えぇと、最後は君だ。君は何してた?
丙:枯草を束ねて売ってました。
旦那:ほぉ、農場か何かだね。そりゃあたのもしい。君は・・・見たところ
   真面目そうだし一生懸命仕事しそうじゃないか。どうしてやめた?
丙:へぇ、仕事に燃えすぎて。
どんどん

434 :里の筍:02/01/29 19:38
「シシ酒」

熊五郎「おめえシシの肉を食ったことがあるかい?猟師はヤマクジラともいうんだそうだが。」(パチパチパチ)
八兵衛「ないけどありゃあうまいもんらしいね。おまけにいくら熱くても舌を火傷することがないそうだ。」
熊「この間旅に出たら秩父の山奥でばったりシシに会ったと思いねぇ。」
八「驚いたろうね。」
熊「そりゃ肝をつぶすほど驚いたが、向こうだって驚いた。」
八「でどうしたい。」
熊「よっぽど気の弱いシシだったと見えてバッタリ気絶しやがった。」
八「おめえが熊だから死んだふりをしたのかねぇ。」
熊「これ幸いと、回りにあった藤蔓で縛りあげた。」
八「うん、うん。」
熊「あたりを見まわすと小さな小屋があったからそこへ運びこんだんだ。」
八「ほう、ほう。」
熊「シシが目を覚まさないうちにさばいてしまおうと思ったんだが、メスのシシだったとみえて
子供が16匹も出てきた。」
八「シシ16かい?つまんない洒落なんか言うんじゃないよ。」
熊「焼いて食おうと思ったんだがあいにくと炭も薪もない。」
八「それで。」
熊「小屋の外に枯草がいっぱいはえてたからこれを取ってきて薪のかわりにしたね。」(パチパチパチ)
八「そりゃうまいことやりゃあがったな。ところで一人じゃ食いきれなかっただろう。」
熊「なにせでかいシシだったからなぁ。」
八「そこにある包みはなんだい。ひょっとしたらシシの肉の残りかい?」
熊「だったらどうする。」
八「なんだい。それを早く言いなよ。さっきからお腹がグウグウなってらぁ。」
熊「そりゃ相談に乗らないこともないが、ちょっとは手伝ってもらわなきゃあなぁ。」
八「いいとも、皿洗いでもなんでもやるよ。」(パチパチパチ)
熊「そんなこっちゃねぇ。酒がねぇんだ。」
八「なんだ、そんなことかい。ちょうどここに晩酌に用意しておいたやつがあるが
これでどうだい?」
熊「そりゃあ豪儀だ。さっそく湯のみにつぎねぇ。」
八「あいよ。」
熊「キュー、っと腹を下ってって腹ワタをもむね。もう一杯。」
八「そうかい。じゃあ。」
熊「うん、うめえ。いい酒だ。もう一杯。」
八「おめえは酒ばっかし飲んでるがシシの肉はどうなったんだい。」
熊「まあそうあわてるなよ。ちょっとそのトックリをこちらにかしな。」
八「あれ、この野郎。ほとんど一人で飲んじまいやがった。」
熊「ごちそうさま。それじゃ。」
八「おい、おい!肉はどうした。」
熊「ああ、あれか。シシの子供がかわいそうだから逃がしてやった。」(ドンドン)



435 :ゆめもすけ:02/01/30 16:34
あけましておめでとうございます。
今年もくだらなさ代表で頑張ります。

「皿洗い」「くじら」「枯草」で。


拓也:「徳さん、あけましておめでとうございます。正月競馬どーでしたか。」
徳さん:「お、おう・・・」
拓也:「何、泣いてるんですか。ははぁ・・・さては、大負けでもしたんですか?」
徳さん:「いやな、お前には聞こえないのか?この名曲が。」
拓也:「あっ、これは徳さんの18番・・・。サライですね。」
徳さん:「そうだ。俺はこの歌を聞くと自然に涙が出る様になってるんだ。」
拓也:「歌っていいですか?僕、歌手の夢はあきらめませんよ、絶対に。」

拓也:「♪桜〜吹雪の〜皿洗い〜の空は〜」(パチパチパチ)
徳さん:「やめてくれ、拓也。耳がおかしくなりそうだ。」
拓也:「そんな、目くじら立てて怒らなくてもいいじゃないですか、徳さん。」(パチパチパチ)
徳さん:「やっぱりお前の歌は、だめだな。」
拓也:「どーしてですか、うまいじゃないですか。僕。」
徳さん:「だめだ・・・。お前の歌を聴いていると、涙も枯草。」(パチパチパチ)
拓也:「『枯れるさ』でしょ、なんで正月からくだらない事を言ってるんですか。」

徳さん:「そんなことより、黙って聞いていろ。お前も泣けるぞ。」
拓也:「それにしても長い歌ですね。サライって・・・。」
徳さん:「・・・・。」
拓也:「サビが終わりそうですね、徳さん。僕、涙出ませんでしたよ。」
徳さん:「・・・・・。」
拓也:「徳さん?」

ピ〜ンポ〜ン

徳さん:「拓也、今何時だ?」
拓也:「え〜っと、待ってくださいよ。PM9時10分前くらいですけど・・・。」
徳さん:「・・・。まあまあだな。」
拓也:「誰かきましたよ、円漠さんですか?」

徳さん:「いや、違う・・・。サライも終盤のサビ。丁度いい頃合いだ。さすがだ。」
拓也:「言ってる意味がわからないんですけど・・・誰が来るんですか?」

徳さん:「・・・。研ナオコだ。」

どんどん

436 :重要無芸文化財:02/01/30 21:20
 「皿洗い」「くじら」「枯草」で、今回はちょい長いめの話に挑戦してみました。


 昔はどこの町内にも稽古やというのがございまして、若いもんが通うてたそうですな。
言うても、芸事のひとつも身につけよか、と通うてる連中さんばかりではございません。
あのお師匠さんはちょとええ女やで、あわよくば、というあわよか連というええかげん
なんもおったそうで。
 お師匠さんの方はといいますと、こっちもええかげんなもんで、浄瑠璃から地歌、三味線。
江戸長唄に端唄、小唄。踊りに花活け、落語に欠伸まで、稽古事なら何でも稽古しよかという、
お師匠さんもいたそうです。こういうのを五目のおっ匠はんと言うたそうで、まあ、五目飯や
五目焼きそばと同じように言われております。

喜六:おっ匠はん、お願いします。
師匠:喜六さんは、唄の稽古でしたな。
喜六:へい。ちょっっと粋な唄のひとつも、と思いまして。
師匠:似合わんことを。ほな、どんな唄にしまひょなぁ。
喜六:へへへ、ちゃんと文句は用意してます。
師匠:お作りになったんで。
喜六:友達の源やんに唄の稽古行く言うたら、わいが作ったるゆうて、書いてくれましてん。
師匠:どんな唄やろ。まあ、読んでみなはれ。
喜六:い・た・だ・け。か・れ・く・さ。お・す・も・う・いない。<パチ?パチ?>
師匠:頂け、枯草、お相撲いない。て、何だすねん。その判じもんみたいな文句は。<パチパチ>
喜六:そやかて、そう書いておまんね。
師匠:ちょと、見せてみなはれ。
   ええと、あんた、仮名だけ読んで、どないしますのん。
喜六:へぇ。
師匠:本字も読みなはれ。「いただけ」やのうて「撒いた餌だけ」です。
喜六:この模様も読まなあきまへんか。
師匠:模様やない。字ですがな。
喜六:そら、知らなんだ。


437 :重要無芸文化財:02/01/30 21:21
師匠:その次は「かれ」やのうて「突かれ」ですわ。次は「く」やて読みなはったな。
喜六:「突かれ・く」でっか。
師匠:「く」やおません。縦に長ぅなってまっしゃろ。
喜六:突かれ・くぅー
師匠:くーやのうて、これは、繰り返すという印です。
   そやから、「撒いた餌だけ、突かれ、突かれ」ですわ。ほんで「さお出す時分、もういない」
   て、こんな嫌らしい文句、嫌だす。
喜六:嫌らしいて、源やんは釣りの唄や言うてましたけど。
清八:まぁまぁ、おっ匠はん。こいつ、悪気はおまへんね。源やんになぶられてるだけですね。
喜六:五目だけに、さおに引っかかるか。
師匠:何ですて。
清八:お前は、もう黙ってぃ。
   お次、お願いします。
師匠:清八さんは浄瑠璃でしたな。何をなさいます。
清八:何でもよろしぃわ
師匠:何でもええて、ええ加減な。
清八:いえいえ。どれも、これも、皆したい。
師匠:そやけど、何ぞ決めていただかんことには。
清八:あ。ちょうど、懐に賽がおました。これ振って決めまひょか
師匠:サイて何です。
清八:賽、知ってやおまへんか。
喜六:「うちのサイがねぇ」「君とこサイがおるんか」のサイちゃうで
清八:お前は、黙ってぃ。これでおます。
師匠:ああ、サイコロですか。
清八:これをサイいいますね。
師匠:コロはどこに。
喜六:くじら獲ったらあかんことになってから、消えた。<パチパチ>
清八:いらんこと言いな。
   これ、振って出た目の洒落で、何するか決めましょ。


438 :重要無芸文化財:02/01/30 21:24
喜六:そら面白い。洒落たぁる。
清八:そら面白いて、わかってんのかいな。
喜六:こういうこっちゃろ。丁が出たら、長右衛門で「帯屋」の稽古すんね。
清八:半やったら
喜六:信濃屋のお半で「帯屋」。
清八:一緒じゃ。「帯屋」は、そやな。一六の半で、七が出たらしましょか。
   六角堂で言うたやろ、お半の色は誰やいなな。
師匠:なるほど。ほな、二と五の七やったら、どうです。
清八:二と五か、グニの半か、そやなぁ。
師匠:グニは阿波の徳島、泣き泣き別れで、阿波の鳴門はどないだす。
清八:なるほど、おっ匠はんも乗らはりまんな。
喜六:三と五の七やったら
清八:あほ、三と五やったら八じゃ。
師匠:七やったら、三と四もおますわなぁ。
清八:三勝と死んだ半七さんで、酒屋はどないだす。
   さ、そうと決まったら、サイ振りまっせ。
喜六:壷の代わりの湯呑みおまへんか。
師匠:さっき、皿洗いした時に洗うて、まだ乾いてへんかも知れまへん。<パチパチ>
清八:別に要りまへんて。こうやって、転がしたらよろしいね。
   あ、四ゾロの丁や。
師匠:四と四やったらシシとはいかがです。
喜六:池田の猪買い、するか。
清八:落語やない、シシ言うたら山崎街道や。
師匠:はい。ここに本がおます。
清八:えーっと、ほな「逸散に来る手負ひ猪、これはならぬと身をよぎる、駆け来る猪は一文字、
   木の根岩角踏み立て蹴立て、只一まくりに飛び行けば」ちゅう、ここんとこだけお願いします。
師匠:なんぼシシが出たからでも、猪のとこだけ稽古して、どないしまんの。
清八:へえ、事情がおまして。
師匠:怪体な。まあ、稽古したい言わはんのやったら、しまっけど。

ほな、次から稽古をお願いしますと、二人は帰ります。

喜六:なあ、清やん。
清八:何や
喜六:猪のとこだけて稽古するちゅう事情て、何やねん。
清八:相手は五目のおっ匠はんや。シシが出来たら、こっちのもんや。


439 :重要無芸文化財:02/01/30 21:26
<ドンドン>

・・・・忘れてた。


440 :主催者:02/01/30 23:35
早速の皆さんの書き込みありがとうございます。
常連さんから新人さんまで幅広い作品が出そろいました。

匿名さんの >>433「求人の前職(仮)」は短編ながら味のある作品です。
お題に促した職業を挙げていただきましたが、基本の基本のボケで
さらっと流すあたり上手いですね。

筍さんの>>434 「シシ酒」は掛け合いの妙がたまらないですね。
「鉄砲勇助」のくすぐりもふまえて、最後は「馬の尾」みたくストンと落ちる
あたり、筆致が豊かです。だまされた八っあんが何ともコミカルですね。

ゆめさんの >>435「徳さん、サライを聴く(仮)」は、今年もさく裂した
馬鹿っぷりが見事です。徳さんのキャラが生き生きする題材で、
お題の使い方もゆめさんらしい見事な使い方。涙も枯れ草に、一瞬間を
おいて吹き出してしまいました。

重要無芸さんの>>436-439「五目の師匠(仮)」は、これはまた
すごく面白いです。噺自体に深みがあるのは、落語周辺の芸事にも
お詳しいからなんでしょうね。唄の文句で「かれくさ」を使いながら
洒落た内容になっている点など見事です。・・・本職さんですか?

まだまだ募集しています。多数の投稿お待ちしています。

441 :重要無芸文化財:02/01/31 00:20
 過分のお言葉を頂戴してるんですが、私は歌舞伎・文楽が好きで、この板に来ていて、
それで、このスレを覗いてみて、パズルみたいで面白そうと思って、参加したわけで。
 ですから、落語を聞いたりもしますが、自分で演ろうとしたことや作ったことはなく、
落語として変なとこもあると思いますが、読み手が落語に詳しい分、そこを補って読んで
いただいてるのかなと思ってます。

 で、おだてられたもんで、小咄をひとつ。

だいどこの洗いもんと言いますと、昔は藁や枯草なんかも使うたそうですが、<パチパチ>
後には、たわしやへちまを使うようになります。
男:おぅ、もう仕事は終わったんか。
女:まだ、皿洗いが残ってますけど。<パチパチ>
男:よっしゃ、手伝うたろ。そやし、後から、な、ええやろ。
女:わぁ、いややわぁ。
と言いながらも、なるようになってしまいます。
女:なあ、早く、じらしたら嫌やしぃ。<パチパチ>
男:慌てんでええ。ホンマにお前は慌てもんや、たわしは置いて来んかい。
女:そう言うあんたも、へちま、持ってきてる。
<ドンドン>


442 :柳ヤコ:02/02/01 00:07
今回はちょっと芸風を変えて、地噺に挑戦!・・・どうかな?

『大江戸力士伝』   (皿洗い・くじら・枯草)

「一年を二十日で暮らすいい男」と言われた相撲取り。昔は一場所が十日間、
それが年に二場所だったんだそうですな。これはその頃のお話でございます。
ここは両国、相撲部屋がたくさんある中でも名門と言われた横浪部屋に
一人の男がやってまいりました。

男 「おたの申します」
親方「うむ?誰だ」
男 「お願いでございます、相撲取りになりたくてやってまいりました」

見ると大きな体の若者が立っております。背は六尺はありましょうか、その頃と
してはたいへん大きな部類に入ります。ただ筋肉質ではありますが横幅はあまり
ありません。目を引くのは色の黒さで、裏表がわからないくらいまっ黒です。

親方「なぜ相撲取りになりたい」
男 「はぁ、道具屋やらかぼちゃ屋やら、いろいろな仕事をやりましたがどれも
   長続きしませんで、料理屋で働きましたが生まれついての大喰らい、
   皿洗いの合間につまみ喰いをしてクビになりやした(パチパチパチ)。
   相撲取りになれば腹いっぱいメシが喰えると思いやして」
親方「名前はなんという」
男 「小林盛夫といいます」
親方「今までに相撲はやってなかったのか」
男 「はぁ、剣道を少し」
親方「ふむ。ちょっと後ろを向いてみろ」
相撲取りがモノになるかどうかは、体の大きさだけではわからないそうですな。
相撲の親方がスカウトする時は、足腰、特にお尻の筋肉が強いかどうかを見る
んだそうでございます。

443 :重要無名文化財:02/02/01 00:12
親方「ほほう、いい筋肉をしている。鍛えればモノになるかもしれん。まぁ辛抱
   してみろ」
男 「ありがとうございます」

さぁこれからこの若者が稽古に励みます。ところが相撲部屋の食事というのは
番付が上の者から食べますから、下っぱはロクなおかずが残っておりません。
ですからなかなか太らない、肉がないので稽古をしても土俵に叩き付けられると
痛くてしょうがない。そこで朝稽古が終わると仲間を誘って原っぱに行きまして、
枯れ草を敷き詰めた上で受け身の稽古をしておりました。(パチパチパチ)
この稽古熱心が実を結び、序の口、序二段、三段目とトントン拍子に出世して
いきます。そうなるとチャンコも腹いっぱい食べられるようになる、
鯨飲馬食とはよく言ったものでとにかく食べて飲む、そしてまた稽古をする。
体のほうもどんどん大きくなり、幕下を無敗で通過して、あっという間に十両
昇進が決まります。

親方「おい、十両だ、関取だぞ。よく辛抱したな。それで四股名なんだがな、
   いつまでも本名の小林ってワケにもいかん。色が黒くて大喰らいなところ
   から、鯨浪というのはどうだ」(パチパチパチ)
鯨浪「ありがとうございます」

十両も負け知らずの強さでわずか2場所で幕内入り。この鯨浪の取り口はと
言いますと、巨体を利しての突き押し一辺倒でございます。最近の曙や千代
大海のようなものですな。只今と違いまして、相撲取りといっても大きな体の
人が少ない時代ですから、バンバーンと突いただけで面白いように吹っ飛んで
行きます。とにかく真っ正面から突きまくるので、「まっこう鯨」というあだ名
まで付きました。小結、関脇までは順調に出世をいたしましたが、ところが
大関を目前にしてパタリと勝てなくなりました。

444 :重要無名文化財:02/02/01 00:12
杢兵衛「おい鯨浪、どうした」
鯨浪 「あ、神田のおじさん。お久しぶりです」
杢兵衛「最近調子がよくなさそうだな。どうしてだかわかるか」
鯨浪 「さっぱりわかりません」
杢兵衛「それはな、お前が押してばかりだからだ。道具屋だってそうだろ、
    押しまくるだけじゃ買ってくれない、駆け引きが要るんだよ。お前も
    そうだ。四つ相撲も覚えなければ勝てんぞ。それからな、土俵は丸く
    使うんだ。皿洗いを思い出してみろ、まっすぐ押すだけじゃダメだろ、
    丸く丸く動かさないといけねぇ」
鯨浪 「あ、そうか。ありがとう、おじさん」

人間の素直な鯨浪、その日から稽古場に入りびたりで四つ相撲の稽古に励みます。
何日も稽古場から出てこないので、まわりは「鯨だけにカンヅメになった」と
もっぱらの噂でございます。
年が明けて初場所、鯨浪は初日から破竹の7連勝。八日目には二人の大関のうち、
千鳥ヶ浜との対戦です。立合いから強烈な突き押し、しかし千鳥ヶ浜もうまく
いなして鯨浪の懐に潜り込み、両まわしをつかみます。両者がっぷり四つになり、
この体勢になれば千鳥ヶ浜の勝ちは動かないと誰もが思ったその瞬間、鯨浪が
左をグッと引き付けて右からの上手投げ。千鳥ヶ浜は土俵中央で裏返しになります。
さぁ見物人が驚いた、「ウォーッ」と歓声が上がります。
九日目、相手はもう一人の大関、花筏。鯨浪がいつものように突いてくるかと
思ったら、なんと右からサッとまわしを取りに来た。花筏は驚きましたが、
そこは百戦錬磨の大関でございます。すかさず前ミツを取って寄りたてると
鯨浪は土俵際へ。万事休すかと思われましたが、土俵伝いに左へ左へと回り込み、
体を開いての引き落としに花筏、こらえきれずにバッタリと両手をついた。
場内割れんばかりの大歓声、座布団が花吹雪のように飛び交います。千秋楽を
待たずして、鯨浪の優勝が決まりました。

杢兵衛「鯨浪、よかった、よかったな」
鯨浪 「おじさん、ありがとう。おじさんのおかげだよ」
杢兵衛「いやぁ、いいクジラになったなぁ」
鯨浪 「そうかい?」
杢兵衛「うん、差し身もうまい」

ドンドン

445 :重要無名文化財:02/02/01 00:18
なんかスムーズに書き込みできなくて、2レス目と3レス目のハンドルが
重要無名文化財になってしまいました。失礼。
ところで、重要「無芸」文化財さんの稽古屋の噺、いいですねぇ。
「突かれ・くぅー」の所が好きです。

446 : :02/02/01 03:18
楽しい噺だなあ。色んな相撲取りが出てきてパロディ色が強いのが
この作家さんの持ち味だね。


447 :重要無名文化財:02/02/01 04:33
 

448 :重要無名文化財:02/02/02 01:09
上げます。

449 :重要無名文化財:02/02/02 02:01
貰います。


450 :湖亭半弗:02/02/02 03:00
「皿洗い」「くじら」「枯草」ですか・・・。
今回は本当に難しいですね。サゲが浮かばないんですよ。
皆さん今回は早々と力作を出しててすごいですねぇ。
難しいなりに頑張ってみます。

えぇ、毎度古いお噺をさせてもろぉてますが、今日のお噺は古いんやら
新しいんやら分からん御噺でございます。
子供の時分には大人には見えんもんが見えるちゅうんですが、あれも面白い
もんで。
少年A「僕、幽霊見たで。」
少年B「僕は、UFO見たで。」
少年C「僕は・・・アキラの兄貴見たで。」
少年A「あぁ、夜中起きてて昼寝てる人。そら珍しい!」
何が価値のあるのんか分からんですが。田舎やら山奥やら、あんまりよぉ人の
近付かんとこに、そういうおるんかおらんのか分からんのが集まってくる。
ある、山奥の川の源流に近いところにそういうのの溜まり場がございまして、
ツチノコ「おぉ、やっぱりいてるな。」
河童「・・・おぉお、久し振りやなぁ、ツチノコやないかい。元気してたか?」
ツチノコ「元気にしてたらこんなとこへきやぁせんがな。前いたとこ、
おれんようになって出てきたんや。」
河童「おれんようになったて、またブームの再来か?」
ツチノコ「人間ちゅうのは何であぁいう噂とか情報に惑わされるかなぁ。
近くに住んでた蛇がカエル飲んでるとこへちょうど出くわしよったんやなぁ。
次の日からバラバラヘリコプターは飛ぶわ、虫取りの網もった迷彩服の集団とか
カメラ小僧やらがそこら近所踏み荒らすわで、また難儀な話や。」
河童「そら災難やったな。せやけど、ツチノコ。お前逃げ足は速いさかい、
誰にも見つからんと逃げおおせたんやろ?また草むらなり土手なりで潜んでたら
ええがな。」
ツチノコ「お前は潜れるからえぇで。火の恐怖ちゅうのを知らんやろ。」
河童「何じゃ、そら?」
ツチノコ「この時期、わしらが好む田舎の土手やら草むらは『土手焼き』やとか
野焼きちゅうのをやるねや。枯れ草全部焼いて新しい芽をふかそうちゅうねやな。」(パチパチパチ)
河童「えらい人間はえげつないことするねやなあ。あぁ、それで下流まで行くと
土手がこげてたりするのんかい?」
ツチノコ「おかげで、ようやく人目のつかんとこで昼寝が出来ると思たら、
いぶしだされてしもた。まだ目が痛い。」
河童「お前のどこに目があるねん。まぁ、川の水で目でもなんでも洗うていけ。」
ツチノコ「それにしても、お前、わしが来る度にこの辺りにいてるな。いつも
ここで何してるねん?」
河童「いや、皿洗うてるねん。」
ツチノコ「何や、皿洗いかいな。(パチパチパチ)道理で最前からじゃぶじゃぶ
やってる思うたわ。せやけど、何でこんな山奥の川まで来てわざわざ洗う?」
河童「さぁ、よぉ聞いてくれた。これは涙なしでは語れん物語。」
ツチノコ「何じゃい、大袈裟な。」
河童「まぁ聞け。昔はわしも下流の方で洗うてたんや。ところがやなぁ、また
こっちも人間や。人が洗いよる側で油や生ゴミ流すわ、缶カン捨てるわ、ションベンは
するわ、そらもうめちゃくちゃや。」
ツチノコ「マナーが悪い奴らやな。」
河童「しまいには洗剤の水が流れてくる。まぁ、これは皿洗いに使えるねやが。」
ツチノコ「人の使いさしで洗いなさんな、お前。そんなん、なんぼ洗えるちゅうても
川は汚れるやろ。」
河童「そうよ、匂いはし出すしな、とてもここでは洗えんちゅうて、この山奥まで洗いに
くるねや。」
ツチノコ「そうかぁ。お前も苦労してるねやな。」


451 :湖亭半弗:02/02/02 03:01
座敷わらし「あの・・・私の話もきいて。」
ツチノコ「おぉ、座敷わらしやないか、何じゃお前も何か居所のぅてここへ
来たか?」
座敷わらし「まぁ、兄さん方聞いておくれ。私らちゅうもんは座敷に出るさかい
座敷わらしでんねん。せやけど、最近一戸建てなんかめったに人間住んでないの。」
河童「はぁはぁ、どことも皆マンションや。座敷なんかあれへんわな。」
座敷わらし「さすがに1LDKわらしちゅう訳にもいきまへん。」
ツチノコ「何やバンドの名前みたいになってるがな。確かに格好つかんわな。」
座敷わらし「ちょっと前まで住んでた家には、年寄り夫婦が住んでたんで、まだ
座敷の一つはおましたんやが。息子夫婦が3日おきくらいにやってきては、土地売って
マンションにせぇちゅうて、結局夫婦は老人ホーム。息子夫婦がマンションにして
しまいよりました。」
河童「かわいそうになぁ。んで、ここまで戻ってきたんか。まぁ、わしの川ちゅう
訳でもないがゆっくりしていき。」
天狗「わしの、話も、聞いてくれぬか、ふふーん。」
ツチノコ「あら、あんた天狗さん。えらい鼻で息してどないしはったんです?」
天狗「わしなどは、この間アメリカ村へ行ってまいったのじゃがな。」
河童「あら、えらいハイカラな。若者がよぉけいてましたやろ。」
天狗「そこで、か弱き少年を大勢のデーキュウエヌがとり囲み、金銭をまきあげおってな。」
ツチノコ「でえきゅうえぬ、て何でんねん?」
天狗「何やら知らぬが、不良の類をそう呼ぶらしい。」
ツチノコ「へぇ、ほんで?」
天狗「これやめぬか、何をしておる、わしが誰か存知おろう!と割って入ったが、
あろうことか『ピノキオ』とぬかしおった!わしはもう町へは行けぬ・・・。」
河童「はぁ、よっぽどショックでしたんやなぁ。」
人魚「それなら、私も。」
河童「わ、びっくりした。あんた人魚さん?あんた海のお人でっしゃろ?」
人魚「それがそうもいきまへんの。私の住んでた浜にまた鯨が打ち揚げられて。」(パチパチパチ)
ツチノコ「あぁあぁ、よぉおますなぁ、みてても痛ましい。でも、それがどないしたんで?」
人魚「海に葬ると人間は決めたらしんですけどな、鯨の肉はまたうまいもんや、ちゅうて
チェーンソー持った住人が大勢現れて。」
河童「今、人間も不況ですさかいになぁ、色々やるんですなぁ。」
人魚「それを知って、グリーンピースとかいう人等が巡視艇を廻し出して
大騒ぎ。とてもやないけど、静かな海でないと生きられん。しゃあないので
水のあるとこたどってここまできました。」
ツチノコ「はぁー、どことも悩み抱えてますねんなぁ。」
河童「ほんまやなぁ・・・、ん?おい、ツチノコ。あれ、ひょっとして
人間やないかい?」
ツチノコ「どれぇ?おっ、ほんに人間や。おい!人間何しにきた!」
人間「い、いや、わし、道に迷うて。」
河童「今、わしら人間に対して気がたってるねや。早いとこ立ち去れ!」
座敷わらし「憎たらしい人間!」
天狗「わしは『天狗』じゃ!」
人魚「静かな海を返して!」
人間「わし何にもしてへんがな。よぉそんなけ罵詈雑言を。」
ツチノコ「ほぉお、言うたがどうする?」
人間「えぇわい。どうせお前等そこにおれるんも、わしの信心次第やわい。」

どんどん




452 :449:02/02/02 03:27
1分、早かった。



453 :重要無名文化財 :02/02/03 01:30
今回の湖亭半弗さんの話はよく読むとちょっと奥が深い。
サゲも、空想の生物に迷惑をかけている人間が言える最後の捨てぜりふみたいで
うーん、この人すげぇ。

454 :重要無名文化財:02/02/03 14:36
↑確かに。人魚の「静かな海を返して!」に和露他よ。

455 :主催者:02/02/06 00:36
たくさんの作品が出そろいました。
今回も常連さんの活躍が目覚しいですね。

まず、重要無芸さんの>>441「小咄・へちまだわし(仮)」は
粋なつくりのお噺で、艶笑の妙が何ともいえませんね。御本人が
おっしゃるっていましたが、伝統芸能に詳しい方の作品は
やはり落語作品自体にも締まったところがあって、完成度の高いものになっていますね。

そして、ヤコさんの>>442-444「大江戸力士伝」は地噺に挑戦ということで、
鯨浪の圧倒的な勝ちぶりや落語の常連力士の登場や、小林盛夫の名前で剣道
やっていたり、落語ファンならくすぐられてしまう要素がいっぱいです。
ストーリーも読み応えがありますし、やはり作者が楽しんで書いておられる
んだろうなと読み手にも分かる作品は好作品だと思います。

さらに、半弗さんの>>450-451「もののけ川(仮)」は面白い内容と
人間に対する問いかけもあって、読み応えある作品ですね。
天狗のコミカルさや人魚の時事性、ツチノコの情報社会への問いかけ、
そして河童の環境汚染。どれも軽いタッチで触れられていますが、
なかなかの問題作といえそうです。皆さんの評価もうなずけます。

さて、それでは第十三回お題取りです。
いつものように、お題は一レスにつき一単語でお願いします。
お題もそうですが、感想や要望(こんな作品に仕上げて!など)もありましたら
随時書き込みをお願いします。

456 :重要無名文化財:02/02/06 03:23
コンビニ

457 :重要無名文化財:02/02/06 15:20
チョコ

458 :重要無名文化財:02/02/06 16:33
大宰府

459 :重要無名文化財:02/02/06 16:37
マッシュルーム

460 :重要無名文化財:02/02/06 16:49
片思い

461 :重要無名文化財:02/02/06 16:51


462 :重要無名文化財:02/02/06 19:14
悪ふざけ

463 :重要無名文化財:02/02/06 19:47
通帳

464 :重要無名文化財:02/02/06 21:04
乱れ髪

465 :重要無名文化財:02/02/06 23:18
矢切の渡し


466 :重要無名文化財:02/02/06 23:26


467 :重要無名文化財:02/02/07 01:30
マツモトキヨシ


468 :重要無名文化財:02/02/07 01:34
三味線

469 :重要無名文化財:02/02/07 03:01
オリンピック

470 :主催者:02/02/07 03:02
バラエティ豊かなお題が出揃いましたね。
今回はどれも面白そうで本当に迷いました。
それでは、第十三回お題の発表です。
「チョコ」「狼」「通帳」
の三題です。
「悪ふざけ」「鶯」も候補でしたが、今回はこれです。
「片思い」は以前のお題に「妹思い」が出ていましたので
今回はパスしました。
比較的短いお題を選んだのでひねって使いやすいと思いますが、
どんなストーリーが出来上がるのでしょうね。

たくさんの作品お待ちしています。

471 :重要無芸文化財:02/02/08 20:32
「チョコ」「狼」「通帳」

甚:又はんやないか。えらい勇ましい格好して、どないしたんや。
又:これは、甚兵衛さん。へぃ。実は、狐、捕まえに行きまんね。
甚:狐、捕まえる。そら、どういうこっちゃね。
又:へい。壇さんとこの寮の裏山に狐が住み着いてるとかで、そいつを捕まえるんに人手が要る。
  ちゅうことで、手伝いに行くことになって、用意してきましてん。
甚:ほぉ。狐いうても、悪さをする狐ばっかりやないやろに。
又:へぇ。ええ狐ちゅうんもおるんですか。
甚:そやな。芝居に出てくる源九郎狐というのは、ええ狐やな。
又:源九郎ちゅうと、義経公。判官さんでっか。
甚:そや。義経と書いて「ギツネ」て読めるやろ。
  それで、源九郎ヨシツネならぬ源九郎ギツネという話が出来たんやな。
又:ええ狐て、何した狐でっか。
甚:静御前をお護りしたんやな。それで義経公から「源九郎」の名前と鎧を頂戴したんや。
  それだけやない。初音の鼓という宝物を静御前から貰うたんや。
又:鼓でっか。今でも、おるやろか。その狐。
甚:芝居のこっちゃ。ホンマか嘘かは知らんけど、化けるほどの狐や、今、いても不思議はないな。
  まあ。狐は、お稲荷さんのお使いとも言うから、あんまり酷いことはせんようにな。
  それに、魔性の獣とも言うよって、気ぃつけなはれや。
又:おおきに。ほな行ってきまっさ。

と狐狩りの手伝いに行きますが、大阪から来た人や、山に馴れてないやろからと、裏山から逃げ出した
狐を捕まえる係りをやっとくなはれ、と山の下で見張り番をすることとなります。

又:ふぅー寒ぶぅ。身体を暖めたらえぇ、言うて酒は置いてくれてるけどなぁ。とと。
  こんな猪口では間に合わんなぁ。<パチパチ>
  言うて、とっくりぐち飲んだら、のうなったわ。
  お、誰ぞ来たで。えらい小さいやっちゃ。
狸:お役目、ご苦労様です。
又:うわ。何や、お前、タヌキやないかい。
狸:へぃ。親方の今回のお役目は狐の捕縛やそうで、そんで安心して、皆で出てきました。
又:皆で出てきたて、あ、他にもおるがな。タヌキが揃って、何やってんね。
狸:はい、皆で、トックリ持って酒を買いに行くところで。
又:確かに。へぇー、笠被って、トックリ持って。信楽焼のタヌキと一緒や。
狸:それでは、通ります。


472 :重要無芸文化財:02/02/08 20:33
又:ちょと待て。
狸:へ。何か。
又:お前ら、狐がタヌキに化けてるちゅうこたぁ、ないやろなぁ。
狸:そんなことおまへんて。やっぱ、ライバルには化けまへん。
又:ラ・・・イバルて、威張るな。
狸:自然界はサバイバル。
又:訳のわからんこと言うてんでええ。酒、買いにて、葉っぱで買うんか。
狸:そんな、酒が買えるような値打ちの葉っぱ持ってたら、前脚が後ろに回りますがな。
  ここに通い帳、持ってます。
又:通帳と書いたある。<パチパチ>
狸:銀行。行くんと違います。通い帳と読みますね。
又:ああ。信楽焼のタヌキかてそんなん持ってたなぁ。通い帳て、ホンマもんかいな。確かめたろ。
  ・・・・その通い「されば、願はくは、聴聞のいたしたし」
狸:「ハヽア仰せに従ひ、ただいま読上げもうすべし。それつらつら思んみれば、大恩教主の秋の月」
又:そんな通い帳、あるんかいな。
狸:大恩教という酒に、秋の月という銘柄がおまんね。
又:な。あほな。
狸:純米大吟醸2升が1月10日。
又:えらい、ええ酒、飲んでんなぁ。
狸:20日にムラサメ1升、23日にノキサメ1升。
又:急に落ちる。
狸:給料日前で。
又:ホンマもんのタヌキかいなぁ。尻尾を出さんかな。
狸:尻尾は出してますけど。
又:そらまぁ、そや。・・・・よし、タヌキのこと、たんねたろ。
  「わがタヌキの委細を知らず、いまわが尋ぬる趣を、一々お答へ下されうや」
狸:「ホヽ、いしくも問はれし関主殿。愚タヌキが心得居るかどは、残らずお答へもうすべし」
又:「ホヽ、早速の御承知、過分に存ずる。さらばお尋ねもうすべし」
狸:「しからばお答へ仕らん」


473 :重要無芸文化財:02/02/08 20:34
又:タヌキの姿にありながら、頭に頂く菅笠はいかに。
狸:おお、即ち菅笠は、武士の兜に等しく、思わざる悪事災難避けるため用心常に身をまもり、
  これを頂く。
又:シテ、トックリの因縁は。
狸:徳利は、徳と利と書き、恵まれし飲食のみにこと足り、徳をひそかに我の利とせん。
又:丸き目は。
狸:何事も前後左右に気を配り、正しく見つむることを忘れめとの眼なり。
又:腹は。
狸:もの事は常に落ちつき、決断力の大胆を表すなり。
又:シテ、その金袋は。
狸:金銭の宝は自由自在なる通用をなせ運用をなせとの金袋にして、子孫繁栄の根元なり。
  まだこのほかにお尋ねの筋あらば、一々お答へもうすべし。
又:・・・・わかった。通らんかいな。
狸:おおきにさんで。
  ほな、皆、行くで。ハイホー、ハイホー。
又:怪体な歌を。・・・・お。ちょい待てぇ。
狸:「ムヽ。なにゆゑあつて止められしぞ」
又:「サヽヽヽヽ。さればこそ。」あれなるタヌキ、鼓を持ちおる。
狸:なに。
又:アハヽヽヽヽ。さぞや静御前に賜りし初音の鼓こそならめ。ゆゑに止めもうす。
狸:ムヽ。スリャあのタヌキが、源九郎狐とな。
又:いかにも。
狸:ムヽ。
又:サヽ。
狸:・・・・て、何言うてはりまんね。源九郎狐は、とうの昔に、奥州に行きましたわ。
又:欧州言うたらヨーロッパ。
狸:いや、奥州の平泉ですがな。そこから、エゾ、蒙古まで、義経公について行かはりましてん。
又:へえ、義経公が蒙古に行ったて、ホンマやったんか。
狸:源九郎狐さんも、蒙古で、蒼き狼にならはった。<パチパチ>
又:ホンマかいな。ほな、何で、鼓、持ってるのや。
狸:あいつ、腹、壊してまんね。
<ドンドン>


474 :重要無芸文化財:02/02/08 20:36
 私が聞いた範囲だと、落語になってる芝居というと義太夫狂言ばかりのようですが、今回は、
千本桜が、書いてる途中で勧進帳になってしまいました。上方の芝居噺という形式だと、勧進帳
のような演目は使っちゃいけないのか。ここらがわかんないとこです。
 これまで使った天拝山、帯屋、山崎街道、今回の狐忠信も、既に落語のネタに使われてる演目
なので、落語のファンにも馴染みがあるかと思うのですが、勧進帳はどうなのでしょうか。


475 :重要無名文化財:02/02/08 20:48
すっげぇ面白い。読み応え抜群。
勧進帳の本文を読んだことないけど大体は知ってるから楽しめたし、
ましてや狸とやり合うなんてのはアイデアもすごいな。
今や湖亭氏と無芸氏は上方の双璧だな。

476 :重要無名文化財:02/02/08 20:53
>>475
そうだな。湖亭半弗さんは落語家さんが書いてるかんじで
重要無芸文化財さんは落語作家さんが書いているような芸風だね、小佐田系の。


477 :鉄棒勇助:02/02/09 03:13
「チョコ」「狼」「通帳」

マタギ「おい、せがれ。久し振りに狩りに出だがらといって、ちょこまかするんでねぇ、
こっちでじっとしでろ。」(パチパチ)
息子「父ちゃん、おら小便してぇ。」
マタギ「バカタレ、しょんべんはしておげってあれほどいったでねぇか!」
息子「でも、またしてぇ。さみいから。」
マタギ「しょんべんの音が猪に聞ごえたらどうすべぇ。じっとしてろ。」
息子「なぁ、父ちゃん。何が山の奥から声がするべ。」
マタギ「おお、上の方から聞こえるべぇ。あらぁ、猪じゃあねぇ。」(パチパチ)
息子「キリンが?」
マタギ「何をいいくさる、こごは動物園じゃねぇ。もっと獰猛なケモノの声だぁ。」
息子「どうも困っだな。」
マタギ「くだらねぇ事いってねえで、早く弾こめろぉ。命の危険があるがもしれねから。」
息子「おらはぜってい死なねぇ。」
マタギ「こいつう、ちょうしに乗るのもたいげぇにすんだ、馬鹿ぁ!いつ死ぬが
分からねえがらマタギっていうんだ。」(パチパチ)
息子「わっ!とおちゃん!!アブネェ!」
マタギ「痛ぇ!!!」
息子「とおちゃんの尻に狼が食いついたぁ。ごらぁ、離れろ!バーン!」
マタギ「いてててて・・・・。」
息子「父ちゃん、しっかりしでけろ。傷はあせぇから。」
マタギ「せ、せがれ。狼は仕留めたが?」
息子「うん、うん、仕留めた。とうちゃんが囮だ。」
マタギ「いててて、くだらねえ事いうでねぇよ。ケモノの牙は死んだちゅうても
無理に抜くと食いちぎるぐらいつえぇから、このまま戸板かなんかで、医者の戸田
先生んとごまで運んでぐれ。」
息子「狼ついたままでが?」
マタギ「んだ。」
息子「よし、じゃあ助け呼んでくる。」

息子「戸田先生ぇ!いらっしゃるけぇー!」
戸田「・・・。」
息子「せんせぇ、うちの父ちゃんが狼に尻かぶられで・・・・、助けて
くだせぇ。」
戸田「・・・。」
マタギ「駄目だぁ、せがれ。戸田先生は禅寺の坊主でもあるがら、今、無言の
行をしていなさる。」
息子「あれぇ、薄情な医者だ。どうすべぇ、とうちゃん。」
マタギ「うーん、禅門の戸田、肛門の狼だ。」

どんどん

478 :柳ヤコ:02/02/09 23:11
無芸さんの芝居噺、すごいや。ハメモノが聞こえてくるよ。鉄棒勇助さんは、相変わらずの
強引さが笑えますね。あたしのほうは軽いネタで、のんびりとお付き合いください。

 『ニニンタビ男。』  (チョコ・狼・通帳)

エー、時代と共に色々なものが変わりましたが、なかでも交通機関というのが大変に
発達をいたしました。只今では飛行機でもって北海道でも九州でも日帰りができて
しまいますけれども、昔の旅はってぇと乗り物というのは馬か駕籠くらい。あとは
二本の足でテクテクテクテク歩いたもんで。
それでも気の合った友達とのんびり旅をする、これはなかなか良いものでございます。

喜「弥次の野郎、いやに遅れるじゃねぇか。お〜い、弥次郎〜、早く来いよ〜〜」
弥「待ってくれよー。足に豆ができちゃった」
喜「足に豆ができたぁ?情けねぇなぁ、江戸っ子だろ?」
弥「江戸っ子だって豆ぐれぇ出来らぁな。もうこのへんで泊まりにしようぜ」
喜「おいおい、野宿はまずいよ。狼にでも食われたらどうすんだ」(パチパチパチ)
弥「今どき狼が出るかよ!今は平成だぞ!なんで新幹線のある時代に歩いて旅を
  しなくちゃならねぇんだよ!」
喜「まぁまぁ、たまにはこういうのもいいじゃねぇか」
弥「ったくよぉ、足は痛いし、腹は減るし」
喜「まぁそう言わずに、景色をごらんよ。少しは疲れが取れらぁ」
弥「景色って、どれだ」
喜「どれってこたぁねぇ、これがそっくり景色だ。菜の花が黄色くて麦畑が青くて、
  そこに赤いユニクロの看板。いい景色だなぁ」
弥「よかないよ!雰囲気ぶちこわしじゃねぇかよ!」

479 :柳ヤコ:02/02/09 23:11
喜「じゃぁ唄でも唄いながら歩こうか」
弥「唄ってぇと・・・ミニモニとか?」
喜「うーん、惜しいな。都々逸だ」
弥「全然違うじゃねぇかよ!」
喜「お前、なにか都々逸知ってるか?」
弥「そりゃまぁ知らないこともないけどね。『やつれしゃんした三日月さんは、
  それもそのはず闇上がり』なんてな」
喜「古いねぇ。他にないか」
弥「明けの鐘、ごんと鳴るころ三日月型の、櫛が落ちてる四畳半」
喜「それも古いねぇ」
弥「そういうお前はなんかあるのかよ」
喜「じゃぁ、こんなのはどうだ。『うんと広げて出したり入れたり』」
弥「お、色っぽいな。『うんと広げて出したり入れたり』?」
喜「『これがあたしの通帳よ』」(パチパチパチ)
弥「なんだよそれ!」
喜「『あなたの通帳のぞいてみたら』」
弥「また通帳かよ。『あなたの通帳のぞいてみたら』?」
喜「『カリが大きくていい男』」
弥「どういう意味だよ!じゃぁ俺も作ってみよう」
喜「できるのか」
弥「『雪のだるまを口説いてみたら、何にも言わずにすぐとけた』」
喜「急に古典に戻るなよ」
弥「『彼女の家に口説きに行けば』ってのはどうだ」
喜「お、いいねいいね。『彼女の家に口説きに行けば』?」
弥「『派手な着物でひなまちゅりー』」
喜「ミニモニかよ!」
弥「おい、どっかでめしにしよう」


480 :柳ヤコ:02/02/09 23:12
喜「しょうがねぇな。あ、あすこに食堂があるぞ」
弥「やったぁ。(ガラガラッ)あ、お姉ちゃん、オレ刺身定食ね。それとお酒」
喜「昼間っから呑むのかよ。俺はカツ丼、大盛りね」
弥「おー刺身定食、来た来た。あ、姉ちゃん姉ちゃん、お酒早くして」
喜「おいおい、そうせかすんじゃないよ。お姉ちゃんが嫌な顔してるだろ」
弥「そんなこと言ったって、酒がなくて刺身が食えるかっつんだよ。あ、持ってきた
  持ってきた。ん?コップじゃなくて猪口でくれねぇかな」(パチパチパチ)
姉「フン!わかりましたッ!はいどうぞッ!」
弥「なんだよこの猪口、小さくて安っぽいなぁ。なんだよこれ!」
姉「義理猪口です」

ドンドン


481 :重要無名文化財:02/02/10 22:43
タイトルがなんとなくイイ。

482 :主催者:02/02/11 02:30
早速の作品、ありがとうございます。
また楽しく読ませていただきました。

トップバッターの重要無芸さんの>>471-473「勧進帳狸(仮)」は
敷き詰められた伝統芸能の知識に裏打ちされた厚みをまた感じました。
私は落語はよく聞くのですが周辺の芸能には疎くて、芝居の文句や名台詞
といわれたもピンと来なかったりするのですが、それでも重要無芸さんの
噺は「元を知らなくても味わえる」魅力があります。もちろん落語に
使用された演目を使用してくださって助かっている面もありますしね。
狸とのやりとりも芝居噺風に転じていくところも可笑しさがあっていいですし、
ストーリーにも愛情が感じられます。

次の勇助さんの>>477「マタギの災難(仮)」は強引さが本当に
面白いですね。マタギと息子の馬鹿兄弟のようなかけあいも楽しいですし、
お題の使い方、も全て洒落というスタイルも魅力です。あくまで、
他の登場人物の台詞を喋らせないのもポリシーなのでしょうか。
とても面白かったです。

そして、ヤコさんの「ニニンタビ男。」は「平成道中膝栗毛」とでも
いうべき平成弥次喜多の趣向が楽しいですね。都都逸でのお題の使い方も
さすが粋で上手ですし、「二人旅」をベースにしたアイデアも
ヤコさんらしくて好きです。
また、かけあいのツッコミが三村風の現代突っ込みなのも面白いですね。

まだまだ募集していますので、ご応募お待ちしています。

483 :重要無名文化財:02/02/12 23:07
いつも楽しく読ませていただいております。
私、現在就職活動中でして、入社試験に三題噺が出るところがあるのですが
三題噺を書くコツを伝授していただけないでしょうか。
なんでこんなに書けるのYO??

484 :重要無名文化財:02/02/13 00:47
入社試験の三題噺は、生で使わなきゃいけないんじゃないの?
徳さん風の強引な使い方も面白いけど。



485 :重要無名文化財:02/02/13 01:23
上手い人はまずオチから考えるっていうなぁ。
で、そのオチに持っていくようにストーリーを
考えるんだって、多少強引でも。

486 :重要無名文化財:02/02/13 04:53
>>483
やっぱり、常連さんのを見てると、自分のツボというのを持ってるようだね。
この方面、こういう雰囲気の噺なら、どうにでも書けるってものを持ってて、その上で、お題を使ったり、オチを考えるテクがあると思うよ。
自分は、この方面のことなら、話が出来る、いろんなことが書けるってのを持つのがまず先決だな。



487 :柳ヤコ:02/02/13 07:34
んー、やっぱりオチから考えますねぇ。あと、お題に関連する言葉を
いっぱい並べる。チョコなら「義理チョコ」「とける」「甘い」「手作り」
「トリュフ」「カカオ」・・・って。そこからオチも選ぶしギャグも
作ります。

488 :794:02/02/13 10:48
http://www.puchiwara.com/hacking/
           __,,,-‐――‐-、__   ヽ、
        __=ニ-―''''"""゙゙`‐-、_`ヽ、  ヽ.
      __,/ ,.--ヾ/''''''"'''"''ー、、ヽ、ヽ、  ヽ.
    / / /            ミ `ヽヽ  i
   / / i /              ヾ__ヽヽ  |
  / / ,| |             __L i |  |
  / /| |ヽ |        ,,,,-∠''''""  ミ  i|  |
  { | { |-+ヽ,,,,,,,    ,,illニ-==三`゙`‐---+  |  |
  ||  i |┼'"三三ヽ    ;/(ソ::ノ T´  ヽ-、.| |
   ヽ ヽー'"(ソ:)` !     ‐‐-‐'´    ∧`}| .|
       .| ``''"´ /            ヽ. { !| .|
       .i    <             '´/ | ||
       !    ヽ `          ○  | ||
       ハ.    _,=---         /   | |.|
       .| ヽ.   `'''''''´      / | |  | | |
       | | ヽ         ,. ' /  .| .| || || |
      .| |  / ヽ      ,/ /   |  | || || |
      | | /   `_t‐‐‐'"´,.----―''''''7 | || || |
      .| | / / <"ヽj  /    __. /┐| || || |
     ./ // /,.-‐ゝ->‐/-‐ヽ__/‐‐‐/ ヽ|_ || |.| |
     ./ // //,.-〈 〈‐、  \--/    ``ー、!_|

489 :里の筍:02/02/13 19:03
権助掛取り

旦「これ権助、お前はこの店に奉公に来て何年になる?」
権「へぇー、もう3年にもなるだかねぇ。」
旦「ところでお前は肝が太いと普段から自慢しているようだが、本当かぃ?」
権「あんだって? 肝がふてぇかってぇ? そりゃ旦那様の前だが、肝の太さじゃぁ人には負けたことなんかねぇだ。
国にいるころに山の中で狼と熊にはさみうちにあった時なんぞは、前の熊は睨み倒し、狼は喉笛を食いちぎって、皮はおっぺいで、
チャンチャンコにして使ったもんだよ。」(パチパチパチ)
旦「そりゃあ大したもんだ。それじゃお前に狸穴のお屋敷に掛取りに行ってもらいたいんだがどうだい。」
権「オラが行くのはいいんだけんど、あんで番頭さんや、手代どんが行きなさらねぇんだね?」
旦「それがな、あのお屋敷は狸屋敷といってな、ご家来衆がとんだいたずらばかりなさる。手代が行っても脅かされて、いつも泣いて帰って来るばかりだ。
番頭をやってもいいんだが、それじゃあ事が大きくなるのでお前に行ってもらいたいんだがどうだ?」
権「あんだ。そんなことけぇ。おらぁ通帳(かよいちょう)も読めないような無学もんだけんど、
そんなさむれえなんぞに脅かされるような弱虫とは違うだよ。それじゃあさっそく行ってくるべえ。」(パチパチパチ)

門番「こりゃ、そこゆく奴、何用あって当家の御門をくぐろうとする。」
権「おらぁ権助ちゅうもんだ。越後屋から掛取りに来たんだが、いつもお払いがないので今日こそは払ってもらうべえと肝を据えてやってめえりやした。」
門「おおそうか。これご同輩、どうも妙な奴が掛取りに参ったようじゃ。ともかく中に入れていつものように脅しつけて追っ払うことにいたそう。
これ権助とやら、奥に通れ。」
権「言われなくっても中に入れてもらうべえ。やぁ、これは広いお庭だ。こんな広いお庭があるのに掛取りを払わないとは全くなんてけちん坊だぁ。
さあ、殿様に会わせてもらうべぇ。」
家臣「これ、けちん坊とは何と無礼な事を言う奴だ。口のききようによってはそのままには捨て置かんぞ。覚悟はよいか!」
権「あんだって。そんな脅し文句でめえるような権助様と権助様が違う。捨ておかんならおらが拾ってやるから何でも出してみれ。
刀なんぞ出した日にゃぁ狼の喉笛を食い破ったこの歯でおっかいてやるべぇ。」
家「こりゃまた威勢の良い奴じゃのう。いつものように追っ払うわけには参りそうもないな。うーん、いかがいたそうか。」
権「何をごちゃごちゃくっちゃべってるだ。早く殿様の所へ連れてってけろ。」
家「あいわかった。連れてまいる。だがその前に権助殿は酒はお好きか?」
権「なに、酒が好きかだってぇ。そりゃあ世の中で何が好きかと聞かれりゃあニ番目は酒だって答えるだよ。
いやぁ、だめだ、だめだ。おらに酒を飲ませてお払いを誤魔化そうちゅう魂胆だな。その手にゃのらねえだ。」
家「いや、さようなことではない。先ほどから貴殿の肝の座りようを見て、手前ども感服つかまつった。ぜひとも御一献差し上げたい。」
権「あんだ。おらの肝の座りがいいからお酒をごちそうしてくれるってぇ?そんじゃあちょっとくらいならご馳走になるべえか。」
権「こりゃあ払いが悪いのにええ酒飲んでるだねぇ。こんなうめえ酒は久しぶりだ。こういっちゃ何だがうちの大旦那様はええ人なんだが、奉公人にはケチでいけねぇ。
たまに『権助、今日は飲ましてやるぞ』と言ってお酒をご馳走してくれるんだけんど、酒を水で割るというのはよく聞くが、旦那様のご馳走してくださる酒は、
水を酒で割ったちゅうようなもんで、飲めば飲むほど下腹が冷えてきて、小便が近くなってしまっていけねえだ。ワーッ、ハッハッ。」
権「ウィー。こっちのとっくりはもう空だぁよ。早くかわりを持ってきてくんろ。
それにこんな猪口なんて小さなもんじゃあいけねえ。そっちの大きな茶碗についでもれえてぇ。」(パチパチパチ)
権「やぁ、すっかりいいこんころもちになってしまった。こんなにご馳走になってすまなかったなぁ。そろそろお店に帰って寝るとすべぇか。」

旦「権助、帰ってきたのかい。ずいぶん酔っているようだがお払いはいただいてきたのかい?」
権「こりゃ旦那様。あれぇ、すっかり忘れてけぇってめいりやした。」
旦「なんだい、お前が熊や狼にも負けないというから使いに出したのに、いったいどうなってるんだい。」
権「へぇ、熊や狼には負けませんが、狸には化かされました。」(ドンドン)


490 :重要無名文化財:02/02/13 20:10
権助掛取りか。いいねぇ、噺に無理がない。
古今亭系の噺家にやってもらいたいな。

491 :しゅがしゅが☆:02/02/13 21:28
初めまして。
今までは見学するだけだったのですが、今回のお題なら現代モノでも
行けるかな?と思ってチャレンジいたします。
チョコ、狼、通帳で。

「恋の狩人、一色サユリ 非情のバレンタイン」(ださー)

サユリ「♪明日は特別すぺしゃーでー」
マユミ「ごきげんね…あら、ゴディバ?誰にあげるの、本命チョコじゃない」(パチパチ)
サユリ「ふふ。田中くんよ」
マユミ「ええっ、田中くんって、隣の課の?彼がいいなんて今まで一言も言ってなかったじゃない」
サユリ「恋はね、突然訪れるモノなのよ」
マユミ「信じられない。一体彼のどこがいいの?」
サユリ「そうねえ、スレンダーだし、あの日に焼けた素肌…まるで太陽の神、アポロンって感じがしない?」
マユミ「あたしの目には肝臓病を患った病人にしか見えないんだけど?」
サユリ「んもうっ、見る目がないわねえ。でもいいわ。世間が彼の魅力に気づかないうちに、ゲットしちゃうんだから」
マユミ「どうしちゃったのよ、急に。田中くんって何だか変わってるじゃない?部の飲み会にも絶対出席しないし、お昼はいつもお弁当を独りで食べてるし…ちょっと考えた方がいいと思うわ。彼、友達いなさそうよ」
サユリ「一匹狼って事ね!うーん、あたしのハンター魂が燃えるわ!」(パチパチ)
マユミ「だめだ…つける薬がないわ」
サユリ「うっふっふ。仕方ないわねえ、あんたにだけは教えてあげる。あたしが急に田中くんに接近しようとしてる訳を」
マユミ「やっぱり裏があるのね!サユリに恋なんて感情があるとは思ってなかったもの」
サユリ「あら、あたしにだって感情はあるわよ」
マユミ「そうかしら?」
サユリ「そうよ…実はね、先週の事なんだけど、彼が○○証券に電話してる所を聞いちゃったのよ。××社の株を買っていたの。それも時価にして2000万円以上のお買い物よ」
マユミ「ええ?田中くんってそんなにお金もってたんだ」
サユリ「どうやら職場の飲み会に出ないのも、お弁当派なのも、徹底的に貯金してるかららしいの」
マユミ「なるほどね、あんたの狙いが分かったわ」
サユリ「あら、お金目当てじゃないわよ?そりゃーさ、無いよりはマシかなー?とは思ってるけど。でもこの気持ちは愛よ。純粋なんだから」
マユミ「たしかに感情、とゆーか勘定高さは、あるわね」
サユリ「いやーね、堅実と言ってよ。コマダムになるのが、あたしの夢なんだからさ」
マユミ「だからって、簡単に決めていいの?あたしは嫌だわ。あたしは毎日ホームパーティーを開ける様な、にぎやかな家庭を築きたいの。やっぱり友達の多い人がいいわ」
サユリ「あたしは一匹狼でいいわ。付き合いに使うお金があったら、あたしに使ってもらいたいもん」
マユミ「勝手ねえ。…あら、テレビ見てよ、臨時ニュースよ、ほら××社倒産だって。あら、さっき田中くんの買った会社、どこって言ってたっけ?」
サユリ「まさに××社の株よ」
マユミ「まあ、大変。ほら見て…田中くん、ずいぶんとショックを受けてるみたい。何か見てるわ…通帳ね。残高を確認しているのかしら、ヘコんでる…かなり××社に突っ込んだ様子ね」(パチパチ)
サユリ「株って恐いわねえ、2000万が一瞬にしてパーなんだから」
マユミ「ちょっと、そのチョコ渡して慰めてあげたら?」
サユリ「嫌よ、下手に同情して恋されても迷惑だわ。ああ、このチョコ、あんたにあげる」
マユミ「あんたって、本当に金の切れ目が縁の切れ目なのね!…ご覧なさいよ、あんたの太陽が暗くなってしまったのよ」
サユリ「気にする事ないわよー。ほら、彼って狼だから、ニッショクなのよ」

492 :あ。:02/02/13 21:33
(ドンドン)<書き忘れました。

しかも、長かったみたい。
次は分割して載せます。すみません(涙)

493 :483:02/02/13 22:22
>>484-487
レスありがとうございます。
参考にさせていただきます。

494 :重要無名文化財:02/02/13 23:48
>>483
お礼じゃないけど、時々は感想でも書きにきてあげて。

495 :重要無名文化財:02/02/14 00:05
>>483
というか、受験対策に、ここの三題噺にチャレンジしてみたら?


496 :重要無名文化財:02/02/14 00:43
>>491
題を全部、無理なくストレートに処理してるのがいいね。


497 :重要無芸文化財:02/02/14 01:58
「チョコ」「狼」「通帳」ストレートに使って、小咄です。


獄卒:嘘つきども、これから閻魔大王様のお裁きを行う。
閻魔:お前は、どんな嘘をついたのじゃ。
男1:狼が来たと言っては、村人を騙しました。<パチパチ>
閻魔:それで、本当に狼が、来た時に、誰も助けてに来なかったのじゃな。
   よし、お前には、すでに、狼に食われるという罰を与えておるな。
獄卒:次、難波新地、備前屋小照こと本名たね。
小照:3人に、あんんただけと言い、本命チョコを渡しました。<パチパチ>
閻魔:そんな嘘をつくと、熊野の烏が死ぬぞ。よし、お前はカラスに食わせる。
獄卒:次は、結婚サギでございます。
男2:結婚をすると約束した女から通帳を取りあげて、逃げました。<パチパチ>
閻魔:お前は、虎に食わせる。虎の子をとりあげたからじゃ。
獄卒:次は夫婦です。
夫 :こいつは、えらい嘘つきでんね。そもそも最初の時に、あんたが初めてやて・・・。
妻 :そういうあんたこそ、大嘘つきやないの。何が、おまえだけを・・・・。
閻魔:ええい。お前らは罰は免除する。犬も食わん。
<ドンドン>


498 :湖亭半弗:02/02/14 03:34
遅れましたが、私もサゲから考えて作っています。
そして、どんな形であれかなり無理があっても基本の筋を
作ってしまいます。あとは、米朝師匠の口調を思い浮かべながら
書いていくといった感じでしょうか。実際、自分の作ろうとする噺の
雰囲気を持った落語を聴いて参考にすることもありますね。

しゅがしゅがさんの作品、いいですねえ。色んな作風の方が
来られると、仲間が増えたようで嬉しいです。

それでは、
「チョコ」「狼」「通帳」
ですね。ちょっと長くなるかもしれませんがご容赦を。

今では当たり前のように伝わっている行事というのは、ま、昔からあるようで
案外新しいもんで、例えば、耳の日なんかも、あれも3月3日の語呂ですしね。
あんなん江戸時代から耳の日やちゅうてたんやないと思いますけど。
何やしらん、そういう行事は多い。クリスマスやなんかでも、明治やそこらでは
、あんまり派手にやってなかったはずですしね。そういうのはやはり、流行すたりも
あるんでっしゃろが。バレンタインデーちゅうのも、あれも若者や皆、我先にちゅうて
高いチョコ買うて「これが愛の証や」てなこと言う。お金のタカで愛が決まるちゅうのも
不思議なもんですが。元はあれ、大分に古い行事やそうで、海外では随分前から
やってたんで。まま、もちろんチョコレートの渡すんはやってなかった、カードや
贈り物を。まぁあげてたちゅうんですな。その、行事自体はあって、それに商売ちゅのが
からんでくる。今から40年くらい前にどこぞのデパートがチョコレートを売り始めて
それが流布したちゅうんですが、まぁそれとは関係なしに、チョコを渡してた人が
おるとも限らんわけで、


499 :湖亭半弗:02/02/14 03:36
定吉「友吉っとん、ともきっとん。」
友吉「何や、定吉っとん?」
定吉「あんた、今日はバレンタインの日でやっせ。」
友吉「へぇー、んで、あんた何を悪い事しなはってん?」
定吉「えぇ?わたい、何もしてへんで。」
友吉「せやけど、あんた今、ばらしたい日やちゅうてたがな。」
定吉「悪い事ばらしたいんやないがな、バレンタインやちゅうてるねん。」
友吉「あぁあ、もうばれたんかいな?」
定吉「分からんなぁ、バレンタインちゅう異国の行事やがな。」
友吉「ふぅん、で、どんな事するねん?」
定吉「それが、よぉ知らんねん。」
友吉「何や、知らんで言うてたんかいな。」
亀吉「あんたら、ぺちゃくちゃしゃべってたらあかんで、仕事せな、親旦さんに
叱られまっせ。」
定吉「あぁ、亀吉っとん。ええとこ来た。あんたわたいらより年が上や、
あんた、バレンタイン知ってまっか?」
亀吉「あぁあ、あんたら何悪い事したん?」
定吉「あんたまでそんなん言うてるがな。」
わあわあ言うてますところへ、二階から降りてきましたんが、
この店の一人娘のお千代。丁稚が騒いでるのをききつけまして、
千代「あんたら、何をまたもめとんの?今日はバレンタインやで。」
定吉「あぁ、お嬢さん。あんたがいけまへんねやで、わたいにバレンタインや
ちゅうたから、皆悩みが増えてまんねん。」
千代「何ぃな、えぇ?あぁあ、バレンタインてどないするてかいな?
私も詳しくは知らんの。」
定吉「何や、バレンタイン宣伝してるあんたも知りまへんのかいな。」


500 :湖亭半弗:02/02/14 03:37
千代「何でも、私ら女の子が男の子に贈り物する日らしいちゅのは知ってる。」
定吉「へぇぇ、そらありがとさんで。」
友吉「ほな、わたいらも皆もらえますんか?」
千代「そら、何ちゅうても私、ハイカラやし。お店の人皆に配るつもりで
ようさん用意してる。ほな、今からあんたらにも渡すわ。」
定吉「へぇ、ありがとさんで。」
友吉「ありがとさんで。」
亀吉「ありがとさんで。」
千代「はい、はい、はい。ありがとう、バレンタイン。」
定吉「何だんねん、それ。」
千代「向こうの国のバレンティヌスちゅう人に感謝するんよ。」
友吉「へぇ、ほな、お嬢さんには感謝せんでもええねやな。」
千代「感謝せぇへん人には、返してもら・・・。」
友吉「ひやぁ、感謝して、感謝しています、どっちもに。」
亀吉「せやけど、お嬢さん、この箱の中は一体何でんねん?」
千代「チョコレートや。」(パチパチパチ)
亀吉「チョコレートて、何です?」
千代「向こうの国のお菓子や。」
定吉「へぇー、向こうではお菓子やりとりしまんの?」
千代「ちゃうちゃう、向こうはバレンタインて書いたお札を交換したり
首巻きあげたりするねんて。でも、あんたらやったらお菓子の方が嬉しいやろ
と思て。」
定吉「へぇえ、そら嬉しい。あんた、丁稚の気持ちよぉ分かってる。あんた、
いっそのこと丁稚になんなはれ。」
千代「口の悪い人には、返してもら・・・。」
定吉「わー、あんたやっぱりお嬢さんでよろし。」
友吉「せやけど、お嬢さん。わたいや、亀吉っとんは墨で大きな字で
「義理」と書いてまっけど、定吉っとんのは「本命」ちゅうてまんな、これは?」
千代「いややわぁ、ほんまに好きな人には義理なんかかけへんし。」
亀吉「わっ、ほなお嬢さん、定吉っとんのことが・・・わー、えらいこと
聞いた、この定吉っとんのイロゴトシ!」
定吉「わたい、何もしてまへんで。お嬢さん、わたいまで恥ずかしいがな。
なぁ、友吉、亀吉。」
友吉「何や、急に偉そうに。」
定吉「これ、未来のあるじの代わりに掃除せぇ。」
亀吉「何ぬかす、こいつ!」
さぁ、その日はわあわ言うて過ぎていきましたが、こう羽振りのえぇ店ちゅうのは
悪人に狙われやすい。このお店も使用人に外国のお菓子を配れるうちはよかった
もんで、数年後のある日の晩、


501 :湖亭半弗:02/02/14 03:38
男「・・・おい。おい!」
旦那「・・・な、わ、わ、ほ、包丁!」
男「静かにせぇ。」
旦那「ど、ど、ど、ど、どなたはんで・・・。」
男「掛け取りに来たとでも思うたか。わしは狼の弥三郎じゃ。」(パチパチパチ)
旦那「お!」
弥三郎「やかましわぃ!がたがたぬかすなぃ!」
旦那「お、お、お、狼の、や、弥三郎ちゅうたら、あ、あの。」
弥三郎「そうよ、自分一人でそこの身代潰してしまうちゅう、噂の弥三郎よ。
おっと、奥方。そこを動いたら、首と胴体離れるで。命が惜しけりゃ、じっと
しとぉけ!静かにしてたら、命だけは見逃したるさかいな・・・。」
狼の弥三郎は手慣れた盗人だけあって、同じように使用人を皆縛り上げます。
弥三郎「さぁ、倉の鍵渡してもらお!」
身軽な上に力持ち、千両箱やら家財道具やら、そっくり運び出すと、
店の前の大八車へ。夜が白み出すころにはあらかた積みあげて、
弥三郎「悪う思うなよ。運のないもんやとあきらめぇ。」
大八車を軽々と押しますと、どこぞへ消えてしもた。
明くる朝、いつもは朝から丁稚やなんかが掃除したりしてるのに、今日に限って
しまってるのを、近所の人が気づきまして様子を見てみると、まるで牢屋みたいな
有り様で。巡査が来る、野次馬が来る。店開けてるより人が集まってくる、皮肉な
話ですが。


502 :湖亭半弗:02/02/14 03:39
財産ほとんどいかれてしもぉて、気落ちしたんでしょうなぁ。奥方が気の病で倒れて、
それっきり。男の方は連れ合いなくすと気が弱る、どんどん商売に身が入らんようになって、
あっという間に残った財産使い果たして、商売出来んようになってしもた。
あれだけ物があふれてた倉の中は空っぽ、鼠一匹こぉとれん有り様で。
千代の着物も着たきり雀になる、店のもんに給金は出せん、預金通帳は三文の値打ちも
のぉなって、漢字の練習帳になる。(パチパチパチ)
そうこうするうちに、親旦那が亡くなりまして、残されたんは千代たった一人。
お店の方はやっていけまへんので、仕方なしにたたんで奉公人は散り散りになります。
千代の方は、祇園の遠い知り合いを頼っていきますが、借金背負った娘を居候させるほど
世の中あもぉない、半強制的に色町で働くことになる。
千代琴という名前をもらって客商売を始めます。始めますちゅうても、今のバイト
やおまへん、三味線も踊りも何にもでけん。色町で読み書き算盤出来ても役には
たたんちゅうて、厳しい修行が続きます。そらもぉ、我々が想像する以上の苦しみや
と思います。言うたらTシャツ一枚で真冬のオホーツク海渡るようなもんで。
年月は十数年流れます。もうこの頃には千代琴も一人前、旦那衆の客もとる
立派な年増花魁になっております。


503 :湖亭半弗:02/02/14 03:40
若旦那「おまえは年増やが色気があるな。それに大分に苦労した顔やな。」
千代琴「はい、今度は若旦那に甘えさせておくなまし。」
てなもんで。花魁は狐や狸と違うて尾がいらんから「おいらん」てなことを
言いますが、口や仕草で色気は出せて平静を装うても、腹の底は復讐の気持ちで
一杯でございます。子供心に覚えてたんですなぁ。
千代琴「おのれ、憎き狼の弥三郎。年季が明けたら必ず我が家の仇、晴らしてみせん。」
何せ勢いが違いますから、身請けしてやるという粋な旦那がいても、妾にしてやると
いわれても、首を縦には振らん。妾になっては迷惑がかかるちゅうんで、雇い主の
親戚もそれが分かってるので、丁寧にお断りをします。
この、千代琴の年季が明けるのが、紺屋が必死で溜めたお金で会いに来て、その気持ちに
惚れて大名道具が紺屋へ嫁いだという、通称紺屋高尾の名前が知られている高尾太夫と同じ
の三月十五日。
妹衆「まぁ、千代琴姉さん、あの高尾太夫と同じ日に年が明けるねて。うらやましいわぁ。」
ちょっともうらやましぃもない、その日が敵討ちの旅の始まりでございます。
親も亡くして死んでしまいたい思いを復讐の心に変えて生きておりますので
えらいもんでございます。
さぁ、年季が明けるのも明日と迫った朝・おかみが階段をかけあがってくる。
おかみ「ちょっと!大変!大変!千代琴、大変やし。」
千代琴「まぁ、おかみさん、一体どないしたんどす?」
おかみ「こ、この新聞読んでみ!」
バッと新聞を広げますと、「狼の弥三郎、獄中に死す」の見出し。
おかみ「まぁ、しらなんだわぁ、いつのまに捕まってたんかしらぁ。
しかも、亡くなったやなんて・・・。あんた、気ぃしっかりもたないかんで。
あんたの仇、牢屋の中で死んだんやて!」
千代琴「・・・そう、みたいやなぁ・・・。」
張り詰めてたもんが解き放たれたようになって、座り込んでしまう。
そうでしょうなぁ、言うてみれば、憎き仇とはいえ、生きる糧でやしたんやからなぁ。
もう一日、もう一日早ければ、晴れて自由の身。せめて親の仇と一太刀あびせれたや
分からん。そんなんを押し殺して、


504 :湖亭半弗:02/02/14 03:40
千代琴「おかみさん、明日で年季が明けます。私、いったん船場へ帰って、この事
親の墓に報告にしにいきます。」
おかみ「せやな・・・、もしかしたら親御さんが娘を人殺しにせんとこぉと思うて、
こないしてくれたんかもしれんしな。あんた、早まったらあかんで!」
千代琴「あほらしもない、おかみさん。そんな簡単にしにますかいな。こうして、十数年
働いた甲斐あって、親の形見の通帳にもなんぼかのお金が入りました。これで、実家の
近所へでも戻って小商いの口でも探します。」
おかみ「まぁ、あんたさえよけりゃあ、ずっとここにおってくれてもええんやけど。
生まれ育った土地がええんかも分からんな・・・。せやけど、こんなんやったら
伊勢屋の若旦那や紀州屋の旦那のお話し、断るんやなかったわぁ。あんた、えらい損
やし。」
その場は笑って済みましたが、その日の晩、最後の晩やのにお客はつかずに
一人で部屋にいてるとだんだんおさえてたもんがこみあげてきた
千代琴「・・・、ああは言うたもんの、これから私、どないして生きていたらえぇねやろ
・・・。弥三郎はおらんようになるし・・・。おとっあんもおっかさんも
もういてない船場に戻ったところで、潰れた家の娘やちゅうて後ろ指
さされるだけやし・・・。おとっつあん、おっかさん・・・私、もう
死んでしまいたい・・・。」
涙に暮れておりますところへ、
おもよ「琴姉、琴姉。いてますか、琴姉。」
千代琴「くすん・・・何や・・・おもよか?(涙を拭いて)どないしたん?」
おもよ「あの、姉さんにお客さんで。」
千代琴「お客・・・、そうか・・・そうやな、私は明日までまだ生きる仕事が
あるねやな。最後のお客さんは、どなたや。若旦那か?紀州屋の旦那か?」
おもよ「いえ、三人さんで。」
千代琴「えぇ・・・?いくら何でもそれはちょっと。」
おもよ「いいえぇ、琴姉、違いますがな。商売やおまへんねん。姉さんにお会いしたい
ちゅうんで。」


505 :湖亭半弗:02/02/14 03:41
誰や知らん?と言われた通りに座敷へ向かいます。襖を開けますというと、
千代琴「ようこそ・・・、あ、あんたら!定吉に友吉に亀吉!」
定吉「お嬢さん!お懐かしうございます。」
友吉「お懐かしい!」
亀吉「お嬢さん、御久しうございます。」
千代琴「まぁ・・・、ど、どない言うたらえぇかわからんけども・・・、
一体なんで、ど、どないしたん?」
亀吉「へぇ、実は、義理チョコレートのお返しに参りました次第で。」
千代琴「えぇ?」
友吉「いや・・・、あれからわたいらも散り散りになりまして、どれぞれのお店で
働いてましたんや。せやけど、やっぱりあのチョコレート、はは、今では割合に
手にすることはできますがなぁ、あの時のチョコレートはうまかった。その御恩返し
をさしてもらおおうと思いまして。」
千代琴「御恩返し?」
亀吉「わたいら、こう見えても小さな店でも番頭として切り盛りしてたり暖簾分け
してもうたりしてまんねやで。わたいは日本橋で小間物問屋営んでます。友吉、いや、
友兵衛は境筋で米問屋の分家で。定吉・・・も定七やったな。定七も夏には暖簾分けして
もらえますんでな。心配いりまへん、うちへきとくんなはれ。」
千代琴「まぁ、何と。」
友吉「明日で年季が明けましたら、その後の世話はさせていただきます。ほんで、・・・
もし、お嬢さんがよろしければ・・・、定が、まだこの中で一人身でやしてな。
売れ残りの品押し付けるようで何ですけんども、暖簾分けの後で、夫婦になって
いただけまへんやろか?義理のチョコレートの二人はそれまでのお世話ちゅうことで、後は
本命の定に任せますのんで、どうか・・・どうかお願いいたします。」
定吉「お嬢さん、こんなんでよろしければ、どうか!」
千代琴「・・・、私、こんなうれしい事、ついぞなかった・・・。はぁ、ちょっとひとしきり泣かせて
もらいます・・・。ありがとう、みな、おおきに。それでは、皆さんに甘えさせてもらいます。
定吉、いいいえ定七さん。どうか末なごぉ、こんな年増ですけども、よろしゅうに。」
定吉「へ、へぇ、ありがとさんで。」
友吉「いやぁ、めでたいめでたい。」
亀吉「お嬢さん、よろしゅうおしたな。」
千代琴「おおきに、おおきに。わたしは高尾太夫より幸せもんや。
はぁー、せやけど、あんたら、三人示しあわせて、私が年季が明けるのを
待ってくれてたんか?」
定吉「いいえぇ、お嬢さん。今日はホワイトデーでございます。」

どんどん

506 :湖亭半弗:02/02/14 03:42
すみません、めちゃくちゃ長くなりました!
伝統芸能板利用の皆々様、ごめんなさい!!

507 :ゆめもすけ:02/02/14 12:00
こんにちわ。「チョコ」「狼」「通帳」で。

徳さん:「・・・。しっかし、ナオコよ。お前も相変わらずの芸達者ぶりだな。」
ナオコ:「いやいや、徳さんに誉めてもらうなんて幸せものですよ。」
拓也:「そうっすよね。僕、徳さんの誉める姿なんて見たこと無いですよ。」
ナオコ:「お前、誰?」
拓也:「あっ。はじめまして、拓也っていうものです。徳さんとは結構長い付き合いで・・・」
ナオコ:「あっ、そーなの。」
徳さん:「おい、拓也。ナオコは礼儀にはうるさいからちゃんとしろよ。」
拓也:「はいはい。わかってますって。」

ナオコ:「ところで徳さん、今日は何の用事で呼んだんかいな。」
徳さん:「おうよ。今年の26時間テレビについてなんだが・・・」
拓也:「徳さん、ちと早くないですか?まだ、2月ですよ。」
ナオコ:「違うんだな、拓也。この業界ってのはもう動かないと遅いんだわ。」
拓也:「そんなもんなんですかね。」
徳さん:「拓也もちっとは勉強しろよ、俺を見てな。」
拓也:「・・・。はい。」

徳さん:「去年の24時間、ナオコが走ってくれたからいいものの、
モーニング狼。じゃなかった娘。がメインだったせいで
年寄りには、ちと不向きになってしまったよな。」
拓也:「去年に限らず、年々ちょこっとづつ若者向けの番組になってますよね。」(パチパチパチ)
徳さん:「そうだよな。司会やってても面白くないしな。」
ナオコ:「徳さん、目は笑ってないもの。」
徳さん:「今なんか、アイドル会いたさに募金しに来る奴らが多いだろう、
昔はよ、田舎から爺さん婆さんが自分の預金通帳を持ってきてよ、
『これを使ってください』みたいな事が多かったんだけどな。
俺はあの局の社員だった当時はいっつも泣いていたものだな・・・。」(パチパチパチ)
拓也:「いい話ですね、それ。」
徳さん:「そこでだ、ナオコよ。今年は年寄り向けの企画を考えてるんだ。」
ナオコ:「なになに、聞かせて。」

徳さん:「まずな、あの萬屋錦之介に日本を縦断してもらうんだ。2人で。」
拓也:「もしかして子連れ狼ですか?・・・っていうか死んでますよ。あの人。」(パチパチパチ)
徳さん:「ああ、そーだったな。葬式の司会をしたような・・・。」
ナオコ:「時代劇もので行くなら中村あつおなんかどう?」
拓也:「木枯し紋次郎ですね。あの人MOVAでも有名だし、若い人も知ってるからいいかもしれませんね。」
徳さん:「そうか・・・じゃあ、頼んでおくか。」
ナオコ:「ところで今年の司会は誰で行くんですか?」
徳さん:「う〜ん。そこが問題なんだよ。誰かいねぇか。」
ナオコ:「じゃあ、あの人がいいですよ。『杉さま』なんてどう。」
徳さん:「おっ、いいねえ。」
拓也:「杉良太郎に『金さん』のカッコさせてみたいですね。しかも、いつもの黄色。」
徳さん:「おいおい。それじゃ、喜久蔵になるだろ。」
ナオコ:「ははは。いいよ、拓也。最高。」

拓也:「でも徳さんと杉良太郎って結構合ってると思いますよ。」
徳さん:「そうかなあ・・・」
ナオコ:「徳さん、私もそう思う。なんか似てるもの。」
徳さん:「おいおい、やめてくれ。俺は顔も仕草もあんなに格好良くないぞ、お世辞にもな。」
ナオコ:「何言ってるの・・・似てるのは、2人とも『流し目』命ってとこ。」

どんどん




508 :重要無名文化財:02/02/14 14:25
半弗氏の超力作に感動。
ゆめ氏の徳さんに爆笑。
age

509 :重要無名文化財:02/02/14 19:28
>>508
俺も毎回湖亭半弗さんの噺を読んですげぇって思ってるけど
今回の作品は追従を許さんなぁ。出だしでいつもの掛け合い落語かと
思いきや、後になって人情ばなし、サゲも想像ついたものの
それがかえってホッとする後味になっている。・・・感服。

510 :重要無名文化財:02/02/14 19:36
なんか最近全体的にレベルが上がってきて読み応えがある


511 :主催者:02/02/16 00:18
すごいですねぇ、皆さん。
今回のお題は皆さんの創作意欲に火をつけたようです。
そして、三題噺の作り方のコツも様々な意見が出されて
嬉しく思います。皆さんの作品の裏側が覗けた、そんな気が
しました。

筍さんの >>489「権助掛取り」は、権助の田舎者のキャラが
生き生きとした作品ですね。最後に酔いつぶれてしまったり
虚勢をはったり悪態をついたりと、権助の持ち味が遺憾無く発揮された
好作品ですね。筍さんは落語の知識をかなりお持ちのようなので
キャラが途中で崩れることがないのが、噺の魅力ですね。

そして、しゅがしゅがさん(はじめまして)の作品、
>>491-492 「恋の狩人、一色サユリ 非情のバレンタイン」は
現代テイストがふんだんに盛り込まれた、これまた好作品ですね。
現代女性のしたたかさみたいなものが、バレンタイン行事を
通じて伝わってきました。こんな社内恋愛も実際にあるのかもしれ
ないですね。次回からも作品期待しています。

重要無芸さんの>>497「小咄・嘘つきの沙汰(仮)」は
これまた驚きました。無芸さんはパロディ(三枚起請)も
センスも抜群ですね。噺のパターンによって、押えどころを
きちんと変えてらっしゃるのが、実力のある証拠でしょう。
お題をきれいに使って関連づけるあたり、凄いです。
地獄八景の船賃のやりとりを彷彿とさせる、小気味いい作品ですね。

そして、半弗さんの大作 >>498-505
「バレンタイン千代琴」(←すいません、こんな演目しか浮かびませんでした
どなたか代わりにつけて下さい)は、よく練り込まれた噺ですね。
ストーリーはチョコのお返しに義理で返すという単純明解ながら
時に笑い、時に涙の傑作に仕上げるのはさすがです。
仇が死んでしまって生きる気力がなくなる辺りに心打たれます。
「高尾」の3月15日でひっぱっていたので、一瞬3月14日の行事を
忘れたくらいです。
私が誉めずとも、他の皆さんの書き込み通りですね。

そして、ゆめさんの >>507「徳さんの24時間TV談義(仮)」は
あいかわらずの徳さんのトークが見物ですね。
ナオコさんも登場しての、24時間TVをいかに盛り上げるかのトークバトル
は、キャラも生かしつつ、ポイントポイントでツボを用意してあって
これまた圧巻です。

さて、それでは第十四回お題取りといきましょう。
例の如く、一単語一レスでお願いします。






512 :重要無名文化財:02/02/16 00:31
主催者さんの品のよい司会っぷりも好きです。


513 :重要無名文化財:02/02/16 04:57
銅メダル

514 :重要無名文化財:02/02/16 15:35
防火用水

515 :重要無名文化財:02/02/16 16:42
ブーメラン

516 :重要無名文化財:02/02/16 17:35
大統領

517 :重要無名文化財:02/02/16 17:56
御嶽山

518 :(゚д゚)ママー:02/02/16 17:57
(゚д゚)ママー

519 :重要無名文化財:02/02/16 19:00
行平ナベ

520 :重要無名文化財:02/02/16 19:40
国産

521 :重要無名文化財:02/02/16 20:46
エンデバー

522 :重要無名文化財:02/02/16 21:08
蓮華

523 :重要無名文化財:02/02/16 21:13
タウンページ

524 :重要無名文化財:02/02/16 22:23
昆布

525 :重要無名文化財:02/02/16 22:47
刺青

526 :主催者:02/02/17 01:42
たくさんのお題が一日で集まりました。
皆さん、本当にありがとうございます。
それと、>>512さん、お褒めの言葉ありがとうございます(笑)

それでは、第十四回お題の発表です。
「ブーメラン」「国産」「昆布」
の三題です。
間違っても「国産昆布」という安易な使い方はないと思いますが
頑張って作ってみて下さいね。
「銅メダル」「エンデバー」なども候補でしたが
「銅メダル」は金メダルの期待を込めて、外しました(何か選ぶと銅を望んでいるようなので)

それではたくさんの作品、新人・常連問わずお待ちしています。

527 :重要無名文化財:02/02/17 16:58
ここの三題話、かなりの出来だから、落語家さん誰か演らないかな?
正直、寄席でかけたらこの板じゃあ神よ。

528 :重要無名文化財:02/02/17 17:05
↑それは俺も思ってた
でも 2ちゃん以外の三題噺HPでも、素人の作った噺を噺家がやった
なんて きいたことないしなあ 

529 :重要無名文化財:02/02/17 17:26
この板って若手落語家たくさんみてるんでしょ?
さすがに2ちゃん住人落語家だと自称してるようなもんだからねぇ。
あっ、だから成し遂げたら神な訳だ。

530 :里の筍:02/02/18 19:50
「ブーメラン蕎麦」

客「蕎麦屋さん、寒いねぇ。」
そばや「手前どものせいじゃございません。」
客「そりゃあまあそうだがね。でもこう寒いと暖かいものがごちそうだ。とりあえず掛け蕎麦を一杯頼むよ。」
そ「へぇ、お待ち。」
客「早いねぇ。やっぱり蕎麦はこうでなくっちゃ。」
ところで蕎麦屋さん、お前さんのところの蕎麦は腰があって上手いねぇ。やっぱり蕎麦粉は国産を使ってるのかい?」(パチパチパチ)
そ「へぇ、最近は内地ものは高いんで中国からの輸入もんです。」
客「そうかい。それも時代の流れというもんかねぇ。まぁ胃の中に入ってしまえば何だっていいんだ。
でもダシはおごってるね。本ブシにいい醤油を使ってらぁ。ほんのり昆布味がするところをみると、こりゃ工夫したね。」(パチパチパチ)
そ「ええそうなんです。シマヤのダシの元に味の素を少々。この混ぜ加減が企業秘密なんで。」
客「ふーん、企業秘密ねぇ。ところで勘定はいくらだい。」
そ「800円になります。」
客「おい、おい、これで800円かい!まあいいや。細かいもんしかないけどいいかい。」
そ「手前どもはお代さえいただければ何でもよろしいんで。」
客「じゃあ払うよ。それ、ヒー、フー、ミー、ヨー、400円だ。
ところで蕎麦屋さん、今何時だい?」
そ「ちょうど四時になります。」
客「そうかい。ゴ、ロク、ナナ、ハチで800円。」
そ「ちょうどいただきました。まいどありがとうございます。」
客「ところで蕎麦屋さん、おまえさんのところの暖簾の模様はかわってるねぇ。
ありゃあナイキかい?」
そ「いいえ、ブーメランでございます。」(パチパチパチ)
客「そいつぁ珍しい。そういえば壁にもかかってるね。蕎麦屋にあんなものおいといてどうしようってんだい?」
そ「ええ、お勘定のときに時間を聞いちゃあお代を誤魔化して逃げようとするお客さんが時々おいでになるんでね。
そんな時にゃあ、あれを投げて足を止めるんです。」(ドンドン)


531 :重要無芸文化財:02/02/19 20:53
 私は、まず、三つの題をつなぐ「ストーリー」「元ネタ」や「状況」を考え、サゲは、
その後に考えるというパターンです。
 ところが、今回は、まずタイトルを思いついて、無理矢理にタイトルにあわせた話を
デッチ上げるというパターンです。中身は、タイトルの元ネタと全く無関係ですが。

「昆布弁慶」

清八:喜ぃ公、あの向こう歩いてる人、知ってるか。
喜六:うわ、えらいようけのもん、背たろうてはんなぁ。
   清やん、あれ誰や。
清八:乾物屋の番頭の芳っさん言うね。
喜六:何で、あんな大きい荷物、背たろうてんのやろ。
清八:仕入れる昆布を選びに北海道まで行くのに、あんな格好してるんやな。<パチパチ>
   昆布は冷たい海で出来るそうで、出来具合を見るために、棒の先に鎌付けたんとか、
   料理してみな、味がわからんとかで、包丁やら、料理用具まで担いではんのや。
喜六:向こうにも、道具はあるやろに。
清八:北海道言うたら、昔は1月も2月もかかったとこや。汽車がある、気船がある
   言うても、そこそこの長い旅や。
喜六:長いタビやない。長いクツ、担いではるで。
清八:そら、深こうに雪が積もるよってや。長い旅やし、持ちもんも多なる、言うてんのや。
喜六:昆布、選ぶんに、大層なこっちゃなぁ。
清八:そやから、皆、芳っさんと言わへん。七つ道具担いではるし、昆布弁慶て、呼んでるね。
喜六:へえ、昆布弁慶て、聞いたことあるような気ぃもするけど。
芳 :これはこれは、清八さん。
清八:あ、芳っさん、お久しぶりで。こいつは、友達で、喜六、言いますね。
喜六:これはこれは、昆布弁慶はん。
清八:こら。
芳 :いえいえ、結構でおます。皆さんが、昆布弁慶と呼んでくれはるので、実は喜んでます。


532 :重要無芸文化財:02/02/19 20:55
清八:へぇ、また、どうしてだす。
芳 :もの商のぅてて、売りもんで呼ばれると言うのは、やっぱ、嬉しおますな。
清八:弁慶の方は。
芳 :へえ。弁慶ちゅう人は、七つ道具を使いこなす力持ちで、そら強いお侍でした。
   それだけやおません。安宅の関を智恵で通り抜けた。
清八:文武両道ちゅうこってすな。
喜六:ぶんぶの背中は、ぴっかぴっかですな。
清八:いらんこと言いな。
芳 :知盛の亡霊を法力で退散させたとか。、坊さんとしても立派な方です。
清八:芝居で見ました。
喜六:知盛はんもええけど、弁慶はんも良かった。
芳 :それに、ご主人の判官さんに、ようお仕えしはった。
清八:確かに。
芳 :そういう立派なお方のお名前で呼んで貰えるのは嬉しい限りで。
清八:そんなもんでっか。
芳 :弁慶さんには、あやかりたいと、常から思ぅてます。
清八:そやけど、また、七つ道具が、また増えてまへんか。
喜六:卒塔婆まで、2本、担いではりますけど、何に使いまんね。
清八:途中で、誰ぞの供養でもしはるんでっか。
喜六:そやけで、この卒塔婆、先が反ってる。
芳 :卒塔婆やおまへん。これも、外国の道具で、スキー言うもんですねん。
   これ履いたら、雪の上でも楽に歩けますねん。
清八:そら便利なもんでんな。
喜六:そやけど、バチ当たらへんか。
清八:卒塔婆やない、言うてはるやろ。
   それで、何でまた、七つ道具が増えましてん。
芳 :はあ。弁慶さんが唯一、負けたんが、五条の橋で牛若丸にだっしゃろ。
清八:それで、家来になったんでしたな。


533 :重要無芸文化財:02/02/19 20:56
芳 :負けたんは、それで良かったんですけど、さて、どうしたら勝てたやろと考えました。
清八:牛若丸がひらひらと身をかわした言いまんな。
芳 :へえ、牛若丸、後の判官さんは、身の軽い、よう跳ぶ人でした。
清八:確か、どっかの合戦でも、船の上を八艘跳びをしたとか。
喜六:わいも、あんんたは発想が飛んでて、ようついて行かれん、て言われる。
清八:そら、あほや、言われてんのや。
芳 :よう跳ぶ相手には、と考えるうち、カンガルーのこと聞いたんです。
喜六:考える、かんがえる、かんがるぅ・・・でんな。
清八:いらんこと言いな。
芳 :カンガルーは、よう跳ねて逃げるらしいんですけど、土地の人は、ブーメランちゅうもん
   使こぅて、獲るらしいんだす。<パチパチ>
清八:へえ。それが、何で、そのスキーとやらに。
芳 :それで思ぅたんは、外国にもええ道具があるんで、取り入れなあかん、ちゅうことだすね。
清八:国産の道具だけでは、あきまへんか。<パチパチ>
芳 :それで、外国の便利な道具も、いろいろ、持とぉと思うて、ブーメランがあるちゅう国のこと
   聞いたら、オーストラリアやそうで。
喜六:へえ、オーストリアでっか。
清八:ラが抜けてる。そんなあほな間違い、しはらへん。
芳 :ところが、しましてん。
清八:あちゃ。
芳 :でも、オーストリアのこと聞いて、このスキー言うもんがあんのを知ったんだす。
清八:まあ、間違えても、役にたてはるのは偉いでんな。
芳 :おそれいります。ほな、行ってきます。

ほな、と別れますが、夕方に、北海道に行ったはずの昆布弁慶さんが歩いてます。

清八:もし、昆布弁慶はん。北海道に行ったん違ごうたんでっか。
芳 :へえ、駅まで行ったんですけど、道具が大きすぎて、汽車に乗るに乗られずで。
喜六:ああ。立ち往生、しはった。
<ドンドン>


534 :重要無名文化財:02/02/19 21:06
>>531-533
偶然書き込みリアルタイムで拝読しました。
本当に噺を聞いているようで、得した気分です。
作品、いつも米朝の語り口調で拝読してます。
>>530 さんのは当代桃太郎かしら。
いつも楽しませていただいてます。ありがとうございます。

535 :主催者:02/02/21 03:17
早速の書き込み、ご苦労様です。
今回もまず常連のお二方の力作を楽しめましたね。

まず、筍さんの >>530「ブーメラン蕎麦」は、時そばの改作といったかんじで
お題を上手く盛り込んでいますね。しかも、ただの改作ではなくて、
時そばを知っているからこそ面白い要素があって、ひとくせもふたくせも
ある好作品です。ブーメランとナイキのくすぐりは新鮮ですね。
純粋に面白かったです。

つづいて、重要無芸さんの >>531-533「昆布弁慶」も、タイトルはご存知
東の旅の傑作ながら、内容は無理矢理合わせたとおっしゃっていますが
なかなかどうして、昆布の仕入れの七つ道具で弁慶と呼ばれるとか、
スキーの卒塔婆のくすぐりなど、古典芸能の下地が前面に出る重要無芸さんの
新たな一面を垣間見ることが出来ました。

まだまだ募集しております。
「ブーメラン」「国産」「昆布」の三題で作品をお待ちしています。
また、>>534さんのように随時感想など書いて下さると
ありがたく思います。



536 :T.K.:02/02/21 05:08
おひさしのT.K.です。
「ピラメンメンのワンワンワン」ってタイトルです。

八公「ピラメンネィ、ピラメンネィ」
六兵「表でピラピラ言ってる人がいるな。用が在るなら開けてお入り」
八公「用があるから来てんだ、このベランメェ」
六兵「ブーメランめ?」(パチパチ)
八公「『べらんめぇ』だ、スットコどっこい。さっきテメエから買った昆布、(パチパチ)
   食ってみたらイヤにかれぇじゃねーか、どーなってるんだ。」
六兵「昆布はそんなもんだ」
八公「さっき国産って言ったたけど本当だろうな」(パチパチ)
六兵「もちろん国産だ」
八公「じゃ、どこで取れたんだ?日本海か?」
六兵「いや、東海(とんへ)」
八公「あ、このやろう、朝鮮人だなてめぇ。どうりでおかしいと思った。
   この辛さはキムチじゃねーか。こんな昆布食えるか」
六兵「キムチ馬鹿にしたな。謝罪と賠償を・・」
八公「うるさい。このキムチ味昆布の一体どこが国産なんだよ」
六兵「韓国産」(ドンドン)

参考資料(笑)
http://news.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1013058623/l50
http://tmp.2ch.net/test/read

537 :T.K.:02/02/21 05:11
http://tmp.2ch.net/test/read.cgi/asia/1012888634/l50
だ。参考資料のurlが途中で切れてしまった。

538 :重要無芸文化財:02/02/21 21:00
やっぱり、芝居の話を作らんことには、何か気色が悪いので、もうひとつ。
・・・えらい長くなってしまいましたが。

徳兵衛:こんにちわ。若旦さん、おいでで。
作次郎:ああ、徳兵衛かいな。もう、若旦さんはやめとくれ。作次郎と呼んどくれ。
徳兵衛:いいえ、私のうちが煙を立てさせていただけるのも、皆、御本家があって
    こそだす。その御本家の若旦さんは、御勘当なされても、若旦さんだす。
作次郎:何を言うのや。親父と喧嘩して家を飛び出して、乞食同然になった私や。
    それが、こうやって店持てたんも、皆、お前、いや、お前なんて言うたら
    バチが当たる。徳兵衛さんのおかげや。
徳兵衛:段取りだけはさせてもらいましたけど、こうお店が廻りだした言うんは、
    若旦さん御自身のお力だすがな。
作次郎:そやけどなぁ、勘当されたら、それまで若ぼん、若旦那、言うて、ちやほや
    してたもんが、皆、誰やお前は言う顔や。でも、お前だけは違ごぅた。
    あ、また、お前言うてしもた。
徳兵衛:若旦さんが、お好きな芝居も観に行かんと、頑張らはったこそだすて。
作次郎:行かんわけやない。ほどほどには行ってるでぇ。
徳兵衛:はあ、左様でおますか。
作次郎:大坂で商いするんや。流行りの芝居も見ん。浄瑠璃の文句も知らんでは、
    人と喋るのも不自由で、商いに障る。
徳兵衛:ほな、私も芝居、観に行かなあきまへんなぁ。
作次郎:ははは、お前の方が、商いのことは、よう承知やろがな。障るこたない。
    たまには好きなことをしよ思うよってに、日頃は励む気ぃにもなんのや。
徳兵衛:左様で。まあ、若旦さんは欲のないお方だすよって、そういうお楽しみが
    ないことには、お金が欲しいともお思いにならん方だっさかいな。
作次郎:まあ、乞食やっても生きてはいけるいうんが、ようわかったし。
徳次郎:そんなテンゴ言わはって。
作次郎:ところで、何ぞ、用でもあったんと違うのか。
徳兵衛:へぇ。若旦さん、まだ、身ぃ固める気ぃは、おませんのだすか。
作次郎:ああ。あの時は、養子の口のことで親父と喧嘩したんやったな。店は兄きが
    継ぐんで、養子に出るんは、やむを得んことやとはわかってたけどなぁ。
徳兵衛:へぇ。それで、親旦さんがお怒りになって、御勘当を。
作次郎:そやけど、お前のおかげで、こうやって自分の店が持てたんやで。
    今さら、よその店に養子に行くことはないやろ。


539 :重要無芸文化財:02/02/21 21:02
徳兵衛:いえ、そうではございません。嫁御様をお迎えになろいう気ぃは。
作次郎:ああ、そういうことかいな。いっぺんは乞食に落ちぶれた男でもええ。
    店、持ってる言うても、こんな、まだ奉公人もおらんような小さい店や。
    こんな私んとこに来てくれる女子はんがいるかいなぁ。
徳兵衛:何を仰有いますやら。若旦さんは欲のない方でおますけど、その気にさえ
    ならはったら、何ぼでもお店を大きぅにできる。それほど、この店が、よう
    廻ってるいうのんは、ちゃんと存じております。
作次郎:私は、ご飯がいただけて、月に何べんかは芝居が観られたら、それでええね。
徳兵衛:そこで、ちょっとは、欲を出して貰ぉ思いましてなぁ。
    それで、嫁御様をお迎えなさる気ぃがございましたらと存じまして。
作次郎:ま、気ぃがあっても、あてがないわ。
徳兵衛:実は、あるお嬢さんがいてはりまして、それで、親御さんに若旦さんのことを、
    申し上げましたところ、是非にうちの娘を貰ぅていただきたい。
    こう言うてはるんだす。
作次郎:へぇー。誰やいな。
徳兵衛:それが、実は。・・・・怒らんと、聞いとぉくれやす。
作次郎:何で、私が、お前を怒ったりできるかいな。
徳兵衛:そのお嬢さん。嫁に行かはるのは、初めてやおまへん。でも、サラ同然だして。
作次郎:そんなことかいな。どんな事情か知らんけど、そんなこと気ぃにせぇへんて。
徳兵衛:そやけど、なかなかの別嬪さんでおます。
作次郎:結構やないか。誰やねん。
徳兵衛:親御さんも大きい店ではおませんけど、手固ぅに商いをやってなさってる方で、
    それに、持参金代わりに、娘に、借家三軒付ける言うてはります。
作次郎:ほな、ここは狭いけど、住むとこは心配せんでええな。でも、三軒も要らんわ。
徳兵衛:いえ、家賃を払う方から、貰う方になるんだすがな。
作次郎:はぁ、そうか。で、どこのお嬢さんやね。
徳兵衛:乾物屋の河内屋のお嬢さんで、お梅さんだす。
作次郎:ちょっ、ちょっと、徳兵衛。その娘さんやったら知ってるで。
徳兵衛:そうだしたか。別嬪さんで、今小町と評判だっしゃろ。
作次郎:そやけどなぁ。私だけやない、皆が、あの娘さんを何て言うてるか知ってるか。
徳兵衛:何と仰有ってで。
作次郎:ブーメラン小町や。<パチパチ>
徳兵衛:どういうことだす。
作次郎:私が知ってるだけでも、もう、3べんか4へんは嫁に行ってはるで。
徳兵衛:言うた通りだす。初めてやおへん。
作次郎:けど、決まって、翌日には戻ってきはる。
徳兵衛:そやから、サラも同然だす。
作次郎:行っても、ちゃんと戻ってくるよって、ブーメランて、皆が言うてんのやで。


540 :重要無芸文化財:02/02/21 21:03
徳兵衛:こればっかりは、相手さんとの相性も、おますよってにな。
作次郎:毎度、毎度、祝言の翌日には、戻って来はんのやで、こら、相性だけやないで。
    何ぞ、わけがあるに違いないやろ言うて、この前も、お取引先と話をしたんや。
    首が伸びるんやろか、夜中に行灯の油を舐めんのやろか言うてな。
    あんまり話が弾んで、それで取引も増やしてもうた。
徳兵衛:そんな、商売のだしにしなはんな。
作次郎:昆布や鰹節、売ってはるだけに、ええだしになったでぇ。<パチパチ>
徳兵衛:それで、若旦さんは、そのわけ言うのをご存知だすか。
作次郎:知らん。まぁ、この話のパターンやと、やっぱりバリバリか。
徳兵衛:バリバリで何でんね。ま、わけさえ聞いて貰うたら、若旦さんも納得して貰える
    そう思いまして。
作次郎:へぇ。どんなわけやねん。
徳兵衛:そのお嬢さんも、芝居が大好きでして。
作次郎:それで、何で、戻ってきはるんや。
徳兵衛:役者に入れあげるとか、そういうことでは、ございません。
    ついつい、ちょっとした言葉の端から、芝居の真似事を始めはるんだす。
作次郎:そんなん、誰でもするやないか。そら聞こえません伝兵衛さん・・・て。
徳兵衛:それが尋常の真似事やのうて、だんだん真に迫ってきて、もう、芝居やホンマか
    わからんようなるんだすて。
作次郎:どういうことやね。
徳兵衛:晩には二人になりますわな。よう知られた芝居で、男と女と言うたら。
作次郎:お初、徳兵衛。小春、治兵衛。お染、久松。
徳兵衛:お半、長右衛門。おしゅん、伝兵衛。
作次郎:皆、心中してんな。
徳兵衛:そう、だっしゃろ。
作次郎:なるほど、合点がいったわ。嫁に来た晩に心中しよちゅうことになんのや。
    そら、返されるわな。
徳兵衛:若旦さんやったら、どうなさいます。
作次郎:そやな。私なら、芝居の真似事に乗ったフリして、一緒にやってみよか。で、
    違う外題に変えるのはどうや。そやなぁ、「吉田屋」なんかどないやろ。
    夕霧・伊左衛門ならめでたい結末や。
徳兵衛:そうでございましょ。ですから若旦さんとならと思いまして。
作次郎:なるほど、考えたもんやな。
徳兵衛:どうで、ございましょう。
作次郎:そんなことやったら、何の文句もあらへん。何よりも徳兵衛さんに持って来て
    頂いた話や、有り難とぅ、お受けいたします。


541 :重要無芸文化財:02/02/21 21:03
と、縁というのは妙なもんで、芝居好きで戻ってきてたお嬢さんが、芝居好きの若旦那へ
の嫁入りが決まります。先方さんは今度こそと思てます。若旦那も勘当中の身ということで、
徳兵衛さんが親代わりで、かえって話が早ぅにすすみます。
まあ、勘当中言うても、徳兵衛さんから、それとのう親御さんにも話は行っていたには
違いないんでしょうけど。
一応の仲人は立て、あっという間に祝言の日となります。一通りの盃事をいたしまして、
仲人は宵の口と引き上げ、河内屋さん夫婦も、これでひと安心、いやまだ安心はと、思い
ながらも、まずは早いこと若い二人にするのがええ、年寄りはうちの店でやりまひょかと
徳兵衛さん夫婦を誘います。

作次郎:ええ、こんな時、まず、どう言うたらええのや。いきなり、この後の段取りとも
    行かんやろし。・・・・ええ、もし、あの、お嬢さん、お嬢さん。こんな男やけど、
    こうなったのも、何ぞの縁。「契りていつまでも、われとそなたは女夫星。」
    ・・あ、しもた。
梅  :「必ず添ふとすがり寄り、二人がなかに降る涙、河の水嵩も勝るべし。」
作次郎:うわ。やっぱり、そう続くか。私から、浄瑠璃の文句を言うてしもたとは。
梅  :「心も空も影暗く、風しんしんと更くる夜を、星が飛びしか稲妻か。」
作次郎:それも、こら曽根崎心中。よりによって、これから心中しよちゅう場面や。
梅  :「アア、怖わ。いまのはなんの光ぞや。」
作次郎:「オオ、あれこそは人魂よ。あはれ悲しやいま見しは、二つ連れ飛ぶ人魂よ。」
    私も続けんでええもんを・・・・・根ぇが、芝居好きやな。
梅  :「そんなら二人の魂か。はやお互は死にし身か。死んでも二人は一緒ぞ」
作次郎:と、私が抱き寄せて、女の方が泣く場面や。そや、ここから違う芝居にしたろ。
    「かかるところへ下女はした、遺手、禿に、女房も、きほひかかって喜左衛門」
    「もうし、もうし、伊左衛門さま。もうし、もうし、伊左衛門さま。お前の親御、
     妙順さまよりお人が参り、御子息さまも母屋へ引取りあなたも御勘気赦りました。」
梅  :「ほんにそれいな、太夫さま。お前も身請の埒が明き、大てい嬉しいことぢゃない」
作次郎:「オオ、オオ、オオ、オオ、この喜左衛門が精力で、本復さして見せませう」
梅  :ちょと、いつのまにか吉田屋の芝居に変わってや、おませんか。
作次郎:よろしいがな。私は、こっちの芝居の方が好きや。勘当が解ける話やよって。
梅  :そうでおますなぁ。作次郎様も、早ぅ、親御さんのお許しが・・・・
作次郎:待ってぇな、お嬢さん。もう作次郎様なんて、他人行儀な呼び方せんでも。
梅  :そう言う、あ、あ、あんたこそ、お嬢さんやなんて。
作次郎:そら、そやなぁ。お、お、お前。
    ま、徳兵衛さんの話やと、孫でも出来たら、親父も許すやろと言うてたなぁ。
梅  :ほな、早ぅに孫を・・・・て、うわ、私、何ちゅうことを言うたんやろ・・・。
作次郎:そんな赤ぅならんでも、夫婦やないか。言うても、私も、ちょっと気はもじい。
    どや、めでたい晩やし、ちょっと飲まんか。
梅  :へぇ。私が注がして貰います。
作次郎:こんな男のとこに来てくれたんや。お、お前から、どや。
梅  :そんな、勿体のうおます。作、あ、あんたから、どうぞ。
作次郎:お前から。
梅  :あんたから。


542 :重要無芸文化財:02/02/21 21:04
作次郎:きりないなぁ。いっそ、じゃんけんででも決めよか。
梅  :あんたが、そう仰有るのでおましたら。
作次郎:それ。
    で、私がパーや。あ、お前の負けやで。グーや、グーや。
梅  :ファーターワーン。シェンシェンカァイシー・・・・。
作次郎:何や。突然、甲高い声、出して。
梅  :ターワーン。シィーイーイ。
作次郎:何言うてんのや、中国語みたいやな。それに何や、酒を注ぎはじめたで。
梅  :イィーアン、シェアフー。
作次郎:そうか。「グーや、グーや」から「虞や虞や汝を如何にせん」に飛んだんか。
    四面楚歌の項羽やな。・・・・ちゅうことは、こら京劇の「覇王別妃」。
    何と中国の芝居にまで飛ぶかぁ。芝居は国産だけやないのや。<パチパチ>
梅  :イィーイィーアアン、イィーイィーアアン・・・
作次郎:わー、怪体な歌で、包丁振り回し出して。虞美人が剣、持って踊るとこやな。
    この後は、確か、虞美人が自害するはず。・・・て、こら、えらいことや。
    私も芝居に乗って、外題を変える言うても、京劇の真似事までは、ようせん。
    どないしたらええね。何ぞ、ええ思案は・・・、思案・・・・思案・・・・、
    「思案にふさがる一間には、館の娘、八重垣姫。」
梅  :あら、それは「十種香」、本朝廿四孝ですがな。あんたが本朝やったら、私も。
作次郎:あ、中国まで飛んだけど戻ったがな。やっぱり、ブーメランや。
<ドンドン>


543 :重要無名文化財:02/02/21 21:26
お見事!

544 :柳ヤコ:02/02/21 21:50
無芸さんの芝居噺、さすがだなぁ。そんなさなかに「やっぱりバリバリか」なんて
くだらないセリフに笑ってしまいました。
(あたしはただいま製作中・・・ちょっと待っつくんねェ)

545 :柳ヤコ:02/02/21 23:07
『らくだの買物』

屑「えぇ〜〜〜くずやァ〜〜おはらぃ」
ら「おいッ!くず屋ッ!!」
屑「あッいけねぇ!あんなトコにらくださんがいるよ・・・まいったなァ・・・」
ら「なにをグズグズ言ってやんでぇ!こっちィ来いッ!」
屑「へぇ、へぇ・・・なんでしょう」
ら「このドンブリ、買えッ」
そば屋「あ〜〜、売っちゃダメ〜、ウチの商売道具なんすから」
屑「あ、当り矢さんのですかぁ?そりゃ買えませんよ」
ら「なにをゥ?買えねぇ?じゃぁ屋台ひっくり返すぞ!」
そば屋「ちょっちょっと、そりゃ困りますー」
ら「うるせェ!」

乱暴者のらくだがドンブリを思いッきり放り投げた。このドンブリが、んー、
まっつぐに飛ばなかったンですな。腕っぷしの強いところィ持ってきて、この
ドンブリがまんべんなく欠けてたもんですから、変に回転がついたとみえて
ブーンってんで戻ってきた。ただ今で言うブーメランみたいなもんで(パチパチ)。
戻ってきたドンブリが、くず屋さんの頭にコーンって当たったもんだから、これァ
たまりませンな。くず屋さんキュ〜ッってんでノビちゃった。

ら「なんだよオイ、しょうがねぇな。おい、そば屋ッ!」
そ「はぁ」
ら「ドンブリ、お前が買えッ」
そ「買えったって、それウチのですよ」
ら「うるせぇ!いいから十銭よこせッ」
そ「は、はい〜・・・・・なんだィあの人は・・・」


546 :柳ヤコ:02/02/21 23:08
ら「おい、魚屋ッ!」
魚「あちゃー、らくださんだよ・・・なんですゥ?」
ら「このフグうまそうじゃねぇか。いくらだ」
魚「へぇ、一円八十銭で」
ら「どこでとれた」
魚「そりゃ、海でしょう」
ら「当たり前だッ!山でフグがとれるか!どこの海だって聞いてるんだ。
  げえこくか?」
魚「は?ゲエコク?・・・あァ外国ですか。いえ国産です」(パチパチパチ)
ら「国産か。じゃぁ一円八十銭は高いな。十銭にまけろ」
魚「そりゃムリですよぉ。まかりませんよォ」
ら「まからねェ?俺が珍しく十銭払うと言ってんだぞ」
魚「まけます。十銭で持ってってください」

半「あ、らくだの兄貴じゃねェか」
ら「おゥ、半次か」
半「おっフグだ。え、なに、フグ鍋にすんの?」
ら「ふふ、どうだお前も」
半「面目ねぇ、フグだけは勘弁ねがいてェや。で、ダシはやっぱり鰹節かぃ?」
ら「なァに、俺はらくだだからな、昆布だ」(パチパチパチ)
半「はは、ラクダでコブか、なるほどな。でも自分で料理すんのかぃ、気をつけなよ」
ら「だから俺はらくだだって言ってるだろ。『さばく』のはまかせろ」

これからこのらくださんがフグに当たって死んじまうという、『らくだ』の序で
ございます。 

  ドンドン


547 :里の筍:02/02/22 21:52
えぇー、重要無芸師匠、湖亭半弗師匠方をはじめ上方話の大作が目白押しですが、
中に混じってあいもかわらず江戸風味のさっぱり味でご機嫌をうかがわせていただきます。
上方勢が米朝師匠の口調ならば、こちらは志ん朝師匠か馬生師匠で、と言いたいとこなんですがね、こればっかしは噺の内容が今一なんで、
お客さまがたには「なんだい、こりゃぁ。ひどいね、さっぱりだね。」なんて怒るよりあきれられてしまいそうですが、
そこのところは一つご辛抱願ってしばらくの間、お付き合いをお願いいたします。

「結納鮑」

酒というものはいいもんですね。暑いにつけ酒、寒いにつけ酒。めでたいといっちゃあ酒、悲しいといっちゃあ酒。
二月も後少しですが、まだまだ思いもかけず雪が降ったりしてね。「こんなに寒くちゃあやってられないね。一杯行こうか。」
もう少しして暖かくなって桜の花がちらほら咲くようになると「いいね。花見に行こ。一杯飲もう。」なんてね。
これがコーヒーやお茶じゃこうはいかない。「雪が降ったねぇ。キリマンジャロでも飲もうか。」なんて言ってる間はいいけど、
「桜が咲いたね。番茶でも飲もうか。」なんてんじゃあどうにも格好がつかない。
「楽しみは後に屏風、前に酒、左右に女、懐に金」なんていいますが、懐が暖かけりゃ「パーッと行こうか」ということになるし、
寂しくても「どうにかして一杯飲みたいね」なんてことになりますな。

八「ご隠居さん居ます?」
隠「おや、八つぁんかい。こちらへお上がり。」
八「ご隠居さんは物知りだと町内のみんなが言ってるから聞いてみるんですがね。」
隠「なんだい?」
八「結納ってのは何です?」
隠「おまえ、今の上さんと一緒になるときに結納をしなかったのかい?」
八「自慢じゃねぇが、うちは仲人もたてずに一緒になったからねぇ。」
隠「そんなことを自慢してどうする。結納ってのはな、一緒になる前に男のほうから女の方へ目出度い品物を送ることを言うな。」
八「おめでたい品物というとおかめとヒョットコのお面か何か?」
隠「馬鹿なことを言うんじゃぁないよ。まあ、所によって色々違うが基本の五品といえば、するめ、昆布、末広、柳樽、鮑熨斗というところかな。」
八「それがどうして目出てぇんで?」
隠「するめは噛めば噛むほど味が出るよい女房になるようにってことだ。」
八「昆布は?」(パチパチパチ)
隠「よろこんぶだなぁ。」

548 :里の筍:02/02/22 21:53
八「なんだい、ゴロ合せかい、下らねぇ。後、末広は末広がり、柳樽はあっしが貰ってもうれしいから目出てぇのはわかるけど鮑熨斗は何でかねぇ。」
隠「そうさなぁ。忌事には生臭いものを絶つのと反対に目出度い事には生臭ものが縁起がいいということで、
まあ中でも一番値打ちの高い鮑を送ったとされてるなぁ。」
八「へぇー、そんなもんですかねぇ。でゲエコクでもやっぱり鮑を送るんですかねぇ?」
隠「さぁ、そこの所はよくわからないが、多分日ノ本だけのものだろうな。」
八「あまりゲエコクでするめを肴に酒を呑むてぇ話は聞いたことがないから、やっぱり国産の慣わしなんですかねぇ。」(パチパチパチ)
隠「ところでどうして急に結納のことなんぞ聞きに来たんだ?」
八「いえ、じつはね、さっき熊公の野郎がうちに来てね。子供の結納に金が要るからいくらか回してくれないかって言うからね。」
隠「ほーぅ、熊さんのお子さんもそんな年になったか。まぁ、情けは人のためならず、というから助けてあげるのはいいことだ。」
八「いえね、普段からのつき合いだから回してやるよって請けあったんですがね。でも情けをかけちゃあ人のためにならねぇっていうんじゃあ、
止めといたほうがいいかねぇ。」
隠「そうじゃぁねぇ。それがおまえがものを知らないってぇんだ。人に情けをかけていれば、いずれは自分も誰かに情けをかけてもらうことになる、
情けがブーメランみたいに自分に返ってくる、っていうことを言うんだよ。」(パチパチパチ)
八「へぇー、情けはブーメランですかねぇ。」
隠「まあ、そういうことだな。」
八「それじゃものは相談なんですがね、その結納の金をあっしの方へ回しちゃぁ貰えませんか。」
隠「なんだい、おまえさんは。空っけつで請けあって、うちに金を借りに来たのかい?」
八「まあ早く言えばそんなようなわけで。」
隠「遅く言ったって同じだ。しょうがねぇなぁ。情けが返るなんて余計な講釈を垂れた手前、貸さないというわけにもゆかないか。」
八「しめた。」
隠「今なんかいったかい?」
八「いぇ、何でもねぇんで。」
隠「じゃぁ、こしらえてやったからこれを持って行きな。」
八「ありがてぇ。これで一杯飲める。」
隠「おい、ちょっと待ちな。今なんて言った?」
八「おっと口が滑った。」
隠「口が滑ったじゃないよ。さては熊の結納は口実で酒代をせびりにきやがったな。」
八「そこまでばれちゃしょうがねぇ。熊が来たのは本当ですがね、二人で一杯やろうという話になったが懐が寂しい。
ご隠居さんのところへ上手く話をもちかけたらどうにかなるだろうなんて野郎が言うもんでね。」
隠「とんでもねぇ野郎たちだ。それじゃ、結納はいったいどうなる。」
八「大丈夫でさぁ。柳樽を仕入れてするめと鮑で豪勢にやりますから。」(ドンドン)


549 :湖亭半弗:02/02/24 01:14
師匠だなんてお恥ずかしい、相変わらずの上方噺の半弗でございます。
重要無芸文化財さんの噺もさることながら、里の筍さんや柳ヤコさんの
江戸の噺も甲乙付け難い面白さですよね。
今回のお題は「ブーメラン」「国産」「昆布」ですね。

季節感やとか土地柄なんかを、だんだん感じん世の中になってきておりますが、
冬でもビニールハウスの西瓜が手に入ったり、国産の朝鮮人参があったりやとか
(パチパチパチ)便利になっても、すこぉし寂しいきもいたしますが。
昔はやはりその土地や季節はそれはもぅ大事で、千両みかんてな噺も今の人等は
実感がおまへんやろなぁ。夏の暑い盛りにみかん一つてな、今ならコンビニでもあるや分かりま
へんしね。それこそ千両とってたら売った方が訴えられる御時世かもしれまへんな。
もちろん、今でも山のもんは山で、また海のもんは海で手に入れた方が安う手に入るし
おいしかったりする。なかなかそういうことが出来んさかいに、今はまたそれはそれで
味わいがあるんでっしゃろが。そういうのを代わりにやってるような商売がある。
海のもんを仕入れて山で売る、またそこで山のもんを仕入れて海で売る、そら割高には
なりますけれども、やはり珍しいからすぐ売れるんですな。それで一儲けするというような
商売がありまして、今日の「海の幸」という噺はそういう商売の男が出てまいりまして、
次郎兵衛「おぉい、太郎吉やい。宗助はんはまだ来んのかい。」
太郎吉「おぉお、そろそろ来てのはずじゃがなぁ。何をしてけつかるんじゃろぉのう。」
宗助「へぇ、毎度。」


550 :湖亭半弗:02/02/24 01:15
次郎兵衛「おぉ、宗助はん。待ってたんじゃぁ、さぁ。おぉい、太郎吉。村のみんな
呼んできてやれぇ、宗助はんが来たちゅうて。いやあ、わしら海のもんにとっちゃあ
宗助はんのもってきなさる山のもんが珍しいてなぁ。」
宗助「へぇ、ありがたいことで。今日は猪の皮やら、山菜やら、ヤマノイモ、
それから次郎兵衛はん、あんたに頼まれてました鹿の角。持ってきました。」
次郎兵衛「あぁ!持ってきなさったか。ありがたいことじゃあ。」
宗助「ほな、また後で、海のもんをようさん買わせてもらいますさかいに、
こっちのもんも買うていただきたいと。」
次郎兵衛「分かっとぉる、分かっておる。ちゃんと海の幸の支度は出来てるでなぁ。」
そうこうするうちに、人が大勢集まってくる。始めの内は品定めで村のもんが触るの
何の、山菜やなんかはべたべたになったぁる。海の漁師衆の塩辛い手やさかいに
売れる頃には漬けもんになってる有り様で。よょよぉ売ってしもぉて、残ったんは
さすがにズルズルになったワラビ一束。
宗助「いや、今日はまた売れに売れました。この村だけで、残りはこのワラビ一束、
ありがたいこってすわ。あぁ、それで、私が引き取ります海の幸は?」
次郎兵衛「おぉお、そうじゃった。さぁ、こちらである程度みつくろったが
この他にいるものはあるかぃのぉ?」
宗助「ほな見さしてもらいます・・・。ほぉほぉ、昆布やとかはよろしいなぁ、よぉ売れまん
ねん、これ。干物もまんべんなく揃ぉてもぉてますし、アジ・スルメ、向こうは
川魚でっしゃろ、こういうのは喜ばれます。へぇ、他には・・・珊瑚やなんかも
よろしいんで?」
次郎兵衛「おぉ、珊瑚くらいならわしが潜れば、もっと大きいのが手に入るが
それではあんたが運ぶに重かろうと思うてな。」
宗助「はぁあ、これで・・・小さい・・・ねぇ。いや、おおきに。
あぁ、そういえば、海の村で普通に使てる品物なんかあったら、
いや、そういうのも頼まれてますねん。魚煮るのに変わった鍋使うとか
塩害ちゅうんか、そういうのの生活の知恵みたいなんとか。」
次郎兵衛「さぁあ、何かあったかのぉ。」
次郎兵衛の息子「おじちゃん、これ。」


551 :湖亭半弗:02/02/24 01:16
宗助「おぉ?何や、これ。火吹きの竹筒やないか。ぼん、山やったら竹が
よぉけ生えてるしな。売れるかどうか分からんで。」
次郎兵衛の息子「おっちゃん。甘うみたら怪我します。」
宗助「えらいこと言うなぁ、何や?」
次郎兵衛「この竹な、わたいらみたいな子供でもすぐに火がつくんよ。
ブーちゅうたらメラメランちゅうて、そらも、他の火吹き竹とはえらい違い。
わたい、これブーメランて呼んでる。」(パチパチパチ)
宗助「ほぉ、ブーメランね。ブーちゅうてメラメラ燃えるからか。」
次郎兵衛の息子「いや、それもそうやけど、吹いた分だけちゃあんと炎が戻って
くるの。ほら、鼻のヤケド。」
宗助「危ない竹や。」
色々と支度をして、夜も遅うなって、次郎兵衛が泊まっていけと薦めましたが、
明日の昼には山の村につかないかんちゅうので、弁当をこしらえてもろぉて、
夜も深うなってしもうてから海の村を出ます。浜辺沿いに歩いていきますが、
波の音が無気味に響き渡って、ざざー、ざざー。
だんだん海風が強うなってきたので、浜辺を歩くんもつろぉなってきます。
波にさらわれんようにちゅうても、浜辺が早道ですので通らない訳もいかん。
こわごわ道江を急ぎますが、そのうちに大きな波が
ざぱーんと押し寄せたかと思うと、その波に紛れて大きな蛸が打上げられた。
大きなちゅうても、たこ焼屋が「大きい蛸入ってます」てなああいうもんとは
比べもんにならん、化け蛸てなもんで。
宗助「ひ、ひぃー!な、何じゃこの蛸は!」
蛸「・・・わしとしたことがえらいとこまで打上げられたわい。海へ戻るにも
こぉ遠う波打ち際が遠うては、腹が減って動けん・・・。やい、そこの人間!」
宗助「わ、わたい人間やおまへん。」
蛸「ほぉ、ほな何や?」
宗助「ば、万物の霊長。」
蛸「人間やないか!やい、おとなしう食われて、わしの海へ戻る活力となれ!」
宗助「ひゃー、助けてくれえ!」
蛸の太い足がぐぐぐとからんできて、今や食われてしまう!というときに
売れ残っていたワラビに蛸が気づきます。
蛸「・・・むぅ、これはわしの嫌いな山菜の匂い!人間、おぬし山のもんか!」
宗助「似たようなもんで。」
蛸「海に生きるもの、山のもんは食えん。」
宗助「あー、助かった!・・・。売れ残しとくもんやなぁ(笑)今度から
ワラビはわざと売れ残すわ、わし。買われそうなら「先約がある」とか何とか・・・。
あ、もぅし、あの、少ないですけど、干物でよければ・・・。全部はあきまへんで、
あきまへんけど、こんなんでよければ。」
蛸「・・・かたじけない、これで海へ帰れるわぃ。食おうとしたわしによう売り物を
くれた。これ、人間。おぬしにはきっと海の幸があるぞ。」
蛸はそれを食べると、ノソノソと浜辺を這って海へ戻っていきます。
宗助「海の幸より前に、山の幸があったわいな、はは。さぁ、こうしては
おれん。先を急ごう。」
この後、山の村へ宗助が急ぎます、「海の幸」の序で今日は失礼をいたします。

どんどん


552 :湖亭半弗:02/02/24 01:20
今回の「海の幸」の後編は、第十五回?で別の三題で作ります。
ちょっと自分にタスクを課してみました。お楽しみに。

553 :重要無名文化財:02/02/24 02:42
長い・・・・・・・

554 :重要無名文化財 :02/02/24 02:49
へぇー、初の後編予告だね。

555 :重要無名文化財:02/02/25 20:58
半弗氏も思い切った企画をやるもんだ
次の御題で外来語はきつかろうに
主催者の判断に期待だね

556 :柳ヤコ:02/02/25 21:50
ふ〜む。半弗師匠すごいな。じゃぁ、あたしは「らくだ」の前編を
作ったから、次回の御題では「らくだ・その後」を作ってみようかな。

557 :重要無芸文化財:02/02/25 23:29
じゃあ、私は、間を取って「砂漠の幸」・・・・嘘です。しませんて。


558 :重要無名文化財:02/02/26 18:39
いつぞや三題噺の書き方を教えていただいた者です。
その後、一社受けまして、頂いたアドバイスのおかげで
三題噺での選考はクリアいたしましたが
面接落ちの結果が本日届きました。かなり鬱です。
けれど、これからもまだ何社もあるので頑張って行きます。
「お題と関連する言葉をいくつも挙げてオチから考える」というスタイルが
自分には合ってる様に思いました。
ところで、私が受験したお題でここの皆さんがどのようなお話を
お書きになるのかとても興味があるのですが、
次の回でそれをお題にして頂く事は出来ますでしょうか?
主催者さんがお題決定という本スレの趣向と変わってしまいますが
もし宜しければぜひ読ませて頂きたいのです。
お返事をお待ちしております。

559 :重要無名文化財:02/02/26 20:14
>>558
15回ということじゃなく、番外編という扱いでは、どうかな?



560 :主催者:02/02/26 20:33
たくさんのご応募ありがとうございます。
いつものように感想を書いていきたい思いますが、その前に
>>558さんの提案にお答えしたいと思います。
ご承知のとおり、次回は第十五回を迎えて節目にあたります。
その後、感想日をはさんで第十六回という流れになる予定ですが
せっかくの提案ですから、第十五回の後で>>559さんのおっしゃるとおり
番外編として採用させていただくというのはどうでしょう?
整理すると、
・第十五回 いつものようにお題とり
・作品があつまる
>>558さんのお題による番外の回 お題は>>558さんが受験した会社のお題
・感想日(第十一回〜番外の回)
・第十六回
という流れでどうでしょうか。
一応、私が流れを決定したということで私の立場も救われますので(笑)

感想はもう少し後で書きますね。今、自宅ではなので。


561 :柳ヤコ:02/02/26 20:33
次回だと、「後編を作る」という人とかいるから、その後ではいかがでしょう?

562 :柳ヤコ:02/02/26 20:34
あ、タイミングがはずれましたね。主催者さんのでオッケーだと思います。

563 :重要無名文化財:02/02/26 20:56
>>558
三題噺の出来はよかったんだと思いますよ。ちゃんと最後は落ちた。
・・・・・・・って、鬱の時に申し訳ないですが。



564 :重要無名文化財:02/02/26 23:37
558です。
>>559-562
番外編ということで採用していただけるとのこと、主催者さまおよび皆様、
有難うございます!第十五回、そして番外編と読めるのが楽しみです!!
(私も書かなきゃ練習にならないのですがあまりにつたなくて恥ずかしい…)
>>563
アハハ…
最後というか途中でオチちゃったんですけどね(w

565 :柳ヤコ:02/02/27 00:01
途中で落ちたのか。「冗談言っちゃいけねェ」なんつって(w

566 :主催者:02/02/28 03:03
すいません、昨日書くつもりだった感想が今日になりました。

まず、お久しぶりですT・Kさんの>>536「ピラメンメンのワンワンワン」は
ぺらめんねぇとブーメランの強引さもさることながら、朝鮮関連のネタで
コメントがしづらいですね、国際情勢を考えると。下手に笑えない、というか・・・。
朝鮮の方の雰囲気が出ています、とも言いがたいですし・・・。良くもも悪くも
問題作ですね(笑)こういうアプローチの仕方は嫌いではないですけどね。

次に、>>538-542 の重要無芸さんの二作目「初夜芝居(仮)」は
圧巻ですね。お詳しいとは聞いてはいましたが、見事に芝居噺を確立して
います。原典に「ろくろ首」「延陽伯」を敷きながら、独自の趣向で芝居の台詞で
たたみかけるところは唸ってしまいます。そして突然、中国芝居に飛ぶあたりなどは
発想の飛躍も素晴らしいと思います。盛り上げ方が上手いんですね。

さて、その次のヤコさんの>>545-546 「らくだの買物」はヤコさんらしく
原話を上手くモチーフに使って発想を膨らませていると思います。
今回はもちろん「らくだ」も序とも言うべき演出ですが、「時そば」の当たり屋
さんや「豆屋」的な脅し方など、思わず笑ってしまうくすぐりがいいい雰囲気を
出していると思います。「らくだ・その後」読んでみたいですね(笑)

さて、筍さんの二作目、 >>547-548「結納鮑」は長屋噺の形式で
上手くお題を消化していると思います。結納というと私なんかは
馴染みがまだないので勉強になったりもしますが、前座噺風に仕上がって
サゲに入るあたりも江戸っ子のちゃっかりしたところが垣間見えて面白いです。
文朝師匠あたりにやっていただきたい噺です。

>>549-551 の半弗さんの「海の幸(前編)」は、また思い切った企画を
されましたね。どなたかがおっしゃっていましたが、私の次回のお題選びも
気合をいれなければいけませんね。内容は、目の付け所を変えた商売人が
道々で騒動に合う「五光」のような展開ながら先が読めません。いいところで
サゲてしまったという感じです。次回の展開が楽しみですね。「万物の霊長」は笑いました。

では、第十五回お題取りとまいりましょうか。
いつも厳正に?お題を選んでいますが、特に前後編宣言があったり
次々回には就職試験のお題が控えていたり様々あるので、気合をいれて選びます。
例の如く、一レス一単語でお願いします。
たくさんのお題、もちろん感想もお待ちしています。




567 :主催者:02/02/28 03:06
省略されてしまったので、終わりだけ再度載せます。

では、第十五回お題取りとまいりましょうか。
いつも厳正に?お題を選んでいますが、特に前後編宣言があったり
次々回には就職試験のお題が控えていたり様々あるので、気合をいれて選びます。
例の如く、一レス一単語でお願いします。
たくさんのお題、もちろん感想もお待ちしています。




568 :重要無名文化財:02/02/28 13:22
ビブラート

569 :重要無名文化財:02/02/28 14:17
中仙道


570 :重要無名文化財:02/02/28 14:21
報告書

571 :重要無名文化財:02/02/28 14:33
お家騒動

572 :重要無名文化財:02/02/28 14:43
シュークリーム

573 :重要無名文化財:02/02/28 17:28
窓ガラス

574 :重要無名文化財:02/02/28 21:39
砂利

575 :重要無名文化財:02/02/28 21:49
二度寝

576 :重要無名文化財:02/02/28 21:55
どてら

577 :重要無名文化財:02/02/28 22:07
ギャンブル

578 :重要無名文化財:02/02/28 22:10
マグニチュード

579 :重要無名文化財:02/02/28 22:44
雛祭り

580 :重要無名文化財:02/03/01 01:01
パステル

581 :重要無名文化財:02/03/01 01:34
三人官女

582 :重要無名文化財:02/03/01 01:48
狂言

583 :主催者:02/03/01 04:58
たくさんのお題をありがとうございます。
それでは第十五回お題の発表です。
「窓ガラス」「二度寝」「パステル」の三題です。
最近「チョコ」「四十七士」など行事や季節柄を入れてしまいがちだったので
今回はあえて雛祭り関係は外しました。
「二度寝」は単語の語感が気に入ったので。誰でもやってしまう事柄ですし
使いやすいのではないでしょうか。
皆さんの作品もさるころながら、後編・続編が宣言されているので
今回はとても楽しみです。
たくさんの作品、お待ちしています。

584 :重要無芸文化財:02/03/01 19:57
 今回はちょっとハチャメチャな話です。ネット上、落語ファンとう限られた場だから
こんなのでも面白がってくれるかな・・・という話です。

キー子:こんにちわ
ジン子:あら、きーこちゃんじゃないの。ちょうど、いいとこに来たわ。
キー子:うわっ。じん子さん。何か、いいことでもあるんですかぁ?
ジン子:どう、ちょっとした小遣い稼ぎしない。
キー子:と、言いますと?
ジン子:池田先輩が、今度、マンション買ったのよ。それを誉めて来るのよ。
キー子:それは、聞いてますけど。
ジン子:先輩の趣味で、内装はパステルカラーで統一して、ご自慢なの。<パチパチ>
キー子:どう言って誉めるのか、わかんない。
ジン子:それは、このメモに書いてあるから、覚えればいいのよ。ちゃんと覚えるのよ。
キー子:うん。
ジン子:見ながら誉めちゃだめよ。
キー子:でも、それが、どうしてお小遣いに?
ジン子:そのマンションだけど、ひとつだけ問題があるのよ。
キー子:どんな?
ジン子:それが、窓なのよ。最新の窓で、ペケピーって言うんだけど。
キー子:窓ガラスがないとか?<パチパチ>
ジン子:そんな窓ないでしょ。ネット機能も強化したって、メーカーじゃ言うけどね。
キー子:ネット機能というと網戸代わりにもなるということですね。
ジン子:でも、簡単に、中が覗かれたりとか、破られて、中のものが取られたりするって
    セキュリティー面じゃ、まだまだ問題がいっぱいなのよね。
キー子:それは不安でしょうね。
ジン子:女の一人暮らしだから、池田先輩も、とても心配してるの。そこで、あなたが、
    いい智恵、貸しましょうか、って言うの。
キー子:いい智恵って?
ジン子:池田先輩のことだから、どうせ、あんたの智恵だからとか言うけどね。そこで、
    あれにさして、パッチ吊んなはれ、って言うの。
キー子:パッチって、オヤジがズボンの下に履いてるやつ?
ジン子:そう。で、女の一人暮らしやなく、オヤジが住んでると思われます。と言うと、
    こら、タダでは帰せんと言って、お小遣いが貰えるの。


585 :重要無芸文化財:02/03/01 19:58
キー子:そうですか。
ジン子:それと、ついでにらくだも誉めて来てね。
キー子:らくだ。らくだって動物の?
ジン子:そうよ。
キー子:そんなの、何でいるんですか?
ジン子:通勤に使うのよ。車より、ずっと便利よ。
キー子:どうして。
ジン子:朝、眠い時、つい二度寝するじゃない。<パチパチ>
    でも、とりあえず、らくだに乗れば、寝てても、ちゃんと、歩いてくれるのよ。
    居眠り運転どころか、睡眠運転でも安全。飲酒運転も平気よ。
キー子:確かに、馴らせばそうですね。
ジン子:それに燃料費だって安いわ。そのへんの土手や原っぱに連れて行けば、タダで勝手に
    そのあたりの雑草で燃料補給するわ。
キー子:でも、都会じゃ草も。
ジン子:大丈夫よ。燃費がいいんだから、1日くらい補給しなくてもいいのよ。
キー子:そんなもんですか。
ジン子:それに駐禁の所にとめて置くと、交通課の婦警さんが見回りに来るでしょ。
キー子:チョーク持って、チェックしてますね。
ジン子:らくだのヒヅメと道路にチョークでチェックしても、足を動かすからせば、駐禁も
    取られないでしょ。
キー子:それもそうですね。どこでも停められますね。
ジン子:そう。通勤途中に、喉が乾いても便利よ。ミルク飲み放題。
キー子:でも、生ぬるそうです。
ジン子:冷やでもいいからもう一杯なんて、贅沢は言わないの。いっぱい飲めるんだから。
キー子:どれくらい?
ジン子:昔の単位で、1石6斗2升8合くらい。
キー子:ミルクなら、牛の方がいいです。
ジン子:牛は、赤信号で走るから危ないのよ。


586 :重要無名文化財:02/03/01 19:59
ジン子:それに、車だと廃車にした後、困るでしょ。今はスクラップにも売れない。お金払って
    処分して貰わないといけないでしょ。
キー子:そうですね。
ジン子:らくだだと食べちゃえばいいのよ。
キー子:食べられるんですか。
ジン子:砂漠の幸って言うくらい、うまいのよ。
キー子:でも、それなら牛の方がいいんじゃないですか。
ジン子:牛は狂牛病騒ぎで、食べたくない人も多いから、らくだがいいのよ。シートも本皮よ。
キー子:確かに。でも鞍とかは付けないんですか。
ジン子:池田先輩も、鞍とかあぶみとか付けようと思ったんだって、こういうのて馬具って言うの。
キー子:馬に使うからですね。
ジン子:馬具はどこにあるのかなって、人に聞いたら、窓のメーカーにいっぱいあるって。
キー子:そうなんですか。
ジン子:でも、聞いたら、馬具じゃありません。仕様ですって答だったって。それで、しようがない
    から、直に乗ってるのよ。
キー子:へえ。あ。そう言えば思い出したことがあります。
ジン子:何?
キー子:池田先輩が「あなたがいれば、この東京砂漠、どんなことでも」ってご機嫌で歌ってたんです。
    それで「そんな、いいあなたが見つかったんですか」って聞いたんです。
ジン子:答はどうだった?
キー子:「コブ付きだけど、とっても素敵よ」って。らくだのことだったんですね。
ジン子:そうよ。それに、排気ガスも安全よ。臭いけど、天然のものだから、大気を汚染しないのよ。
キー子:排気ガスはともかく、廃棄物は出るでしょ。
ジン子:それも安全。むしろ、肥料になるくらいよ。
キー子:でも、人前でボタボッタン、ボタボッタンてわけにも。
ジン子:大丈夫。らくだのパッチがあるわ。
<ドンドン>


587 :里の筍:02/03/01 21:51
えー、とりあえずお題を入れて作ってはみたんですけど、常連の皆様の程度の高い作に比べて、
まるっきりオリジナリティのないパロディなんで没にしようかと思ってたところなんですが、
いつも重厚な作品をお出しになる尊敬する無芸師匠が、手抜きの(おっと失礼)じゃなくて、
軽いタッチの投稿をされていたのでとりあえずそれじゃあ今回はこれでもいいかなんて気が楽になって(笑)
投稿する気になりました。
そのうちもう少しましなものを考えますので今回はこんな所でご勘弁願います。

「車徳」

ただいまは交通機関が大変発達しておりまして、九州でも北海道にでも旅に行こうと思っても昔と違って
簡単でございます。
「九州に行くんだって?大変だねぇ。」「なーに、飛行機で一っ飛びだよ。」とこう皆様は
おっしゃるんですがね、そう言われましても新しいものに慣れるというのは結構たいへんなことなんでして、
あたしなんぞも飛行機はどうもいけません、あんな重たいものが空を飛ぶのはどうも納得ができかねる。
まぁ飛行機が嫌いでも新幹線を使えば、朝出て夕方には旅先に着いちまうし、また最近は高速道路も
はりめぐらされて参りましたから、自動車で行ってもたいしたこたぁありません。
自動車も新幹線も嫌いな方はわらじを履いて歩って行く...ってこんな方は今時はいやしませんが。
あたしの若い時分なんぞはまだ飛行機も新幹線もありませんから、遠いところに行くのは夜汽車と
決まったもんでしてね。
お酒とお弁当なんぞを買いこんで、外の景色なんぞ眺めながら、ハナはなんとなく浮き浮きしてるけど、
そのうち長い時間座ってるとおけつも痛くなってきます。
そんな時ゃ少し体を傾けてぼんやりしながらガタンゴトンという線路の音を聞いているとウトウトしてくる。
そのまま寝入っても少しすると目が醒める、また二度寝する、なんぞということを繰り返しているうちに
外が明るくなってきて、うっすらした朝もやの中にパステルカラーの山や畑が見えてくる。(パチパチパチ、パチパチパチ)
これもなかなか風情があっておつなもんでしたね。そうこうしているうちに旅先の駅に着く
、なんてぇことがよくあったもんです。
もっとも昔は好きでも嫌いでも自分の足で歩いて行くしかなかったというんですから、こりゃ旅に行く
といってもなかなか大変でしたね。
駕籠や馬、舟なんぞという乗り物もなかったわけじゃあないけれど、人力や馬車が走るようになり、
それが汽車や自動車にかわるとなると随分と便利になってまいります。
その自動車がやっと出はじめたころのお古い時分のお話でございます。


588 :里の筍:02/03/01 21:53
旦那「暑いねぇ。四万六千日様でいくらご利益があるといってもこんな日に埃をあびて行くのは
たまらないねぇ。どうだい、自動車で行ってみないかい?」
友達「およしよ、あんなもの。棺桶のような箱に閉じ込められて、モクモク後ろからケムはいて
走ってるざまぁなんて見られたざまじゃないよ。あたしゃ嫌だよ。」
旦「それが食わず嫌いというもんだよ。贔屓にしている自動車屋がそこにあるから、
まぁ、一度騙されたと思って乗ってごらんよ。大丈夫だよ。...こんちわぁ。」
女将「あら、いらっしゃいませ。お久しぶりじゃございませんか。今日は?はぁ、はぁ、六千日様へ?
そりゃあ生憎でございましたねぇ。車が出払っておりまして今日はどうにもならないんでございますよ。」
旦「なんだい。せっかく嫌がる友達を連れてきたというのに。それじゃああたしの顔が
たたないじゃぁないか。そうそう、角の所に車が一台あったよ。どうにかならないのかい?」
女「いぇね、車はあるんですけどね、運転手がいないんです。」
旦「いないったって奥で柱にもたれて居眠りしている奴がいるじゃぁないか。」
女「あぁ、あれですか。あれはダメなんですよ。」
旦「お約束かい。ちょっと送ってもらって、ツーと返すから、ここのところはあたしの顔をたてて
おくれよ。おい、若い衆、若い衆。」
徳「へぇ、あっしですかぃ。あ、お客様だ。いらっしゃいまし。」
あ「そうだよ。おまえさんだ。お約束だろうけども六千日様のお参りに観音様まで行って
もらいたいんだがどうだい。祝儀ははずむよ。」
徳「へぇ、わかりやした。すぐ参ります。」
女「徳さん、大丈夫かい。今日は親方もいないしやめといた方がいいんじゃないかぃ?」
徳「へぇ、大丈夫ですよ。女将さん、やらしてくださいよ。ここんとこ腕がびゅうびゅう鳴ってるから
。この前みたいにひっくり返る気遣いはありませんから。」

友「おい、今のを聞いたかい?『この間みたいにひっくり返る気遣いはない』なんていってるよ。
あたしはやっぱり嫌だよ。」
旦「嘘にきまってるじゃぁないか。からかわれてるんだよ。大体自動車なんてものはヒックリ
返そうったってそう簡単にヒックリ返るもんじゃぁないよ。じゃぁ、やっとくれ。」
徳「へぃ、承知いたしました。」


589 :里の筍:02/03/01 21:54
友「どうもこりゃ暑いね。おまえさんが自動車で行こうというから仕方なしに付き合うことにしたけど、
外にいるより暑いじゃぁないか。それにちっとも動かないね。」
旦「まぁ、そうすぐに涼しくはならないよ。こういうものは動き出しさえすれば窓から風が入って...
おい、ガラス窓が閉まってるじゃあないか。(パチパチパチ)
すぐにその取っ手を回して開けておくれよ。それにしても動かないね。運転手さん、どうしたい?」
徳「えぇ、この自動車っていうやつはすぐには動かないんで。このアクセルをこう踏みゃぁさえすれば、
こうスーッ...っとどういうわけだか動きません。」
女「徳さん、徳さん、エンジンがかかってないよ。」
徳「そうでした。そちらの旦那、前にまわって鈎型の棒を穴に突っ込んで、そう、そう、それを回してみて
くださいな。ほらエンジンがかかった。さぁ早く飛び乗って。
このエンジンさえかければ、ほらツーッと動き出したでしょ。」
友「動いたはいいがガクガクするねぇ。体が按摩にかかったように前に後ろに揺れるよ。
おい、おい。こんどは横にユラユラしてる。」
徳「えぇ、いつもこのあたりではこの車はこう右に左に傾きたがるんで。もうちょっと行くと道も
広くなりますからもう少しのご辛抱を。」
友「おい、大変だ。車が石壁の方によってくよ。ほら、あっ、言わねぇことじゃあねぇ、
くっついちまった。」
徳「あなたがた運転してないから、そんなことを言っていられるんです。あたしは汗が目に入って
前が見えないんだから。そっちの旦那、さっき日よけの蝙蝠傘をもってらしたでしょ。あれで石壁を
こうトーンと突いてみてくださいな。」
旦「馬鹿なことを言うんじゃないよ。傘でついたくらいで車が動くもんかね。どうにかならないのかい。」
徳「そんなに言うんだったら二人で降りて車を押してくださいな。」
友「おい、冗談じゃねぇぜ。こんな野郎に付き合ってられるかい!」
旦「まぁ、まぁ、そう怒りなさんな。これも洒落だよ。噺の種になると思えば腹もたたないからさ。
ほら、ひのふのみ、っとこうかい?」
徳「あ、動きました。お先に失礼。」
旦「おい、ちょっと待ってくれよ。失礼って、冗談じゃないよ。あたしたちはどうなるんだい?」
徳「鈎棒を忘れたんでこんど止まったらもう動きません。旦那方は他の車を雇ってくださいな。」(ドンドン)


590 :里の筍:02/03/02 09:02
今朝、自分の投稿を読み返してみましたが、昨夜はかなりお酒が入っていたので、重要無芸師匠に
本当に失礼な発言をしていたのに気付きました。削除のやり方がわからないのでとりあえずそのままに
しておきますが、よろしくご勘弁願います。またこちらの作も一部お題を取り違えた所もあるので
それについてもお詫びいたします。各師匠方、お客様方には今後ともこれに懲りずよろしくお付き合いの程
お願いいたします。


591 :重要無芸文化財:02/03/02 23:00
かえって、590のようなことを書かれると、かえって恐縮です。
やっぱり見る人が見ると、楽して書いたのはバレバレかと思い、面白かったです。


592 :重要無名文化財:02/03/03 20:37
重要無芸文化財さんの軽い噺も面白いね。宣言どおり「砂漠の幸」だし。
里の筍さんのも酔っ払って書いたとはいえ、いいね。落語好きだって分かる。

593 :里の筍:02/03/03 23:22
無芸師匠のお許しも得たようですので、懲りずに後一つノン・パロディ版のお噺でもう少しおつきあい
のほどをお願いいたします。

「赤短酒」

近頃では梅だの桜だのいっても花札を思い浮かべる方はごくお少ないようで「そう言えば任天堂が作って
たねぇ」なんていってもお若い方には「そんなソフトあった?」と言われてしまいそうでございますが。
でも手前どもの若い頃はゲーム機なんてぇものはありませんから、綺麗な花の絵のついた札を座布団に
叩きつけて「さあ、こい」なんてやってたものでしたがね。

松「おい、半公。起きろ。」
半「おや、松の兄貴か。なんだぃ?」
松「なんだぃじゃねぇや。いつまで寝てやがるんだ。さっさと起きて花見にでもゆこうじゃねぇか。」
半「嫌だよ。」
松「どうして。」
半「だってあんなもの、人が酒を飲んだり、弁当を食ったりするところを見て何がおもしれぇんだ。」
松「それが、おめぇが風流がわからないってんだ。」
半「いいよ。そんなものわからなくったって。」
松「じゃあ、風流はともかくただでご馳走が食えて酒が飲めるったらどうする?」
半「へぇー、兄貴が飲ましてくれるのかい?」
松「昨日の花会じゃあおめぇと一緒にすっからかんになったじゃあねぇか。そんな銭があるかい。」
半「それもそうだ。じゃあ行くのはやめてこれから二度寝でもすらぁ。」(パチパチパチ)
松「銭はなくても黙ってついてくりゃ飲ましてやるよ。」
半「本当かい。それじゃあ行くよ。」

松「咲いてるねぇ。どうだい、あの桜を見ねぇ、パステルで描いたようだ。」(パチパチパチ)
半「そんなこたぁどうでもいいよ。酒はまだかい?」
松「無粋な野郎だな。もう少し待ってろよ。ああ、あそこがいい。」

594 :里の筍:02/03/03 23:22
松「こんちわ。みなさん、お賑やで。」
客「みなれない顔だねぇ。どちらさまで?」
松「名乗るほどのもんじゃあねぇんですがね。さきほどから見ていてちょっと気になったもので。」
客「一体、なんです?」
松「この桜の木なんですがね。」
客「それがどうしました。」
松「おや、やっぱりご存知なかったんですかぃ。それじゃあ余計なことを言うのも...」
客「そこまで聞いたら気になるじゃあありませんか。なんですね?」
松「たしか、そう5年前でしたかねぇ。ちょうどこの時分にこの木の、ちょうどあなたのすぐ上のあの
枝だ、あそこで首っつりがありまして。」
客「おまえさん、変なこといっちゃ嫌だよ。それで?」
松「きれいな娘さんだったんですがね、店の若い衆との間を親に反対されましてね。」
客「それでどうなったんです?」
松「旦那に叱られたのを苦にして若い衆の方は娘さんの亡くなる前の月に梅の木にぶら下がって御陀仏に
なったというわけで。娘さんのほうは倉に押しこまれていたんですが、窓ガラスを破って逃げ出し、自分
も後を追って死のうと思ったがもう梅が咲いてない、それでここでちょうどいい枝振りの桜をみつけて
首をくくったって寸法で。」(パチパチパチ)
客「嫌だねぇ。それで?」
客「やっぱり娘さんの霊が、自分がつらい思いをして亡くなったこの桜の木の下でお酒を飲んだり弁当を
食べたり楽しく遊んでいる人達を面白く思わないのか、それ以来ここで騒いでいる人たちに祟るように
なりましてね。」
客「何だぃ、気持ちが悪いね。一体どうなったんです?」
松「えぇ、聞いた話なんですがね、木の上から娘さんの冷たい手が下りてきて首筋をスーッとなでるんだ
そうですよ。触られた人は帰りに転んで手足を折ったりして、ひどい目にあってるんだそうですよ。」
客「おい、本当かい。なんだか急に背筋が寒くなってなんだか気持ちが悪くなってきた。酔いも醒め
ちまったよ。もうお開きにしよう。」
松「おや、もうお帰りで。まだお酒やお弁当がたくさん残ってますけど。」
客「そんなもの持って帰る気になれるかい。あんたがた、好きなようにしておくれ。」
松「そうですかぃ。そりゃあ、すみませんねぇ。」
半「へぇー、さすがに兄貴だ。うまいことやったねぇ。でも俺たちも祟らりゃしねぇかぃ?」
松「おめぇまで信じてるのかぃ?ありゃ作り事だよ。」
半「へぇー、嘘かい?それにしてもうまく騙したもんだ。」
松「なぁに、たとえ本当だったったとしても、梅と桜だけじゃあ無役だが、俺が入りゃあ赤短だ。
娘の手には負けっこねぇ。」(ドンドン)


595 :柳ヤコ:02/03/04 21:58
お〜、里の筍さんもやるねぇ。無芸さんもすごい。いつもの芸風と違うところが
またイイねぇ。さぁて、あたしのほうは、お約束の「らくだ」後編です。

596 :柳ヤコ:02/03/04 21:59
 『らくだ・その後』     (窓ガラス・二度寝・パステル)

くず屋「くずぅ〜ィ、くずやァ〜お払い」
丁の目の半次「おい、屑屋ッ!」
屑「あ、半次さんのとこだ。しょうがねぇなぁ、何だい?」
半「まぁこっちィ入れ。話というのは他でもねぇんだけどな、そろそろあのらくだの
  一周忌だな」
屑「あぁたも変なとこで義理堅いねぇ。それでどうしようっての?」
半「だからさ、法事の真似事でもしようってんだ」
屑「法事ねぇ。誰も集まりゃしないと思うけどね」
半「人なんか集まんなくってもいいンだよ。酒と肴がありゃいいン」
屑「んなこと言ったってねぇ。銭はねぇし、町内の連中は出すワケないし」
半「だからよ。らくだの法事ってんじゃ誰も来ねぇけどよ、義太夫の会とか言えば
  来るんじゃねぇかな」
屑「なんだよ、それこないだ大家がやって大ヒンシュクだったじゃねぇか。
  寝床だよそれじゃ」
半「二度目の寝床か。詰めて二度寝だな」(パチパチパチ)
屑「変な詰め方するなぁ」
半「江戸っ子は言葉ァ詰めるんだよ」
屑「そういう問題じゃないだろ! まァいいけど、それで義太夫は誰がやるんだ?」
半「屑屋、お前がやれよ」
屑「できるかなァ。義太夫なんてやったことねェぞ」
半「いいんだよ。適当にうなってりゃいいんだ、形のもんだから。じゃぁ町内一回り
  してなぁ、客集めてこい」
屑「あ?」
半「客集めて来いってんだよ」
屑「てめェ誰に向かって口きいてんだ。・・・また酒飲んだろか?」
半「すまねェ、兄貴。俺が行ってきます」

597 :柳ヤコ:02/03/04 21:59
屑「おう、どうだったィ」
半「いやァ、なんとか集まったよ。『来ないってぇと、らくだの幽霊がお宅にうかがって
  カンカンノウ踊るぞ』っつったらビビってやんの」
屑「ははは、まだカンカンノウの効き目があんのか。そういえばノリ屋の婆ァは来るか」
半「あ、テルさん?テルさんはだめだ、風邪ひいて寝込んでる」
屑「なんだ来ないのか。テルさんはパスってことだな。詰めてパステルだ」(パチパチ)
半「あんたも変な詰め方するね」
屑「江戸っ子だからな」
半「それは違うだろ! 酒と肴ァどうした?」
屑「うん、さっき大家にそォ言って、持って来させた。一升瓶が三本と、煮〆だ」
半「お、持ってきたか。こっちはそれだけありゃァ法事も義太夫もどうでもいいンだ
  けどなぁ、まるっきり何もやらないのもアレだから、とりあえず支度するか。
  見台・・・はないから、そこのミカン箱そこィ置いて、あ、義太夫の本がねェな」
屑「あるよ。紙屑ン中にあった。えェなになに、伽羅先代萩」
半「めいぼくせんだいはぎィ? おい屑屋」
屑「何をォ?」
半「あ、いや、兄貴。兄貴は字が読めるのか」
屑「あったりめェだぃ。こう見えても元は大店の若旦那ってェやつだからな」
半「はぁぁ、そりゃ知らなかったなぁ。あ、そうだ兄貴。この際だからさぁ、らくだの
  二代目を襲名しちゃいなよ」
屑「あぁ?二代目ェ?そんなの襲名するような名前じゃないだろ?でもまぁシャレだ
  から、いいか」

夕方になりまして、町内の連中がゾロゾロやってくる、半次の家の前まで来るってェと
貼り紙があって『二代目らくだ襲名披露・義太夫の夕べ』なんて書いてある。
町内の人も、前に大家さんの義太夫を聞いておりますから準備は万端でネ、えェ。
枕ァ持って来たり、敷き布団に掛け布団まで持ってきてェる。
お客「あ、始まった、始まったァ〜」

598 :柳ヤコ:02/03/04 22:00
屑屋さん改め二代目らくだが、伽羅先代萩を見よう見まねでうなり始めたン。
えェこの屑屋さんってェなァ、元が若旦那で小唄や都々逸をかじっているところィ
持ってきて、毎日「くずゥ〜ィ」って流して歩いてますから声はいいンですなァ。
ところがこン時はどういうワケかひどい声でネ。「ウァ〜〜ッ」ってうなった途端、
なんと窓ガラスがパリパリパリィンってんで割れ始めた。(パチパチパチ)

豆腐屋 「な、なんだなんだ」
小間物屋「おい、いつもの屑屋の声と違うじゃねぇか。どうなってんだ」
提灯屋 「変だなァ、屑屋の声ってもっといい声なんだけどなァ」
荒物屋 「ちょっとちょっと、あの声はどっかで聞いたことありますよ。あれは確か
     先代のらくださんの声じゃありませんか」
豆腐屋 「あ、ほんとだ。ははぁ、これは何ですな、先代のらくださんが二代目に
     乗り移ったんですなぁ」
小間物屋「なんだよ、屑屋の声だから、大家よりはまともな義太夫が聴けると思って
     来たんだけどなぁ。これじゃサギだよ」
荒物屋 「あァなるほど。これが本当の、『迷惑先代サギ』だ」

  ドンドン


599 :重要無名文化財:02/03/04 22:15
お見事!いい味出してる!

600 :里の筍:02/03/04 22:30
ヤコ師匠うまい!例の「ホコ天医者」以来の面白さですね。
このちょっと強引なノリがうまくはまると最高ですね。

601 :柳ヤコ:02/03/05 23:25
わーい。ありがと〜!

602 :ゆめ:02/03/06 18:58
こんにちわ。
そーいや、自分もK談社とかで三題噺の試験を受けましたよ。
だから落語ちっくじゃなくて普通の文章なのですが。。。

「窓ガラス」「二度寝」「パステル」で。

拓也:「いやあ、宮崎に着きましたよ。でもよかったっすね、飛行機の時間に間に合って。」
徳さん:「羽田で地震があったからな。マグニチュード5だそうだ。」
拓也:「そんなことならナオコさんと話し込まなきゃよかったっすよ。失敗した。」
徳さん:「ナオコは話し好きだからな、しっかしあいつ『長嶋』命なんてうまいこと言いやがる。」
拓也:「そうっすね、面白い人なんですねナオコさん。また来てくれないかなぁ・・・
なんか雛祭りだから、今度学校で娘が三人官女の役をやるって喜んでましたよ。」
徳さん:「あいつも親バカだからな。でもな、あいつのビブラートは最高だぞ、教えてもらったらどーだ?」
拓也:「徳さんって、実は僕の歌手デビュー期待してるでしょ。」
徳さん:「馬鹿を言うな。お前のデビューなんてギャンブルみたいなもんだぞ。」

拓也:「ところで・・・。徳さんはここに来るのは何回目なんですか?」
徳さん:「ほとんど毎年来てるぞ。22年来てるから、22度ね。」(パチパチパチ)
拓也:「すっ!すごいっすね。」
徳さん:「まぁ、それが仕事だからな。社に報告書も書かな、いかんしな。」
拓也:「ふ〜ん。なんか徳さんって趣味が仕事になってますよね。うらやましい。」
徳さん:「拓也もそういう仕事を見つけろよ。と、いうか着いたみたいだぞ・・・。」
拓也:「今日はミスターも来るみたいですね。もしかしてそれを見に?」
徳さん:「それもあるんだが、ある選手を見たくてな・・・」
拓也:「早く行きましょうよ。徳さんと球場に行っても、いっつも見るのは窓ガラス越しなんだもん。」(パチパチパチ)
徳さん:「まぁ、せかすな。まずは情報集めをしなきゃいけねえんだ、キャンプってものは。
今年注目の選手をまずは聞くことだ。ま、個人的には下調べはついてるんだがな・・・」
拓也:「そんなもんなんですかね。って言うか、何泣いてるんですか。」
徳さん「いや、すまん・・・」

徳さん:「おお、仙。」
仙:「徳さん!久しぶりですね。今日、東京から来たのですか?」
徳さん:「おお、そうだ。お前も毎年相変わらず来てるな。」
拓也:「(小声で)誰ですか?この方。」
徳さん:「社長解任の御家騒動があった、どてらスポーツの仙吉。通称『仙』だよ。ジャイアンツのことならこいつに聞けよ。」
仙:「言い過ぎですよ、徳さん。どーも。」
拓也:「どーも。えっと・・・これ差し入れです。僕、拓也っていいます。」
仙:「シュークリームですか。拓也くん、ありがとう。」
徳さん:「腹減ったな。仙、なんか持ってないか?」
仙:「おにぎりありますよ。ホレ。」
徳さん:「サンキュ。でよ、ルーキーの高中、仙どう思う?」
仙:「そうですな・・・珍しくなかなかのバッターですよ。」
徳さん:「やはりお前もそう思うか。俺も期待しているんだ、今年はな。やつは今日元気か?」
仙:「あそこでめちゃめちゃ走り込んでますよ。」
徳さん:「おお!」(笑み)

603 :ゆめ:02/03/06 18:59
拓也:「(ジャリ)ぎゃああ・・・」
徳さん:「何だ、うるせえ奴だな。」
拓也:「この梅おにぎりだめですよ。酸っぱすぎです。」
徳さん:「そんなもんだろ。」
拓也:「いや。あ〜酸っぱ。捨てるよこんなもん。」(パチパチパチ?)
徳さん:「コラコラ。せっかく仙があげたやつを・・・」
拓也:「そうですけど・・・。やっぱ捨てる。」(結局パチパチパチ)
徳さん「おいおい。」
拓也:「だって酸っぱいんですもの。もう食べません。それより早く注目の選手教えてくださいよ。」

徳さん:「あそこの打っているあいつだ。よく見ておけよ。ルーキーの高中だ。」
拓也:「打ち方変ですね、あの人。」
徳さん:「ん?」
拓也:「なんかフラミンゴみたいですよ。」
徳さん:「そうか?」
拓也:「歌にもありますよね。♪フ〜ラミンゴみた〜いちょいと・・・(省略)」
徳さん:「歌うな、歌うな・・・しかもピンクレディかよ。古いな。」
拓也:「じゃあ、フラミンゴは徳さんに任せて、僕はゴジラ見てきますね。じゃあ。」
徳さん:「あっコラ。おいおい・・・やっぱ見る目がないな、あいつは。」

仙:「・・・。徳さん、何者なんですあいつ?なかなかやりますよ。」
徳さん:「まさかぁ。」
仙:「いや、あの打ち方をピンクレディにたとえやがった・・・」
徳さん:「なんか関係あるのか?」
仙:「あいつ、ミートをケイ算できるんです。」

どんどん


604 :主催者:02/03/07 04:08
連日、多数の作品が寄せられまして、大変うれしく思います。

さて、まずはいつもトップバッターありがとうございます重要無芸さんの
>>584-586「砂漠の幸(仮)」は宣言どおりの題名に即して、現代劇風に
おつくりになっています。子ほめ風のくだりからラクダへの移行が自然で
噺に入っていけます。かなりのイリュージョンが盛り込まれた作品で、
芝居噺にはない可笑しさを感じました。

次に、筍さんの>>587-589「車徳」は、ご存知「船徳」のパロディですが、
お酒が入っていても抑えるところはきちんと抑えてるところが何とも面白いですね。
車でも蝙蝠傘で突くのかな、と思いながら読んでいると、やはり突くシーンが
あって笑ってしまいました。「窓ガラス」が「ガラス窓」になっていましたが
ご指摘の通り、変換して違和感ない部分ですので良かったですね。

そして、筍さんの二作目>>539-594 「赤短酒」は、いいですね。こういう
江戸っ子の粋な計略の話は好きです。「お化け長屋」「開帳」のテイストが
加わって、サゲは花札で落とすやり方はさすがです。志ん朝師匠の口調を
思い浮かべて読んでみますと、はまりますね。

さらに、ヤコさんの宣言どおり>>596-598 「らくだ・その後」は義太夫の会になるあたり
方向転換が奇抜ですね。面白いです。「また酒飲んだろか?」や「二度目の寝床」
は落語好きにはたまらないですよね、後日談らしくパロディがちりばめてありますね。
ところで、やはり酒の上での兄弟契りは続いていたんですね(笑)しかも二代目
らくだを襲名してしまって(確かに飲んだときはそんな雰囲気ありますしね、屑屋さん)。
サゲも先代らくだが乗りうつるとは、しぶとさが出ています。

さあ、そしてゆめさんの >>602-603「徳さんの宮崎キャンプ(仮)」は
プロ野球のネタが様々使われていて飽きませんね。お題の使い方も語感良く
使われていて上手いと思います。そして、何より凄いのが(私は今気づきました)
三題の他に挙がったお題を全て使ってらっしゃいます!これにはびっくりしました。
脱帽です。

さて、まだまだ作品を募集していますので、好作品を期待しています。


605 :湖亭半弗:02/03/08 02:45
お待たせ?しました、それでは前回の「海の幸」(上)の続きの
下を書きます。
お題は「窓ガラス」「二度寝」「パステル」ですね。

 山の村へ急ぎます宗助、浜辺から山道へさしかかってまいりますが、海風が
強うなったんは化け蛸だけのせぇやなかったんですなぁ、ポツリ、ポツリと
雨が降りだした。
宗助「難儀やなぁ、雨が降ってきたがな。お百姓や何やは、恵みの雨、天のやとかいう
て喜ぶかは知らんが、わしゃ急ぎやでなぁ。・・・あぁあ!いかんなぁ。こら、
何ぞ雨宿りでもせんならん。おっ?あら、あそこあんのん、あら合羽やないかい?
旅人か誰ぞが荷物になって捨てよったんやなぁ。ありがたい、合羽捨てる神ありゃ
拾う神ありじゃ。(パチパチパチ)これカッパだけに川の神ちゅうやつか、はは。・・・あぁ?
何じゃこら?あちらこちら穴だらけで、こら着てる方がようけ濡れるがな。
はぁ、ほんで捨てよったんやな・・・。感心してられん、品もん濡らしたら
さっぱりわややがな、これ。おぅ、あそこに家がある、あそこの軒でも貸して
もらお。」
近くに家がありましたんで、そこの軒を借りようとしましたが、幸いにして
そこが空き家やった。空き家なら遠慮うはいらん、囲炉裏端へ上がりこんで
暖をとります。
宗助「はぁ・・・しかし、えらいところに空き家があるもんやなぁ。
着物乾かしたら、すぐにでも立って村へ急がんとなぁ。・・・、しかし、薄気味
悪い家じゃ。何ぞ憑いてるねやないか、えぇ。火ぃたいても何とのぉ明るうなった
気がせんわぃ。わっ!びっくりした。天窓にカラスが
張り付いとぉるがな。闇夜のカラスとはよぉ言うたもんや、今まで気がつかなんだ
わ。天窓ガラス睨みたり、か・・・、ますます薄気味悪いな。(パチパチパチ)
よぉけいてるな、何匹いてるねや、よぉけで睨んでるがな。干物ねろぉてけつかる
んか?えげつない奴等や、せやから石原さんも困ってねやで、えぇ。
しばらくこら、外へ出んほうがえぇやも分からんな。」
しばらくは空き家の内で待っていよう、ちゅうても疲れてますさかいに
ウトウト寝てしまいます。何かの拍子にパッと飛び起きて、
宗助「南無三、寝過ごしたか!いかんいかん、メロスの夢見てたがな。
おっ、カラスめ、どこぞ行てしまいよったわぃ。二度寝せんとも限らんし、
さぁ出よう。」(パチパチパチ)
荷物を背たろうて出ようとしたその時、土間の奥がバリバリちゅうたかと思うと
雨の降る晩やちゅうて出てきたんでっしゃろな。ナメクジの化けもんが入ってきた。
宗助「な、な、な、ナメクジ!また大きな!何でこないなるねやろうな、えぇ!
蛸の次はナメクジやて。ははぁ、さてはここが噂のなめくじ長屋・・・、しょうもないこと
言うてれん、三十六計逃げるにしかずじゃ!」
ちゅうて一目散に逃げ出しましたが・・・、化けもんにはかなわん、すぐに追いつかれて
しもた。
宗助「ひゃぁ!ナメクジに殺されたやなんて末代までの恥になる。た、た、た、
助けてくれぇ!」
ナメクジがおっかぶさってきて、あえない最後と思いきや、背たろうてた
昆布やら干物やらの塩気にあてられて、みるみるうちに大ナメクジは
小そぉなっていきます。
宗助「・・・はぁ!驚いた。さすがにもぉあかんと思うたなぁ、えぇ。
塩気にあてられたか、ナメクジ。・・・海の幸やなぁ(笑)蛸の言うとおり
海の幸に守ってもぉたがな。」
さぁ、山の村へつきまして、その話を聞かせますと、
村人「宗助さん、実はあれは村を荒らしまわる化けナメクジでのぉ。
お前さんが退治してくれて、わしらこんな嬉しい事はない。さ、さ、
ゆっくりしていきなんせ。しかし、あんた。海では山の幸に守られて、えぇ。
山では海の幸に守られて。山の幸、海の幸、後は願いはなかんべぇ。」
宗助「いえいえ、あと願うんは、皆の幸でございます。」

どんどん

606 :重要無名文化財:02/03/08 21:12
おぉ、すげえ。きちんとまとまってるやん。

607 :重要無名文化財:02/03/09 19:38
小話

モノクロ:どうしたの?パステル。(パチパチ)
パステル:あら、モノクロ。私、透明な窓ガラスって嫌いなの。(パチパチ)
モノクロ:どうして?
パステル:向こうが見えちゃって全然淡くないんですもの。やっぱり
     曇りガラスでないとね。
モノクロ:ふぅん。あ、コーヒー入れたよ。砂糖か何かいる?
パステル:うん、ニドね。あれ入れると濃いコーヒーが淡くなっていいの。
モノクロ:ふぅん、あ、そこ僕の席だから座っちゃ駄目だよ。
パステル:いいじゃない、この横に座ったら?
モノクロ:駄目!そこは僕の席ったら僕の席!駄目なものは駄目。
パステル:まぁ、白黒はっきり。(ドンドン)

608 :重要無名文化財:02/03/09 19:39
あ、ニドねで(パチパチ)入れ忘れた。スマソ。

609 :主催者:02/03/10 13:38
この時間に来るのは珍しいのですが、実は今週いっぱいパソコンから
離れるので、残務処理?に参りました。

まず。感想として、半弗さんの>>605「海の幸・下」(前回のは前編というより、
「海の幸・上」でしょうか)は綺麗にまとまりましたね。雨→なめくじ→昆布の塩気
というつながりは見事です。所々の現代的なくすぐりが勢いをつけていますね。
特に、石原都知事のくすぐりは噺家さんがやりそうな使い方です。さらっとくすぐる
手法ですね。二回にわたりお疲れ様です。

そして、匿名さんの>>607「小咄・色の性格」は短くお題を使って
小気味いいですね。個人的に「ニドね」は好きです。ニドはよく入れるので(笑)
サゲも今までパステルの性格を出してきて、モノクロの性格で落とすという
オーソドックスなやり方が、妙に唐突感があって面白いです。

さて、それでは番外編を開催いたします。
>>558さん(出来れば出題者となるのでコテハンを付けてください)の就職試験問題
の三題に挑戦するわけですが、この後は>>558さんにお任せいたします。
皆さんは出題者の出す三題で噺を作ってください。
通常とは違うパターンですが、こういう企画も面白いと思うので
存分に腕を振るってください。

>>558さん、それではよろしくお願いします。
もし、試験問題に別記事項があれば書いてください。
たとえば、「必ず食品業界の話題を取り込むこと」「800字以内」などです。
作者の方は、必ずしもそれを遵守する必要はありません。余裕のある方は
別記事項も守って書いてください。

それでは、いったん退きます。


610 :リクスー子:02/03/11 22:05
主催者さま、そして皆さま、我侭を聞いて頂いて有難うございます。
就職活動中ですのでリクスー子と名乗らせて頂きます。我ながらイケてない。
早速番外編のお題です。

・賢者
・オークション
・春眠

ドラえもんでおなじみの出版社の筆記試験の一部として出題されたものです。
別記事項としまして
・字数制限は20字×20行×3枚の1200字
・制限時間は1時間
・必ず題名をつけること
という条件がありました。

それではよろしくお願いいたします。わくわく。


611 :里の筍:02/03/12 02:04
出版社の出題だということなので、お題はごく歴史的背景を含めて忠実に使うことにしてみたんですが、
その分長くなってしまいました。1200字におさめられないこともなさそうなんですがね、まぁ一番手
ということでご勘弁願います。

「七賢」

昔から書画骨董なんぞという趣味はご大家の旦那衆とかご隠居さんのご道楽とされていたものでしてね、
あたしたちなんぞ一般庶民にはとんと縁のない世界でございます。特に海の向こうの中国の品物なんぞ
になると絵や字が書いてあっても何だかさっぱりわけがわかりませんな。「これは賛です、こちらが詩で
、むこうにあるのが語ですな。」なんぞと言われても、「はぁ、そんなもんですかねぇ」なんてね、
はじめて寺子屋に入ったこどもが数をならうようなもんで右も左もわかりません。

熊「こんちわ。」
隠「おや、これは熊さん、よいところにおいでなさった。ちょうど前から欲しかった屏風がが手に入った
ところでな。」
熊「へぇー、ご隠居さんの後ろにあるのがそうですかぃ?」
隠「そうだよ。お前さんもたまにはこのようなものを見て、目の保養にするのもよいじゃろ。」
熊「ふーん、目の保養ねぇ。ところで、ご隠居さん、この屏風には竹の絵が描いてありますねぇ。それに
人が一杯いて、何か話をしてるようだ。」
隠「さすが熊さん、お目が高い。これは竹林の七賢だ。」
熊「へぇ、ジャンケンとか狐拳とかはあっしらもよくやるんですがね、シチケンというのは聞いたことが
ないねぇ。」
隠「その拳じゃあないよ。、中国の三国時代の魏とか晋とかいう国が栄えた頃に、阮籍、王戎、山濤、
向秀、ケイ康、劉伶、阮咸という七人の賢人がな、竹の林の中で酒を飲みながら俗な世から離れた生活を
しながら議論をしたというな。」(パチパチパチ)
熊「なるほど、かわった暮らしが好きな連中だから変人って言うんだ。」
隠「変人じゃあない、賢人だよ。」
熊「そうかい?それはそうとどうしてこんなものがご隠居さんの所にあるんです?」
隠「こりゃあ、オークションで仕入れたんだ。」(パチパチパチ)
熊「はぁ、くしゃみをして。」
隠「そりゃハックションだ。まあわかりやすくいえば書画骨董のせりだな。」

612 :里の筍:02/03/12 02:04
熊「へぇー、他にも何か買って来ましたかい?」
隠「そちらの額の方は詩だな。」
熊「何やら難しい字が描いてありますねぇ。」
隠「それはな、やはり中国の唐の時代の孟浩然という偉い方の作ったものだ。」
熊「何てかいてあるんです?」
隠「春眠不覚暁、 処処聞啼鳥、 夜来風雨声、 花落知多少、とあるな。」(パチパチパチ)
熊「そりゃお経の文句かい?」
隠「お経じゃぁない、春暁という詩だよ。最初の句は、春の朝は眠くて起きられないという意味だな。」
熊「へぇ、へぇ、それで?」
隠「後は、あちらこちらで鳥が鳴いているが、昨日の晩は風や雨があったから、花がたくさん散ったこと
だろうな、という意味だな。」
熊「だからなんだってんです?」
隠「お前さんにはこの風雅な境地がわからないのかぃ?」
熊「そりゃあ、あっしだって朝は眠いし、カラスがうるさけりゃ石をぶつけてやろうと思うけどね。」
隠「それがお前さんが風流を解さないと言われるんだ。」
熊「だって『三千世界のカラスを殺し、主と朝寝がしてみたい』なんて都都逸なんぞはあっしだって粋
だねって思いますがね、雨が降って花が散ったからどうだと言われてもねぇ。」
隠「まあ、お前さんに聞いたあたしが悪かった。ところで今日は何の用で来たんだい?」
熊「いぇね、隣の竹の野郎が上さんをもらうことになったんですがね、まぁ長屋で三三九度の真似事だけ
でもしてやろうじゃあねぇかという話しがまとまりましてね。」
隠「そりゃあめでたい。結構なことだな。」
熊「そうなんですがね。なんせ貧乏長屋なんで飾りもなんにもない。衣装だけは古着屋の半公のところの
商売物をちょいと借りる事にしたんですがね、屏風でもありゃあ格好がつくってんでご隠居さんの所に
借りに来たんですよ。」
隠「そうかい。そりゃあ生憎だったなぁ。うちには婚礼に貸せるような屏風はないよ。」
熊「水臭いじゃないですかぃ。さっき竹の絵の描いた屏風があったじゃあありませんか。あれを貸して
おくんなさいな。」
隠「ありゃ人様に貸すようなものじゃないよ。うちの家宝にするものだ。」
熊「いいじゃぁありませんか。ちょっとぐらい貸してくれたって減るもんじゃあるまいし。そんなことを
言うんだったら長屋中にご隠居さんはケチだ、因業だって言い触らすからね。」
隠「おい、やめておくれよ。そんなことをされた日にゃあ明日から表を歩けなくなる。いいよ、わかった
から持って行きな。でもくれぐれも大事に使って汚すんじゃあないよ。」
熊「じゃあお借りします。なぁに、蔵で大事に預かってもらいますから決して汚したりするようなことは
ありゃしません。」
隠「おい、今お前なんて言った?蔵で預かる?婚礼の飾りにするってぇのは嘘だろう。ひょっとして質に
入れるつもりじゃあないかい?」
熊「へぇ、そのひょっとしてなんですよ。ちょっと酒肴をあつらえる銭が足りねぇもんで、申し訳ねぇん
ですがね、あれを曲げていくらか都合をつけるという寸法で。」
隠「おい、冗談じゃあないよ。あれは七賢だよ。大事に扱ってもらわなきゃ困るよ。」
熊「えぇ、ですから受取った質券は大事にとっておきます。」(ドンドン)


613 :柳ヤコ:02/03/15 00:36
  『屏風のピン』     (賢者・オークション・春眠)

八五郎「うんちわァ。先生いますかー」
先生「む、誰かと思ったら愚者か。まぁ入りたまえ愚者、こっちィ上がれ愚者」
八「なんスかその、グシャグシャってェのは」
先「愚かなる者と書いて愚者だ」
八「・・・やだなぁ、そんなにほめちゃ」
先「ほめておらんッ。早い話がバカだ」
八「何だよ、俺ぁバカって言われて喜んでたのか。じゃぁ利口な奴のことァ
  何てンです?」
先「賢い者と書いて賢者と言うな」(パチパチ)
八「あァ、病気になった人?」
先「それは患者だな」
八「お好み焼きみたいなの?」
先「それはもんじゃだ」
八「賽銭ふんだくってあとは知らんぷり」
先「それは神社だ」
八「おい!」
先「こら!」
八「そうそう、神社で思い出したんだけど、きのう横丁の隠居が太田道灌の絵を
  見せてくれました」
先「??・・・なぜそれを神社で思い出す?」
八「んー、何だかワカンナイけど、思い出した」
先「愚者の考えることはわからんな。それでどうした」
八「貼り混ぜの小屏風ってのをやたら自慢してたんだけど、あれって高いんスか?」
先「それはピンキリだな。高いものもあれば安いものもある。オークションに行って
  みるとわかるがな」(パチパチパチ)

614 :柳ヤコ:02/03/15 00:37
八「オークション?それどこでやってんです?」
先「町内の道具屋で時々やっておるが。そんなこと聞いてどうする」
八「安かったら俺もほしいなぁと思って」
先「お前のような愚者が貼り混ぜの小屏風なんぞ持っていても仕方なかろう」
八「でも、ウチに来た人が『あ、もしかしてこいつは賢者かな』とか思うでしょ」
先「やはり言うことが愚者だな。まぁいい、そういえばオークションは今日だぞ」
八「えっ、今日ですか?じゃぁ行ってきます」

八「お、やってるやってる。エーなになに、平清盛のしびん?お茶の漏れる茶碗?
  変な物ばっかりだな。こっちは何だ?絵高麗の梅鉢、ただし偽物。お買い上げの
  方にはもれなく子猫を進呈、っていらねーよそんなの!」
道具屋「さぁ、お次は貼り混ぜの小屏風だよ。五十銭から、どうだ」
八「あ、出た、屏風だ。五十一銭!」
客「六十銭!」
八「六十一銭!」
客「七十銭!」
八「七十一銭!」
客「おい!そこのお前、一銭ずつチマチマ上げるなよ」
八「いいじゃねーか別に。俺はピンが好きなんだよ」
客「なんだその、ピンってのは」
八「何も知らねぇんだな。サイコロで一のことォピンってんだよ」
道具屋「ハイおしまい、七十一銭ね〜」
客「あっ!しまった!しゃべってたら終わっちまった!」
八「へっへっへー、いただき〜」

615 :柳ヤコ:02/03/15 00:38
八「七十一銭で買っちゃった。ツイてるなぁ今日は。そうだ、このツキを逃しちゃ
  いけねぇ、余った銭を倍にしちゃおう。あっここだここだ。おォーい!
  やってるかぁー!俺だ俺だァ、やってるかァー博打!」
熊「あんな馬鹿ねェなオイ。俺たちゃ親孝行してんじゃねぇぞ、早く入れバカ!」
八「お、やってるねぇ。チョボイチかい?よーし俺も入れてくれ。そうだ、この屏風、
  縁起がいいから後ろに立てておこう。じゃぁさっそく、ピンに張ろうじゃねぇか」
熊「えっ、ピン?あァ、ピンは死に目だ、今日いっぺんも出てねぇんだ、いいのか?
  よーし、じゃぁ勝負!・・・あ、ピンだ!こいつ、初物出しやがった」
八「うはは、ツイてるツイてる。じゃぁ次もピンだ!」
熊「そう続けて出るもんか。勝負ッ!あ、またピンだ!この野郎、バカツキだぜ」
八「こりゃすごい、貼り混ぜの小屏風のおかげだな。張れば張るほど値が上がるってェ
  やつだ。ありがてェありがてェ」

か「ちょいとお前さん、起きとくれよ、お前さん」
八「うっ、ウ〜ン・・・あれ?なんだ、かかァじゃねぇか。あれ?」
か「どうしたんだぃ、なんか寝ながらニヤニヤ笑ってたけど、お前さん夢でも
  見てたのかい?」
八「えっ、夢?・・・あ、なんだ、夢かぁ。ちくしょ〜」
か「ふふふ、よっぽどいい夢見てたんだねぇ。でもお前さんが寝坊するなんて
  珍しいね、春だからかねェ」
八「春ゥ? あぁ、やっぱり『春眠バカツキを覚えず』だ」

   ドンドン  (パチパチパチ)


616 :里の筍:02/03/15 21:19
どうも相変わらず慢性アル中のせいか、お題のとり間違いが続いておりますね。
671の「賢人」は「賢者」と読み替えてくださいね。ところでハチャメチャでも
いいから面白い噺を書いてみたいとは思っているのですが、どうも形にとらわれて、
ヤコ師匠のようにはじけた作にならないのが我ながら情けない。(^^;)





617 :重要無名文化財:02/03/15 21:21
わたしゃ、筍さんの芸風も好きだがね。それぞれの作風って
似たような作品かいてても分かるもんだから、自身持って。

618 :湖亭半弗:02/03/16 03:22
「賢者」「オークション」「春眠」ですね。
今回は番外編ということで、1200字以内は難しいですが、軽いネタで肩の力も抜いて
内容も冒険してみます。書きながら考えて見ます。どうでしょうか。

 今回の「無理矢理オークション」(パチパチパチ)という御噺は、ある有名なネコ型ロボットの
御噺でございますが、
銅鑼「なんじゃいな、野比太。また泣いて帰ってきて。邪衣庵にでも泣かされたんかい?」
野比太「せやないねん、聞いてくれ銅鑼衛門。実は、今、わし、金がほしいねん。」
銅鑼「そらわしかて欲しいわい、出来ることなら。ドラ焼き食べたいがな。」
野比太「それこそ、ドラ焼きでも今川焼きでも買えるくらいの金がありゃあええで。
わし、空き地の土管で昼寝してたんや。」
銅鑼「ショバ代でもとられたか。」
野比太「黙って聞かんかいな、これ。昼寝はわしのライフワークや。」
銅鑼「たいそうにいいよったな、ほぉほぉそれで。」
野比太「春の日差しはうららかに、わしゃあ気持ちよぉ寝てたんや。」
銅鑼「春眠暁を覚えず、野比太九九を未だ覚えず。えぇこっちゃ。」(パチパチパチ)
野比太「えぇことあるかいな。そしたら、邪衣庵と脛夫がきよったんや。」
銅鑼「ほぉ、ほんで?」
野比太「脛夫が、お前『タンキ君』の最新刊買うたか?とこない聞きよんねん。」
銅鑼「買うてるはずないがな、お前今スッカラカンやろ。」
野比太「んで、買ってないちゅうたら、今ここにあるけど、お前には見せてやらん、
邪衣庵と見るちゅうねん。わしゃ悔しいて悔しいて。ほんで、買いに行きたいけど
銭はない、と泣いてるわけや。500円おくれ。」
銅鑼「そら、助けてやりたいが・・・、わしかて、ないねん。」
野比太「気の汚いやっちゃなー、ポケットから何ぞ出してくれんかいな。」
銅鑼「まぁ、何ぞ探しては見るが・・・、おっ、無理矢理オークション!」
野比太「何やねん、それ?」
銅鑼「自分が持ってるもんを、強制的にオークションさせて儲けさせてくれる
ちゅうもんやな。」
野比太「えぇ?せやけど、わし売れるようなもん持ってないで。」
銅鑼「心配すな、機械的にそういう状況を作ってくれるねん。まぁ見とけ。
ポチッッと・・・。」
母「野比太。」


619 :湖亭半弗:02/03/16 03:23
野比太「あぁ、おかあはん。何やいな?」
母「駅前の福引で当たったんやけど、これあんたいらんかいな?」
野比太「何ぃな、どれぇな・・・。おぅ、これ『ハリーポッターと賢者の石」
のチケットやんか。えらいもんあててきたな。」(パチパチパチ)
母「わたいらおばちゃんになってみるもんちゃうやろし。見といでんかいな。」
野比太「はぁ、そないするわ・・・。銅鑼衛門。これ売れるかな?」
銅鑼「な。言うたやろ。先立つもんが出来たがな。」
野比太「せやけど、これがオークションちゅうてもとりたて競り落とす品もんでも
ないで、えぇ。言うたら、全国公開してるねやさかいな。」
銅鑼「ま、ま、とりあえず空き地に友達呼んでみよかいな。」

静歌「何やのん、野比太さん。こんなところにぎょうさんに人集めて。」
脛夫「今、メロン食うてたんやけど。」
邪衣庵「つまらんかったら、お前らメッタメタのギッタギタやで。」
野比太「えぇ、それではオークションを開始します。」
脛夫「オークション?野比太の持ちもんなんかいらんで、わし帰るわ。」
邪衣庵
銅鑼「まぁ座らんかいな、これ。」
機会「ピ、ピ、ピ。」
脛夫「・・・何や帰る気なくしたなぁ。」
邪衣庵「怒る気なくしたなぁ。」
野比太「へぇー、たいしたもんや、これ。さぁ、とくとみておくれ。こら、巷で
有名な「ハリーポッターと賢者の石」のチケットや。」
静歌「私、・・・それ見た。」
脛夫「わしも、アメリカ行ってみたで。」
邪衣庵「やい、お前ら。しょうもないことで呼びやがって。」
脛夫「ん?ちょっと見せてみぃ・・・。こ、こらぁ凄い。」
邪衣庵「凄いて、何がや。」
脛夫「印刷が逆になってる!ほら、切手でも裏刷りは珍しいさかいに価値が
あがるやろ。あれだけのヒット作品の裏刷りチケットやったら、また売りしても
高値で売れるで、これ。」
静歌「・・・野比太さん?何円スタート?」
野比太「静ちゃん、やる気まんまんやがな。まぁ、とりあえず500円からで。」
静歌「じゃあ、2000円!」
邪衣庵「ほんならぁ・・・、2002円!」
銅鑼「図体でかいのにしみったれやなぁ。」
脛夫「一万円で買うわ、わし。」
野比太「ひゃー、一万円!」
邪衣庵「やい、脛夫。お前、手ぇひけ。」
脛夫「何でやねん。」
邪衣庵「家に帰りたいやろ?」
脛夫「・・・。えぇと、やめるわ。」
銅鑼「・・・、ほな、2002円でお買い上げありがとうござい!」
邪衣庵「ほな、2002円。おれの全財産や、とっとけ。さぁ、脛夫。
さっさと換金に行くぞぉ。」
脛夫「・・・、しもたなぁ、黙っときゃよかった。」
野比太「ま、とにかくよかったよかった。これで十分や。」

銅鑼「さぁ、本屋まで来た。わしにも読ませてくれな・・・、あったあった、これやな。
はい、レジに持っていき。」
野比太「えぇと、さっきもろぉたお金を・・・、・・・。ん?あれ?あれ?」
銅鑼「おい!なくしたんちゃうやろな?」
野比太「2円はあるねやけど・・・、千円二枚どこぞへやってしもた!」
銅鑼「よぉお探せよ、お前。えぇ?やっぱりないてかぃ?はぁー、せっかく
わしが道具貸したったのに。あぁ!こっちも落札や。」

どんどん



620 :柳ヤコ:02/03/17 01:08
わははは。関西弁のドラえもんってのがオカシイ。

621 :里の筍:02/03/17 03:37
617さんの発言に勇気づけられて、しつこく同じパターンでもう一丁いってみますね。

「金太郎」

横丁のご隠居さんといえば物知りということになっておりますが、賢者ばかりじゃあない。中にはいい加減
なのも混じっていたんだそうで。(パチパチパチ)

竹「こんちわ。」
隠「おや、竹さんどうしたい?」
竹「ご隠居さんは物知りだということだから、今日はちょっとうちのガキのことで聞きたいことがあってね。」
隠「なんだい。」
竹「うちの婆ぁがね、女の子だったら雛人形でも飾ろうと思ったんだが、男の子だから端午の節句に祝いを
しようて言うんですがね。女の子の節句は雛祭り、桃の花が咲く頃だから桃の節句って言うのはわかるん
ですがね、どうして男の子の節句は端午の節句っていうんです?」
隠「そりゃあ、タンゴというくらいだから、南米はアルゼンチンから来たもんだな。」
竹「へっ、アルゼンチン?」
隠「そうさなぁ、向こうでは男の子が1人前になると5月にタンゴを踊るという風習があるんだな。」
竹「嘘でしょ。そんな事言ってないで本当のところを教えてくださいよ。」
隠「そんなに知りたいかい。それじゃあ教えてやろう。端は初め、午は午の日ということで、端午というのは
月の初めの午の日と意味だなぁ。もともと5月に限った話ではなかったんだが、午と五をかけて、毎月5日を
いうようになり、そのうち5月5日のことをいうようになったとされておるな。中国でも古くからこの日菖蒲
を浸した酒を飲んで病気や悪鬼を退治するという習慣があったらしいが、日本にも奈良時代から行なわれる
ようになったとされてあるな。」
竹「それがどうして男の子の日なんですかい?」
隠「うん、鎌倉時代ころから『菖蒲』と『尚武』をかけて端午の節句を武を尊っとぶ日というようになり、
そのうち男の子の誕生祝いに結びつくようになったと物の本には記してあるな。」
竹「そんなもんですかねぇ。それじゃ金太郎は?」
隠「なんだい、金太郎ってのは?」
竹「知りませんかねぇ、金の字をかいた腹掛けをしめて赤い顔をした...」
隠「無論知っておるが、それがどうした?」
竹「嬶がね、端午の節句には金太郎の人形がつきものだといってオークションで買ってきたんで。」(パチパチパチ)
隠「金太郎は強くて立派な男の子ということで、親の『我が子も金太郎のように育ってほしい』という気持ち
を人形にこめて飾るようになったとされておるな。」

622 :里の筍:02/03/17 03:37
竹「へぇー。その金太郎というのはいったいどこの生まれなんです?」
隠「そうさなぁ、今からそうとう昔のことじゃが、今の神奈川県の足柄上郡開成町酒田というところに、
有力な豪士で都の貴族の荘園なども管理していた酒田義家というものがおってな。」
竹「はぁ。」
隠「義家はこの地方では名前の知られた武士じゃったが所領争いから親類との間がうまく行かなくなってな。
普段は警戒していたんじゃが、春眠暁を覚えずというが、つい朝寝をして油断をしていたところを付け狙って
いた実の叔父に殺されてしまったな。」(パチパチパチ)
竹「そりゃ悪い野郎だ。それで?」
隠「義家には6人の子供がおったが、姥が長男の金太郎を箱根山中の金時山に連れて逃げたそうな。」
竹「他の5人はどうなったんです?」
隠「次男の金次郎は二宮家に養子に行って、薪を背負って一生懸命勉強したそうだ。だが熱心なのはいいが、
この薪はいくらに売れるかと稼ぐことばかり考えていたのでしまいには『金次郎』と呼ばれずに『損得』と
よばれるようになったな。長じては大蔵省にはいって緊縮財政ばかりやったのでデフレを引き起こして、
あげくの果ては責任をとらされて首になってしもうたな。その後銅像を作る会社に天下りしてコンサルタント
をしてたんだが、今ではあまり注文がないので大変だということじゃそうな。」
竹「へぇー、三番目は?」
隠「兄貴のように立身出世はできんと早々と見切りをつけて、名前も桜金三とかえてコメディアンになったな。」
竹「本当かい?」
隠「四男の金四郎はぐれてヤクザの仲間に入り、背中に桜の刺青までいれたんだが、やはり名門の血はあらそ
えないもんだな。そのうち改心して逆に悪い奴らを取り締まる正義派に転進し、遠山家に養子に行って最後は
北町奉行にまでなったな。」
竹「できがいいのはみんな養子ですね。残りはどうなりました。」
隠「一番下の弟の金語楼は、やはり立派な兄貴たちには勝てないとあきらめて落語家になったんだが、中国に
戦争に行かされてどうにか帰って来たが苦労が多くて頭がはげてしまったな。」
竹「なるほど長男以外は官僚かお笑いの世界にすすんだんですね。でもおかしいじゃありませんか。それじゃ
5人にしかならねぇ。さっき6人兄弟だって言ってませんでしたかい?」
隠「実は嫡男ではないがもう別腹の子が一人おってな。」
竹「ほぉ、義家さんもやるもんだねぇ。」
隠「こいつは金嬉老と名づけられたんじゃが、これがまた正義感は強いが乱暴ものでな。ライフル持ってお上
と喧嘩していまでは隣の国に行って暮らしてるそうだが、今ごろはどうしておるのか。」
竹「なんだか時代がてんでんばらばらなような気がするんですがね。まあいいや。かんじんの金太郎はどう
なりました?」
隠「足柄山で熊と取っ組みあったりして武芸の修業している時に、通りかかった源頼光に見出されて家来と
なって京都に昇り、頼光の四天王として知られる強い大将になったということじゃ。」
竹「はぁ、山奥から京都の大将にねぇ。でその後は?」
隠「うん、その後のあまり詳しい話はよくわからないが、子孫は今ではサラリーマンになって建設屋に勤め、
プロジェクトを成功させて立派に暮らしているそうだ。」(ドンドン)


623 :主催者:02/03/19 02:18
大変遅くなりました主催者です。
リクスー子さん、お題提供ありがとうございます。
番外編にもかかわらずたくさんの作品があがりましたね。

まず、筍さんの>>611-612「七賢」はお題を取り違えられたようですが、
内容は擬古典な噺で、勉強にもなりました。筍さんの雰囲気は知識を
出しすぎずにサラッと伝えてくれるいい味だと思っています。
隠居との掛け合い噺から熊さんが質草をせしめる形がはまっていますね。
筍さんは最後で立場逆転や上手くせしめるサゲが手法的に上手いと思います
(「赤短酒」なんかもそうですよね)

そして、ヤコさんの>>613-615「屏風のピン」はもちろん下地は
看板のピンでしょうが、ストーリー展開がはまっていますね。
くすぐりも笑わせていただきました。「もしかしてこいつは賢者かな」「言うことが
愚者だ」のところが気に入っています。ピンでツキがまわってきてどう落とすかな
と思ったら、ここでお題を持ってくるのは見事でした。

そして、半弗さんの>>618-619「無理矢理オークション」は参りました。
銅鑼衛門に邪衣庵ですか・・・。こういう作品もお書きになるんですね。
しかも、面白いです、これ。「タンキ君」は原作どうりですし、「メッタメタの
ギッタギタ」などお詳しいですね。何か米朝師匠の吹き替えドラえもんのような
気がして楽しめました。サゲもスッと落ちて勢いある噺になりました。ラフな
噺も素敵ですね。

筍さんの2作目、>>621-622「金太郎」は、やられましたね。
金の字づくしできましたか(笑)。はじめは仕込み噺のように薀蓄から入って
後から見事にいい意味で裏切られました。いいですねえ。
金太郎、金次郎、金三(金造)、金四郎、金語楼、そして金嬉老。
思わず「出来ましたなぁ!」と叫んでしまいそうになりました。好作品です。

もう少し募集してみます。
リクスー子さんも、お題提出者として、感想なりを書いていただけませんか?
どうしてもいつもは私の感想が大半を占めますので、ほかの方の感想も
聞いてみたいです。また、試験の時書かれた三題噺もよろしければ
披露してくださいね。

624 :重要無名文化財:02/03/21 00:14
あげとこう
おーい、リクスー子〜、どこいったー

625 :重要無名文化財:02/03/22 17:55
「賢者」「オークション」「春眠」

A:俺は賢者だからいいところに住んでるんだ。(パチパチ)
B:どこに?
A:億ションに。(パチパチ)
B:すごいね。賢いと儲かるんだ。
A:そうだよ。賢者はな、春には寝ないんだ。早起きして働くんだ。
B:春眠っていうじゃないか。(パチパチ)
A:愚者は起きないけど、賢者は早起きするんだ。
B:朝寝しないのかい?
A:しないね、時間の無駄だよ。
B:じゃあ、賢者っていうのは何だね、動物愛護もするんだね。
A:どうして?
B:だって、三千世界のカラスを殺そうとも思わない。(ドンドン)

626 :重要無名文化財:02/03/24 20:52
米age笊

627 :主催者:02/03/25 00:45
リクスー子さんは就職活動でお忙しいのでしょうか?
いったん番外編は閉めますが、もしよければ後からでも感想をお願いします。

匿名さんの>>625「小咄・賢者は朝寝をしないから(仮)」は
お題のまとめ方が巧いですね。「こういう作り方もあるんだよ」と教えられた
気がします。前回も同じような作風で最後にお書きになっていたと思いますが
お題のピンポイントでの使い方を重点とした味のある芸風ですね。

さて、節目の回を迎えまして、これより感想日とさせていただきます。
今回は常連の作家の方に感想をいただきたいと思います。
11〜15回の中から、「これは!」と思われる一作品を選んで感想を
お書きください。もちろん自分の作品を思い入れたっぷりに語っていただいても
構いませんが(笑)出来れば別の作家さんの作品を挙げていただければと思います。

もちろん、一般読者の方も、過去の作品を振り返って感想をお書きくださいね。

恒例の作品リストは後ほど挙げさせていただきます。

628 :主催者:02/03/25 02:53
それでは、第十一回から第十五回までの作品をご紹介します。

<第十一回>
「インフルエンザ」「転換点」「紅梅」
重要無芸文化財さん >>389「箱根八里」
重要無芸文化財さん >>390「天拝山」
湖亭半弗さん    >>392-394「さよなら三角」
柳ヤコさん     >>398-399 「ホコテン医者」
里の筍さん     >>402「谷風」
里の筍さん     >>406「わが社の転換点」
湖亭半弗さん    >>408-410「香花院」
重要無芸文化財さん >>411「小咄・花鳥風月の病」

<第十二回>
「皿洗い」「くじら」「枯草」
匿名さん      >>433「求人の前職」
里の筍さん     >>434 「シシ酒」
ゆめもすけさん   >>435「徳さん、サライを聴く」
重要無芸文化財さん >>436-439「五目の師匠」
重要無芸文化財さん >>441「小咄・へちまだわし」
柳ヤコさん     >>442-444「大江戸力士伝」
湖亭半弗さん    >>450-451「もののけ川」
















629 :主催者:02/03/25 02:53
<第十三回>
「チョコ」「狼」「通帳」
重要無芸文化財さん >>471-473「勧進帳狸」
鉄棒勇助さん    >>477「マタギの災難」
柳ヤコさん     >>478-480「ニニンタビ男。」
里の筍さん     >>489「権助掛取り」
しゅがしゅがさん  >>491-492 「恋の狩人、一色サユリ 非情のバレンタイン」
重要無芸文化財さん >>497「小咄・嘘つきの沙汰」
湖亭半弗さん    >>498-505「バレンタイン千代琴」
ゆめもすけさん   >>507「徳さんの24時間TV談義」

<第十四回>
「ブーメラン」「国産」「昆布」
里の筍さん     >>530「ブーメラン蕎麦」
重要無芸文化財さん >>531-533「昆布弁慶」
T・Kさん     >>536「ピラメンメンのワンワンワン」
重要無芸文化財さん >>538-542「初夜芝居」
柳ヤコさん     >>545-546 「らくだの買物」
里の筍さん     >>547-548「結納鮑」
湖亭半弗さん    >>549-551「海の幸・上」

<第十五回>
「窓ガラス」「二度寝」「パステル」
重要無芸文化財さん >>584-586「砂漠の幸」
里の筍さん     >>587-589「車徳」
里の筍さん     >>539-594「赤短酒」
柳ヤコさん     >>596-598「らくだ・その後」
ゆめもすけさん   >>602-603「徳さんの宮崎キャンプ」
湖亭半弗さん    >>605「海の幸・下」
匿名さん      >>607「小咄・色の性格」

<番外編>
「賢者」「オークション」「春眠」
(別記事項)
・字数制限は20字×20行×3枚の1200字
・制限時間は1時間
・必ず題名をつけること
里の筍さん     >>611-612「七賢」
柳ヤコさん     >>613-615「屏風のピン」
湖亭半弗さん    >>618-619「無理矢理オークション」
里の筍さん     >>621-622「金太郎」
匿名さん      >>625「小咄・賢者は朝寝をしないから(仮)」

以上です。お気に入りの作品に感想をお書きください。
ある程度間をおいて第十六回に入っていきます。
作家の皆さん、感想よろしくお願いします。
また、今回のように特別企画や、作者の方の新たな趣向(前・後編など)
ありましたら、感想日の際に書いていただけたら幸いです。

630 :重要無名文化財:02/03/26 13:28
作家の方が感想を書く前から失礼ながら・・・。
徳さんシリーズが好きです。特に「徳さんの宮崎キャンプ」
ツボでした。皆さんも読んでみてください。

631 :重要無名文化財:02/03/26 22:11
主催者氏、リストご苦労様。今、読み返しているよ。

632 :重要無名文化財:02/03/27 04:04
里のたけのこさんの「権助掛取り」はいいなぁ。
権助のキャラが生きた話になっているよ。ずぶとさがあだになって
失敗するところもらしくていい。すっと読めた。

633 :重要無名文化財:02/03/27 14:57
常連作家の感想期待age


634 :湖亭半弗:02/03/28 02:57
僭越ながら感想を・・・。
上方落語ではやはり、重要無芸文化財さんがすごいですよね。
感想するのもおこがましいくらいですが、私は「初夜芝居」が好きです。
何ていいますかねえ、設定がすごく自然なんですよ、芝居噺でも。
「蔵丁稚」のように噺の中に芝居そのまま入れてしまうのももちろん
好きなんですけど、芝居好きの嫁が来る、芝居のヒロインのように
心中しようとする、この設定がすごく生きていて、話中から抜け出ずに
程好くストーリーが盛り上がっていくところが上手だと思いますね。

江戸落語の作家さんは数が多いので、どれをとりあげようかと迷いましたが、
柳ヤコさんの「大江戸力士伝」を読んでみました。
柳ヤコさんにしては珍しく地噺なんですよね、主となる部分が。
でも、持ち味のパロディ性が遺憾なく発揮している作品ですごく入り込めましたよ。
三題の使い方も「お題に噺を合わせる」手法なんですねえ。私などはどうしても
「噺にお題を盛り込もうとする」ので御題をくすぐりや洒落でしか使えないの
ですが、枯れ草で稽古や「皿洗いを思い出してみろ」なんて台詞は、どう考えても
噺が御題に寄っているんですよね。それが何とも面白いんですよ。いいですねえ。

他にも、里の筍さんの「結納鮑」、しゅがしゅがさんの「恋の狩人、一色サユリ
 非情のバレンタイン」、ゆめもすけさんの「徳さん、サライを聴く」も
それぞれ作風が伝わってくる作品で面白かったです。



635 :重要無名文化財:02/03/28 19:56
個人的に第十一回の全作品がずばぬけてると思う。
一読の価値あり。

636 :柳ヤコ:02/03/31 00:11
久しぶりの書き込みです。デハ私も感想を・・・。
なんか皆さんの個性というか芸風がハッキリしてきましたね。
寄席と同じで、色々な個性のぶつかり合いが楽しいです。
今回の作品の中では、重要無芸文化財さんの「勧進帳狸」が好きだなぁ。
ハメモノが聞こえてくる感じがして臨場感があります。

あ、湖亭半弗さん、大江戸力士伝をホメていただきやしてありがとうございます。

637 :重要無名文化財:02/03/31 02:05
>>630 私も徳さんシリーズの隠れファンです♪
「徳さんの宮崎キャンプ」も面白かったし、
3題以外ネタも気づいた時、すごーい!って思ったし嬉しかったです。

638 :主催者:02/03/31 02:44
たくさんの感想ありがとうございます。
皆さん、色んな視点で読まれているんですね。

もう少し感想日を延長してかまいませんでしょうか。
卒業。入学シーズンで私生活が慌しい方も多いと思いますので、
常連の方でもここに来たり来れなかったりだと思いますので。
早く作品を書きたいとお待ちの方、申し訳ありません。かくいう私も
まとまった時間がとれずにいます。四月初めに第十六回を開催しますので、
それまでは今一度感想のほうをよろしくお願いいたします。

639 :柳ヤコ:02/03/31 10:35
徳さんのキャラはいいよね。私も自分の作品に登場してもらったコトが
ありますし(「さいはて競馬場」)、って勝手に使っただけか。ゴメンナサーイ

640 :ゆめ:02/03/31 17:33
ゆめです。
作品的には、全然落語口調じゃないけど・・・。
くだらなさじゃ、誰にも負けないと思います。
これからもたびたび登場するのでよろしくです。
最近、3人登場してないけど、頑張ってネタ作りますよ。

ではでは。

641 :重要無名文化財:02/03/31 22:22
「求人の元職(題名ついてる!すげぇ)」を何とはなしに書いたもんですけど、
皆さん上手いですよね。それに主催者さんのきちんとぶり?に感激です。
作家の端くれ(Wですので、感想を・・・。今回はやはり「バレンタイン千代琴」
じゃないでしょうか?ストーリー展開も笑いも、適度な飛躍振り(江戸時代?
にもチョコあげてた人がいる)がはまってますです。
ゆっくり来れるようになればまたコテハンで勝負します(W

642 :重要無名文化財:02/04/01 19:50
里の筍さんの感想が聞きたいな。
この人は落語通だとにらんでるから、いい感想が聞けそう。

643 :里の筍:02/04/01 22:42
えー、ここんとこ色々たてこんでましたんで、諸先輩方の書き込みを斜めに睨みつつも知らんぷりを決め
込んでおりましたが、ご指名がかかりましたんで...
落語通ということではこのスレッドではここの席亭さんがピカ―だと思っておりますのでちょっと
くすぐったい所もありますが、無論当方も饅頭怖いということでけっして嫌いというわけじゃあ
ないんでね、懲りもせずまた出てまいりました。(本当は饅頭ではなくて酒が怖い(^^))

ところで感想をということですが、かなりの数なんで全部というわけにはいきませんが、印象に残った
ものについていくつか思いつくまま書き込んでみます。「なんだ、俺のあれがないじゃあないか。」など
とお叱りを受けることもあろうかと思いますが、そこんとこは「酒で呆けてんだろう。仕方がねぇや」と
いった具合に一つお許しを願っておきます。

さて第十一回のお題では、なんといっても重要無芸さんの「花鳥風月の病」ですね。逆立ちしたって
こんな話は思いつかないなぁと脱帽しました。同じ作者の「天拝山」も細かい内容は別として、こちらの
知らない芝居話仕立てにはうならされました。柳ヤコさんの「ホコテン医者」は、【助手「・・・グラッ
チェ」院長「うるさいよ!」】なんてやりとりのハチャメチャな所は、なんど読んでも思わず笑って
しまいます。ヤコさんの面白さは、思いがけないクスグリが所々に出てくる所にあるようで、それが
うまくはまると最高ですね。

第十二回は、ヤコさんのいつもと雰囲気の違った「大江戸力士伝」が目につきましたが、これについては
もう湖亭半弗さんのコメントがついていますので、同感だというだけにとどめます。

第十三回は重要無芸文化財さんの「勧進帳狸」と湖亭半弗さんの「バレンタイン千代琴」と力の入った
二作品がそろっていていますが、無芸さんの噺は私自身の好みからすると一連の作品の中で落語としては
一番のできだと思っています。ただまたこんなことを言って怒られるかもしれませんが、無芸さんの作品
は(他の作も)落ちの直前までの素晴らしいのですが、それに匹敵するだけの落ちがつかないのが画龍点
睛を欠きもったいないと思います。対する湖亭半弗さんの作は(タイトルはどうかと思いますが(^^;))
さすがという感じで、関西落語のストーリーテラーとしての面目躍如といったところでしょうか。

第十四回も前回と同様に重要無芸文化財さんの「昆布弁慶」「初夜芝居」の芝居話の二作品に、湖亭半弗
さんの「海の幸・上」という「作り話」が対抗するという構図でしたが、新しい(昔話のような)ストー
リーを作り出すという意味では湖亭半弗さんの一連の噺の中ではもっともすぐれた作品だったような気が
しています。二人の間にはさまってヤコさんが相変わらずの味をだしているのもさすがです。

第十五回と番外編(および自分の作品)についてはお酒がまわってきたのでまたいずれということに...(^^)
またこれまでに触れなかった作品については面白くないということではないのですが、どうも落語という
枠をはめて見てしまうためコメントがつけにくく、今回はパスさせていただきたいということで作者の
皆様方にはご容赦願います。


644 :重要無名文化財:02/04/02 02:09
ここに来る人はみんないい人だね。
良スレになるのが分かるよ。

645 :湖亭半弗:02/04/02 23:38
里の筍さん、お褒め下さりありがとうございます。励みになります。

実は、個人的な話ですけれど、私、この度「夢丸新江戸噺」に応募しました。
三笑亭夢丸師匠が募集されていた新作擬古典落語ですね。
初めて江戸落語を作ってみましたんです。難しいですねえ。江戸の作家さんの
ご苦労が身にしみて分かった次第です。内容は第三回「三人家斉」の焼き直しです。
というか、それ以外を江戸弁に焼きなおすには無理がありましたから。
もし、何かのはずみで賞などいただけいたら「三人家斉」の名前が出ますので
「あぁ、あの賞取った奴は2ちゃん住人だ」と笑ってやってください。
また、賞を取らなくても「あぁ、とり損ねた」といって笑ってやってください。
ほんとに個人的な話ですみませんです。


646 :主催者:02/04/04 14:36
こんな時間に来てしまいました。臨時の休みなので。
多くの作家の方に感想を書いていただきましてこんなに嬉しいことは
ありません。また、三題噺への情熱であり感性でありが各々伝わってきました。
すごく新鮮でしたね。ありがとうございました。

それと、半弗さん。応募なさったんですね。2ちゃんねるから落語作家が
誕生もあるのかもしれませんね。入賞をお祈りいたします。
また、作家の皆さんも個人的な活動がおありでしたら出来ればお教え下さい。
当初に掲げた目標が「プロや落研の人々が『このネタやりたい』と頼んでくるような
三題噺」でしたので、そういったメジャーでの課外活動?も興味があります。

それでは、第十六回を開催いたします。
まずは御題取りですね。数多くの御題が出揃う事を期待しています。
例によって、一レスにつき一単語でお願いします。
それではどうぞ。

647 :重要無名文化財:02/04/04 15:04
田楽

648 :重要無名文化財:02/04/04 15:16
国鉄

649 :重要無名文化財:02/04/04 15:26
襲名

650 :重要無名文化財 :02/04/04 16:04
USJ

651 :重要無名文化財:02/04/04 18:22
レッサーパンダ

652 :重要無名文化財:02/04/04 19:14
乱闘

653 :重要無名文化財:02/04/04 19:34
ピンはね

654 :重要無名文化財:02/04/04 19:44
瀬戸物町

655 :重要無名文化財:02/04/04 22:46
銀行マン

656 :重要無名文化財:02/04/04 23:31
お預かり

657 :主催者:02/04/05 02:08
多くの御題、ありがとうございます。
それでは、この中から第十六回お題を決定いたします。
「田楽」「USJ」「ピンはね」の三題です。
レッサーパンダ・瀬戸物町なども候補でした。
銀行マンはひねり甲斐ありそうでしたけど、あえて外しました。
それでは、たくさんの作品お待ちしています。

658 :重要無芸文化財:02/04/05 03:14
 ご無沙汰してますが、生きてます。
 さすがに年度末、年度始でバタバタしてまして、しばらく落ちてまして、
番外編、感想は欠席してましたが。

 皆様、過分なお言葉、アドバイス、ありがとうございました。


659 :重要無芸文化財 :02/04/05 03:31
無芸氏おかえり。
無芸氏の感想も聞きたいぞ。芝居噺の名手がどんなネタを評価してるか
気になる。

660 :重要無名文化財:02/04/05 03:51
このおおもりよしはるって奴は近所のょぅι゙ょにまんこ見せてもらって模写してるらしい。
こいつ、私が小学の時、私のまんこにちんちんこすりつけて精液を顔にぶっかけやがった奴。
当時は意味が分からなかったが。もう、死ねよ…と。

UOでKanaeというテイマーとsasawoという斧戦士(赤)を使用@Izumo

【すじ】 おおもりよしはる先生 【すじ】
http://yasai.2ch.net/test/read.cgi/doujin/1016199359/
オリジナルキャラ七瀬香奈恵抱き枕(すじ丸出し抱き枕)
http://www.p80.co.jp/p/k_sinki/yoshiharu/kanae2002.html

661 :重要無芸文化財:02/04/06 01:16
「田楽」「USJ」「ピンはね」

男「ここが何ですか、USJ銀行ですか?」(パチパチパチ)
主「UFJだ、馬鹿。ここでな、貯金おろすんだよ」
男「田楽おろすんですか?」(パチパチパチ)
主「それを言うならお前、全額だよ。んとにしょうがないね、腹ばっかりすかせてやがる。」
男「だって、旦那が給料ピンはねするんですから。」(パチパチパチ)
主「そんなことはしないよ。」
男「しますよ。」
主「しないよ。」
男「しますよ。」
主「しないっていってるじゃあないか。」
男「そうですか、ちげぇねぇ。ピンはね疑えばキリがない。」
どんどん

662 :重要無名文化財:02/04/07 00:19
ごめん、659・661だけど、「重要無名文化財」の名前をコピペしたつもりが
無芸氏の名前をコピペしたみたいで同じ名前になってしまったみたい。
匿名にしといて。マジごめん。

663 :重要無名文化財:02/04/07 00:45
>>662
ここの板では、名前欄を空欄にすれば自動的に「重要無名文化財」と入るように
なっているので、コピペ等で入力する必要はないのよ。

664 :鉄棒勇助:02/04/07 18:11
「田楽」「USJ」「ピンはね」

マタギ「せがれ、せがれ、おめぇ何しでる?」
息子「おら、ボーリングちゅうもんしでるんだ。」
マタギ「馬鹿ぁ、そんな玉放ってる暇あったら、玉こめて狩りさ、いっでごい!」
息子「とうちゃん、おらにだっで休暇がほじいぞ。」
マタギ「何だど、ごの!」
息子「このボーリングだっで、自分で皆作ったんだぁ。あんまりふもどにも
いげねから。もう少し遊びでぇ。」
マタギ「なんちゅう馬鹿たれだ、おめぇは。遊んでて金が手に入るが、馬鹿ぁ!」
息子「じゃああ、おら餓死する。」
マタギ「馬鹿こぐでね。お前はおらの跡取だ・・・、とうちゃんの話きがねが、こら。」
息子「がらがらがら、わあストライクだ。あぁ、とうちゃん、そっちピン、はねたから
拾っでけれ。」(パチパチ)
マタギ「誰が拾うか、こげなもん。おめぇ、そうやって親の言うこときがねえで
遊んでばっかだど、USJに連れてってやらねぇぞ。」(パチパチ)
息子「なぬ?とうちゃん、連れってくれるが?んじゃ、仕事する。」
マタギ「嘘じゃねぇ。さぁ、狩りさいぐぞ。」

息子「とうちゃん、ほんどだろうな?」
マタギ「何がぁ?」
息子「ユニバザルスティジオジャパぁンに連れってくれるって。」
マタギ「はぁ?USJだっていったべ?」
息子「だから、USJったらユニバザルスティジオジャパぁンだろに?」
マタギ「馬鹿ぁ、裏のスーパージャンボの宝くじ買いにいくだ。」
息子「U(裏の)S(スーパー)J(ジャンボ)?とうちゃん、だまじだな!」
マタギ「おめぇが勘違いしたんだべ。ん?せがれ、猪の匂いがしねぇが?」
息子「とぼけるな!だましやがっだ、この人でなじ!ん?ほんとだ、猪の匂いだ。」
マタギ「そごだ、そごだ、いいが、じゃあ狙うでな。ばーん!」
息子「とうちゃん、すげぇ!デーンと倒れて、ガクっと一発だ!」
マタギ「だで?デーン、ガクっ。これが猪も苦しまなくて
済むマタギの腕と心だ。」(パチパチ)
息子「すげぇなぁ。あれ、とうちゃん、この猪、前に父ちゃん怪我さぜた猪に
そっぐりだぞ!」
マタギ「どれぇ、おぉお、デーン、ガクっだけに、よぉ似て(煮て)あるで。」

どんどん

665 :重要無名文化財:02/04/08 22:13
常連期待age


666 :主催者:02/04/10 01:16
季節の変わり目だけあって、常連さんが軒並みお忙しいようですね。
その中で、気を吐くお二人の作品が光っています。

匿名さんの>>661「小咄・ピンはね疑惑(仮)」は落語を端的に表現された
作品ですね。与太のような雰囲気の使用人?のボケで全てのお題を
効果的に使っています。無駄な部分を全て省いたようなすっきりとした
小咄です。

次の勇助さんの>>664「マタギの説得(仮)」はとうとう息子が
マタギの仕事が嫌になるという作品ですが、マタギの釣り方もせこくて、
お題の使い方も持ち味の強引さがとても面白いです。お題を選んだときから
「USJ」はイニシャルで使って頂けたら、と思っていたので興味深く
拝見しました。

しばらくはこのまま続けましょう。今週末から来週辺りになれば
常連さん方にも時間が作っていただけると思いますので。
もちろん、初心者の方の作品も大歓迎です。こういうと何ですが、
現在ですと注目度は高いです(笑)
作品お待ちしています。

667 :柳ヤコ:02/04/10 23:31
いそがしくて噺がつくれないよー

668 :湖亭半弗:02/04/11 02:02
ヤコさんと同じく・・・。
どうしてこう春はドタバタしますかねえ。
案練りながら生活しています。

669 :里の筍:02/04/12 19:36
どうも常連さんの投稿がないようですね。こっちも野暮用に追われてなかなか取っかかれなかんたんです
が、本業は不景気で閑古鳥が鳴いてるしまつなんで時間が作れないわきゃあない、なぁにやる気になれば
噺の一つや二つ...とはいってはみたがアイデアが出ないといった具合で何とも締まらない話で...
不景気をぼやいてばかりいても仕方がないんで、いつもとちょいと趣向を変えまして、化けもの屋敷と
いう馬鹿馬鹿しいお噺でご機嫌をうかがわせていただきます。

「化けもの屋敷」

ちかごろではテーマパークってんですかね、でっかい遊園地に押されて昔ながらの見世物小屋なんぞが
出る幕はないようですが、今と違って娯楽の少ない時分には縁日などでもずいぶん色んなことをやって
いましたね。
あたしが子供の時分に覚えているのは、小っちゃな金盥の中に真っ黒な水が入っている、そこにセルロイ
ドのアヒルが浮かんでいましてね、これがあっちに行ったり、こっちに行ったりして、ちょこまかと泳ぎ
まくっている。とってもゼンマイ仕掛じゃあこうは行かない。
盥の後ろには小汚い親父なんぞが一人で下を向いて何にも言わずに座っていて、横の看板にこの不思議な
アヒルについて知りたい奴は本を買えなんぞと書いてありましてね。
盥の周りには人がいっぱいたかっていましてね、ああでもない、こうでもない、としゃべってるんだけど
誰も仕掛けがわかりゃしません。
そのうち折り合いをみはからってサクラが本を買うと、客のほうもつられて俺も、俺もという調子で
傍に積んであった本があっというまに売り切れます。
これでもう商売はお終いかなと見てると、親父はまたどこからかごそごそ10冊くらい新しい本を出して
くる。
こっちも子供心にアヒルがどうして泳ぐのかが気になってしょうがない。それでなけなしの小使いを
はたいて本を買って懐に入れて、ワクワクしながら家に帰るんですがね、こういう時は帰るまで待てない
もんで...
横丁の路地かなんかの陰で本を開いてみると「アヒルの首に糸を結びつけるべし。」と書いてある。
オヤって思ってもう少し先を読むと「糸の先には泥鰌をくくりつけるべし。」なんて人をくった商売が
昔はあったもので...


670 :里の筍:02/04/12 19:36
ろくろっ首「一つ目の坊や、何で泣いてんだい?」
一つ目小僧「だってお腹が空いてたまんないんだもん。」
唐傘お化け「そういゃあ俺もここんとこロクなものを食ってないんで骨と皮になっちまったなぁ。」
大入道「おめぇは昔から骨と皮だったじゃあねぇか。」
のっぺら坊「おい、おい、混ぜっ返すんじゃあないよ。でも確かに最近は実入りが悪いからなぁ。」
河童「おいらだって皿の水が乾いちまったよ。胡瓜の酢の物とうまい田楽でも肴にキューっと一杯やった
ら頭の湿り具合もよくなるんだがなぁ。」(パチパチパチ)
古狸「そういゃあ、座がしらの猫娘が割りをピンハネしてるっていう噂もあるぜ。」(パチパチパチ)
ろくろ「そんな根も葉もない話をしゃべるんじゃあないよ。あたしだってたまにはおいしい油も舐めて
みたいけど、今は世の中が不景気なんだから仕方がないじゃあないか。」
ざしき童子「『不景気』あたいも食べたい。」
河童「この餓鬼ぁ、ケーキと間違えてやがらぁ。そりゃ食いもんじゃあねぇや。」

猫娘「さっき誰かあたしの悪口を言っやしなかったかい、ピンはねがどうとか?」
大「おや、猫の姐さん。誰もそんなこたぁ言ってませんよ。なぁ、おい?」
古「そうだとも。昔おいらがサイコロに化けたころ、ピンを出してハネたことがあったなぁという思い出
話をしてたんで。」
猫「ふーん、それならいいけど。それにしてもみんなどいつもこいつも揃って不景気な面をしてるじゃ
ないかね。」
大「それなんですがね、姐さん。一つ目の坊やは腹を空かして泣いてるし、みんなお茶をひいてどうにも
こうにもならないんでさぁ。何かいい知恵はないもんですかねぇ。」
猫「そうさねぇ、近頃はテーマパークとやらにお客を取られて...それじゃみんなこうするかい?」
古「そうします。」
猫「まだ何も言ってないよ。ただ黙って待っててもジリ貧だからこちらから打って出ようじゃあないか?」大「おい、野郎ども、姐さんのおっしゃることを聞いたか。それじゃあみんな鉢巻をして、得物は得意な
ものをてんでにもって...俺りゃ金棒にするか。」
猫「馬鹿だねぇ。だれが殴り込みをかけると言ったよ。人の話をよくお聞き。」
大「へぇ。」
猫「みんなで揃って大阪はUSJの前に小屋掛けして、化けもの屋敷を開いて客を呼び込むんだよ。」
(パチパチパチ)
大「そんなんでうまく行きますかねぇ?」
古「満員で入れずあぶれた客がこっちに来るかもしれねぇな。」
猫「情けないことを言うんじゃないよ。皆で頑張ればどうにかなるさね。」

ということになりまして、USJの近くを探すとちょうど適当な空き地があったんでそこに勝手に小屋掛
けしまして、文句を言いにくる奴はろくろっ首が顔をペロリと舐めて追い返す、なんぞと大変な騒ぎで
して。
さていよいよグランオープンとなりましたが、物珍しいのか若い娘さんたちが外に鈴なりの勢いで列を
作るといった具合で...
大「姐さん、当たりましたねぇ! これからは俺いら達の天下だ!」
猫「そうは問屋がおろしそうもないよ。」
古「どうしてです?」
猫「だって外の娘達をご覧よ。真っ黒けなのとか、のっぺら坊に眉毛を描いた奴とか、あたし達よりよっ
ぽどすごい化け物揃いだ。これじゃあ商売にはならない。」(ドンドン)


671 :重要無名文化財:02/04/13 23:18
よっ、決まったねぇ。頼れるのはやはり筍さんだ。

672 :柳ヤコ:02/04/14 22:09
 『疑惑の笑点』  (USJ・田楽・ピンハネ)

こん平「さ〜仕事だ、仕事だ!はりきっていこう!!」
楽太郎「あいかわらずうるせぇなぁ」
小遊三「まぁまぁ、いいじゃないですか、そういうキャラなんだから」
歌 丸「でもねぇ、近ごろ円楽さんの様子がおかしいと思わないか?」
好 楽「そうかな?ただ年とっただけじゃないの?」
木久蔵「ダハハハー」
楽太郎「・・・木久ちゃんはしょうがねぇなぁ」

円 楽「さぁ笑点、大喜利のコーナーです。まずは第二問」
一 同「いきなり第二問かよ!」「おいおい!」「なんだよそれ!」
円 楽「うるさい、いいの。第二問はやりくり川柳です。最近は大阪でUSJが
    人気です。そこでU・S・Jを頭に付けて川柳を作ってください」
   (パチパチパチ)
歌 丸「問題はいつもとあまり変わらないな」
円 楽「はい、小遊三さん」
小遊三「上着から スッと抜き取る 十万円」
円 楽「泥棒だよそれじゃ。山田くん、座布団1枚取りなさい」
小遊三「ありゃ、最初から取られちゃった」
円 楽「はい、こん平さん」
こん平「うまい米 主食の国が じゃパンかな」
円 楽「くだらないね。座布団1枚取っちゃって」
こん平「なんだよ!」
円 楽「はい木久蔵さん」
木久蔵「ユーフォーが 空の上から、えーと、・・・ジャジャジャジャーン!」
円 楽「何やってんだか。山田くん、1枚取りなさい」
木久蔵「あーもう」


673 :柳ヤコ:02/04/14 22:10
円 楽「はい歌丸さん」
歌 丸「馬小屋で しみじみ思う 自分の身」
円 楽「誰のことだよ。1枚持ってけ」
歌 丸「おやおや」
円 楽「はい、楽太郎さん」
楽太郎「うしろから そっと引っぱる じじいの毛」
歌 丸「よせよ、おい」
円 楽「ひどいね。山田くん、全部持ってって」
楽太郎「全部かよ〜」
円 楽「それでは、笑点このへんでおひらき。また来週をお楽しみに」
一 同「えっ、もう終わりかよ!」「おいおい!」「なんだよそれ!」

好 楽「皆さん皆さん、ちょっと集まってくださいよ」
歌 丸「どうした」
好 楽「ね、円楽師匠なんか変でしょ?結局座布団を1枚もくれなかったでしょ」
こん平「それなんだよ。何があったんだろ?」
好 楽「実はね、きょうは特別にスポンサーから祝儀が出てたでしょ?」
小遊三「あぁ、もらったもらった。円楽師匠が1万円ずつ配ってたな」
好 楽「あれね、本当は1万円じゃなくて一人10万円で、座布団の数に応じて
    1万円ずつくれることになってたらしいんですよ」
楽太郎「何それ?聞いてないよ」
好 楽「えぇ、だから誰にも座布団あげないで、みんなに1万円ずつ渡しといて、
    残りは自分がピンハネしちゃったらしいですよ」(パチパチパチ)
木久蔵「なんだよ!それはひどい!」
楽太郎「・・・木久ちゃんは金もうけのことになるとハッキリするなぁ」
歌 丸「とりあえず円楽さんの所に掛け合いに行きましょう」


674 :柳ヤコ:02/04/14 22:10
歌 丸「円楽さん、スポンサーからの祝儀をピンハネしたってぇじゃないですか。
    本当ですか」
円 楽「えっ、いや、そんなことはしていない」
楽太郎「あっ!その祝儀袋は何ですか!「楽太郎さん江」「こん平さん江」って、
    メンバーの名前が書いてある!」
円 楽「しまった!・・・うぅむ、ばれてしまったことは仕方がない、責任は
    取らせてもらう」
こん平「どうするんです?祝儀を返すだけじゃすみませんよ」
円 楽「うん、三遊亭円楽の名跡を返上する」
好 楽「ええっ!それで師匠、名前はどうするんですか」
円 楽「実はもう考えてあるんだ」
小遊三「用意周到だなぁ。さては計画的な犯行だな。で、なんてェ名前です?」
円 楽「三遊亭田楽だ」(パチパチパチ)
小遊三「で、田楽ぅ?? 道理で、ミソをつけやがった」
 
   ドンドン


675 :重要無名文化財:02/04/14 22:25
面白い!落語はそんなに知らないけど御馴染みの人たちが
出てきてよく分かった。

676 :重要無名文化財:02/04/14 22:45
>>675 禿童。面白かった!目に見えるようですね。

677 :重要無名文化財:02/04/14 22:55
きくぞうのジャジャジャジャーンいかにもありげw

678 :湖亭半弗:02/04/15 03:27
今回は皆さん忙しい中での力作ですねえ。
ヤコさんも筍さんも勇助さんも凄い。
それでは久しぶりに歴史もので。
「田楽」「USJ」「ピンはね」
ですね。

えぇ、今や大河ドラマもトレンディてなことを言いまして、若者うけを狙ぅておる
ねやそうですが。森内閣のごり押しやとかボロクソに言われながら、それでも前田
利家ちゅう人はやはり凄い人やったんやそうですな、あれも。
加賀百万石ちゅうて、大河ではまだ金沢の「か」の字も出てきてないんですけんども、
やはり与えられるだけの働きがあったんですなぁ。親友の秀吉が偉い、それの仕えてた
信長が偉い、何やかやで大大名になったんでしょうけど、もし、信長が桶狭間で
義元にやられてたとしたら、また大分変わってたかもしれまへんな。
歴史の世界でも、お笑いの世界でも「ヨシモト」ちゅうのは強いもんで、
二万五千の大軍を率いて上洛してきた。まぁ信長てなもんは箸にも棒にも掛からん
やろぐらいに思てたんですやろな。物見遊山みたいなもんで、
義元「信長?知らん?誰や?」
てなもんやったそうで。
信長はちゅうと、内心焦ってた。味方の軍は三千、向こうは二万五千。
野球を9人と1人で戦うようなもんですさかいね。いくらなんでも焦ったと思いますわ。


679 :湖亭半弗:02/04/15 03:27
丹羽長秀「御館様、いかがなさいます!」
柴田勝家「ここは合戦あるのみにござりますれば!」
林秀貞「いやいや、篭城が肝要にござる!」
織田信長「やかまっしゃい、たわけめ!評定はこれまでじゃ!適当に休め!」
てんやわんやもてんやわんやですさかいに、信長もキレとりまして評定を
終わらせます。
信長「さて・・・、どないしょうかしら・・・。こらまぁ奇襲しかないことぐらいは
わしかて分かってるねやが・・・。」
濃「信長様。何をブツクサ申されます?」
信長「おう、濃か。いや、どないしょうかしら、と思て。」
濃「上方弁でしゃべるか、普通に戻すか?」
信長「何を言うとる、そんなんどないでもえぇねんや。ともかく今川がそこまで
来てるねや。」
濃「昨日は策があると申されたではござりませぬか。」
信長「あぁ・・・、あらウソや。」
濃「ウソ!?今更ウソでは皆が困るではございませんか。」
信長「そら、何とか頑張るけど。」
濃「何とかと申しますと?」
信長「奇襲よ。」
濃「本陣をでございますか?で、義元は今いずこに?」
信長「それが分からん。」
濃「分からん!・・・父斉藤道三より譲られし懐刀、抜かねばなりませぬな。」
信長「ちょ、ちょ、待たんかいな!おっとろしい女子やで。最後まで聞かんかいな。
今、間者に調べさせてるさかいに、分からんちゅうてるねや。もうすぐ戻って
くるはずや。」


680 :湖亭半弗:02/04/15 03:28
藤吉郎「御館様!サルめにございます!」
信長「おう、サル!どないした?」
藤吉郎「梁田政綱殿が戻られましてございまする。」
信長「おぅ、待ってたんや!はよ来いちゅうとけ。」
藤吉郎「はい、向こうも今行くちゅうとけ、と。」
信長「えらい言い草や・・・、おう、政綱!」
政綱「御館様!好機にございまする!」
信長「ほう、ちゅうと?」
政綱「今川治部太夫義元の本陣は、田楽狭間にて休息中にございます。」(パチパチパチ)
信長「おぉ!何と!でかした、政綱!あんな狭いところで休憩やなんてアホとちゃうやろか。」
俗に「桶狭間の戦い」と言われとぉりますが、ほんまは田楽狭間ちゅうところに
義元はいてたんやそうですが、何しろ狭い狭間ですさかいに、あんな大軍が
ずーっと蛇みたいに延々と、こぉ一直線に長ぉなっておるんですな。
そうなってると大軍は意味を成さん。伝言ゲームみたいなもんで、遠くに
味方がおっても助けに行けんので五分五分やちゅうんですな。
信長「サル!皆に出陣やと伝えよ!」
政綱「御館様、サルでしたらもう勝手に「出陣や」と叫びながら、皆の下へ。」
信長「かぁー、抜け目ない奴っちゃなぁ。おぅ、濃、湯づけを持て。」
濃「は?」
信長「湯・づ・け!」
濃「USJ?」(パチパチパチ)
信長「どんな耳をしとんねや、お前。出陣前の腹ごしらえや、はよ持って来い!」


681 :湖亭半弗:02/04/15 03:28
湯づけを持ってこさせまして、サクサクとそれをたいらげます。
そないたいそうなもんやない、ご飯に湯ぅかけただけでっさかいね。
いっぺん家戻ったらやってみなはれ、味気ないもんでっせ、そら。
まぁ出陣前でっさかいに、そんなんでちょうど良かったんでっしゃろが。
信長「濃、敦盛を舞うさかい、お前、鼓せぇ。」
濃「は?出陣前にございますが。」
信長「死ぬかもしれんさかいに舞うねやないか、準備せぇ!」
そら出陣前に舞を舞う言われたら誰かてあわてますわな。
ドタバタで支度を整えて幸若舞いの「敦盛」の舞を舞います。
「人間五十年」の台詞で有名ですけんども、信長この時「敦盛」を
忙しい最中に三べん舞ったちゅうんでっさかいに、よっぽど思い入れが
あったんでっしゃろな。阪神ファンでも六甲おろし三回歌ぉたらしんどなり
ますけんど、人生賭けてやってますので、よぉ舞ったんやと思います。
さぁ、やる事全てやり尽くしたら、信長。あれだけやっても一番で出陣を
いたします。いきなり大将が勝手に出陣するもんで皆慌てて後を追いますが、
途中、雨男でもおったんでっしゃろな。もう雨がじゃんじゃんぶり。
陣笠ちゅう笠をかぶっておりますので、多少は雨がしのげるもんの
雨にぬれて寒い寒い。陣笠ちゅうのは兜の代わりですけども、あら陣中では
鍋にもなるんですな。せやさかい丈夫やけども重い。鉄の塊さして歩いてる
ようなもんで。なかなか信長に追いつけん。
信長、一旦熱田神宮に立ち寄りまして、必勝祈願を致します。そのころになりますというと、
大分味方が追いついてきた。


682 :湖亭半弗:02/04/15 03:28
信長「えぇか、皆のもの!今から永楽銭を何枚か投げるさかいな。
「総てが表だったら我が軍の勝ち」じゃ。神のご加護を祈れ!」
パァっと永楽銭を投げると、パラパラちゅうて地面に落ちる。
信長「サル、確かめてみぃ。」
藤吉郎「御館様。土砂降りで地面に埋まって見えません。おそらく全部表やと思います。」
信長「おそらく、て何やねん。そんな曖昧なんでは困るがな。」
藤吉郎「とにかく、永楽銭お返しいたします。」
信長「ん?一枚足らんぞ。サル、返せ。ピンはねは許さぬ。」(パチパチパチ)
藤吉郎「あぁ、これはしたり。背中にうっかり入り込んでおりました。」
信長「そんなところにうっかり入らぬ。欲深め。」
丹羽「御館様、あれをごらん下さいませ。白鷺にござる。社殿を越えて・・・、
ほれ、わが軍の旗の先を飛んでいきまする。」
信長「おぉ!これこそ験がえぇわい。」
藤吉郎「あのぉ、糞落としていきよりましたけど。」
信長「また、こいつ!いらぬことを。ウンが付いたと思え。」
藤吉郎「はぁ、運の尽き。」
信長「持って回ってなんちゅう言い草や!」
柴田「御館様、なにやら社殿の奥から「鎧の草摺」の音が聞こえまする。」
信長「おぉ、熱田社の御加護、吉兆じゃ。・・・サル、何か申すなよ。」
藤吉郎「はっ、縁起のえぇこって。」
さぁ、信長軍は奮い立ちます。さぁ、信長軍は田楽狭間裏の「太子が根」ちゅう
小ぃさな丘に陣を張ります。


683 :湖亭半弗:02/04/15 03:29
嵐が止むのを待っておりますというと、
義元らが勝ったつもりなんでっしゃろな、地元の民百姓からの貢物なんかを
並べまして、酒盛りをやっとぉる。
義元「皆のもの、雨も上がった。酒も肴も馳走も揃うておる。織田ごとき小大名
には勝ったも同然、前祝に大いに騒げ!」
家臣「ははは、愉快にござる、前祝にござる。」
家臣「はぁ、テケツクテケツクスッテンテケツク。」
家臣「どうや、皆、これだけワァと騒いでるねや。皆で、「ん回し」でもしよか?
「ん」が付くごとに田楽食わすちゅうて、田楽狭間だけに。」
家臣「噺が変わってまうがな、やめとけやめとけ。」

信長「好機じゃ!皆のもの、突撃じゃあ!」
さぁ、呆けてるところに信長の奇襲が始まったもんですさかいに、一同はもう
滅茶苦茶でございます。
家臣「ん?わしの兜これ?」
家臣「何を言うておる。それは杯じゃ!」
家臣「これ!物干し竿で戦ってはならぬ。」


684 :湖亭半弗:02/04/15 03:29
服部小平太「今川義元、お命頂戴!」
義元「うぬぬ、アイタタタ。本気でやるなよ。」
服部「何を言うておるか、ほれ毛利、首をとらぬか。」
毛利新介「何を言う、一番槍のそなたがとらぬか。」
服部「わしは一番槍の巧妙にて十分じゃ。はよぉ。」
毛利「いや、やはりお主が。」
服部「おぬしに譲るちゅうに。」
毛利「頑固な奴じゃな。」
義元「人の首で争うな、おぬしら!聴いてるわしはどうなる?」
服部「ほな、あんた、どっちにあげたい?」
義元「どっちも嫌じゃ!」
毛利「えぇい、面倒じゃ!」
毛利新介が首級をあげますというと、今川軍は総崩れとなりまして、
散り散りになって逃げ失せてしまいます。
信長「皆のもの、よぅやった!勝どきをあげよ!」
そこへ、1人の若武者が首を抱えてやって参ります。その男の名は
何を隠そう前田利家と申します。同朋衆の十阿弥を切って信長にとがめられて
出奔しておりましたが、この戦で功を上げ帰参願いに参ったちゅうわけで。
利家「御館様、この功をお認め下さいませ!」
信長「犬か・・・、首をいくつかあげたか。」
利家「ははっ。」


685 :湖亭半弗:02/04/15 03:30
信長「えぇか、皆のもの。今回の一番手柄は梁田政綱じゃ。これからは
一番槍やとか首をいくつあげたとかでは判断せんぞ。その戦の勝ち負けに
一番貢献した奴が一番手柄じゃ。そう心得ぃ!」
一同「ははっ!」
信長「出直しやな、利家。また頑張れ。」
利家「そ、それはいくら何でも・・・お、御館様!!」
利家の言うことも聞かんと信長、さっさと行ってしまいよった。
藤吉郎「犬千代よ、そうふてくされんなて。」
利家「サルよ、わしゃ御館に嫌われた。」
藤吉郎「すねるなちゅうとんねん。また斉藤との戦や何かで手柄立てりゃ
えぇがな。」
利家「いや、もうわしゃ怒った!わしゃ、一人立ちする!仕官口を探す!」
藤吉郎「イノシシやなぁ、犬のくせに。」
利家「お前はサルのように知恵が回るが、わしは槍働きしかない。首あげて
手柄にならなんだら、わしゃ用なしじゃ。ピンで流浪するから、まつをよろしく。」
藤吉郎「やめとけ、ピンで生きるんはやめとけ。」
利家「とめるな、サル。」
藤吉郎「ピン(一)はあかん、禄(六)にありつけん。」

ドンドン


686 :重要無名文化財:02/04/15 16:28
これも凄い!大河見てるからスルスル読めたよ。
関西弁の信長、愛嬌あって面白い!

687 :重要無名文化財:02/04/15 21:11
史実では『ピン』で行動しても斎藤方の「足立『六』兵衛」を討ち取るから
それにもかかっているな、このサゲは。

688 :重要無名文化財:02/04/15 21:32
>>687
なるほど!秀吉は信長の元で出世を願っていたから「禄にありつけない」
事を心配したが、利家は自力で「六兵衛」を倒して「禄」を手に入れたのか。
足立六兵衛までやってサゲても良かったね。それだと桶狭間から離れすぎるか・・・。

689 :重要無名文化財:02/04/15 23:45
USJの使い方が強引すぎて笑った。わはは

690 :重要無名文化財:02/04/16 16:42
実際、雨は止んでたっていうな、今川の本陣攻める時。


691 :重要無名文化財:02/04/16 23:53
『湯漬け』(U・U・E)
『USJ(ゆー・えす・じぇー)』(U・EU・IE)
音便は似てる。

692 :重要無名文化財:02/04/17 23:44
ウーン皆さんすごいね。

693 :湖亭半弗 :02/04/18 02:40
何か私の作品で盛り上がっていただきまして。
問題作だったんでしょうか。
足立六兵衛は大河ドラマで知りましたが、そこまで深く考えてないですよ。
まぁ、暫定題名が「桶狭間」だったので、戦明けでサゲたかったのは確かですが。

里の筍さんの作品は私の「もののけ川」の雰囲気に似てますが、さらに改良された
感じですごいと思いましたね。私の作品は下手に環境問題を知りもしないのに
入れたのでトロくさいですが、筍さんの作品の方が現代の噺らしくて軽く楽しめて
完成度が高いです。御見それしました。


694 :重要無名文化財:02/04/18 14:11
あげあげ

695 :重要無名文化財:02/04/18 22:51
あげあげあげ

696 :主催者:02/04/19 02:31
たくさんの作品が集まりましたね。
すいませんが、感想を一言づつになります、何ぶん忙しさから抜けられない
生活でして。

筍さんの>>669-670「化けもの屋敷」はテーマパークに負けじと燃える化け物
たちがコミカルなのが印象的でした。便乗商売なのも笑いを誘いますね。

ヤコさんの>>672-674「疑惑の笑点」は一連の政治家不祥事からのネーミングとお見受けしましたが
着眼点が凄く良くて、とても分かりやすい噺でした。こういう作品は間口が広くて
読者の方もお喜びでしょう。

半弗さんの>>678-685「桶狭間」は時間がないと仰っていましたが、きちんと
歴史考証のされた大作です。上方弁で少し頼りない信長、熱田神宮での秀吉との掛け合い、
そして大河ドラマも取り入れての好作品です。

それでは、第十七回へと参りましょう。
お題取りをただいまより行います。
例によって一レスにつき一単語でお願いします。
明日の夜半くらいまで募集いたしますので、よろしくお願いします。

697 :重要無名文化財:02/04/19 02:46
根津神社

698 :重要無芸文化財:02/04/19 04:40
 忙しくてサボってますが。

 ところで、お題取りは、新スレッドを作ってやった方がいいんじゃないでしょうか?
 容量一杯で、表示できないおそれや、ちょっと書き込み間隔が開くと、dat落ちの可能性もありますので。


699 :重要無名文化財:02/04/19 18:36
あげ

700 :重要無名文化財:02/04/19 18:38
きりがいいからここで終了にしましょうよ。新スレ立てときます。

701 :露夢之介:02/04/19 23:14
新スレ↓↓↓
http://ton.2ch.net/test/read.cgi/rakugo/1019209481/l50

どんどん
おな〜〜〜〜〜〜〜〜か〜〜〜〜〜〜い〜〜〜〜り〜〜〜〜〜〜〜〜〜

702 :重要無名文化財:02/05/10 23:46
面白い!!!!!

703 :重要無名文化財:02/05/19 23:27
お〜

704 :重要無名文化財:02/07/23 21:21
こちらも残しておきたいAge


705 :無名:02/08/27 00:42
名作あげ!

706 :重要無名文化財:02/10/23 03:41
1周年age


707 :重要無名文化財:02/12/07 23:06
残存

708 :重要無名文化財:02/12/29 12:42
age

709 :山崎渉:03/01/08 20:04
(^^)

710 :山崎渉:03/01/18 12:12
(^^)

711 :重要無名文化財:03/01/23 22:32
まだあった

712 :重要無名文化財:03/02/03 23:23
保全age
久しぶりに読んでみたけどやっぱり面白いね

713 :重要無名文化財:03/03/08 16:39
>701
新スレないよ(悲

714 :重要無名文化財:03/03/08 17:56
http://hobby2.2ch.net/test/read.cgi/rakugo/1019209481/l50
みてみれ 親切な俺 (うっとり

715 :山崎渉:03/03/13 13:49
(^^)

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>>613-615「屏風のピン」
湖亭半弗さん    >>618-619「無理矢理オークション」
里の筍さん     >>621-622「金太郎」
匿名さん      >>625「小咄・賢者は朝寝をしないから(仮)」

以上です。お気に入りの作品に感想をお書きください。
ある程度間をおいて第十六回に入っていきます。
作家の皆さん、感想よろしくお願いします。
また、今回のように特別企画や、作者の方の新たな趣向(前・後編など)
ありましたら、感想日の際に書いていただけたら幸いです。 9,773,606,862,271,775,609,427,829,913,355
>>265,323,666,526,763,38,212,748,626,571,807,548,79,53,669,555,1000,915,123,188,687,729,50,958,504
>>384,333,571,738,655,836,61,321,361,823,358,573,571,984,143,377,532,222,430,201,776,429,115,899
>>802,628,667,759,131,325,143,464,896,881,119,731,941,439,92,764,797,664,334,781,807,711,313,28,140
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